形式
pg [–cefnst]
[–p prompt] [– screen]
[+line] [+/pattern/]
[file …]
pg ユーティリティーは従来の UNIX システムと完全な
互換性を持ってサポートされます。ただし、more ユーティリティーをその代わりに
使用することをお勧めします。理由は、more ユーティリティーの方がより多くの機能を提供し、POSIX.2 IEEE 標準 1003.2-1992 が定義したような移植可能 UNIX アプリケーション用の
標準と考えられるからです。
説明
pg は、入力ファイルまたは他のコマンドからパイプ接続
された出力を一度に画面に表示します。 ファイルを何も指定しないと、標準入力 (stdin) が
読み取られます。– を指名する任意のファイルは
stdin を指定します。
コマンド には、ページおよびファイルの切れ目で入力できるコマンドをリストしてあります。
オプション
- –c
- 新しいウィンドウをそれぞれ表示する前に画面をクリアします。
- –e
- 各ファイルの終わりの (EOF): プロンプトを除去します。
- –f
- 行を折り返しません。通常、画面幅より長い行は、環境変数 COLUMNS の指定どおりに
複数行に折り返されます。 このオプションは、デバイス特有エスケープ・シーケンスを含むファイルで有効です。
- –n
- コマンド文字を受け取った直後に対話式コマンドを実行します。これはほとんどのコマンドで作動します。通常、対話式コマンドは <Enter> を押す必要があります。
- –p string
- テキストの各画面の最後に
表示されるプロンプトを
string に設定します。デフォルト・プロンプトは、コロン (:) です。string に文字 %d が
含まれている場合は、pg はそれらの文字を [Page %d] として
現行ページ番号で置き換えます。
- –s
- スタンドアウト・モード (ほとんどの場合反転表示) のすべての対話
式コマンド・プロンプトを画面に表示します。
- –t
- 入力を一時ファイルに保管しません。通常、入力のどれかが直接
シークできない (シリアル・デバイスまたはパイプの場合のように) 場合
、pg は入力を読み取り、一時ファイルに保管して、検討できるようにします。このため、このような入力を表示するときは後方に走査できません。このオプションはまた、ディスクに入れられないストリームから
大量のデータを読み取るときにお勧めします。
- –screen
- 各画面で表示される行数を n 行に設定します。このオプションを選択しない場合は、表示される行数は、環境変数 LINES が指定する画面行数よりも少ない行数になります。 コマンドの w コマンドの説明を参照してください。
- +line
- 出力を最初のファイルの行 n から
開始します。デフォルトは、出力を行 1 から開始します。
- +/pattern/
- 出力を、拡張正規表現 pattern の最初のオカレンスを含む行から開始します。
regexp の詳細は、正規表現 (regexp)を
参照してください。
コマンド
指定するオプションによって、pg は、テキストのウィンドウ (画面) 間、各ファイルの終わり、および最初のファイルの後のすべてのファイルの後で、休止します。これらの休止で、pg はコマンドを入力するようプロ
ンプトを出します。ファイルを読み取るには、各プロンプトで
コマンド ENTER (改行またはキャリッジ・リターン) を入力します。
オプショナルの符号 (+ または –) は、オプショナルの数値アドレスの前に置かれ、後続のコマンドに先行できます。アドレスは表示される画面の倍数で作用します。例えば、+2 のアドレスは 2 番目の次の画面を表示します。通常、符号なしアドレスは、直接アドレッシング (ファイルの最初からの
オフセット) を示します。符号付きアドレスは、ファイルの相対アドレッシングを暗黙指定します。すなわち、+ で始まるコマンドは現在位置から前方に、– で始まるコマンドは現在位置から後方に走査します。
標準消去および抹消文字で
コマンドを対話式に編集できます。
以下は、対話式コマンドです。
- h
- 対話式コマンドの要約を出力します。
- q, Q
- pg から即時に終了します。
- !command
- ストリング・コマンド を、デフォルト・コマンド・インタープリター (ed にある) に
入力したかのように実行します。–n オプションを指定するかどうかに関係なく、このコマンドは改行で終了する必要があります。
- [[±]n] ENTER, [[±]n] SPACEBAR
- アドレスを指定しないで、テキストの次のウィンドウを表示します。アドレスを指定すると、テキストの n 番目のウィンドウを表示します。
- [[±]n]d,
[[±]n]CRTL–D
- テキストの半画面をスクロールします。アドレスは半画面で計測され、デフォルトは次の半画面です。
- [[±]n]l
- アドレスなしで、ファイルの次の行を表示します。アドレスを付けると、アドレス行から開始する画面を表示します。
- $
- ファイルのテキストの最後の画面を表示します。
- <Ctrl-L>, .
