共用 RoCE 環境

共用 RoCE 環境では、z/OS® Communications Server は PCIe 仮想機能 (VF) サービスを使用して RoCE Express® 機構を管理し、System z® が物理機能管理を提供します。

共用 RoCE 環境で動作する RoCE Express 機構は、最大 31 個のオペレーティング・システム・インスタンス、または同じ中央演算処理装置複合システム (CPC) の最大 31 個の TCP/IP スタックで共用できます。LPAR 内の各 TCP/IP スタック、または各オペレーティング・システム・インスタンスで固有の FID 値を使用して、RoCE Express 機構を指す表現をそれぞれに定義します。 これらの FID 値は、HCD ツールを使用して定義します。共用環境では、両方の RoCE ポートを同時に使用できます。

ガイドライン: TCP/IP スタックの場合、FID 値は、TCP/IP プロファイル内の GLOBALCONFIG ステートメントの PFID 値で表されます。 また、ポートごとに別の PFID 値が構成されている場合は、単一の RoCE Express 機構の 2 つの RoCE Express ポートを、同じまたは異なる TCP/IP スタックで共用できます。
図 1 は、共用 RoCE 環境で動作する 10GbE RoCE Express 機構の例です。 PCHID 値 100 および 200 で識別される 10GbE RoCE Express 機構を、2 つの z/OS イメージが使用しています。 これらの機構の使用法を表すために、4 つの固有 PFID 値 (z/OS イメージごとに 2 つ) が定義されています。 これらの PFID 値は、機構に対して HCD で定義された FID 値に対応しています。 この例では、PFID とポートの組み合わせは 4 つのすべてのインターフェースで固有ですが、TCP/IP スタックは同じ機構とポートを共用しています。
図 1. 共用 RoCE 環境での 10GbE RoCE Express 機構
共用 RoCE 環境での 10GbE RoCE Express 機構の例
ガイドライン: TCP/IP スタックでの完全な冗長性を得るために、物理的に別の 10GbE RoCE Express 機構に関連付けられた PFID 値を構成してください。 例えば、図 1 の z/OS 2 の場合、2 つの機構が別々の System z I/O ドロワーにあります。 したがって、一方の I/O ドロワーまたは機構に障害が発生しても、もう一方の I/O ドロワーまたは機構に影響しません。

共用 RoCE 環境は、IBM® z13™ (z13) 以降のシステムで使用する必要があります。