Agent と Advisor が表示する情報の解釈

Advisor と Agent が表示する各種のフラグとインディケーターを正しく解釈することは、構成上の問題の判別、およびワークロードが予期したとおりに分配されない理由を判断するのに役立ちます。Advisor および Agent の各フィールドに表示される情報については、「z/OS Communications Server: IP システム管理者のコマンド」を参照してください。 表示のいくつかの部分については、表 1表 2、およびそれに続くサブトピックでさらに詳しく説明されています。

表 1. Advisor の主な表示出力フィールドおよびフラグの要約
フラグ名またはフィールド名 格納場所 説明
ABNORM MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域のフィールドの 1 つ このアプリケーションについて合計 1000 トランザクション完了ごとのトランザクションの異常終了件数の割合。この値は、オプションとしてアプリケーションによって WLM に提供されます。WLM は、このメンバーがあるシステム上のサーバー固有推奨値と共に、この値を提供します。WLM は、完了した合計 1000 個のトランザクションに対して、異常終了したトランザクション数を表示します。 この値が非ゼロの場合、WLM はその値を使用してサーバー固有の推奨値 (WLM 重み付け) を減少させます。
AVAIL MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域のフィールドの 1 つ メンバーがワークロード・バランシング要求に使用可能かどうかを示します。
BASEWLM MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のグループ領域の GROUP FLAGS フィールド このグループのメンバーには WLM システム重み付け推奨値が構成済みであるか、またはデフォルトで指定されており、正味の重み付けの 1 つのコンポーネントとして使用されています。
BASEWLM* MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のグループ領域の GROUP FLAGS フィールド このグループのメンバーについては、サーバー固有 WLM 推奨値が構成されているかまたはデフォルトによって指定されています。 しかし、実際には、WLM システム重み付け推奨値が正味の重み付けのコンポーネントの 1 つとして使用されています。
CP MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域のフィールドの 1 つ ProcType 後の次の行に表示される場合、CP 重み付けに対して適用される比率を示します。

RAW で始まる行に表示される場合、WLM によって戻された未加工の CP 重み付けを示します。

Proportional で始まる行に表示される場合、BASEWLM または SERVERWLM 複合重み付けの判別に使用された、比例して調整された未加工の CP 重み付けを示します。

CS WEIGHT MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域のフィールドの 1 つ Communications Server の重み付け。メンバーを所有する Agent が計算した値。これは、最近受信された作業を処理可能であるという点から見たアプリケーションの正常稼働状態を表します。
HEALTH MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域のフィールドの 1 つ アプリケーションの全般的な正常稼働状況。この値は、オプションとしてアプリケーションによって WLM に提供されます。WLM は、このメンバーがあるシステム上のサーバー固有推奨値と共に、この値を提供します。この値が 100 未満である場合、WLM はその値を使用してサーバー固有の推奨値 (WLM 重み付け) を減少させます。
LB INDEX MODIFY procname,DISPLAY,LB コマンド および MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンドの場合の、ロード・バランサー領域の出力フィールドの 1 つ ロード・バランサーに割り当てられる固有 ID であり、この ID を使って以降のオペレーター・コマンドでロード・バランサーを参照する目的があります。
LBQ MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域の FLAGS フィールド ロード・バランサーはメンバーを静止しました。
NET WEIGHT MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域のフィールドの 1 つ Advisor がロード・バランサーに渡す重み付け。これは、同一グループ内の他のメンバーと比較して、このメンバーが追加のワークロード要求を受け取ることにどれだけの妥当性があるかを表します。この正味の重み付けは、WLM 重み付けおよび Communications Server 重み付けを使用して計算されます。
NOCHANGE MODIFY procname,DISPLAY,LB コマンド および MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のロード・バランサー領域の FLAGS フィールド ロード・バランサーは、メンバー情報を最後に受信した以降に、そのメンバーの状況または重み付けが変更されたメンバーに関する情報のみを受信することを要求しました。
NODATA MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域の FLAGS フィールド 担当の Agent が、時間不足のために Communications Server 重み付けを計算できなかったことを示す一時フラグ。
NOTARGETAPP MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域の FLAGS フィールド このアプリケーション・メンバーのターゲット・アプリケーションはアクティブではありません。
NOTARGETIP MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域の FLAGS フィールド これは、使用不可能なシステム・メンバーです。
NOTARGETSYS MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域の FLAGS フィールド Advisor は、メンバーの IP アドレスを所有するシステムを認識していません。
OPQ MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域の FLAGS フィールド z/OS® オペレーターがメンバーを静止させました。
ProcType MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のグループ領域のフィールドの 1 つ CP、zAAP、および zIIP 比率が構成されたことを示します。 これらの比率は、複合 BASEWLM 重み付けを判別するために、プロセッサー重み付けに対して適用されます。
PUSH MODIFY procname,DISPLAY,LB コマンド および MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のロード・バランサー領域の FLAGS フィールド ロード・バランサーは、Advisor をポーリングして情報を取得するのではなく、スケジュールに基づいて定期的に Advisor から情報を受信することを要求しました。
SERVERWLM MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のグループ領域の GROUP FLAGS フィールド このグループのメンバーについては、サーバー指定 WLM 推奨値が正味の重み付けのコンポーネントの 1 つとして使用されています。
TRUST MODIFY procname,DISPLAY,LB コマンド および MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のロード・バランサー領域の FLAGS フィールド ロード・バランサーは、自分自身以外の他システム・コンポーネントが、メンバーをそのロード・バランサーに登録することを許可します。 z/OS Load Balancing Advisor は、現在はこの機能を利用していません。
WLM WEIGHT MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域のフィールドの 1 つ ワークロード・マネージャーの重み付けです。そのメンバーがあるシステム上で WLM から受け取った値で、シスプレックス内の他システムと比較してシステムが明け渡すことができる容量を表します (システムの重み付け)。あるいは、WLM から受け取った値で、WLM ポリシーと比較してサーバーがどの程度目標どおりに稼働しているかを表します (サーバー固有の重み付け)。この重み付けは、表示される CP、zAAP、および zIIP 重み付けから判別される複合重み付けです。
zAAP MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域のフィールドの 1 つ ProcType 後の次の行に表示される場合、zAAP 重み付けに対して適用される比率を示します。

RAW で始まる行に表示される場合、WLM によって戻された未加工の zAAP 重み付けを示します。

Proportional で始まる行に表示される場合、BASEWLM または SERVERWLM 複合重み付けの判別に使用された、比例して調整された未加工の zAAP 重み付けを示します。

zIIP MODIFY procname,DISPLAY,LB,INDEX=nn コマンド出力のメンバー領域のフィールドの 1 つ ProcType 後の次の行に表示される場合、zIIP 重み付けに対して適用される比率を示します。

RAW で始まる行に表示される場合、WLM によって戻された未加工の zIIP 重み付けを示します。

Proportional で始まる行に表示される場合、BASEWLM または SERVERWLM 複合重み付けの判別に使用された、比例して調整された未加工の zIIP 重み付けを示します。

表 2. Agent の主な表示出力フラグの要約
フラグ名またはフィールド名 格納場所 説明
ANY MODIFY procname,DISPLAY,MEMBERS コマンド出力のメンバー領域の FLAGS フィールド ターゲット・アプリケーションは無指定アドレス 0.0.0.0 (IPv4 の場合) または :: (IPv6 の場合) にバインドされます。
V6 MODIFY procname,DISPLAY,MEMBERS コマンド出力のメンバー領域の FLAGS フィールド ターゲット・アプリケーションは、IPV6_V6ONLY ソケット・オプションを使用してバインドされました。