シスプレックス・ディストリビューターの層 1 の分散 DVIPA およびポートの構成

ターゲット DataPower® アプライアンスとの使用のために層 1 DVIPA の特性を定義するには、TCP/IP プロファイルの VIPADYNAMIC ブロックで、以下のパラメーターを指定して VIPADEFINE、VIPABACKUP、および VIPADISTRIBUTE ステートメントをコーディングします。

パラメーター
説明
TIER1
VIPADEFINE または VIPABACKUP ステートメント、および VIPADISTRIBUTE ステートメントにおいて使用されます。また、このステートメントにおいて IP アドレスとして指定された DVIPA は、複数層分散構成において使用されます。
groupname
VIPADISTRIBUTE ステートメントにおいて使用されます。また、シスプレックス内の同等のサーバー・アプリケーションのクラスターの名前を指定します。この名前は、VIPADISTRIBUTE ステートメントの TIER1 パラメーターで必要な値です。ただし、この名前は、TIER2 パラメーターが指定された対応する VIPADISTRIBUTE ステートメントがある場合のみ使用されます。この名前は、VIPADISTRIBUTE TIER1 ステートメントと、同じ名前が付いた対応する VIPADISTRIBUTE TIER2 ステートメントを関連付けます。
GRE
VIPADISTRIBUTE ステートメントで使用されます。GRE は、層 1 ターゲットが z/OS 以外のターゲット (DataPower ターゲット) であることと、GRE が DataPower アプライアンスへの分散要求において使用されることを示します。GRE は、DataPower ロード・バランシングのためにサポートされている唯一のルーティング・タイプです。
CONTROLPORT port_number
オプションとして、VIPADISTRIBUTE ステートメントで使用されます。また、DataPower シスプレックス・ディストリビューター・エージェント用のデフォルトではなく、制御ポートの構成を可能にします。制御ポートは、すべての VIPADISTRIBUTE TIER1 ステートメントで同じである必要があります。制御ポートが指定されない場合、デフォルトの制御ポートは 1702 となります。
DISTMETHOD TARGCONTROLLED
VIPADISTRIBUTE ステートメントで使用されます。TARGCONTROLLED は、 接続要求が DataPower シスプレックス・ディストリビューター・エージェント、またはアプリケーション・グループ内の z/OS® サーバー・アプリケーションの可用性および容量によって提供された重み付けを使用して分配されることを表します。
DESTIP target_IP_list
VIPADISTRIBUTE ステートメントで使用されます。ターゲット IP アドレス・リストには、DataPower アプライアンスの IP アドレスが含まれています。

これらのステートメントおよびパラメーターについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。

次の例では、ネットワーク内のクライアントが要求を IP アドレス 10.91.1.1、ポート 8080 に送信し、DESTIP リストが DataPower アプライアンスの IP アドレスから構成されます。

VIPADEFINE  TIER1 255.255.255.0 10.91.1.1
VIPADISTRIBUTE DEFINE
   GRE DISTM TARGCONTROLLED
   TIER1 GROUP1
   CONTROLPORT 5601
   10.91.1.1 Port 8080
   DESTIP 201.81.10.1 201.81.10.2
          201.81.10.3 201.81.10.4

DataPower アプライアンスは、制御ポート 5601 で構成されています。CONTROLPORT パラメーターが VIPADISTRIBUTE ステートメントにおいて指定されない場合、デフォルトの制御ポートは 1702 となります。

DISTMETHOD TARGCONTROLLED は、シスプレックス・ディストリビューターと DataPower アプライアンスが DataPower アプライアンスの可用性と容量についての情報を交換し、シスプレックス・ディストリビューターがこの情報を使用してロード・バランシング決定を行うことを示します。

これらの VIPADEFINE および VIPADISTRIBUTE ステートメントは、1 つのシスプレックス・スタックの TCP/IP プロファイル内に配置されます。また、シスプレックス内の任意の LPAR 上にある別のシスプレックス・スタックには、中断のない VIPA テークオーバーを可能にするために以下の VIPABACKUP ステートメントがある場合があります。

VIPABACKUP 10 TIER1 10.91.1.1