リゾルバー

リゾルバー・タスクは z/OS® UNIX によって開始され、OMVS アドレス・スペースと同じ ID の下で実行されます。 この ID は、通常、セキュリティー・ラベル SYSMULTI を持ちます。このリゾルバーは、この ID の下で、そのリゾルバー構成、システム・コンソール・コマンド、およびそのリゾルバーの CTRACE を処理します。

リゾルバーは、名前または IP アドレスの解決を依頼された場合、一連のファイル、データ・セット、およびネーム・サーバーを指定された順序で使用するように構成されています。 リゾルバーの検索シーケンスの構成については、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。

ネーム・レゾリューション・プロセスは、要求元の実行スレッド上で、そのスレッドへ関連付けられているユーザー ID の下で実行されます。 各ユーザーは、構成されたファイルおよびデータ・セットに対する READ アクセスを持っている必要があります。 これを達成する最良の方法は、これらの UACC(READ) を SECLABEL(SYSLOW) で作成することです。 リゾルバーがユーザーに代わってネーム・サーバーに連絡できるようにするためには、各ユーザーが ネーム・サーバーのセキュリティー・ゾーンに対して適切な STACKACCESS 許可と NETACCESS 許可を持っている必要があります。

z/OS UNIX は、複数の AF_INET 物理ファイル・システム (TCP/IP スタック) によって CINET 環境内に構成されている場合もあります。 この環境では、ユーザーとジョブは、オプションとして単一スタックについてのアフィニティーを持つか、CINET にそれらのためのスタックの選択を許可できます。 スタック・アフィニティーを設定しなかった場合、CINET は一部の AF_INET 呼び出しをそれに接続したすべてのスタックへ複製します。 その他の呼び出しは、CINET がそれらのスタックから抽出したルーティング情報に基づいて、CINET によって単一スタックへ経路指定されます。 socket() 呼び出しは、接続したすべてのスタックへ経路指定される呼び出しの 1 つです。 これは、リゾルバー・ユーザーが許可を持っていないスタックに対して、RACF® Failure Audit メッセージを生成する場合があります。 それらのメッセージは、リゾルバー機能を使用する前にスタック・アフィニティーを設定することによって除去できます。