submit - バックグラウンド・プロセス用のバッチ・ジョブを実行依頼する

形式

submit [–jq] [filename …]

説明

submit コマンドは、処理の実行のために、バッチ・ジョブを基本ジョブ入力サブシステム (JES) に送信します。 filename 引数は UNIX パス名、データ・セット、または、標準入力 (stdin) からの入力のいずれでもかまいません。

filename 引数が順次データ・セットの場合、filename は次のように指定します。
```
 "//'full.data.set.name'"
```
filename 引数が区分データ・セットの場合、filename は次のように指定します。
```
"//'full.pds.name(member)'"
```
ここで、member は区分データ・セット FULL.PDS.NAME のメンバー名です。

引数が指定されない場合、submit は標準入力から読み取ります。標準入力が使用される場合は、‘///' を入力するか Ctrl-D を押して入力を終了します。

submit コマンドが正常に終了した場合、-j オプションによる変更がないかぎり、実行依頼されたジョブのジョブ ID およびファイル名が標準出力に書き込まれる出力の一部として表示されます。

JCL にはジョブ・カードが必要です。ジョブ・カードがない場合、submit コマンドは失敗します。

オプション

–j: submit コマンドが正常に終了すると、ジョブ ID だけを表示します。
–q: 抑制モードです。抑制モードでは、すべてのエラー・メッセージは抑制され、終了状況が保存されます。

例

z/OS® UNIX ファイルにあるジョブを実行依頼するには、次のようにします。
```
submit buildjcl.jcl
```
標準出力への出力は次のようになります。
```
JOB JOB05990 submitted from path 'buildjcl.jcl'
```
区分データ・セットにあるジョブを実行依頼するには、次のようにします。
```
submit "//'POSIX.RTL.UT13.JCL(TESTJCL)'"
```
標準出力への出力は次のようになります。
```
JOB JOB06075 submitted from data set 'POSIX.RTL.UT13.JCL(TESTJCL)'
```
標準入力からジョブを実行依頼するには、次のコマンドを指定できます。
```
cat test.jcl | submit     
```
標準出力への出力は次のようになります。
```
 JOB JOB21532 submitted from stdin
```

終了値

0: すべてのジョブが正常に実行依頼された。
1: 1 つ以上のジョブが実行依頼されなかった。
2: コマンド行の引数またはオプションが正しくない。

使用上の注意

submit シェル・コマンドは REXX の submit 関数を使用します。これは、「z/OS REXX および z/OS UNIX System Services の使い方」に説明があります。

ローカライズ

submit コマンドはユーザーのロケールに依存しません。ユーザーの責任で JES が受け入れられる入力を指定できます。

制限

JOBNAME は JCL の中からしか指定できません。
完全修飾データ・セット名しか受け入れられません。
このバージョンの submit は、TSO から直接実行できません。
ファイルに複数のジョブ・カードがある場合、submit は、そのファイルの中の、実行依頼された最後のジョブのジョブ ID だけを表示します。
PDS メンバーを指定したときに、データ・セットはあるがメンバーがない場合、次のメッセージが標準出力に生成されます。
```
IRX0250E System abend code 013, reason code 00000024. 
IRX0255E Abend in host command execio or address environment routine MVS. 
IRX0670E EXECIO error while trying to GET or PUT a record.
```
submit は空のジョブの実行依頼を試行し、メッセージ FSUMB409 を stderr に生成します。
JES に実行依頼されるデータ・セットに ANSI 制御文字 (例えば RECFM=FBA) を組み込まないでください。これらは受け入れられません。