pr - ファイルをページ編集済み形式にフォーマットし、それを標準出力に送る

形式

pr [–adFfprtW] [–n | –c n | –m] [–e [char][gap]] [–H header-fmt] [–h header] [–i[char] . [gap]] [–l n] [–n[char] [n]] [–o n] [–s[char]] [–w n] [+n] [file …]

説明

pr は、指定されたファイルをページ編集済み形式で、標準出力 (stdout) に印刷します。file を指定しなかった場合、または のファイル名を指定した場合、pr は標準入力を読み取ります。デフォルトでは、pr は 与えられたファイルを、列が 1 つ、1 ページ当たり 66 行に フォーマットします。各ページには、5 行のヘッダーがあります。デフォルトでは、3 行目にはファイルのパス名、最後に変更された日付、および現行ページ番号が入ります。その他の行は ブランクです。5 行のトレーラーは、ブランク行で構成されています。

複数桁を指定した場合、pr はその出力を 等しい幅の複数桁にします。各桁は少なくとも 1 つのスペースで区切られます。各行は、その桁に収まるように切り捨てられます。入力行は、出力上では、桁の下方に向けて並べることもできますし、ページに横に並べることもできます。また、異なる桁がそれぞれ異なるファイルを表すこともできます。

オプション

+n
各ファイルの n 番目のページから印刷を開始します。すなわち、最初の n–1 ページをスキップします。n のデフォルトは 1 です。
n
n 桁の出力を印刷します。このオプションを指定した場合 、pr–e および –i オプションも 指定された場合のように処理を行います。この両方のオプションおよび –t を指定すると、pr は出力を表示する ために可能な最小の行を使用します。このオプションは、–m オプションと共に指定しないでください。
–a
入力行を、出力上で下方に向けて並べるのではなく、ページに横に並べます。このオプションは、必ず –n と共に使用してください。
–c n
n 桁の出力を表示します。このオプションを指定した場合 、pr–e および –i オプションも 指定された場合のように処理を行います。この両方のオプションおよび –t を指定すると、pr は出力を表示する ために可能な最小の行を使用します。このオプションは、–m と共に指定しないでください。
–d
ダブルスペースの出力を作成します。
–e [char][gap]
入力タブ文字の各オカレンスをスペースのストリングに展開し、次の文字が、次の列位置 (gap の正の倍数プラス 1) に来るようにします。gap を指定しなかったか、それがゼロの場合には、pr は、gap が 8 の値を持つと想定します。非数字の文字 char を指定した場合、pr はそれを入力タブ文字として扱います。 それ以外の場合は、pr は標準タブ文字を使用します。
–F
ページを替えるために、用紙送りを使用します。pr は、通常、ページの長さを満たすだけの一連の <改行> 文字を送ることによってページ替えをします。
–f
ページを替えるために、用紙送りを使用します。出力が端末装置のとき は、pr はベルを鳴らし、キャリッジ・リターンがタイプされるまで待ってから、テキストを表示します。pr は、通常、ページの長さを満たすだけの一連の <改行> 文字を送ることによってページ替えをします。
–H header_fmt
ストリング header_fmt で書式を指定することにより、ヘッダー行をカスタマイズすることができます。pr は、以下のフォーマット設定用の特別なコマンドを認識します。
%c
日付および時刻
%F
現行ファイル名、または –h で与えられた header ストリング
%P
ページ番号
%L
行番号
%D
日付
%T
時刻
%u
現行のユーザー名

デフォルトのヘッダーの書式は、以下のオプションと同等です。-H "%c %F Page %P"

