階層ファイル・システムは次のものから構成されます。
- ファイル。これにはデータまたはプログラムが入っています。
プログラム・オブジェクト、シェル・スクリプト、または REXX プログラムを含むファイルは、実行可能ファイル と呼ばれます。
ファイルはディレクトリー内に保持されます。
- ディレクトリー。ファイルまたは他のディレクトリー、あるいはその両方を含んでいます。ディレクトリーは、根にあたるルート・ディレクトリーが上にあり、枝にあたるブランチが下にくる、上下が逆の樹木に似た構造で、階層的に配置されます。ルートは、ファイル・システムの 1 番目のディレクトリーで、このツリー構造の頂上にあり、スラッシュ (/) で指定します。
- 名前付きパイプ、リンク、およびその他の UNIX 項目、例えば /dev/console のようなキャラクター・スペシャル・ファイルは、syslogd のようなアプリケーションによって使用されます。キャラクター・スペシャル・ファイルのような UNIX 項目についての詳細は、「z/OS UNIX System Services 計画」を参照してください。
ファイル・システム という用語には、以下のすべての意味が含まれます。
- ファイル、ディレクトリー、名前付きパイプ、リンク、およびその他の UNIX 項目とメタデータを階層形式で配列した論理集合。
- 上記の項目を階層形式で配列した論理集合の特定インスタンス。これらは、ローカル・ディスクやリモート・ディスク、あるいはコンピューター・メモリー内にあります。
- 同一タイプのファイル・システムの機能とデータを提供するように設計されているプログラム。
意図している意味がどれであるかは、コンテキストにより判断します。
しばしば、複数の意味で使用されている場合がありますが、これは一種の業界規約です。
z/OS® システムにとって、ファイル階層とは、ファイル・システムの集合です。ルート・ファイル・システムまたは追加のファイル・システムのディレクトリーに、さらに、ローカルまたはリモートのファイル・システムの追加インスタンスがマウントされる (論理的に接続される) ことがあります。
z/OS は、以下のファイル・システムに示す、複数のタイプのファイル・システムをサポートしています。
- z/OS ファイル・システム
z/OS ファイル・システムの各インスタンスは、それぞれ 1 つの線形データ・セットにあります。
- HFS (階層ファイル・システム)
HFS の各インスタンスは、それぞれ 1 つの HFS データ・セットにあります。
- TFS (一時ファイル・システム)
TFS の各インスタンスはコンピューター・メモリー内にあります。
- NFS (ネットワーク・ファイル・システム)
NFS サーバーは、他のコンピューター上にあるファイル・システムへのアクセスを提供します。
ほとんどのアプリケーション・プログラムでは、上記のタイプのファイル・システムは相互に交換可能です。ルート・ファイル・システムは、取り付けられる 1 番目のファイル・システムです。
これに続くファイル・システムは、ルート・ファイル・システム内のディレクトリーに論理的に取り付けられるか、取り付けられた任意のファイル・システム内のディレクトリーに取り付けられます。