ローカル・エリア・ネットワークのインターフェース・レイヤー・フォールト・トレランス (インターフェース・ テークオーバー機能)

z/OS® Communications Server の TCP/IP スタックは、スタックが LAN で冗長接続として構成されている場合、 失敗した (または停止中の) IPv4 装置または IPv6 インターフェースに、 透過なフォールト・トレランスを提供します。このサポートは z/OS Communications Server インターフェース・テークオーバー 機能によって提供され、IPv4 MPCIPA および LCS 装置タイプ、および IPv6 IPAQENET6 インターフェース・タイプ に適用されます。

装置またはインターフェースの起動時に、TCP/IP は LAN への冗長接続を確認し、 その情報を、装置またはインターフェースの今後の障害に備えて、適切なバックアップ を選択するのに使用します。このサポートにより、 ARP フロー (IPv4 装置用) または近隣探索フロー (IPv6 インターフェース用) が 使用されるため、装置またはインターフェースの故障 (または停止) の時に、 TCP/IP は、オリジナルの IPv4 または IPv6 アドレスがバックアップのリンク層 (MAC) アドレスを通して到達可能である LAN 上のステーションを、即時に通知します。オリジナルの IP アドレスを参照しているユーザーは、障害による停止を経験することなく、障害が発生した ことに気がつきません。

このサポートは ARP または近隣探索フローの上で行われているため、このフォールト・トレランスのために、IP レイヤーに動的ルーティング・プロトコルを必要としません。このサポートを使用可能にするには、LAN 上に冗長のみを構成する必要があります。

制約事項: IPv4 装置は IPv6 インターフェースをバックアップできません。また、IPv6 インターフェースは IPv4 装置をバックアップできません。
規則: 静的ルーティングが使用される場合、LAN との各インターフェース上の LAN サブネットへの静的経路が必要です。また、デフォルトの経路、および各インターフェース上で LAN に直接接続されていない宛先への経路も必要です。

インターフェース・レイヤー・フォールト・トレランス機能は、アプリケーションが宛先にすることのできる VIPA アドレスと連携して使用が可能で、実際の LAN ハードウェア のどの障害も、インターフェース・テークオーバー機能によってハンドルされます。 これは、動的ルーティング・プロトコルが実際のハードウェア障害をルート する必要のある、従来の VIPA の使用方法とは異なります。