Telnet 固有のデバッグ・メッセージは、クライアント接続、Telnet タスク、または構成処理に関連した Telnet の問題を診断するために、オンにしたりオフにしたりすることができます。デバッグ・メッセージには、次のように、いくつかのタイプがあります。
メッセージの生成は、DEBUG ステートメントによって制御されます。 DEBUG ステートメントについては、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。
接続処理のデバッグ・オプションは次のとおりです。
DEBUG CONN EXCEPTION ステートメントは障害発生時にメッセージを発行します。このメッセージには、クライアント IP アドレスとポート、接続 ID、Telnet LU 名、検出モジュール名、固有戻りコードと短い説明、および追加のパラメーター (関連する場合) が表示されます。メッセージにはユーザーにとって有用なものと、IBM® サービス担当者にとって有用なものがあります。メッセージ EZZ6035I 戻りコードの詳細については、「z/OS Communications Server: IP Messages Volume 4 (EZZ, SNM)」を参照してください。
EZZ6034I TNSERV11 CONN 00000011 LU TCPM1001 CONN DROP ERR 3012
IP..PORT: 1.12.13.14..456 EZBTPGLU
各メッセージには、LU 名、接続 ID、クライアント IP アドレス、およびポートが含まれます。以下の例では、ユーザーがポート 23 に接続しています。この接続は TN3270E 接続としてネゴシエーションされ、TSO とのセッションが確立されています。このセッションはクライアント切断 (CLNTDISC) によりドロップされたので、クライアント切断により 接続がドロップされます。
EZZ6034I TNSERV11 CONN 00000011 LU **N/A** ACCEPTED 23
IP..PORT: 1.12.13.14..456
EZZ6034I TNSERV11 CONN 00000011 LU TCPM1001 NEGOTIATED TN3270E
IP..PORT: 1.12.13.14..456
EZZ6034I TNSERV11 CONN 00000011 LU TCPM1001 IN SESSION TSO0001
IP..PORT: 1.12.13.14..456
EZZ6034I TNSERV11 CONN 00000011 LU TCPM1001 SESS DROP CLNTDISC
IP..PORT: 1.12.13.14..456
EZZ6034I TNSERV11 CONN 00000011 LU TCPM1001 CONN DROP CLNTDISC
IP..PORT: 1.12.13.14..456
これらのステートメントは、主な状態変更の追跡および重要な情報の提供に加えて、診断目的にも使用することができます。例えば、ユーザーが接続を試みて、なにかが機能しなかったとします。ACCEPTED、NEGOTIATED、および IN SESSION メッセージは、接続の主要なマイルストーンです。提供された情報を使用し、これらのメッセージが表示されたかどうかを知ることによって、接続要求 に関する多くの手掛かりを得ることができます。SESS DROP および CONN DROP メッセージは、ドロップが 発生したさまざまな理由を示します。
DEBUG CONN SUMMARY メッセージには問題を解決するのに十分な情報がない場合は、DEBUG CONN DETAIL ステートメントを使用することができます。DEBUG CONN DETAIL ステートメントを使用すると、要約メッセージのほか、障害発生時にもメッセージも表示されます。このメッセージには、クライアント IP アドレスとポート、接続 ID、Telnet LU 名、検出モジュール名、固有戻りコードと短い説明、および追加のパラメーター (関連がある場合) が表示されます。システム管理者に役立つメッセージも、IBM サービスに役立つメッセージもあります。メッセージ EZZ6035I 戻りコードの詳細については、「z/OS Communications Server: IP Messages Volume 4 (EZZ, SNM)」を参照してください。
EZZ6035I TNSERV11 DEBUG DETAIL CONN DETAIL
IP..PORT: 1.12.13.14..456
CONN: 00000011 LU: TCPM1001 MOD: EZBTPGLU
RCODE: 3012-00 Application name is invalid.
