FTP 用の PROFILE.TCPIP の構成

特定スタックとのアフィニティーを持つように FTP サーバーを構成してある場合、または、単一スタック環境内の一般サーバーとなるように FTP サーバーを構成してある場合は、AUTOLOG ステートメントで FTP サーバー・カタログ式プロシージャーの名前を指定して、TCP/IP アドレス・スペースの開始時に FTP サーバーを自動開始できます。FTP サーバーを複数スタック環境内での一般サーバーとして構成してある場合は、AUTOLOG ステートメントの使用によるサーバーの自動開始を指定しないでください。代わりに、サーバーの自動開始には、AUTOLOG の外部で他の何らかの自動化手段を使用してください。

以下の例で、プロシージャーの名前が FTPD である場合、以下のステートメントによって、TCP/IP は、プロシージャー FTPD に対して MVS™ START コマンドを出すことができます。以下に示したポート・ステートメントでは、ジョブ名 FTPD1 が使用されています。デーモン・ジョブ名が 8 文字に満たない場合、FTP デーモンは元のデーモンに 数字の 1 を付加したジョブ名を持つプロセスを fork します。

AUTOLOG
  FTPD JOBNAME FTPD1
ENDAUTOLOG

FTP サーバー用にポート 21 および 20 を予約するには、以下のステートメントを追加します。

 PORT                                          
   21 TCP FTPD1             ; FTP server control port
   20 TCP OMVS NOAUTOLOG   ; FTP server data port   

PORT および AUTOLOG ステートメントに FTPD1 を指定すると、 TCP/IP が終了した時に FTPD を再始動します。

FTP 上で一定の時間にわたってデータ接続のアクティビティーがなかった場合に、 FTP がデータ接続エラーを検出できるようにするには、TCPCONFIG ステートメントの INTERVAL パラメーターを比較的低い値に設定します。 INTERVAL パラメーターに指定されたようにスタックが送るキープアライブ・パケットは、 無期限の待ち状態に入らないように、ピア接続のリセットまたは終了などのエラーを 検出できるようにします。TCPCONFIG ステートメントの INTERVAL 値の選択の際は 十分注意してください。この値は、FTP 接続のみでなく、インターバルがアクティブにされている ホストのすべての TCP 接続に影響します。

制御接続も、キープアライブ・パケットから利益を得ることができます。 多くのファイアウォールは、作成されたすべての接続で周期的なアクティビティーを必要とし、制御接続の場合、長いデータ転送の間はアイドル状態とみなされることがあります。 TCPCONFIG ステートメントに INTERVAL パラメーターをコーディングすることによって、 当然、データ接続と同様に、キープアライブ・パケットが制御接続に送られることになります。 FTP 制御接続およびデータ接続のスタックに構成したキープアライブ・インターバルをオーバーライドすることができます。これは、FTP.DATA ファイルまたはデータ・セットの FTPKEEPALIVE (制御接続) および DATAKEEPALIVE (データ接続) ステートメントで指定します。

FTP のデータ接続を最適の状態にするには、最低 180K のバッファー・サイズが必要です。TCPMAXRCVBUFRSIZE パラメーターを 180K 未満に設定しないようにしてください。このパラメーターのデフォルト値は 256K です。 IBM® Health Checker for z/OS® は、TCPMAXRCVBUFRSIZE 値が z/OS Communications Server FTP サーバーに最適なサポートを十分提供できる値であるかどうかを調べるのに使用できます。 IBM Health Checker for z/OS について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP Diagnosis Guide」および「IBM Health Checker for z/OS: ユーザーズ・ガイド」を参照してください。

AUTOLOG、PORT、および TCPCONFIG の各ステートメントについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。

ご使用の FTP サーバーが分散動的 VIPA (DVIPA) 上の接続を受け入れる場合、以下のいずれかの条件が該当する場合は、その分散 DVIPA に SYSPLEXPORTS を指定する必要があります。 VIPADYNAMIC ステートメント、および VIPADISTRIBUTE パラメーターへの SYSPLEXPORTS オプションの指定について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。