現在 z/OS® 上で Communications Server SMTPD を使用している場合は、CSSMTP にマイグレーションする必要があります。 IBM® は、将来的なリリースで SMTPD を廃止する方針を発表しています。 CSSMTP は、バッチ・ジョブを使用して JES スプール・データ・セット上でメールを作成するかインターネットへの配信に SMTPNOTE を使用する SMTPD の z/OS ユーザーをサポートするように設計されています。SMTPD を使用して今回送信したメール・メッセージは、おそらく CSSMTP で送信することができます。ただし、表 1 で示されているように、CSSMTP は SMTPD とは違い、すべてのユーザーに対応することはできない可能性があります。マイグレーションについての考慮が必要となる主要な違いには、以下のものがあります。
機能 | CSSMTP | SMTPD |
---|---|---|
JES スプール・ファイルの管理 | 不正なスプール・ファイルまたはエラー・レポートを使用します。BadSpoolDisp、Undeliverable、および Report ステートメントについては、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。 | DASD を使用してメールを保管します。 |
コード・ページ変換 | 可。JES スプール・ファイルには EBCDIC コード・ページの iconv サポートを使用します。Translate ステートメントの使用については、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。 | 可。ユーザー定義の変換テーブルは SMTPD で構成されます。 |
RFC 822 ヘッダーまたはメール本文の変更 | 不可。EBCDIC から ASCII へ変換するため、および RFC 822 ヘッダーの先頭へ RECEIVED 行ヘッダーを追加して CSSMTP がメール・メッセージを取り出したことを示すためのコード・ページを除きます。 | はい |
SMTP サーバー機能 (例えば、メールの受信) のサポート | 不可。CSSMTP はメール転送 SMTP クライアント・アプリケーションであり、十分な能力のある MTA ではありません。 | はい |
ローカル TSO ユーザーへの配信 | 不可。この機能が必要な場合は、SMTPD を使用してローカル TSO メールボックスへのアクセスを提供します。 | はい |
配信不能メール | 配信不能メール通知は、発信元に返送するか削除することができます。配信不能メール用のエラー・レポートを SYSOUT 用に生成することや、メール管理者に送信することができます。Undeliverable および Report ステートメントについては、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。 | 発信元へ返送します。 |
デッド・レター・メール | デッド・レター・メールは、削除するか、z/OS UNIX ファイル・システム・ディレクトリーに書き込むことができます。Undeliverable ステートメントでの DeadLetterAction パラメーターについては、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。 | デッド・レター処理をサポートする構成パラメーターはありません。 |
メール処理のモニター | MODIFY コマンド | SMSG |
VMCF および TNF サブシステムの使用 (必須) | いいえ | 可。SMTPD は Pascal アプリケーションです。 |
セキュリティー | セキュリティー製品の権限プロファイルを使用してセキュリティーを提供します。CSSMTP のセキュリティーを参照してください。 | RESTRICT および SECURE ステートメントを使用します。 |
コマンドでのパス名の再書き込み | 不可。バッチ・ジョブには、userid@host.domain などの正しいメール・アドレス・フォーマットを使用する必要があります。 | はい |
何も表示されない場合のメッセージ ID フィールドの追加 | はい | いいえ |
@host1,@host2:userid@host3 形式または NJEuserid%NJEhost 形式などのソース・ルーティングのサポート | 不可。CSSMTP はパスからソース・ルートを削除します。CSSMTP は、ソース・ルーティングをサポートせず、これらのアドレッシング・フォーマットを生成しません。 | はい |
ローカル・メール管理者へのメールの送信 | 不可。CSSMTP はメール管理者へ配信可能なレポートを内部的に生成しますが、メール管理者のアドレスは、userid@host.domain の形式である必要があります。 | 可。ローカル TSO またはリモート (NJE) ユーザー ID をメール管理者としてサポートします。 |
SMTP コマンド EXPN、 QUEU、 HELP、 NOOP、 TICK、 VERB、 および VRFY のサポート | 不可。サポートされているコマンドについては、「z/OS Communications Server: IP ユーザーズ・ガイドとコマンド」を参照してください。 | はい |
リゾルバー | リゾルバー構成ファイル用の z/OS UNIX 検索順序です。システム・リゾルバーを使用します。 | リゾルバー構成ファイル用の固有の MVS™ 検索順序です。システム・リゾルバーを使用しません。 |
チェックポイント | 可。CSSMTP 開始プロシージャーでの CHKPOINT DD ステートメントの使用、および CSSMTP の開始については、「z/OS Communications Server: IP 構成解説書」を参照してください。 | いいえ |
IPv6 サポート | はい | いいえ |
SMF サポート | はい | いいえ |