PARM1: 00000000 PARM2: 00000000 PARM3: 00000000
EZZ6035I TNSERV11 DEBUG DETAIL CONN DETAIL
IP..PORT: 1.12.13.14..456
CONN: 00000011 LU: TCPM1001 MOD: EZBTTRCV
RCODE: 1001-02 Client disconnected from the connection.
PARM1: FFFFFFFF PARM2: 00000461 PARM3: 00000000
DEBUG CONN TRACE ステートメントは、単一接続について、クライアントで送受信されるデータ、VTAM® で送受信されるデータ、LU 名出口で送受信されるデータを含むメッセージを生成します。TRACE オプションを使用すると、クライアントが接続していない理由またはセッションがハングしている理由を、素早く見ることができます。 DEBUG CONN TRACE の指定場所には注意してください。このステートメントにマップされるすべての接続が多くのメッセージを生成します。DEBUG CONN TRACE を指定する必要があるのは、少数の接続のみにマップされる PARMSGROUP ブロックの中です。DEBUG CONN TRACE が PARMSGROUP ブロックに指定されていても、接続が非常に活発な場合、メッセージ・コンソールがすぐにフラッディングすることがあります。
EZZ6034I TNSERV11 CONN 00000080 LU **N/A** ACCEPTED
IP..PORT: 9.14.6.42..36484
EZZ6035I TNSERV11 DEBUG CONN TRACE
IP..PORT: 9.14.6.42..36484
CONN: 00000080 LU: MOD: TO CLNT
<-C- FFFD28
PARM1: 00000003 PARM2: 00000000 PARM3: 00000000
EZZ6035I TNSERV11 DEBUG CONN TRACE
IP..PORT: 9.14.6.42..36484
CONN: 00000080 LU: MOD: FRM CLNT
-C-> FFFB28
PARM1: 00000003 PARM2: 00000000 PARM3: 00000000
EZZ6035I TNSERV11 DEBUG CONN TRACE
IP..PORT: 9.14.6.42..36484
CONN: 00000080 LU: MOD: TO CLNT
<-C- FFFA2808 02FFF0
PARM1: 00000007 PARM2: 00000000 PARM3: 00000000
タスク処理のデバッグ・オプションは次のとおりです。
DEBUG TASK EXCEPTION ステートメントは障害発生時にメッセージを発行します。このメッセージにはタスク、検出モジュール名、固有の戻りコードと短い説明、および追加のパラメーター (関連する場合) が表示されます。メッセージにはユーザーにとって有用なものと、IBM サービス担当者にとって有用なものがあります。メッセージ EZZ6035I 戻りコードの詳細については、「z/OS Communications Server: IP Messages Volume 4 (EZZ, SNM)」を参照してください。DEBUG TASK EXCEPTION は、タスク処理デバッグのデフォルトです。
以下の例外メッセージは、Telnet が XCF グループへの参加に失敗したことを示しています。グループにはすでに許可される最大数のメンバーが含まれています。
EZZ6035I TLUNR1 DEBUG TASK EXCEPTION
TASK: XCF MOD: EZBTXXCF
RCODE: A006-01 Telnet failed to join the XCF group.
PARM1: 0000000C PARM2: 00000004 PARM3: MAX GROUPS OR MEMBERS
DEBUG TASK DETAIL ステートメントは、特定のイベント・ポイントで診断メッセージを発行します。これによりタスク、検出モジュール名、固有の戻りコードと短い説明、および追加のパラメーター (関連する場合) が表示されます。詳細オプションは、さまざまなシナリオのイベントのマイルストーンを示します。これによりユーザーは、自分の興味のある、エラー以外のイベントを確認することができます。システム管理者に役立つメッセージも、IBM サービスに役立つメッセージもあります。メッセージ EZZ6035I 戻りコードの詳細については、「z/OS Communications Server: IP Messages Volume 4 (EZZ, SNM)」を参照してください。
以下の詳細メッセージは、MVS023 でのジョブ TLUNR1 に対して、未解決の受信が失敗したことを示しています。
EZZ6035I TLUNR1 DEBUG TASK DETAIL
TASK: XCFRECV MOD: EZBTXRCV
RCODE: A014-01 LUNS/LUNR receive failed.
