hpmstat コマンド
目的
システム全体のハードウェア・パフォーマンス・カウンター情報を提供します。
構文
hpmstat [ -b time_base ] [ -d ] [ -D metrics ] [ -g event_groups ] [ -H ] [ -k ] [ -m metrics_groups ] [ -o file ] [ -r ] [ -s set ] [ -T ] [ -U ] [ -u ] [ -x ] [ -@ ALL | WparName ] interval count
hpmstat [-h]
説明
hpmstat コマンドは、壁時計の実行時刻、ハードウェアのパフォーマン ス・カウンター情報、および導き出されたハードウェア・メトリックを提供します。 このコマンドを使用可能なのは、root 権限を持つユーザーのみです。
hpmstat は、コマンド・ライン・オプションなしで指定すると
、各イベントのデフォルト設定 1 の場合に 1 秒ごとに、ユーザー、カ
ーネル、およびハイパーバイザー (ハイパーバイザー・モードをサポートするプロセッサー
の場合) 活動の 1 秒間のデフォルト 1 の繰り返しをカウントします。
続いて、このコマンドは、ロウ・カウンター値および導出メトリックを標準出力
に書き出します。
デフォルトでは、runlatch は使用不可にされて、それによってアイドル
・サイクル状態での実行時にカウント可能です。
-U オプションを指定時、interval はマイクロ秒単位であり 、反復 count は無限大であり、さらに導出メトリックは計算されず 、標準出力には書き出されません。 カウンター多重方式が指定されている場合は、このオプションは無視されます。
-T オプション指定時は、出力情報の前にタイム・スタンプ (秒とマイクロ秒) が 付けられ、秒数単位ではなくタイム・スタンプとしてタイミング情報が書き込まれ ます。
モニター対象のイベント・タイプおよびそれに関連するハードウェア・パフォーマンス・カウンターを指定するには、-s オプションを設定するか、HPM_EVENT_SET 環境変数でイベント・グループ名またはセット番号を指定します。 あるいは、libHPM_events 入力ファイルの 中にカウンターとイベントのペア (POWER3 / PowerPC 604 RISC マイクロプロセッサー) ま たはイベント・グループ名 (POWER4 およびそれ以降) を 指定します (この指定は HPM_EVENT_SET よりも優先します)。 各セットはカウント・モードで修飾できます。イベントのグループ番号または名前を指定するには、-g オプションを設定するか、または HPM_EVENT_GROUP 環境変数でイベント・グループのコンマ区切りリストを指定します。 同じ方法で、各イベント・グループをカウント・モードで修飾できます。
セット番号の代わりに、コンマで区切られたイベント・セットのリストを指定することができます。その場合は、カウンター多重方式が選択されます。
イベント・セットをすべて選択するには、セット番号の値を 0 に設定します。
有効なイベント・セット番号は、1 から上限値 (プロセッサー・タイプにより異なる) までの範囲です。プロセッサー・タイプは pmlist コマンドを使用してリストすることができます。
派生メトリックのコンマ区切りリストを指定するには、-D オプションを設定します。それぞれの派生メトリックは、カウント・モードで修飾できます。
派生メトリック・グループのリストを指定するには、-m オプションを設定するか、または HPM_PMD_GROUP 環境変数で派生メトリック・グループのコンマ区切りリストを指定します。 これにより、指定されたグループに関連する派生メトリックをすべて選択できます。各メトリック・グループは、カウント・モードで修飾できます。
多重方式でカウントする場合、その結果を使用するには正規化する必要があります。 データの正規化に使用されるデフォルトの基準は、時間基準です。-b オプションを使用すると、データの正規化に PURR 時間または SPURR 時間 (プロセッサーでサポートされている場合) を使用できます。データの正規化のための基準は、HPM_NORMALIZE 環境変数を使用しても定義できます。
グローバル・ワークロード・パーティション (WPAR) から hpmstat コマンドを実行すると、-@ WparName オプションを使用して特定の WPAR をモニターすることができます。 -@ ALL オプションを使用すると、システム内のすべてのアクティブな WPAR をモニターし、WPAR ごとのデータを取得することができます。
結果は -x オプションを使用して XML フォーマットで出力できます。
フラグ
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| -@ ALL | WparName | 活動状況を測定するターゲット WPAR を選択します。ALL 値は、hpmstat コマンドがシステム内のすべてのアクティブな WPAR を測定し、各 WPAR の活動状況を報告することを意味します。このオプションは、グローバル WPAR から hpmstat コマンドを実行した場合のみ使用できます。それ以外の場合は、無視されます。 |
| -b time_base | データの正規化のための基準を選択します。使用可能な基準は次のとおりです。
|
| -d | カウンター多重方式のために詳細なセット・カウントを追加します。 |
| -D metrics | 評価する派生メトリックのリストを選択します。それぞれの派生メトリックは、次のようにカウント・モードで修飾できます。 (使用可能なカウント・モードについては、-m オプションを参照してください。)
|
| -g event_groups | イベントの事前定義グループまたはイベントのグループ名または番号のコンマ区切りリストをリストします。コンマで区切られたグループのリストを使用する場合は、カウンター多重方式が選択されます。
各イベント・グループは、次のようにカウント・モードで修飾できます。 (使用可能なカウント・モードについては、-m オプションを参照してください。)
|
| -H | ハイパーバイザー活動状況のみをカウントします。 |
| -h | ヘルプ・メッセージを表示します。 |
| -k | システム稼働状況のみをカウントします。 |
| -m metrics_groups | 評価する派生メトリック・グループのリストを選択します。デフォルトの派生メトリック・グループは、特定の派生メトリック・グループに属さないすべての派生メトリックを参照します。各メトリック・グループは、次のようにカウント・モードで修飾できます。 使用可能なカウント・モードは次のとおりです。
|
| -o file | 出力ファイル名。 |
| -r | runlatch を使用可能にし、アイドル・サイクル状態で実行時にカウン トを使用不可にします。 |
