syslogd 構成の問題診断

通常モードまたはローカル専用モードで syslogd を開始する前に AF_UNIX ドメインをインストールし、アクティブにしなければなりません。AF_UNIX が正常に開始されたかどうか判別するには、次のメッセージのようなコンソール・ログのメッセージを確認してください。

BPXF203I DOMAIN AF_UNIX WAS SUCCESSFULLY ACTIVATED.

syslogd はデバッグ・モードをサポートし、このモードは -d コマンド行オプションを使用して選択します。このデバッグ・モードを使用して UNIX シェルから syslogd を実行する場合、syslogd はデバッグ・メッセージを STDOUT に書き込みます。これらのメッセージは、syslogd 構成内の問題の診断や、syslogd 問題を IBM® サポートに報告する際の文書を 収集するために使用されます。

デバッグ・メッセージの量を制限するには、SYSLOGD_DEBUG_LEVEL 環境変数を使用します。以下のデバッグ・レベルを指定できます。

レベル
1
基本デバッグ情報。
2
構成ファイル処理。
4
syslogd によってログに記録されているメッセージのメッセージ処理情報。
8
自動アーカイブ処理。
16
オペレーター・コマンド処理。
32
スレッド固有処理。
64
mutex ロック処理。スレッドに固有のロックは、デバッグ・レベルに 32 が含まれる場合のみログに記録されます。

これらの値を任意の組み合わせで共に追加して、書き込むデバッグ・メッセージの種類を選択することができます。例えば SYSLOGD_DEBUG_LEVEL=91 には、メッセージ処理およびスレッド固有処理 (ロックを含む) を除くすべてのデバッグ情報が含まれます。デフォルトのデバッグ・レベルは 127 であり、これにはすべてのデバッグ情報が含まれます。

規則: 通常の操作には -d オプションを使用しないでください。

-d を使用してバッチで syslogd を実行すると、デバッグ出力は、SYSPRINT、SYSTERM、または SYSERR のうち、最初に見付かったものに書き込まれます。サンプルの syslogd プロシージャー SEZAINST(syslogd) は SYSPRINT を定義し、デバッグ・メッセージがジョブ出力に保管されるようにしています。以下の例は、デバッグ出力をファイルに書き出すために SYSPRINT DD ステートメントを変更する方法を示しています。

SYSPRINT DD PATH='/var/syslog/syserr',PATHOPTS=(OWRONLY,OCREAT)

syslogd が /etc/rc から開始される場合、-d の使用には注意してください。この方法で -d を使用する場合は、バックグラウンドで syslogd を実行するために、シェル・バックグラウンド文字 (&) を使用する必要があります。 そうしないと、/etc/rc は終了せず、UNIX システム・サービスの初期化は完了しません。

syslogd の自動アーカイブ機能を使用している場合は、特定のファイルのアーカイブが失敗する可能性があります。失敗は、ターゲット・データ・セットに対する動的割り振りエラーや UNIX ファイルまたはターゲット・データ・セットに対する読み取り/書き込みエラーなどのさまざまな原因で発生する可能性があります。失敗が発生すると、syslogd は次にアーカイブ・トリガー・イベントが発生したときに、再度ファイルのアーカイブを試みますが、すべてのアーカイブの試みが引き続き失敗する可能性があります。すべての試みが失敗した場合、アーカイブする元の UNIX ファイルはまだ UNIX ファイル・システム内に存在し、Dyymmdd.Thhmmss 形式の接尾部が付けられて名前変更されます。また、部分データを含むターゲット・データ・セットも存在する場合があります。デーモン機能用 syslogd 宛先出力ファイル内のエラー・メッセージを検証して、失敗したファイルを特定し、当該ファイルおよび関連する部分アーカイブ・データ・セットを、手動でリカバリーまたは削除する必要があります。