chvg コマンド
目的
ボリューム・グループの特性を設定します。
構文
chvg [ -s Sync { y | n }] [ -h Hotspare {y | Y | n | r }] [ -a AutoOn { y | n } ] [ -c | -l ] [ -L LTGSize ] [ -Q { y | n } ][ -X { none | SSD }] [ -u ] [ -r { y | n } ] [ -x { y | n } ] [ -S | -R] [ -t [factor ] ] [ -B | -G] [ -P ] [ -v ][ -C ] [ -f ] [-g] [ -b { y | n } ] [ -I ] [ -O { y | n }] [ -M { y | n| s }] [ -N o|n ] [ -j { y | n }] VolumeGroup
説明
chvg コマンドは、ボリューム・グループの特性を 変更します。
このコマンドは、System Management Interface Tool (SMIT) smit chvg 高速パスを使用しても実行できます。
フラグ
- スナップショット・ボリューム・グループを持つボリューム・グループで使用できるのは、-a、-R、 -S、-u、および -h オプションのみです。
- スナップショット・ボリューム・グループで使用できるのは、-a、-R、-S、および -u オプションのみです。
- VG の Big VG フォーマット (-B フラグ) または Scalable VG フォーマット (-G フラグ) への変更は、他の変更操作と組み合わせることはできません。
- 正しくないブロック再配置ポリシーは、4 KB ブロックの物理ボリュームで作成されたボリューム・グループではサポートされません。
項目 | 説明 |
---|---|
-a AutoOn | システム始動中に、ボリューム・グループが自動的に活動化されるかどうかを決定します。AutoOn 変数は次のいずれかになります。
|
-b | ボリューム・グループの不良ブロックの再配置ポリシーを設定します。デフォルトの値は yes です。
|
-B | ボリューム・グループを Big VG フォーマットに変更します。
これには、
最大 128 個の物理ボリュームと 512 個の論理ボリュームを収めることができます。 注:
|
-c | -C フラグと同じです。 AIX 5.2 以降では、拡張コンカレント機能付きボリューム・グループのみが作成されます。 |
-C | ボリューム・グループを拡張コンカレント機能付きボリューム・グループに変更します。
非並行モードでオンに構成変更されたボリューム・グループを、
拡張コンカレント機能付きボリューム・グループに変更します。
このためには、拡張並行モードでの活動化に先立って、ボリューム・グループを他のすべてのノードに
再インポートすることが必要です。並行モードでオンに構成変更されたボリューム・グループを拡張並行モードのボリューム・グループに変更します。
PowerHA® SystemMirror® ES では -C フラグだけを使用します。このフラグは、HACMP ES 製品を使用していないボリューム・グループとシステムには影響を与えません。
拡張コンカレント機能付きボリューム・グループは、グループ・サービスを使用します。 グループ・サービスは、PowerHA SystemMirror ES と共に出荷されていますが、 このモードでボリューム・グループを活動化する前に構成されていなければなりません。 このフラグを使用して、ボリューム・グループを変更して拡張コンカレント機能付きボリューム・グループに入れます。
注:
|
-f | 指定された物理ボリュームが、デバイス構成データベース内の他のボリューム・グループの一部か、アクティブなボリューム・グループの一部でない場合は、物理ボリューム上にボリューム・グループを強制的に作成します。 |
-g | ボリューム・グループ内のすべてのディスクを検査して、そのサイズが大きくなっていることを確認します。
サイズが大きくなったディスクがあれば、PV にさらに PP の追加を試みます。
必要な場合は、適正な 1016 の乗数および big vg への変換を
決定します。 注: ユーザーは、LVM のボリューム・グループ上で varyoffvg を実行し、
次に varyonvg を実行して、
ディスクのサイズが変更されているかどうか調べる必要があるかもしれません。
|
-G | ボリューム・グループを Scalable VG フォーマットに変更します。こうすれば、最大
で 1024 個の物理ボリュームと 4096 個の論理ボリュームを収容できます。 注:
|
-h Hotspare | VolumeGroup パラメーターで指定されたボリューム・グループのスペアリング特性を設定します。失敗したディスクの自動マイグレーションを許可する (y) か、
禁止します (n)。
このフラグは、ミラーリングされていない論理ボリュームには何ら影響しません。
注: このフラグは、
コンカレント機能付きボリューム・グループに対してはサポートされません。
|
-I | AIX 5.1 および AIX 5.2 にインポートできるように、ボリューム・グループを 変更します。LTGSize は、ボリューム・グループが AIX 5.3 より前に作成された場合と同じように動作します。この操作は、ストリップ・サイズ (ストリップ・サイズにアレイ内のディスクの数を乗算した値はストライプ・サイズ) が AIX 5.1 または AIX 5.2 でサポートされているストリップ・サイズより大きいストライプ済み論理ボリュームがボリューム・グループに含まれている場合、失敗する可能性があります。 AIX 5.1 または AIX 5.2 でサポートされているストリップ・サイズより大きいストリップ・サイズで論理ボリュームが後で作成された場合、 そのボリューム・グループを AIX 5.1 または AIX 5.2 に戻すためにインポートしようとしても、この操作はサポートされていません。 |
