refsensor コマンド

目的

Resource Monitoring and Control (RMC) サブシステムに定義されているセンサーまたはマイクロセンサーをリフレッシュします。

構文

センサーをリフレッシュするには、次のように実行します。

refsensor [–a | –n host1[,host2…] | –N { node_file | "–" } ] [–h ] [ –v | –V ] sensor_name

マイクロセンサーをリフレッシュするには、次のように実行します。

refsensor –m [–a | –n host1[,host2…] | –N { node_file | "–" } ] [–h ] [ –v | –V ] sensor_name

説明

refsensor コマンドは、RMC サブシステムに対して定義されているセンサー・リソースまたはマイクロセンサー・リソースをリフレッシュします。センサーおよびマイクロセンサーは、モニターが可能な属性を含む RMC リソースです。refsensor が正常に実行されるためには、センサーとマイクロセンサーがモニター中でなければなりません。

refsensor を使用してセンサーをリフレッシュするには、2 種類の方法があります。1 つはセンサー・リソースに対して定義されているセンサー・コマンドを実行する方法、もう 1 つは特定のセンサー属性に対して値を指定する方法です。マイクロセンサーは、refsensor を使用してマイクロセンサーのロード・モジュールの値を照会するとリフレッシュできます。-m フラグを使用してマイクロセンサーをリフレッシュします。

センサー・コマンドの実行またはマイクロセンサーのロード・モジュールの照会について間隔が (mksensor コマンドを使用して) 定義されている場合、refsensor コマンドを実行しても、間隔には影響しません。つまり、モニター対象のセンサーまたはマイクロセンサーが 60 秒ごとに更新されている場合に refsensor を実行しても、インターバル・タイマーが 60 秒にリセットされるわけではありません。

refsensor コマンドは、どのノードでも実行されます。 ドメイン内のすべてのノードで refsensor を実行したい場合は 、-a フラグを使用します。 ドメイン内の一部のノードで refsensor を実行したい場合は、-n フラグを使用します。-n フラグを使用して複数のノード名を指定する代わりに、-N node_file フラグを使用して、ノード名がファイル内にあることを指示することができます。標準入力からノード名を読み取るには、-N "-" を使用します。

システムにクラスター・システム・マネージメント (CSM) がインストールされている場合は、ノード名の値として CSM 定義のノード・グループを使用して、複数のノードを参照できます。 CSM ノード・グループの処理と CSM nodegrp コマンドの使用については、「CSM: Administration Guide」および「CSM: Command and Technical Reference」を参照してください。

refsensor によって特定のセンサー属性を更新するには、1 つ以上の attr=value パラメーターを指定します。 更新されるのは指定された属性だけです。 それ以外のセンサー属性は更新されません。 パラメーターとして指定できるセンサー属性は、次のとおりです。
Float32
このセンサー・リソースに関連した float32 タイプの属性。
Float64
このセンサー・リソースに関連した float64 タイプの属性。
Int32
このセンサー・リソースに関連した int32 タイプの属性。
Int64
このセンサー・リソースに関連した int64 タイプの属性。
Quantum
このセンサー・リソースに関連した quantum タイプの属性。
string
このセンサー・リソースに関連した string タイプの属性。
Uint32
このセンサー・リソースに関連した uint32 タイプの属性。
Uint64
このセンサー・リソースに関連した uint64 タイプの属性。
例えば、センサー名 Sensor1 について、センサー属性 Int32 および Float32 を更新するには、次のように入力します。
refsensor Sensor1 Int32=45 Float32=7.8

マイクロセンサー属性は単独で更新することはできません。

フラグ

–a
ドメイン内のすべてのノード上の、指定された名前と一致するセンサーをリフレッシュします。 クラスターの有効範囲は、CT_MANAGEMENT_SCOPE 環境変数によって決まります。 CT_MANAGEMENT_SCOPE が設定されていない場合、コマンドにとって有効な有効範囲になるまで、最初に管理ドメイン有効範囲 (存在する場合) を選択し、次にピア・ドメイン有効範囲 (存在する場合) を選択し、次にローカル有効範囲を選択します。 コマンドは、最初に見つかった有効な有効範囲に対して、1 回実行されます。 例えば、管理ドメインとピア・ドメインの両方が存在する場合に CT_MANAGEMENT_SCOPE を設定しない refsensor -a を実行すると、それは管理ドメインで実行されます。 この場合、ピア・ドメインで実行するには CT_MANAGEMENT_SCOPE を 2 に設定します。
–m
リフレッシュするリソースがマイクロセンサー・リソースであると指定します。
–n host1[,host2…]
センサーをリフレッシュする 1 つ以上のノードを指定します。デフォルトでは、ローカル・ノード上のセンサーがリフレッシュされます。 このフラグは、管理ドメインまたはピア・ドメインでのみ使用します。
–N { node_file | "–" }
ファイルまたは標準入力からノード名を読み取ることを指定します。
ノード名がファイルにあることを示すには、-N node_file を指定します。
  • node_file では 1 行に 1 つのノード名を指定します。
  • 1 桁目の番号記号 (#) はその行がコメントであることを示します。
  • ノード名の左のブランク文字はすべて無視されます。
  • ノード名の右のブランク文字はすべて無視されます。

