newgrp - 新しいグループに変更する

形式

newgrp [–l] [group]

newgrp [] [group]

tcsh シェル: newgrp [-] group

説明

newgrp を使用すると、新しいグループに変更できます。ユーザーはログインしたままであり、作業ディレクトリーは変更されませんが、アクセス許可は、新しい実際の実効グループ ID に従って計算されます。エラーが 発生した場合、セッションは終了する可能性があり、ログインし直す必要があります。

グループ ID が変更された後、既存のプロセス内で新しいシェルが初期化 され、newgrp の呼び出し元の現行シェルが実際上オーバーレイされます。新しいシェルは、ユーザー・プロファイルの OMVS セグメント の初期プログラム値から決定されます。

newgrp は、エクスポートされたシェル変数の値を変更しません。その他はすべてデフォルトに設定されるか、または設定が解除されます。

コマンド行に引数をまったく指定しなかった場合、newgrp は、システム・ユーザー・データベース内のユーザー ID のデフォルト・グループに変更します。また、補助グループのリストを、システム・グループ・データベース内に設定されているものに設定します。

グループを指定すると、newgrp は実際の実効グループ ID をその グループに変更します。自分のユーザー ID がシステム・グループ・データベースに指定されたグループのメンバーである場合は、そのグループのみの変更が許可されています。

group には、セキュリティー機能グループ・データベースからのグル ープ名、または数値のグループ ID を指定できます。数値のグループがグループ・データベース内にグループ名として存在する場 合は、そのグループと関連付けられているグループ ID 番号が使用されます。

補助グループ・リストにも新しい実効グループ ID が含まれているシステム、または以前の実効グループ ID が実際には補助グループ・リスト内に あったシステムでは、以下のようになります。
  • 補助グループ・リストにも新しい実効グループ ID が含まれている場合 、newgrp は実効グループ ID を変更します。
  • 補助グループ・リストに新しい実効グループ ID が含まれていない場合 、newgrp はそれをリストに追加します (空きがある場合)。
補助グループ・リストには通常新しい実効グループ ID が含まれていないシステム、または以前の実効グループ ID が補助グループ・リスト内に なかったシステムでは、以下のようになります。
  • 補助グループ・リストに新しい実効グループ ID が含まれている場合、newgrp はそれをリストから除去します。
  • 補助グループ・リストに古い実効グループ ID が含まれていない場合、newgrp はそれをリストに追加します (空きがある場合)。

tcsh シェルで newgrp を使用した場合も、z/OS シェルの場合 と同様に、ユーザーは新しいグループに変更できます。

オプション

–l
ログイン・セッションとして、新しいシェル・セッションを開始します。これは、任意のシェル・プロファイル・コードを実行できることを意味します。
–l の廃止バージョンです。

ローカライズ

newgrp は、以下のローカライズ環境変数を使用します。
  • LANG
  • LC_ALL
  • LC_CTYPE
  • LC_MESSAGES
  • NLSPATH

詳しくは、ローカライズを参照してください。

使用上の注意

  1. FACILITY クラスの RACF® プロファイル FILE.GROUPOWNER.SETGID は、ディレクトリー・グループ情報からではなく、ファイル作成プロセスから新規ファイルのグループを設定します。
  2. newgrp では、 RACF グループ・リスト検査が 有効になっていない場合、デフォルト・グループを変更することができます。
  3. newgrp は、複数プロセスを実行しているアドレス・スペースからは サポートされません。これは、アドレス・スペース内のすべてのプロセスが予期せずにその セキュリティー環境が変更されることを防ぐためです。OMVS インターフェースを使用している場合は、newgrp コマンドを出す前 に NOSHAREAS パラメーターを使用する必要があります。また、_BPX_SHAREAS 環境変数を YES に設定して 実行している場合は、その設定を解除し、newgrp を出す前に 新しいシェルを開始する必要があります。例えば、以下のとおりです。
    unset _BPX_SHAREAS; sh

終了値

newgrp が正常終了した場合、その終了状況はシェルの状況になります。それ以外の場合、終了状況は以下のとおりです。
>0
newgrp が適切なユーザーまたはグループ情報を入手でき なかったか、あるいはシェルを実行できなかったための障害で、現行のシェルは終了します。

移植性

POSIX.2 ユーザー移植性拡張, UNIX システム.

関連情報

exportfcshtcsh