- テキストの現在表示されているウィンドウを再表示します。
- s file
- file の現行ファイルの内容全体を保管します。–n オプションを指定するかどうかに関係なく、このコマンドは改行で終了する必要があります。
- [n] n
- 次のファイルの最初の画面を表示します。アドレス (n) は実際には、現行ファイルから数えて n 番目次のファイルです。(n) を指定する場合は、符号なしにする必要があります。
- [n] p
- 前のファイルの最初の画面を表示します。アドレス (n) は実際には、現行ファイルから数えて n 番目前のファイルです。(n) を指定する場合は、符号なしにする必要があります。
- [n] w
- テキストの別のウィンドウをスクロールします。引数 n (これは符号なしでなければならない) は、ウィンドウ・サイズを n に設定し、テキストの次のウィンドウを表示します。
- [i]/pattern/[tmb]
- 現行ファイル内を前方に、正規表現 pattern に一致する行の i 番目次のオカレンスを
検索します (デフォルトの i は次の一致するパターンの 1 です)。検索は現行ウィンドウの直後に開始し、ファイルの終わりまで続けられます。通常、一致した行は、ウィンドウの最上部に表示されますが、これは
検索コマンドの最後のオプショナルの文字により変更できます。文字 t はデフォルトで、行をウィンドウの最上部に表示し、m は行をウィンドウの中位に表示し、b は
行をウィンドウの最下部に表示します。文字が何も指示されないと
、pg は最後に入力された文字 (または文字が
何も入力されていない場合は、.t) を使用します。–n オプションを指定するかどうかに関係なく、このコマンドは改行で終了する必要があります。
- [i]?pattern?[tmb],
[i]^ pattern^[tmb]
- 前のコマンドに似ていますが、前方の代わりに後方に検索します。検索は現行ウィンドウの直前に開始します。
例
以下の対話式コマンドは
pg の柔軟性を示します。以下のコマンドを入力したとします。
pg –n *.c
また、現行ディレクトリーに大量のソース・ファイルがあるとします。
- 1
- 現行ファイルの最初の画面を表示します。
- –4
- 現行ファイルの 4 ウィンドウ戻り、テキストの画面を表示します。
- p
- 前のファイルの最初の画面を表示します。
- 10w
- 画面サイズを 10 行に設定します。
- /Fred/m
- 以下を含む最初の行を検出します。
Fred
ファイル内の現在の位置から順方向に検索を行い、該当行を画面の中ほどに表示します。
ローカライズ
pg は、以下のローカライズ環境変数を使用します。
- LANG
- LC_ALL
- LC_MESSAGES
- LC_SYNTAX
- NLSPATH
詳しくは、ローカライズを参照してください。
終了値
- 0
- 正常終了
- 1
- 以下のいずれかによる失敗。
- 無効なコマンド行オプション
- メモリーが不足している
- 一時ファイルを作成できない
- 端末にアクセスできない
- string が –p オプションの後に欠落
ファイル
pg は、以下のファイルを使用します。
- $TMPDIR/pg*
- 一時ファイルは逆方向読み取りを許されます。TMPDIR 環境変数を使用して、別の一時ディレクトリーを指定できます。
環境変数
pg は、以下の環境変数を使用します。
- COLUMNS
- 画面の幅を桁数で持っています。
- LINES
- 画面の行数を含みます。
- TMPDIR
- 一時ファイルが常駐するディレクトリーのパス名を含みます。
移植性
X/Open 移植性ガイド, UNIX System V.
2 バイト文字は、このインプリメンテーションでは扱われません。
–screen と –+line オプションは XPG 標準の拡張です。
関連情報
alias、ed、head、more、sh、tail、vi
regexp の詳細は、正規表現 (regexp)を
参照してください。