ステップ 16: ADNR システムが正常に機能しているかの確認 (オプション)

ADNR システムを開始した後、ADNR システムの MVS™ コンソールを表示して、アプリケーションが正しく開始されて実行されているか確認します。何らかの障害メッセージが表示されている場合は、該当メッセージの説明を参照して、適切な修正アクションを行ってください。ADNR システムの syslogd ファイルを見て、エラーまたは警告メッセージが発行されたかどうかを確認します。

ADNR が正常に機能しているか確認するには、次のコマンドを使用します。

接続が確立できない場合、ADNR は、接続の確立ができなかった結果出力されるアクション・メッセージ EZD1272E, ADNR CONNECTION ATTEMPT TO GWMgwmipaddress FAILED を発行します。このメッセージが発行され、GWM がアクティブである場合、GWM と ADNR によって使用される IP アドレス間に経路指定が存在することを確認してください。
ADNR の MODIFY procname,DISPLAY,GWM,DETAIL コマンドを実行して、ADNR が開始され、予定されている Advisor に接続されていることを確認します。 GWM IP アドレスとポートが、接続する必要があった Advisor の、予想通りの IP アドレスとポートであることを確認します。
Advisor から、MODIFY procname,DISPLAY,LB コマンドを実行して、Advisor が認識する LB 索引をリストします。ADNR を表す LB 索引を識別してから、Advisor の MODIFY procname,LB,INDEX=lb-index コマンドを実行します。シスプレックス内で使用可能になる必要のある登録済みの各メンバーが、AVAIL フィールドで使用可能として表示されることを確認します。使用可能性状況に矛盾がある場合は、FLAGS フィールドを調べて、メンバーが使用不可である理由を見つけます。 Advisor の FLAGS フィールドのフラグについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP システム管理者のコマンド」を参照してください。
ADNR の MODIFY procname,DISPLAY,GWM,GROUPS,DETAIL コマンドを実行して、サーバー・グループとホスト・グループが GWM に正しく登録されていることを確認します。シスプレックス内で使用可能になる必要のある登録済みの各メンバーが、AVAIL フィールドで使用可能として表示されることを確認します。使用可能性状況に矛盾がある場合は、FLAGS フィールドを調べて、メンバーが使用不可である理由を見つけます。 ADNR の FLAGS フィールドのフラグについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP システム管理者のコマンド」を参照してください。
MODIFY procname,DISPLAY,MEMBERS Agent コマンドを実行して、Agent が所有するメンバーを認識していることを確認します。Agent が稼働するシステムが所有する全 ADNR 登録 IP アドレスが表示されている必要があります。
ADNR の MODIFY procname,DISPLAY,DNS,ZONES,SUMMARY コマンドを実行して、ADNR が、管理するネーム・サーバーと適切に通信できることを確認します。コンバージェンス期間の満了後、ZONE STATUS フィールドが SYNCHRONIZED であるか、SYNCHRONIZED に変更されていることを確認します。コンバージェンス期間の定義については、ステップ 8: アプリケーションまたはシステムの障害時に自動的に再開するように ADNR を構成 (オプション)を参照してください。ゾーン状況が値 NOT_RESPONSIVE で始まる場合、ADNR とネーム・サーバー間に接続の問題があるか、ADNR とネーム・サーバー間に構成の不一致があります。応答しないゾーンの診断について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP Diagnosis Guide」を参照してください。ADNR がネーム・サーバーと適切に通信できない場合、ADNR は通信できないことによりその結果出力されたアクション・メッセージ EZD1278E を発行します。このメッセージは、問題が解決されるまで残ります。
ADNR で構成したシスプレックス・リソースの使用可能性状況をネーム・サーバーが反映していることを確認します。ADNR に対して構成されるゾーンごとに ADNR の MODIFY procname,DISPLAY,ZONES,ZONEID=zone_label,DETAIL コマンドを実行するか、MODIFY procname,DISPLAY,ZONES,DETAIL を実行してすべてのゾーンを表示します。リソース・レコード表示ごとの DNS RR STATUS フィールドが、シスプレックス内で使用可能なリソースごとに PRESENT であることを確認します。
z/OS® UNIX dig コマンドを使用して、ADNR 管理ゾーンのゾーン転送を実行します。また、ADNR に対して構成されるメンバー、およびシスプレックス内のそれらのメンバーの使用可能性状況に基づいて、ゾーンの内容が予想した内容と一致するかどうかを確認します。使用する dig コマンドには、次の形式があります。
```
dig @name_server_address  domain_name axfr
```
ヒント: ゾーン転送がネーム・サーバー構成によって、特定の IP アドレスからのクライアント、または要求をデジタル署名 (TSIG) したクライアントに制限された場合、-b オプションまたは -k オプション指定で dig コマンドを発行して、それぞれ、特定の IP アドレスから発信する要求、あるいは適切な署名でデジタル署名する要求を強制的に行う必要が生じる可能性があります。dig コマンドについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP システム管理者のコマンド」を参照してください。
AT-TLS の使用時に ADNR が正常に機能しているか確認するには、以下のようにします。
- z/OS UNIX シェルから pasearch コマンドを使用して、ポリシー・エージェントからの情報を照会します。ポリシー・ベースのネットワーキング情報の表示について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP システム管理者のコマンド」を参照してください。
- Netstat TTLS/-x コマンドを使用して、z/OS Load Balancing Advisor および ADNR AT-TLS のポリシーを表示します。Netstat TTLS/-x レポートについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP システム管理者のコマンド」を参照してください。