| -s set | イベントの事前定義セットまたはセットのコンマ区切りリストをリストします (1 から N、すべて選択する場合は 0。
pmlist コマンドを参照してください)。コンマで区切られたセットのリストを使用する場合は、カウンター多重方式が選択されます。
各セットは、次のようにカウント・モードで修飾できます。(使用可能なカウント・モードについては、-m オプションを参照してください。)
|
| -T | 秒数ではなくタイム・スタンプを書き込みます。 |
| -U | カウント時間間隔をマイクロ秒単位で書き込みます。 カウンター多重方式が指定されている場合は、このオプションは無視されます。 |
| -u | ユーザー活動状況のみをカウントします。 |
| -x | 結果を VPA XML フォーマットで表示します。 |
パラメーター
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| interval | デフォルト値 1 を指定して、秒単位またはマイク
ロ秒単位のカウント時間間隔を表示します。
|
| count | カウントする反復数を表示します。デフォルトは、秒単位のインターバルを持った 1
であり、オプション -U 指定時は無限大です。
|
環境変数
以下の環境変数は、hpmstat コマンドの実行に直接影響 します (その他に MP_* 環境変数がありますが、これは並列で実行するプロ グラムの稼働に影響します)。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| HPM_EVENT_SET | イベント・セットの 1 つを選択します。この値には、POWER3 システムでは 1 から 6 までの整数、PowerPC 604 RISC マイクロプロセッサー システムでは 1 から 4 までの整数、POWER4 およびそれ以降のシステムでは 1 からプロセッサー依存の上限値までを指定することができます。POWER4 およびそれ以降のシステムでは、イベント・グループ名を選択するためにも、この環境変数が使用されます。各イベント・セットは、次のようにカウント・モードで修飾できます。-g または -s オプションが、この変数よりも優先されます。HPM_EVENT_GROUP 環境変数が、この変数よりも優先されます。
|
| HPM_EVENT_GROUP | イベント・グループを選択します。イベント・グループのコンマ区切りリストを指定できます。その場合は、カウンター多重方式が選択されます。
各イベント・グループは、次のようにカウント・モードで修飾できます。-g または -s オプションが、この変数よりも優先されます。HPM_EVENT_GROUP 環境変数が、HPM_EVENT_SET 変数よりも優先されます。
|
| HPM_NORMALIZE | データの正規化に使用する基準を示します。-b オプションが、この変数よりも優先されます。 |
| HPM_PMD_GROUP | 派生メトリック・グループのコンマ区切りリストを指定します。各メトリック・グループは、カウント・モードで修飾できます。-m オプションが、この変数よりも優先されます。 |
| HPM_PMD_METRIC | 派生メトリックのコンマ区切りリストを指定します。それぞれの派生メトリックは、カウント・モードで修飾できます。-D オプションが、この変数よりも優先されます。 |
| HPM_DIV_WEIGHT | POWER4 システム上で重みを付けたフリップの計算に使用される重み (1 よりも大きな整数) を提供します。
|
| HPM_MX_DURATION | カウンター多重方式でカウントする場合、このフラグは各タイム・スライスの所要時間を指定します。 この時間はミリ秒で表され、10 ミリ秒から 30 秒の範囲内でなければなりません。このフラグを設定しない場合、タイム・スライスの所要時間に使用されるデフォルト値は 100 ミリ秒です。 |
- HPM_MEM_LATENCY
- HPM_L3_LATENCY
- HPM_L35_LATENCY
- HPM_AVG_L3_LATENCY
- HPM_AVG_L2_LATENCY
- HPM_L2_LATENCY
- HPM_L25_LATENCY
- HPM_L275_LATENCY
- HPM_L1_LATENCY
- HPM_TLB_LATENCY
終了状況
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 0 | 正常終了。 |
| >0 | エラーが発生しました。 |
セキュリティー
RBAC ユーザーおよび Trusted AIX® ユーザーへの注意: このコマンドは特権操作を実行できます。特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権について詳しくは、「セキュリティー」 の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。
例
- 1 秒のインターバルの間に行われるシステム、ユーザー、およびハイパーバイザーの活動情報 (ハードウェア・カウンターのセット 2 のイベントに関係する情報) を書き込むには、次のコマンドを入力します。
hpmstat -s 2 - 5 秒のインターバルの間に行われる
wpar1WPAR に対するグループ 0 のイベントに関するユーザーの活動情報と、グループ 1 のイベントに関するシステムの活動情報を書き込むには、次のコマンドを入力します。hpmstat -@ wpar1 -g 0:u,1:k 5
位置
/usr/bin/perf/pmapi/hpmstat
標準入力
使用されません。
標準出力
パフォーマンス・モニター結果が stdout に書き出されます。ただし、コマンド・ラインに -o file オプションが指定されている場合を除きます。
標準エラー
診断メッセージの場合にのみ使用されます。
ファイル
以下の入力ファイルが、存在すれば、使用されます。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| libHPM_events | ユーザー提供のイベント・セット・ファイル。このファイルが、-s オプションを使用して指定されたコマンド・ラインに優先することはありません。
POWER3/PowerPC 604 RISC マイクロプロセッサー のカウンターとイベントのペアの形式は
counternumber eventname です。
次に例を示します。
POWER4 イベント・グループ名の場合の形式は event_group_name です。例: |
| HPM_flags.env | 導出されたメトリック計算に使用される、環境変数と値のペアを含むファイル。
例: |
以下の出力ファイルが使用されます。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| file | -o オプションを使用して hpmstat 出力結果に指定されたファイル。 |