set サブコマンド (dbx 用): dbx 変数の値を定義する

形式

set [variable=expression]

説明

set サブコマンドは 値 (expression 引数で 指定される) を dbx デバッグ・プログラム変数 (variable 引数で指定される) に対して定義します。 変数の名前は、デバッグ中のプログラム内の名前と 対立してはなりません。変数は、他のコマンド内で、対応する式に展開されます。引数を指定しない set サブコマンドを使用した場合は、現在設定されている変数が表示されます。

変数

set サブコマンドによって、以下の変数が設定されます。
$asciichars
文字の値を表示するすべての dbx 操作 は、文字のバイナリー表示を ASCII として解釈します。
$asciistrings
ストリングの値を表示するすべての dbx 操作 は、ストリングのバイナリー表示を ASCII として解釈します。
$c<n>
条件変数
$catchbp
次のコマンドを実行中にブレークポイントを捕えます。
$charset
文字ストリングを、表示前に変換します。文字ストリングは、コード・ページ srcCodePage から destCodePage に変換されます。destCodePage は IBM-1047 でなければなりません。デフォルトの設定では、文字ストリングは変換されません。
$commandedit
コマンド行の機能を使用可能にします。
$current
フォーカス・スレッドの値の定数として定義されます。
$cv_events
条件変数イベントを処理したときに ユーザーに通知しますが、停止はしません。異なるイベントに対して、以下のトレース情報がユーザーに送られます。
(dbx) cont
.
.
cv initialize, object=0x2e04567
cv wait, object=0x2e04567, mutex=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
cv unwait, object=0x2e04567, mutex=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
cv destroy, object=0x2e04567
.
.
$dll_loads
デフォルトで設定されます。設定されている場合、DLL 用のシンボルがロードされるときに dbx はそれらを処理します。
$dll_loadstop
デフォルトで設定されます。 設定されている場合、dbx は DLL のロードを引き起こした関数を 停止します。変数参照または明示的ロードによって DLL がロードされた場合、dbx は DLL のロードを引き起こしたソース行で停止します。
$expandunions
可変レコードまたは共用の各部分の値を表示します。
$expressionexhaustivesearch
式の有効範囲を判別および検査するために、ユーザーのプログラム内のすべての有効範囲を検索します。このオプションを選択すると、パフォーマンスが低下することがあります。
$flprecision
浮動小数点レジスターの値が (例えば、式や割り当てで) 表示されるときのレジスター精度 (バイト単位) を決定します。有効値は 4、8、または 16 です。
$fr<n>
16 進浮動小数点レジスター。
$frb<n>
2 進浮動小数点レジスター。
$frd<n>
10 進浮動小数点レジスター。
$hexchars
文字を 16 進形式で出力します。
$hexin
入力は 16 進形式で解釈されます。
制約事項: $hexin 変数は、dbx コマンド行モードでのみサポートされ、GUI 入力の解釈に影響を及ぼしません。GUI デバッガーのユーザーが、入力を 16 進形式で解釈させたい場合は、入力データの前に「0x」を付ける必要があります。
$hexints
整数を 16 進形式ではなく、10 進形式で出力します。
$historypage
Page Up および Page Down キーの使用中に横断するヒストリー項目の数を指定します。
$history_unique
連続した重複コマンドがヒストリー・リストに保管されないようにします。
$historywindow
表示しヒストリー・リストに保存するコマンドの数を指定します。
$hold_next
フォーカス・スレッドを除くすべての スレッドを、nextnextistep、また は stepi コマンドの実行中、保留します。設定されない場合、すべてのスレッドは実行を再開 し、nextnextistep、また は stepi コマンドの実行によって設定された ブレークポイントに到達する可能性があります。
$l<n>
読み取り/書き込みロック変数。
$listwindow
関数の前後のリストする行数、および、パラメーターを指定しない list サブコマンドが 使用されたときにリストする行数を指定します。
$lv_events
設定された場合、dbx はユーザーに通知しますが、読み取り/書き込みロック・オブジェクト・イベントの処理時に停止は しません。異なるイベントに対して、以下のトレース情報がユーザーに送られます。
(dbx) cont
.
.
lv initialize, object=0x2d04567
lv wait, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
lv unwait, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
lv lock, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
lv unlock, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
lv relock, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
