一般用語

自律型システム (AS) (Autonomous system (AS))
共通のルーティング・プロトコルを使用してルーティング情報を交換するルーターのグループ。1 つの AS で多数の IP ネットワークを表すことができます。
動的経路 (Dynamic routes)
動的に管理され、ネットワーク・トポロジー変更への応答を自動的に変更可能な、 IP レイヤー・ルーティング・テーブル・エントリー。IPv4 では、 これらの経路はルーティング・デーモンが管理します。IPv6 の場合、これらの経路はルーティング・デーモンによって管理できます。また、ルーターからルーター探索プロトコルの一部として受信するルーター通知メッセージを listen することによっても、これらの経路を確認できます。
外部ゲートウェイ・プロトコル (EGP) (Exterior Gateway Protocol (EGP))
自律型システム間でルーティング情報を共用するようにルーターが構成されている場合、異なる自律型システムに属するルーターが使用するルーティング・プロトコル。このトピックでは、外部ゲートウェイ・ルーティングについては説明しません。
内部ゲートウェイ・プロトコル (IGP)
同じ自律型システム (AS) に属するルーターが使用するルーティング・プロトコル。各 AS は単一の IGP を持つ。ネットワーク内の別の AS が異なる IGP を実行していることがありうる。
メイン経路テーブル (Main route table)
静的経路および動的経路を使用して取り込まれる IPv4 または IPv6 経路テーブル。これらの経路テーブルの名前は EZBMAIN です。TCP/IP スタックには、1 つのメイン IPv4 経路テーブルと 1 つのメイン IPv6 経路テーブルがあります。ポリシー・ベース・ルーティングが使用されていない場合、メイン経路テーブルには、TCP/IP スタックがルーティングの決定を行うときに使用するすべての経路が含まれています。ポリシー・ベース・ルーティングが使用されるときに、ポリシー・ベース経路テーブルで経路が見つからない場合は、ルーティングの決定でメイン経路テーブルを使用するようにポリシーを構成できます。
ポリシー・ベース経路テーブル (Policy-based route table)
ポリシー・ベースのルーティングで使用するために構成される経路テーブル。TCP/IP スタックには、ゼロまたは 1 個以上のポリシー・ベース経路テーブルがあります。 ポリシー・ベース経路テーブルを定義するには、ポリシー・エージェントによって解析されるフラット・ファイルを使用するか、IBM® Configuration Assistant for z/OS® Communications Server を使用します。ポリシー・ベース経路テーブルの定義には、静的経路、またはテーブルに追加される動的経路のスコープを制御するための動的ルーティング・パラメーター、あるいはその両方を含めることができます。その上で、TCP/IP スタックがルーティングの決定を行う際に、特定タイプのトラフィックに対して使用する経路テーブルを示すために、ポリシー規則とアクションを定義できます。
ポリシー・ベース・ルーティング (Policy-based routing) (PBR)
ネットワーク管理者によって定義されるポリシーに基づいてルーティングの決定を行う際に使用される技法。ポリシー・ベース・ルーティングでは、トラフィックに対して定義されているポリシーにしたがって、1 組のポリシー・ベース経路テーブルから、およびオプションとしてメイン経路テーブルから、アウトバウンド・トラフィック用の経路を選択します。
置き換え可能な静的経路 (Replaceable static routes)
OMPROUTE によって置き換え可能な IPv4 静的経路。または、OMPROUTE によって置き換え可能であるか、ルーターからルーター探索プロトコルの一部として受信するルーター通知メッセージを listen することによって確認される経路によって置き換え可能な IPv6 静的経路。
ルーター (Router)
IP レイヤーでプロトコルを解釈し、正しい宛先に向けたパス上にデータグラムを転送する装置またはホスト。
ルーティング
データグラムを正しい宛先に送信するために IP ネットワーク内で使用される処理。
ルーティング・デーモン (Routing daemon)
IP 経路テーブルを管理するサーバー・プロセス。
静的経路 (Static routes)
手動で (BEGINROUTES 構成ステートメントを使用して) 構成される IP レイヤー・ルーティング・テーブル・エントリー。これらのエントリーには、ネットワーク・トポロジー変更に応じた自動変更は行われません。ただし、以下の場合は例外です。
  • 変更が ICMP リダイレクト (使用不可でない場合) によるものである場合
  • 動的ルーティング・プロトコルが、 置き換え可能な静的経路として構成された宛先への経路を確認した場合