LU 名割り当てユーザー出口

ほとんどの LU 割り当て要求は、Telnet LU グループおよび LU マッピング・ステートメント を使用して処理可能です。しかしながら、Telnet が処理できないほど特殊な LU 割り当て 要求もあります。 その場合、LU 名割り当てユーザー出口が 1 つの解決方法となります。 LU 名出口は LUGROUP のように定義され、LUGROUP がマップされるのと同じ方法で マップされます。LUGROUP は、LUGROUP 名のすぐ後に EXIT と指定 することによって、出口として定義できます。LUGROUP に関しては、Telnet は そのグループから LU を選択し、その使用可能性を確認し、その LU を接続に 割り当てます。LU 名出口に関しては、Telnet はクライアントおよびその他の情報 を含んだパラメーター・リストを渡して、ユーザー作成のアセンブラー・プログラムを呼び出します。プログラムは LU 名を作成し、それをパラメーター・リスト に格納して、制御を Telnet に戻します。 次に、Telnet はその LU 名の使用可能性を 検証し、その LU を接続に割り当てます。LU 名出口は動的に更新することはできません。 この出口は一度ロードされると、Telnet がリサイクルされるまで変更されません。Telnet をリサイクルせずに変更するには、出口名を変更する必要があります。その後、新しい名前をマッピング・ステートメントに追加できます。Telnet LU 出口のパラメーター・リストおよびコーディング要件の詳細な説明については、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。

バージョン 2 の LU 出口を使用すると、この出口は Telnet プロファイル割り当て USS (3270 または SCS 形式) と解釈テーブルをオーバーライドできます。Telnet プロファイルによって割り当てられる値またはブランクが、この出口に渡されます。この出口は 3 つのいずれの値でもオーバーライドすることができ、Telnet は新しい値を使用します。 Telnet LU 出口のセットアップについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。

クライアント情報に加えて、パラメーター・リストには LUGROUP にコーディング されていたどの LU 名または範囲、および要求されたアプリケーション名 (既知の場合) が 含まれます。Telnet はこの LU リストを使用しません。指定された LU は、LU 名出口がそれらを使用したい場合は、 シード値として使用可能です。 LUGROUP は指定された LU が なくても定義できます。 しかし、出口がマルチレベル・セキュリティーで使用される場合は、 少なくとも 1 つの LU を指定して、その LUGROUP にセキュリティー・ラベルを 割り当てられるようにする必要があります。詳しくは、マルチレベル・セキュリティーをアクティブにした LU マッピングを参照してください。

LU 名出口は、LU が割り当てられた時、LU が解放された時、LU が非活動化になった時、および LU が活動状態になった時に呼び出されます。各呼び出しの タイプごとに、別の機能コードが使用されます。非活動状態の LU のトラッキングなどの特定の機能を必要としない場合は、その機能コードを無視するように LU 名出口を書くことができます。Telnet は、LU 名出口の使用を一度に 1 つの接続 のみに可能にし、これは出口におけるローカル・テーブルの保守の場合でもその使用を 連続的にします。

例として、LU 名がクライアント・ポート番号および要求されたアプリケーションに基づいて割り当てられたと仮定します。SIMCLIENTLU パラメーターは、アプリケーション名 がわかるまで TN3270E LU の割り当てを延期するために使用されます。パラメーター・リストには、 クライアント・ポート番号および要求されたアプリケーション名が含まれています。 この場合、シード LU 名は必要ありません。LU 名出口は、パラメーター・リストにある ポート番号およびアプリケーション名を基に、LU 名を作成します。

LUGROUP  LUEXIT1,EXIT
ENDLUGROUP           

別の例として、クライアントが、LUMAP ステートメントにあるデフォルト・アプリケーションと一致する LUGROUP 名を指定したと仮定します。 LU 名は、IP アドレスの最後の 2 つの 数字と、アプリケーションを識別する接頭部に基づいて作成されます。例えば、TSO、IMS™、 および CICS® が 3 つの現行のアプリケーションであり、各接頭部はそれぞれ、TS、IM、CI だとします。IP アドレス 9.1.240.111 からの接続は、LUGROUP LUGTSO を指定し、名前 TS240111 が割り当てられます。 IP アドレス 9.1.240.212 からの接続は、LUGROUP LUGIMS を指定し、名前 IM240212 が割り当てられます。 IP アドレス 9.1.89.7 からの接続は、LUGROUP LUGTSO を指定し、名前 TS089007 が割り当てられます。 3 つの LU 名出口 (LUGTSO、LUGIMS、LUGCICS) が必要ですが、これらはすべて機能的に同じです。LUGROUP ステートメントで指定された LU 名が、パラメーター・リストの一部として LU 名出口に渡されます。LU 名出口はこの名前を接頭部として使用します。クライアントの IP アドレスも、 パラメーター・リストにあります。Telnet が各出口を呼び出すように強制するには、クライアントから送信された LU 名が LUGROUP 名と一致しない場合、LU 名出口が非ゼロの戻りコードを返す必要があります。LU 名出口は、接頭部と IP アドレスの最後の部分を 結合して、LU 名を作成します。以下のステートメントがこのシナリオに使用できます。

IPGROUP  IPGRP1  0.0.0.0:0.0.0.0  ENDIPGROUP  ; Matches all connections
                                                                      
                                                                      
LUGROUP  LUGTSO,EXIT    TS       ENDLUGROUP                           
LUGROUP  LUGIMS,EXIT    IM       ENDLUGROUP                           
LUGROUP  LUGCICS,EXIT   CI       ENDLUGROUP                           
                                                                      
LUMAP  LUGTSO  IPGRP1  DEFAPPL  TSO                                   
LUMAP  LUGIMS  IPGRP1  DEFAPPL  IMS                                   
LUMAP  LUGCICS IPGRP1  DEFAPPL  CICS                                  

Telnet は LU 名出口で合計どのくらいの LU が使用可能か知ることができないので、容量のチェックは行えません。