-j y | n | 拡張ジャーナル・ファイル・システム (JFS2) がマウントされている場合、論理ボリューム・マネージャー (LVM) の再同期操作により、JFS2 によって割り振られたブロックのみが再同期されます。
このフラグに指定できる値は次のとおりです。
|
-l | ボリューム・グループをコンカレント機能なしボリューム・グループに変更します。 このコマンドが有効になるには、ボリューム・グループを非並行モードでオンに構成変更する必要があります。 |
-L | AIX 5.3 で作成されたボリューム・グループの場合、-L フラグは無視されます。ボリューム・グループがオンに変更されると、論理トラック・グループ・サイズは、ディスクの
共通最大転送サイズに設定されます。
AIX 5.3 より前に作成されたボリューム・グループの場合、
-L フラグはボリューム・グループの論理トラック・グループ・サイズ (キロバイト数) を変更します。LTGSize パラメーターの値は、 |
-M | ボリューム・グループのミラー・プール厳密性を変更します。
|
-N o|n |
注:
|
-O y | n | ボリューム・グループの無限再試行オプションを変更します。
注: 無限再試行オプションは GLVM 環境ではサポートされません。
|
-P PhysicalPartitions | ボリューム・グループに収容できる物理区画数を 増やします。ここで、PhysicalPartitions 変数は 1024 区画の単位で表されます。有効値は 64、128、256、512、768、1024、およ び 2048 です。値は、現行値より大きい値にする必要があり、そうでない 場合は、アクションはまったく起こされません。このオプションが有効なのは、ボリューム・グループ がスケーラブル・タイプである場合のみです。 |
-Q | 物理ボリュームのクォーラムを失った後にボリューム・グループが自動的にオフに変更されるかどうかを決定します。デフォルトの値は yes です。この変更は直ちに有効になります。
|
-X none | SSD | VG の PV タイプ制限を設定または変更します。PV 制限をオンにすると、PV タイプ制限をサポートしない AIX のバージョンにはその VG をインポートできなくなります。PV 制限付きの VG で -I フラグを使用することは禁止されています。
|
-r y | n | ボリューム・グループのクリティカル・ボリューム・グループ (VG) オプションを変更します。
|
-R | ボリューム・グループの通常の入出力操作を再開します。 |
-s Sync | VolumeGroup パラメーターで指定されたボリューム・グループの同期特性を設定します。不整合区画の自動同期を許可する (y) か、
(n) 禁止します。
このフラグは、ミラーリングされていない論理ボリュームには何ら影響しません。
自動同期は、LVM デバイス・ドライバーが LVM_SA_STALEPP を errpt 内にログした後にのみ試行されるリカバリー・メカニズムです。
他のパス (例えば、mklvcopy) によって不整合になった区画は、自動的には再同期されません。
注: このフラグは、
コンカレント機能付きボリューム・グループに対してはサポートされません。
|
-S | このボリューム・グループに対する入出力をドレーンし、将来の入出力を中断します。 |
-t [factor] | factor で指定した、物理ボリューム当たりの物理区画の数の制限値を変更します。
factor は、32 ディスク・ボリューム・グループについては、1 から 16 に、
128 ディスク・ボリューム・グループについては、1 から 64 にしてください。
factor が指定されなかった場合、ボリューム・グループの最大のディスクの物理区画の数が factor x 1016 よりも小さくなるように、factor は最小値に設定されます。 factor が指定された場合、このボリューム・グループの物理ボリューム当たりの物理区画の最大数は、factor x 1016 に変更されます。 注:
|
-u | ボリューム・グループをアンロックします。このオプションは、別の LVM 処理 (コマンド・コアのダンプやシステム・キャッシュなど) が異常終了したために、ボリューム・グループがロック状態のままになっている場合に指定します。
注: -u フラグを使う前に、別の LVM コマンドがそのボリューム・グループを使用していないことを確認してください。
|
-v LogicalVolumes | 作成できる論理ボリューム数を 増やします。有効値は 512、1024、2048、および 4096 です。値は、現行値より大きい値にする必要があり、そうでない 場合は、アクションはまったく起こされません。このオプションが有効なのは、ボリューム・グループ がスケーラブル・タイプである場合のみです。 |
-x | コンカレント機能付きボリューム・グループがオンに構成変更されるモードを変更します。
このコマンドが有効になるには、ボリューム・グループを非並行モードでオンに構成変更する必要があります。
注: 拡張コンカレント機能付きボリューム・グループには自動オン・サポートはありません。
AIX 5.2 以降では、拡張コンカレント機能付きボリューム・グループのみが作成されます。
注: ボリューム・グループがコンカレント機能付きで作成されていない場合には、このコマンドは、そのボリューム・グループに対しては無効です。
この自動オン変更がボリューム・グループと並行であるようにするためには、以下の行を /etc/inittab ファイルに入れる必要があります。
重要: このエントリーは、srcmstr を開始するのに使用されるエントリーの後ろに追加する必要があります。
|
例
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/usr/sbin | chvg コマンドが常駐するディレクトリー。 |