This topic applies only to the IBM Business Process Manager Advanced configuration.Case Management Function

シナリオ: 自動車保険金の請求

IBM® Business Process Manager では、自動車保険金の請求を作成および管理するためのアプリケーションを作成できます。このケース管理システムを使用すると、保険金の請求および実行依頼者に関するデータが送信されたときに、そのデータをサポート・ドキュメントに関連付けることができます。ビジネス・アナリストは、自動車保険金の請求ソリューションに必要な変更を素早く処理することができます。IBM Business Process Manager でアプリケーションを構成することで、請求が完全かつ正確に処理されるようにすることができます。

ケース管理機能が使用可能なのは、基本ケース管理機能がインストールされている IBM BPM Advanced がある場合のみです。

問題

自動車保険金の請求には、多くのソースからの入力とサポート・ドキュメントが必要になる場合があります。ソースには、車両価額や道路条件に関する情報源として、請求の実行依頼者、修理店、警察やその他の公的ソースが含まれます。 さらに、多くの場合は、処理中にさまざまなアナリストが情報を評価してそれを保険金請求に追加する必要があります。損害査定人が保険金請求を適切に評価して解決できるように、すべての文書および保険金請求に関する情報が利用でき、それらに対して容易にアクセスできるようにする必要があります。

保険金請求は 事案ごとに多種多様です。この多様性のため、ケース・ワーカーは状況に応じて任意プロセスを開始したり、新しいチームを参加させたりする必要があります。また、保険金請求が組織内を移動するときのタスクの実行方法と実行時期も、事案によって変わることがあります。

問題の解決

自動車保険会社のビジネス・アナリストである Javier は、自動車保険金の請求の処理の一貫性を高める業務に従事しています。Javier は IBM Business Process Manager を使用して、複数のヒューマン・サービスを伴うアクティビティーがあるアプリケーションを設計しています。Javier は保険請求プロセスのステップごとにチームを作成します。さらに Javier は、プロセスの各ステージでアクティビティーを実行する従業員グループのチームに権限を割り当てます。

Javier が設計したアプリケーションでは、以下のエレメントが結合されます。
  • 保険金請求のプロパティー (保険証券の番号や事故の詳細など)
  • チーム (保険金請求の損害査定人や詐欺行為の調査員など)
  • ケース・タイプ (一般の保険金請求、傷害を負った人がいる場合の保険金請求、 高額な保険金請求など)

さらに、IBM Business Process Manager を使用しているので、Javier は柔軟なソリューションを作成できます。Javier は、チームや処理を素早く変更したり、必要に応じてアクティビティーを追加したりすることができます。

シナリオ

Carly は道路の走行中、大きな物体に車をぶつけてしまいました。Carly に怪我はありませんでしたが、車の損傷が大きく、運転できなくなってしまいました。警察が到着し、レッカー車が手配されました。Carly は保険会社に電話をかけ、顧客サービス担当者の Chris が今回の支払い請求のケースを開きました。Chris は FNOL (First Notice of Loss) フォームを使用して情報を記録します。Chris が Carly の自宅電話番号を入力すると、そのフォームのフィールドの多くには、システムから取得したデータが自動的に設定されます。

Chris は Carly の場所を尋ね、レッカー車の運転手に事故車を近隣のある特定の修理店に搬送してもらうように指示します。ケース情報は自動車修理店に転送されます。Chris は Carly に、保険会社の Web サイトにある PDF フォームを使用して、事故の詳細を入力するよう指示します。Chris は、Carly のケースを開いたときに生成されたケース番号を Carly に伝えます。このケース番号をフォームに入力するよう、Carly は指示を受けます。

Chris は、道路上の物体との衝突事故に関連した最近の詐欺請求についての回覧を思い出しました。Chris は任意タスクを作成して、詐欺行為の調査員をこの保険金請求に参加させます。

その後、Carly は保険会社の Web サイトから PDF フォームをダウンロードし、事故の詳細とケース番号を入力します。Carly はこのフォームを保険会社に返送します。このアクションは、請求を審査する Chris のタスクの前提条件として設定されているため、フォームがケースに追加されると、その旨が Chris に通知されます。また、Carly は会社の Web サイトでケース番号を使用して、事故車の写真をアップロードするためのツールにアクセスします。

自動車修理店のエージェント John に、ケースに関する通知が届きます。John は修理の見積もりを出すタスクを作成します。John は、修理費用の見積もり $4500 が自動車の価額を超えないことを確認し、見積もりを保険会社に提出します。John は Carly の連絡先情報を使用して、見積もりが提出されたことを Carly に通知します。

ケースが損害査定人の Lisa に送られます。Lisa はケースおよびサポート・ドキュメント (警察の報告書や損傷の写真など) を検討します。見積もり額が調査のしきい値を下回っているため、この詐欺行為の調査員は、詐欺の可能性を示すフラグを false に設定します。Lisa はこの保険金請求を承認します。

ケースが閉じられた後、保険会社は警察から報告書を受け取りました。報告書には、Carly の事故の原因となった物体を落としたのはある貨物輸送会社であり、落下の責任はその会社にあると書かれていました。Lisa は Carly のケースを 再び開きます。Lisa は Javier に連絡し、Javier はリカバリー・エキスパートというチームをシステムに追加します。 リカバリー・エキスパートは、貨物輸送会社から修理費用を回収するための新規タスクを作成します。

このケース管理システムは柔軟性が高いため、ケース・ワーカーは問題をより迅速かつ効率的に解決でき、顧客は請求をより簡単に終結させることができます。