PARM1: 00000000 PARM2: 00000000 PARM3: MVS023 TLUNR1
構成処理のデバッグ・オプションは次のとおりです。
DEBUG CONFIG EXCEPTION ステートメントは障害発生時にメッセージを発行します。このメッセージには行番号、検出モジュール名、固有の戻りコードと短い説明、および追加のパラメーター (関連する場合) が表示されます。 メッセージにはユーザーにとって有用なものと、IBM サービス担当者にとって有用なものがあります。メッセージ EZZ6035I 戻りコードの詳細については、「z/OS Communications Server: IP Messages Volume 4 (EZZ, SNM)」を参照してください。DEBUG CONFIG EXCEPTION は、構成処理デバッグのデフォルトです。
以下のメッセージは、35 行目の scaninterval の値が、受け入れ可能な範囲外であることを示しています。
EZZ6035I TLUNS1 DEBUG CONFIG EXCEPTION
LINE: 35 MOD: EZBTMPRP
RCODE: 805B-00 Value outside acceptable range for statement.
PARM1: PARM2: SCANINTE PARM3:
DEBUG CONFIG TRACE ステートメントは、ステートメントに関連するすべてのワードをリストしたステートメント・メッセージ、および Telnet ステートメントごとのフォーマット済み制御ブロック・メッセージを生成します。このオプションは、構成ファイルが非常に大きい場合、メッセージ・コンソールのフラッディングを引き起こす可能性あります。CONFIG メッセージは、より小さい指定されたステートメントのセットに制限できます。一部のステートメントを指定すると、DEBUG CONFIG メッセージはこれらのステートメントからのみ発行されます。大量の CONFIG データが必要な場合は、CTRACE オプションを DEBUG ステートメントに指定することにより、DEBUG メッセージの表示を抑制することができます。CTRACE オプションを指定すると、メッセージは CTRACE に入りますが、コンソールまたはジョブ・ログのフラッディングを引き起こすことはありません。 CTRACE はデフォルト・オプションです。
以下のサンプルは、プロファイル・ステートメント LUGROUP について、コンソールに送信されるデータを示しています。
DEBUG CONFIG TRACE,LUGROUP CONSOLE
EZZ6035I TNSERV11 DEBUG CONFIG TRACE
LINE: 82 MOD: EZBTMPRF
LUGRP1 TCPM1094 TCPM1102
PARM1: 00000003 PARM2: 00000052 PARM3: LUGROUP
EZZ6035I TNSERV11 TNSERV11 DEBUG CONFIG TRACE
LINE: 82 MOD: EZBTMPRF
E3C5D3C3 00000000 00000058 00005502 |TELC............|
00000036 00000000 00000052 00000000 |................|
00000000 00000000 00000000 00000000 |................|
D3E4C7D9 D7F14040 00000000 00000000 |LUGRP1 ........|
00000002 00000000 E3C3D7D4 F1F0F9F4 |........TCPM1094|
E3C3D7D4 F1F1F0F2 |TCPM1102 |
PARM1: 00000058 PARM2: 00000036 PARM3: LUGROUP
DEBUG OFF ステートメントは、例外 CONN DROP メッセージも含めて、すべてのデバッグ・メッセージ が抑制されていることを確認します。
VARY TCPIP,tnproc,TELNET,DEBUG,OFF コマンドを実行すると、現行プロファイルも含めてすべてのプロファイルに関連するすべての接続に対して DEBUG をオフにすることができます。またこれにより、TASK および CONFIG DEBUG メッセージもオフになります。もう一度 DEBUG をオンにするには、Telnet プロファイルに Debug オプションを指定した VARY TCPIP,tnproc,OBEYFILE コマンドを実行してください。エラーまたはタイムアウトによる CONN DROP の要約メッセージも、 抑制されます。 これらのメッセージを保持するためには、DEBUG EXCEPTION を使用します。