標準入力からノード名を読み取るには、管理ドメインまたはピア・ドメインで -N "–" を使用します。

–h
コマンドの使用ステートメント (使用法) を標準出力に書き込みます。
–v | –V
コマンドの詳細メッセージを標準出力に書き込みます。

パラメーター

sensor_name
リフレッシュするセンサーの名前を指定します。
attr=value
リフレッシュするセンサー属性と、その設定値を指定します。

セキュリティー

このコマンドを使用してセンサーをリフレッシュするには、IBM.Sensor リソース・クラスに対する書き込み権限が必要です。

このコマンドを使用してマイクロセンサーをリフレッシュするには、IBM.MicroSensor リソース・クラスに対する書き込み権限が必要です。

権限は、相手のシステムのアクセス制御リスト (ACL) ファイルに指定します。 ACL ファイルおよびその変更方法について詳しくは、「 RSCT: Administration Guide」を参照してください。

終了状況

0
コマンドが正常に実行されました。
1
フラグとパラメーターの間違った組み合わせが入力されました。
4
このセンサーはモニターされていないため、リフレッシュできません。
6
センサー・リソースが見つかりませんでした。
n
RMC サブシステムから戻される可能性のあるその他のエラーに基づくものです。

環境変数

CT_CONTACT
CT_CONTACT 環境変数をホスト名または IP アドレスに設定すると、 コマンドは指定されたホストの RMC (Resource Monitoring and Control) デーモンと連絡します。 この環境変数を設定しないと、コマンドは、 そのコマンドが実行されているローカル・システムの RMC デーモンと連絡します。 コマンドにより表示または変更されるリソースまたはリソース・クラスは、 接続が確立されたシステム上で探されます。
CT_IP_AUTHENT
CT_IP_AUTHENT 環境変数が存在する場合、RMC デーモンは、IP ベース・ネットワーク認証を使用して、CT_CONTACT 環境変数が設定されている IP アドレスで指定されたシステム上の RMC デーモンに連絡します。 CT_IP_AUTHENT は、CT_CONTACT が IP アドレスに設定されている場合にのみ意味を持ちます。ドメイン・ネーム・システム (DNS) サービスには依存しません。
CT_MANAGEMENT_SCOPE
RMC デーモンがリソースおよびリソース・クラスをモニターし、制御するための セッションに使用する管理有効範囲を指定します。 管理有効範囲は、リソースおよびリソース・クラスをモニターし、制御する対象となる、可能なターゲット・ノードのセットを決定します。
有効な値は以下のとおりです。
0
local 有効範囲を指定します。
1
local 有効範囲を指定します。
2
peer domain (ピア・ドメイン) 有効範囲を指定します。
3
management domain (管理ドメイン) 有効範囲を指定します。
この環境変数を設定しないとlocal 有効範囲が使用されます。

実装上の固有な条件

このコマンドは、AIX® では rsct.core ファイルセットの一部であり、Linux、Solaris、および Windows では rsct.core-3.1.0.0-0.platform.rpm パッケージの一部です。ここで platform は、i386ppcppc64s390、または x86_64 です。

  1. センサー Sensor1 をリフレッシュして、それに対して定義されているセンサー・コマンドが実行されるようにするには、次のように入力します。
    refsensor Sensor1
  2. センサー Sensor1 をリフレッシュして、Int3250 に設定し、Float32123.45 に、そして String"test input" に設定するには、次のように入力します。
    refsensor Sensor1 Int32=50 Float32=123.45 String="test input"
  3. /u/joe/common_nodes ファイルにリストされているノード上のセンサー Sensor1 をリフレッシュして、その Sensor1 に対して定義されているセンサー・コマンドが実行されるようにするには、次のように入力します。
    refsensor -N /u/joe/common_nodes Sensor1
    この /u/joe/common_nodes には、以下のものが含まれます。
    # common node file
    #
    node1.myhost.com    main node
    node2.myhost.com    backup node
  4. IBM.Sensor1 と呼ばれるマイクロセンサーをリフレッシュして、定義されているマイクロセンサーのロード・モジュールを使用して属性値が照会されるようにするには、次のように入力します。
    refsensor -m IBM.Sensor1

位置

/opt/rsct/bin/refsensor