シン・プロビジョニング・ボリューム
シン・プロビジョニング・ボリュームでは、マップされたホストに提示される容量は、ボリュームがストレージ・プール内で消費している容量とは異なります。
システムは、標準プールとデータ削減プールでシン・プロビジョニング・ボリュームをサポートします。 標準プールでは、シン・プロビジョニング・ボリュームは、容量節約の基準に基づいて、特定のボリューム・タイプとして作成されます。 これらのプロパティーは、ボリューム・レベルで管理されます。 データ削減プールを使用すると、シン・プロビジョニングのすべての利点を、プールに割り当てられたすべてのボリュームで使用できます。 標準プロビジョニング・ボリュームだけは、これらの利点を得ることができません。 データ削減プールは、ホストが使用する容量をモニターすることで、シン・プロビジョニング・ボリュームの容量効率を向上させます。 容量が不要になったことをホストが示すと、容量が解放され、データ削減プールによってレクラメーション処理されて、自動的に再配分することができます。 標準プールには、容量のレクラメーション処理の機能はありません。 データ削減プール内のボリュームに圧縮および重複排除を指定することで、さらに容量を節約できます。
シン・プロビジョニング・ボリュームは、サーバー管理の単純化にも役立ちます。 多少の容量を持ったボリュームをアプリケーションに割り当てて、アプリケーションのニーズの変化に応じてその容量を増やすのではなく、大きな仮想容量を持つボリュームをアプリケーション用に構成できます。 そうすると、アプリケーションまたはサーバーを中断せずに、アプリケーションのニーズの変化に応じて実容量を拡張または縮小することができます。
プロビジョンされた容量 とは、ホストで使用可能なボリュームのストレージ容量です。 実容量 とは、 プールからボリューム・コピーに対して予約されているストレージ容量です。 標準プロビジョニング・ボリュームでは、プロビジョンされた容量と実容量は同じです。 ただし、シン・プロビジョニング・ボリュームでは、プロビジョンされた容量が実容量よりはるかに大きい場合があります。
シン・プロビジョニング・ボリュームのプロビジョンされた容量は、一般的にその実容量よりも相当に大きくなります。 それぞれのシステムは、ボリュームに書き込まれるデータおよびボリュームのシン・プロビジョニング構成を記述するメタデータを保管するために実容量を使用します。 ボリュームに書き込まれる情報が増えると、使用される実容量が増えます。 システムは、仮想容量の書き込まれていない部分に対する読み取り操作を識別して、実容量を使用せずにサーバーにゼロを返します。
システムは、 シン・プロビジョニング・ボリュームの内容を記述する追加のメタデータを維持する必要があります。 結果として、 シン・プロビジョニング・ボリューム から得られる入出力速度は、同じ MDisk 上に割り振られた 標準プロビジョニング・ ボリュームから得られる速度より低くなる可能性があります。
標準プール内に シン・プロビジョニング・ボリューム を構成する場合、警告レベル属性を使用して、使用されている実容量が合計 プロビジョン済み 容量の指定された量またはパーセンテージを超えたときに警告イベントを生成することができます。 また、警告イベントを使用して、 他の処置を起動する (低い優先度のアプリケーションをオフラインにする、データを他のストレージ・プールに移行するなど) ようにできます。 データ削減プール内のシン・プロビジョニング・ボリュームの場合、容量レポートの作成がプール・レベルで処理されるため、警告レベル値を設定することはできません。
標準プール内の シン・プロビジョニング・ボリューム に書き込み操作に十分な実容量がない場合、ボリュームはオフラインになり、エラーがログに記録されます (エラー・コード 1865、イベント ID 060001)。 シン・プロビジョニング・ボリューム へのアクセスは、ボリュームの実容量を増やすか、ボリュームが割り振られているストレージ・プールのサイズを増やすことによって復元されます。
