TCP/IP は、最大伝送単位 (MTU) 値を使用して、送信する最大サイズのフレームを判別します。特定のアウトバウンド送信に有効な MTU 値は、次の 2 つの値のいずれかによって決まります。
TCP/IP は、自動的にパス MTU ディスカバリーを IPv6 に使用可能にします。 パケットが IPv6 パケットである場合、あるいはパケットが IPv4 パケットで MTU ディスカバリーが使用可能になっている場合、パケットの最大サイズを判別するのにパス MTU 値が使用されます。パス MTU ディスカバリーは、最初に path MTU 値を経路の actual route MTU 値に設定します。 パケットが最終宛先に到達するのにフラグメント化が必要な場合、 パス MTU ディスカバリーは、フラグメント化を使用せずに 最終宛先にパケットを送信可能になるまで繰り返し値を減少させて、path MTU 値を判別します。
Actual route MTU は、interface MTU 値または configured route MTU 値のどちらか低い方の 値です。パス MTU ディスカバリーが有効でない場合、actual route MTU 値が使用されます。
Interface MTU 値はインターフェースの特性で、物理装置のタイプに基づいてハードコーディングされた値か、活動化の 間に装置から確認した値のいずれかです。TCP/IP がサポートするさまざまなネットワーク・インターフェース・タイプに対して TCP/IP が使用するインターフェース MTU 値について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」の DEVICE ステートメントと LINK ステートメントの要約および INTERFACE ステートメントの要約を参照してください。 IPAQENET6 インターフェース、または INTERFACE ステートメントによって定義された IPAQENET あるいは IPAQIDIO インターフェースの場合、INTERFACE ステートメントの MTU キーワードを使用して、より小さな interface MTU 値を構成することができます。
Configured route MTU 値は、経路用に構成された MTU サイズです。
静的経路の場合、TCP/IP プロファイルで、BEGINROUTES ブロックの ROUTE エントリーに configured route MTU 値を指定できます。
インターフェース上で OMPROUTE によって追加された IPv4 動的経路の場合、configured route MTU 値は、経路の発信インターフェース用の OMPROUTE 構成ファイルで RIP_INTERFACE、OSPF_INTERFACE または INTERFACE ステートメントで指定された MTU キーワードの値です。
OMPROUTE によって追加された IPv6 動的経路の場合、OMPROUTE は TCP/IP から interface MTU 値を確認します。OMPROUTE 構成ファイルで route MTU 値を構成することはできません。
これらの係数から、TCP/IP が MTU を判別する方法に 一連の一般的な規則が形成されますが、いくつかの例外があります。 例えば、アプリケーションが IPV6_USE_MIN_MTU ソケット・オプションを使用する場合、TCP/IP は IPv6 最小 MTU 値 1280 を使用してアウトバウンド・パケットを送信します。