lv unrelock, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
lv destroy, object=0x2d04567
.
.
$m<n>
mutex 変数を指定します。
$maxstring
ストリングを出力する際に表示される最大文字数を指定します。$maxstring 個の文字が出力されると、 ストリングの出力は停止します。ストリングを完全に表示するには、ゼロに設定します。デフォルト値はゼロです。
$mv_events
設定された場合、dbx は相互排他イベントを処理したときに ユーザーに通知しますが、停止はしません。異なるイベントに対して、以下のトレース情報がユーザーに送られます。
(dbx) cont
.
.
mv initialize, object=0x2d04567
mv wait, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
mv unwait, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
mv lock, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
mv unlock, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
mv relock, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
mv unrelock, object=0x2d04567, thid=0x0102030405060708
mv destroy, object=0x2d04567
.
.
$noargs
whereupdown、および dump のような引数を、サブコマンドから省略します。
$noflbregs
registers サブコマンドで浮動小数点レジスターの 2 進浮動小数点レジスター表記を表示しません。
$nofldregs
registers サブコマンドで浮動小数点レジスターの 10 進浮動小数点レジスター表記を表示しません。
$noflregs
registers サブコマンドで浮動小数点レジスターの 16 進浮動小数点レジスター表記を表示しません。
変更の始まり$novregs変更の終わり
変更の始まりこれを設定すると、registers サブコマンドからのベクトル・レジスターの表示を省略します。変更の終わり
$octin
入力を 8 進数形式として解釈します。$octin 変数は、dbx コマンド行モードでのみサポートされ、GUI 入力の解釈に影響を及ぼしません。GUI デバッガーのユーザーが、入力を 8 進形式で解釈させたい場合は、入力データの前に「0」を付ける必要があります。
$octints
整数を 8 進数形式で出力します。
$pc
プログラム・カウンター・レジスター。
$psw
プログラム状況ワード・レジスターの最初のワード。
$psw0
プログラム状況ワード・レジスターの最初のワード。
$psw1
プログラム状況ワード・レジスターの 2 番目のワード。
$r<n>
汎用レジスター。
$r_precision
整数値を表示するときに使用する精度をバイト単位で設定します。指定できる値は、4 と 8 です。
$repeat
コマンドが入力されなかった場合、直前のコマンドを繰り返します。
$showbases
派生クラスの出力時に、基本クラス・データを表示します。
$showcodelines
デバッガーが停止し、ブレークポイントを設定することができる行を示します。
$sigblock
デバッグ中のプログラムに到達しないように、すべてのシグナルをブロックします。
$sticky_debug
設定された場合、dbx は、ロード・マップ内の スティッキー・ビット・プログラムと DLL を認識します。
$t<n>
スレッド変数。
$tv_events
スレッド・オブジェクト・イベントを処理したときに ユーザーに通知しますが、停止はしません。異なるイベントに対して、次の例に類似したトレース情報がユーザーに送られます。
(dbx) cont
.
.
IPT create, thid=0x1234567890123456, stack=5200
IPT exit, thid=0x1234567890123456
tv create, thid=0x1234567890123456,  created thid=0x1234567890123422,
           stack=5200
tv created, thid=0x1234567890123456, stack=5200
tv exit, thid=0x1234567890123456
tv wait, thid=0x1234567890123456, joining thid=0x1234567890123422
tv unwait, thid=0x1234567890123456, joined thid=0x1234567890123422
$unsafeassign
assign サブコマンドの両辺の間の 厳密なタイプ検査をオフにします。
$unsafebounds
配列についての添え字検査をオフにします。
$unsafegoto
goto サブコマンドの宛先検査をオフにします。

使用上の注意

  1. $unsafe 変数は、エラーの検出についての dbx デバッグ・プログラムの有用性を 制限します。
  2. set サブコマンドは、dbx デバッグ・プログラムの実行中にのみ 実行できます。

  1. リストする行数のデフォルトを 20 に変更するには、以下のように入力します。
    set $listwindow=20
  2. assign サブコマンドのタイプ検査を使用不可にするには、以下のように入力します。
    set $unsafeassign

関連情報

unset サブコマンド。