標準プールに シン・プロビジョニング・ボリューム を作成する場合、32 KB、64 KB、128 KB、または 256 KB のチャンクでスペースを割り振るためのグレーン・サイズを選択できます。 選択するグレーン・サイズは、標準プール内の シン・プロビジョニング・ボリューム の最大 プロビジョン済み 容量に影響します。 デフォルトのグレーン・サイズは 256 KB です。 グレーン・サイズに 32 KB を選択した場合、ボリュームは 260,000 GB を超えることはできません。 標準プールで シン・プロビジョニング・ボリューム が作成された後は、グレーン・サイズを変更できません。 一般に、グレーン・サイズが小さいほどスペースが節約されますが、アクセスが必要なメタデータが増え、これがパフォーマンスに望ましくない影響を与える可能性があります。 シン・プロビジョニング・ボリューム を FlashCopy® のソース・ボリュームまたはターゲット・ボリュームとして使用しない場合は、パフォーマンスを最大化するために 256 KB を使用してください。 シン・プロビジョニング・ボリューム を FlashCopy のソース・ボリュームまたはターゲット・ボリュームとして使用する場合は、ボリュームと FlashCopy 機能に同じグレーン・サイズを指定します。 データ削減プール内のシン・プロビジョニング・ボリューム・コピーにグレーン・サイズを設定することはできません。 データ削減プール内のシン・プロビジョニング・ボリューム・コピーでは、デフォルトのグレーン・サイズは 8 KB です。
シン・プロビジョニング・ボリュームを作成する場合は、パフォーマンスを最大化するためにキャッシュ・モードを readwrite に設定します。 キャッシュモードが none に設定されている場合、システムはシン・プロビジョニングされたメタデータをキャッシュできないため、パフォーマンスが低下します。 データ削減プールから作成されたボリュームまたはボリューム・コピーでは、キャッシュ・モードが readwrite でなければなりません。 データ削減プールからシン・プロビジョニング・ボリューム・コピーまたは圧縮ボリューム・コピーを作成しようとして、ボリューム・キャッシュ・モードが readwriteでない場合、操作は失敗します。
自動拡張機能は、 シン・プロビジョニング・ボリューム がその容量を使い尽くしてオフラインになることを防ぎます。 シン・プロビジョニング・ボリューム は容量を使用するため、自動拡張機能は、 予備容量と呼ばれる未使用の実容量の固定量を維持します。 データ削減プール内のシン・プロビジョニング・ボリュームの場合、使用スペースの急増対応を考慮した容量を保持するために、常に自動拡張機能が有効にされています。 標準プール内のシン・プロビジョニング・ボリュームの場合は、自動拡張機能はオプションです。 ただし、この機能を有効にしないと、使用スペースの急増対応を考慮した容量が使用し尽くされることで、ボリュームがオフラインになる可能性があります。 標準プールを使用していて、アプリケーションが自動拡張機能を必要とするかどうかを判別したい場合は、自動拡張機能をオフにしたテスト シン・プロビジョニング・ボリューム を作成することができます。 アプリケーションが原因でボリュームの容量が使い尽くされ、オフラインになった場合は、自動拡張機能をオンにして VDisk を作成できます。
シン・プロビジョニング・ボリュームの変換
シン・プロビジョニング・ボリュームを、標準プロビジョニング・ボリュームに変換できます。
- 単一コピーのシン・プロビジョニング・ボリュームを選択します。
- 標準プロビジョニング・コピーをボリュームに追加します。 標準プロビジョニング・ボリュームが同期化された後に、シン・プロビジョニング・コピーをシステムに自動的に削除させることを選択でき、手動で削除することもできます。
- ボリューム のミラーリング機能が同期化するのを待ちます。
- 標準プロビジョニング・ボリュームからシン・プロビジョニング・コピーを削除します。
標準プロビジョニング・ボリュームの変換
標準プロビジョニング・ボリュームを、シン・プロビジョニング・ボリュームに変換できます。
- 単一コピーの、標準プロビジョニング・ボリュームを選択します。
- このボリュームにシン・プロビジョニング・ボリュームのコピーを追加します。
小さい実容量および自動拡張機能を使用します。 シン・プロビジョニングされたボリュームが同期化された後に、標準プロビジョニング・コピーをシステムに自動的に削除させるよう選択でき、手動で削除することもできます。
- ボリューム のミラーリング機能がコピーを同期化するのを待ちます。
- シン・プロビジョニング・ボリュームから、標準プロビジョニング・ボリュームのコピーを削除します。
すべてゼロが入っている標準プロビジョニング・ボリュームのグレーンがあっても、シン・プロビジョニング・ボリュームのコピーに実容量が割り振られることはありません。 ミラーリングされたコピーを作成する前に、ボリューム上の利用可能容量を、すべてゼロが入っているファイルで埋めることができます。