始動、フォールオーバー、およびフォールバック
PowerHA® SystemMirror® クラスタ内の状況が変化したときに、リソースグループをあるノードから別のノードに移動させることで、クラスタリソースの可用性を確保します。
PowerHA SystemMirror は、クラスタ起動時に特定のノードまたは複数のノードでリソースグループをアクティブにしたり、クラスタの状態が変化した場合に別のノードに移動させたりして、リソースグループを管理します。 これらは、 PowerHA SystemMirror 、特定のリソースグループの管理方法に影響を与えるクラスタライフサイクルのステージです:
- クラスター始動時
- ノードが稼働し、リソース・グループは、選択されたリソース・グループの始動ポリシーに従ってノード間に配布されます。
- ノード障害
- このノードでアクティブなリソース・グループは、他のノードにフォールオーバーされます。
- ノード回復
- ノードはクラスターに再統合され、ユーザーの選択するリソース・グループ・ポリシーに応じてリソース・グループが再度獲得されます。
- リソースの障害および回復
- リソース・グループは、リソースが使用可能になったとき、別のノードにフォールオーバーされ、再取得されます。
- クラスター・シャットダウン
- クラスターをシャットダウンする方法はいろいろあります。それらの方法の 1 つに、リソース・グループを別のノードに移動させる方法があります。
これらの各クラスターステージにおいて、 PowerHA SystemMirror 、リソースグループの動作は以下のように定義される:
- どのノード (複数も可) が、クラスター始動時にリソース・グループをアクティブにするか
- クラスター始動時に、ノードに取得できるリソース・グループの数
- リソースグループを所有していたノードに障害が発生し、 PowerHA SystemMirror 、リソースグループを別のノードに移動する必要がある場合、どのノードがリソースグループを引き継ぐか
- リソース・グループを、クラスターと結合したところのノードにフォールバックするか、それともそれを所有しているノード上にとどまらせるか
選択したリソース・グループ・ポリシーによって、どのクラスター・ノードがリソース・グループを本来制御するか、どのクラスター・ノードが元のノードが制御を放棄したときにリソース・グループの制御を引き継ぐかが決定されます。
これらのポリシーの組み合わせで、1 つまたは複数のノードがリソース・グループを制御する際の制御の度合いをいろいろ指定できます。
要約すると、 PowerHA SystemMirror 、リソースグループの所有権に焦点を当てることで、多くのクラスタ構成が可能になり、アプリケーションの特定のニーズに合わせてクラスタ環境を定義する際に非常に柔軟性が高くなります。 始動、フォールオーバー、およびフォールバック・ポリシーの組み合わせによって、以前のリリースで使用可能なすべての管理ポリシーを、「事前定義した」グループ・タイプの動作を変更するオプションのセットを指定しないで要約することができます。
リソース・グループの動作を定義するとき、リソース・グループがクラスター内で 1 つ以上のノードにより引き継がれることを覚えておいてください。
始動、フォールオーバー、およびフォールバックは、 さまざまなクラスター・ステージでリソース・グループがどのように振る舞うかを表す特定の動作です。 フォールオーバーとフォールバックとの違いに注意してください。 これらの語は、さまざまなリソース・グループ・ポリシーの説明において頻繁に目にすることになります。
始動
始動とは、リソース・グループが現在置かれているノード (単一または複数) 上、 あるいはリソース・グループのホーム・ノード上で、 そのリソース・グループを活動化することです。 リソース・グループの始動は、クラスターの始動時またはノード上のグループの初期取得時に起こります。
フォールオーバー
フォールオーバーとは、現在のノードに障害が発生した後に、 現在リソース・グループを所有するノードから 別のアクティブ・ノードにリソース・グループを移動することです。 新しい所有者は再統合ノードでも結合ノードでもありません。
フォールオーバーは、 非コンカレント・リソース・グループに対してのみ有効です。
フォールバック
フォールバックとは、リソース・グループが現在置かれているノード (このリソース・グループの ホーム・ノードではない) から、クラスターに結合または再統合される ノードにリソース・グループを移動することです。
例えば、そのリソース・グループに関して他のノードよりも優先順位の高いノードが クラスターに結合または再統合されると、 そのノードがリソース・グループの制御を取得します。 つまり、リソース・グループは、優先順位の低いノードから優先順位の高いノードへフォールバックします。
フォールバック動作は、非コンカレント・リソース・グループに対してのみ定義できます。