ワークロード・マネージャー・サービス・クラスの使用によるアウトバウンド OSA-Express データの優先順位付け

z/OS® ワークロード・マネージャー (WLM) は、TCP/IP ソケット API を実行してデータを送信する各作業単位に関連付けられている優先順位を提供します。WLM によって提供される優先順位は、作業単位に関連付けられた WLM サービス・クラスに関連しています。作業単位は、それを実行しているアドレス・スペースに関連付けられたサービス・クラスか、それが属するエンクレーブに関連付けられたサービス・クラスからその優先順位を派生させることができます。WLM によって提供される優先順位を、最も高い優先順位から最も低い優先順位まで以下に示します。

WLM および WLM サービス・クラスについての詳細は、「z/OS MVS 計画: ワークロード管理」および「z/OS MVS プログラミング: ワークロード管理サービス」を参照してください。

z/OS Communications Server は、アウトバウンド QDIO トラフィックに関して 1 から 4 の 4 つの優先順位の値をサポートしています。1 が最も高い優先順位です。小さい数の優先順位は、QDIO デバイス・ドライバーおよび OSA-Express 機構によって優遇措置を与えられます。

サービス品質 (QoS) ポリシーの SetSubnetPrioTosMask ステートメントで使用される QDIO の優先順位の値を指定できます。これは、アウトバウンド・パケットに対して使用される QDIO トラフィックの優先順位に影響を与える 1 つの方法です。SetSubnetPrioTosMask ステートメントは、IPv4 Type of Service (ToS) バイトまたは IPv6 トラフィック・クラスをこれらの 4 つの QDIO トラフィック優先順位へマップします。SetSubnetPrioTosMask ステートメントについての詳細は、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。

QDIO トラフィック優先順位に影響を与える別の方法としては、GLOBALCONFIG プロファイル・ステートメントで WLMPRIORITYQ パラメーターを使用する方法があります。WLMPRIORITYQ パラメーターは、ビジネスに最も重要なワークロードに対する優遇措置を QDIO デバイス・ドライバーから LAN まで、自動で拡張します。WLMPRIORITYQ パラメーターが指定され、ToS またはトラフィック・クラスの値が 0 のパケットが QDIO モードの OSA-Express 機構を介して送信される場合、Communications Server は、WLM サービス・クラスによって提供された優先順位に基づいてパケットの OSA-Express 書き込み優先順位を設定します。また、WLMPRIORITYQ パラメーターは、ToS またはトラフィック・クラスの値が 0 の転送パケットの QDIO トラフィック優先順位に影響を与えるために使用できます。

GLOBALCONFIG ステートメントについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。

制約事項: