形式
uucico [–f]
[–g grade] [–r0|–r1]
[–s system] [–x type]
説明
uucico デーモンは、uucp と uux によって
キューに入れられているファイル転送要求を処理します。これは、リモート・サイトとの接続を確立し、キューに入れられた uucp ま
たは uux ジョブの指定する通りにリモートとローカルとの間の
データ転送を管理します。
uucico は、uucp または uux コマンド
が完了した後に自動的に起動されます (ただし、–r オプション
が uucp または uux コマンドで指定されて
いると、呼び出されません)。従来は、uucp または uux コマンドの実行時に正常に
完了できなかった要求を処理するため、およびリモート・サイトからの転送を
開始するためには、cron を使用して定期的な間隔
で uucico を開始させる方法がとられました
(uucico を開始するためのクーロンの使用について詳しくは、「z/OS UNIX System Services 計画 」を参照してください。ここには、crontab 項目の作成についての説明があります。)
uucico には 2 つのモードがあります。スレーブ・モードと
マスター・モードです。
- スレーブ・モードでは、 uucico はリモート・サイトから要求を受け取ります。
-r0 オプション (デフォルト・オプション) は uucico を
スレーブ・モードで開始します。uucico は、通常は、uucpd デーモンによって (TCP/IP を
介したリモート接続用)、または逐次接続を介してログオンできる
特別な UUCP ユーザー ID のログイン・シェルとして、スレーブ・モード
で開始されます。詳細は、uucpd および uucp を参照してください。
- マスター・モードでは、 uucico はローカル・サイトからの要求を処理します。–r1 および –s オプションは、uucico をマスター・モードで開始します。
uucico は、通常は、cron によってマスター・モードで
開始されます。uucp および uux も、デフォルトに
よって uucico をマスター・モードで起動します。
uucico がリモート・システムに接続できない場合は、指定の時間が
経過するまでは再び実行できないようになります。Permissions ファイルにパラメーターを設定すると、再び各システムを
呼び出すことができるようになるまでのデーモンの待機時間
を指定することができます。許可ファイルについては、「z/OS UNIX System Services 計画」を参照してください。
uucico は、SIGQUIT、SIGTERM または SIGPIPE シグナルを受け取ると、リモート・サイトとの現行の会話を終了し、この処理を終わりにします。
オプション
- –f
- すべてのリモート・システムに関して、要求された待機期間を無視し、要求どおりに
呼び出しを行います。
- –g grade
- 発信作業 (ファイル転送要求) を、指定された優先順位が grade かそれ以上である場合にだけ
処理します。grade は数字 (0–9) または
文字 (A–Z、a–z) で、0 は最高の
優先順位、z は最低の優先順位です。
- r0 | –r1
- 使用する uucico のモードを指定します。r0 (デフォルト) はスレーブ・モード、r1 はマス
ター・モードを指定します。uucico でリモート・システム (マスター・モード) を呼び出した
いのであれば、–r1 を指定します。
- –s system
- リモート・システムを呼び出します。デフォルトでは、uucico はすべての定義済みシステムを呼び出します。
- –x type
- デバッグをオンにします。type で、詳細レベルの
番号を指定します。0 は最も簡略な情報、9 は最も詳しい情報を
提供します。デバッグ出力は、フォアグラウンドで uucico を実行している場合
は stderr に書き込まれます。また、uucpd によって、またはリモート uucico が UUCP ユーザー ID にログインすることによって
バックグラウンドで uucico を実行している
場合は、/usr/spool/uucp/LOGFILE に書き込まれます。
LOGFILE は、ファイル・システムをいっぱいに満たしてしまわないように、モニターする必要があります。
例
デバッグ出力を
stdout に送信することにして
リモート・サイト
west を呼び出すには、以下のようにします。
uucico –r1 –x 9 –s west
ファイル
uucico は、以下の構成ファイルを使用します。
- /usr/lib/uucp/config
- UUCP 構成ファイル。 (uucc を参照してください。)
- /usr/spool/uucp/LOGFILE
- UUCP デバッグ・ファイル
- /usr/spool/locks
- ディレクトリーには uucico により作成されたロック・ファイルが含まれています。
- /usr/spool/uucp/.Status
- UUCP 状況ファイル
終了値
- 0
- 正常終了
- 1
- 以下のいずれかによる失敗。
- 無効なコマンド行オプション
- setuid uucp が実行されていない
- 引数リストが長すぎる
- ログ・ファイルを開くことができない
- CTRL-C 割り込み
関連情報
uucc、uucp、uulog、uux、uuxqt