IPv4 静的ルーティング

静的ルーティングでは、それぞれのルーターまたは宛先ごとに経路を手作業で構成する必要があります。 システム管理者が、できることならこの方法を避ける重要な理由はここにあります。静的ルーティングは、ネットワークに到達できる可能性が、ネットワーク自体の状態には依存しないという欠点があります。この静的に構成された経路を使用して、宛先がダウンしているかまたは到達できない場合、その静的経路はルーティング・テーブルに残り、トラフィックはその宛先に成功することなく送信され続けます。

ネットワーク管理者の作業を最小にするためには、特に大規模ネットワークでは、 静的経路の構成は避けてください。ただし、ある種の環境では、静的ルーティングの方がより適切な場合があります。例えば、静的経路は次の用途に使用できます。

変更の始まり静的ルーティングを使用する場合に必要なのは、BEGINROUTES ステートメントを使用して、PROFILE.TCPIP データ・セットを更新するだけです。変更の終わり

静的経路を変更する方法は、次のものだけです。 VARY TCPIP,,OBEYFILE コマンドについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP システム管理者のコマンド」を参照してください。IPCONFIG ステートメントIPCONFIG ステートメントの IGNOREREDIRECTS および PATHMTUDISC の各パラメーターについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。

変更の始まりPROFILE.TCPIP、または VARY TCPIP,,OBEYFILE コマンドが参照するデータ・セットの最初の BEGINROUTES ステートメントにより、TCP/IP スタック・ルーティング・テーブル内のすべての静的経路 (PROFILE.TCPIP の BSDROUTINGPARMS セクションで指定された宛先アドレスを含む) が置き換えられます。 同じデータ・セット内の後続のステートメントは、ルーティング・テーブルへの追加を行います。変更の終わり

すべてのインターフェースは、パケットを伝送または受信するための IP アドレスを持つ必要があります。IP アドレスと一緒に、各インターフェースにはルーティングの目的のために、サブネット・マスクを関連付ける必要があります。アドレスとマスクの組み合わせは、そのインターフェースが属するサブネットを作り出し、そのインターフェース用のブロードキャスト・アドレスも決定します。 動的ルーティングに関係しないインターフェースの場合は、 以下のいずれかの方法でサブネット・マスクを指定できます。

ここでの方法のいずれかによってサブネット・マスクを指定しない場合、サブネット・マスクは、スタックによってスタック・ルーティング・テーブルを使用して決められます。デフォルトによらずに、サブネット・マスクを指定することを強くお勧めします。

CTC のような Point-to-Point リンクの場合は、Point-to-Point 接続の相手側終端を文書化するために宛先アドレスが使用されます。 動的ルーティングに関係しないインターフェースの場合、以下のいずれかの方法でこれを指定することができます。

ここでの方法のいずれかによって宛先アドレスを指定しない場合、スタックは、静的ルーティング・テーブルを使用してアドレスを決めます。デフォルトのままにせずに、宛先アドレスを指定することを強くお勧めします。

ヒント: IBM® Health Checker for z/OS® を使用して、TCP/IP スタックのルーティング・テーブル内の間接経路の総数が最大しきい値を超えているかどうかチェックできます。このしきい値を超えた場合、OMPROUTE と TCP/IP スタックが経路変更により高 CPU 消費率の状態となる可能性があります。IBM Health Checker for z/OS について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP Diagnosis Guide」および「IBM Health Checker for z/OS: ユーザーズ・ガイド」を参照してください。