複数アプリケーション・インスタンス・シナリオでは、インスタンスごとに固有の DVIPA が割り当てられます。VIPADYNAMIC 構成ステートメントの VIPADEFINE キーワードを使用して、通常 DVIPA がアクティブであると想定されるスタック上に DVIPA を作成します。 TCP/IP プロファイル内で VIPADEFINE ステートメントが処理される場合、対応する DEVICE、LINK、HOME、および BSDROUTINGPARMS ステートメントが IPv4 アドレスに自動的に生成されます。IPv6 アドレスの場合、INTERFACE ステートメントが自動的に生成されます。 ルーティング・デーモンには自動的に通知されます。
障害発生時にどのスタックが DVIPA を引き継ぐのかを示すため、シスプレックス内の他のスタック上に追加の構成が必要です。これを行うため、VIPADYNAMIC ステートメントに VIPABACKUP キーワードがあります。VIPABACKUP は DVIPA を構成しますが、必要になるまでこれをアクティブにしません。複数の TCP/IP を単一の DVIPA のバックアップにすることができるので、VIPABACKUP ステートメントの rank パラメーターによって、DVIPA のバックアップの責任を持つ複数のスタックの順序を決めます。
シスプレックス内の各スタックは、シスプレックス内に定義されたすべての VIPADEFINE および VIPABACKUP に関する情報を 交換するので、すべてのスタックは、どのスタックがどの DVIPA を引き継ぐのかを知っています。特定の DVIPA 用のバックアップ・スタックのリストを、他のすべての DVIPA のバックアップ・スタックのリストとは 異なるものにすることができます。
複数アプリケーション・インスタンス・シナリオでは、問題のアプリケーションのインスタンスは、何らかの計画 (おそらくは、使用可能な能力の間でワークロードを平衡化するという計画) に従って、シスプレックス・ノード内でアクティブにされます。このアクティブ化は、VIPA テークオーバーとは独立して行われます。この場合、関連する DVIPA は次のように構成します。
これらのステップの完了後、影響を受ける TCP/IP を開始し (あるいは VARY TCPIP,,OBEYFILE コマンドによってその構成を変更し)、 該当する場合はアプリケーション名に DNS を構成してから、アプリケーション・インスタンスを開始します。それ以降は、動的 VIPA のためのバックアップとして指定された TCP/IP の少なくとも 1 つが正常に 機能している限り、各動的 VIPA がシスプレックス内のどこかでアクティブにされていることをシスプレックス内の複数の TCP/IP が協調して保証します。