–h header
後続の各ページ・ヘッダーで、ファイル名の代わりに header ストリングを使用します。
–i [char][gap]
ホワイト・スペースを出力上ではタブに置き換えます。char を与えた場合、それが出力タブ文字になります。デフォルトはタブ文字です。prgap 位置ごとにタブを設定します。gap のデフォルトは 8 です。このタブ文字が入力タブ文字と異なっており、実際のデータにこのタブ文字が含まれていると、その結果は雑然としたものになる可能性があります。
–l n
出力のページ当たり行数を設定します。デフォルトは 66 です。実際に印刷されるページ当たり行数は、この数からヘッダー用に 5 行を引き、さらにトレーラー用に 5 行を引いた行数です。n が 10 (ヘッダーおよびトレーラーに必要な行数) より小さい場 合、pr はヘッダーもトレーラーも表示しません。
–m
各ファイルを、その固有の列に、ページの下方に向かって印刷します。これは –a オプションを変更し、–n オプションは 強制的に与えられたファイルの数になります。–n オプションも指定した場合は、最初の列に対してだけ行番号が与えられます。
–n[char][n]
各ファイルの行に番号を付けます。各番号は n 桁の位置を占めます。 n のデフォルトは 5 です。文字 char は行と番号を区切ります。これはデフォルトでは、タブ文字になります。 char が入力タブ文字と同じである場合 、pr は、番号の後に次のタブ停止位置に達するまでに必要な スペースを続けます。–i オプションを指定した場合 、pr は次にこれらのスペースを出力タブ文字に置き換えます。複数桁出力の場合、pr は各桁に行番号を追加します。–m は、最初の桁に対してのみ行番号を与えます。
–o n
出力の各行を n 文字位置だけ相対位置変更します。
–p
出力が端末装置の場合、各ページの最初で休止します。pr はベルを鳴らし、制御ワークステーション (入力ファイルではない) からのキャリッジ・リターン を待ちます。
–r
ファイルを開くときに、障害によるエラー・メッセージを抑制します。
–s[char]
各桁を正しい長さで印刷します。文字 char は、桁を分離します。char のデフォルト値は、タブ文字です。この文字は、出力タブ文字に置き換えられることはありません。通常、pr はちょうど列の幅まで、各列をスペースを埋めるか切り捨てます。–w オプションも使用された場合を除いて 、–s はページ幅を 512 列位置にリセットします。
–t
ヘッダーおよびトレーラーを印刷しません。ファイルの最後の行の後で終了し、余分な行は一切表示しません。
–W
–s オプションを指定しなかった場合、行を列幅で折り返します。pr は、分離された各部分を別の行として処理します。
–w n
ページの幅を、n 桁位置に設定します。このオプションを指定しなかった場合、デフォルト・ページ幅は 72 (–s オプションを指定しなかった場合)、または 512 (–s オプションを指定した場合) です。このページ幅は、通常、単一桁出力には適用されません。しかし、–W オプションを指定した単一桁出力は、この幅を使用します。

ファイル

pr は、以下のファイルを使用します。
/dev/tty
プロンプト用。

環境変数

pr は、以下の環境変数を使用します。
TZ
ローカル時間帯が入っています。pr は、ヘッダー行に時刻を表示するときに、この値を使用します。

ローカライズ

pr は、以下のローカライズ環境変数を使用します。
  • LANG
  • LC_ALL
  • LC_CTYPE
  • LC_MESSAGES
  • LC_TIME
  • NLSPATH

詳しくは、ローカライズを参照してください。

終了値

0
正常終了
1
以下のいずれかによる失敗。
  • メモリーが不足している
  • 行幅が足りない
  • stdout の書き込みエラー
2
構文エラーまたは無効なコマンド行オプション。

メッセージ

以下の エラー・メッセージが出される可能性があります。
Missing header
–h または –H を指定しましたが、header または header_fmt ストリングが 与えられませんでした。
Width is insufficient
与えられた幅の桁を与えられた数だけ持つには、行の幅が十分ではありません。または、桁の幅が最小のデータを入れるために十分でありません。

移植性

POSIX.2, X/Open 移植性ガイド.

–c–H–p、および –W オプションは、POSIX 標準の拡張です。

2 バイト環境では、桁位置は常に 文字の幅に基づくことに注意してください。2 バイト文字は出力の 2 桁をとる場合があります (全角 と呼ぶ) が、単一バイト文字は 出力の 1 桁だけをとります (半角 と呼ぶ)。桁幅は、予期される文字の幅に従って指定してください。

例えば、幅が 10 桁の場合は、半角で 10 文字、または全角で 5 文字が表示されます。

関連情報

catexpandfoldunexpand

ローカル・タイム・ゾーンの設定についての詳細は、TZ 環境変数のフォーマットを参照してください。