Web サーバー・プラグインの実装

このトピックでは、Web サーバー・プラグインを実装する方法について説明します。 本製品は、Web サーバーと連動して作動し、Web アプリケーションからの動的コンテンツ (サーブレットなど) の要求を経路指定します。 Web サーバーは、トラフィックをブラウザーから、アプリケーション・サーバーで稼働するアプリケーションへ送信するために必要です。 Web サーバー・プラグインは、 XML 構成ファイルを使用して、要求がアプリケーション・サーバーに関するものであるかどうかを判別します。

事前処理

  • WebSphere® Application Server トポロジーのフロントエンドの選択に関する情報を参照してください。 このトピックは、 WebSphere Application Server トポロジーのセッション・アフィニティー、フェイルオーバー・サポート、およびワークロード・バランシングを提供するために、Web サーバー・プラグイン、プロキシー・サーバー、またはセキュア・プロキシー・サーバーのいずれをセットアップするかを決定するのに役立ちます。 Web サーバーがまだインストールされていない場合はインストールします。
    [IBM i]トラブルの回避: IBM® iで提供される Web サーバーは、 IBM i V6R1 の場合は製品 5761-DG1 、 IBM i V7R1の場合は 5770-DG1 の下に既にインストールされています。 IBM i Web サーバーは、 IBM HTTP Server for IBM iと呼ばれます。 この Web サーバーは、 IBM i上では稼働しない、 WebSphere Application Serverで提供される IBM HTTP Server とは異なります。

    [AIX Solaris HP-UX Linux Windows]製品に付属の IBM HTTP Server を使用する場合は、 IBM HTTP Serverのインストールに関する情報を参照してください。 使用しない場合は、Web サーバーで提供されているインストール情報を参照してください。

  • [z/OS][AIX Solaris HP-UX Linux Windows]適切なプラグイン・ファイルが Web サーバーにインストールされていること、およびこの Web サーバーの Web サーバー定義を作成して構成するために configureweb_server_name スクリプトが実行されていることを確認してください。

    [AIX Solaris HP-UX Linux Windows]分散プラットフォーム Web サーバーを使用している場合は、Web Server Plug-ins 構成ツールを使用して、適切なプラグイン・ファイルを Web サーバーにインストールします。 次に、ツールによって作成された configureweb_server_name スクリプトを実行して、 WebSphere 構成リポジトリー内に Web サーバー定義を作成して構成します。

    [z/OS]製品に付属する IBM HTTP Server for z/OS®powered by Apacheを使用している場合は、 IBM HTTP Server for WebSphere Application Server on z/OSのプラグインのインストールおよび構成に関する情報を参照してください。

    [z/OS] IBM HTTP Server バージョン 5.3( z/OS 基本オペレーティング・システムに付属) を使用している場合は、 IBM HTTP Server for z/OS V5.3用の Web サーバー・プラグインのインストールおよび構成に関する情報を参照してください。

    [z/OS] z/OS オペレーティング・システム上で稼働するバージョンの製品で分散プラットフォーム Web サーバーを使用している場合は、FTP 接続を使用してプラグインを Web サーバーに送信し、プラグイン・インストール・ウィザードを使用して適切なプラグイン・ファイルを Web サーバーにインストールします。

多数のアプリケーションをインストールするといった、一連の変更を同時に行う場合には、最後の変更を行うまで、構成サービスを使用不可にしておく必要があります。 Web サーバー・ プラグイン構成サービスは、デフォルトで使用可能になっています。 このサービスを使用不可にするには、管理コンソールで、 「サーバー」 > 「サーバー・タイプ」 > WebSphere アプリケーション・サーバー」 > server_name > 管理サービス > 「Web サーバー・プラグイン構成サービス」をクリックします。 次に、 「Enable automated web server configuration processing」 オプションをクリアします。

問題の回避: ご使用のシステムでファイアウォールを使用している場合は、開いているポートを使用するように Web サーバー・プラグインを構成してください。 オープン・ポートの取得方法については、セキュリティー管理者に確認してください。

このタスクの概要

[IBM i]該当するプラグイン・ファイルがインストールされます。 さらに、 http プロファイルが作成されます (/QIBM/UserData/WebSphere/Plugins/V85/webserver/profiles/http)。 http プロファイルを使用すると、Web サーバー定義の作成が容易になります。 アプリケーション・サーバーと通信するように IBM HTTP Server for IBM i を構成する方法については、Web サーバーのトポロジー・ダイアグラムおよびロードマップの選択に関するトピックを参照してください。

[z/OS][AIX Solaris HP-UX Linux Windows]プラグインのインストール・プロセス中に、以下のステップが実行されます。 追加情報については、Plug-in Installation Roadmap を参照してください。
  1. [AIX Solaris HP-UX Linux Windows]ノードが作成されます。

    Web サーバーがアプリケーション・サーバーとは異なるコンピューター上にある場合は、管理対象外ノードが作成されます。 管理対象外ノードとは、そのノード上でノード・エージェントが稼働していないノードのことです。 管理対象外ノードを使用すると、本製品は、 その構成トポロジー内でアプリケーション・サーバーではないサーバーを 表すことができます。 これにより、これらのサーバーおよびアプリケーション・サーバー間の 接続情報を保守することができます。 詳しくは、ノードの追加、管理、および除去に関するトピックを参照してください。

  2. Web サーバー定義が作成されます。

    Web サーバー定義を作成するには、 管理コンソールを使用することも、ConfigurewebServerDefinition.jacl スクリプトを使用することもできます。

  3. アプリケーションまたはモジュールは、Web サーバーにマップされます。 この Web サーバーと併用するアプリケーションが既にインストール されている場合、そのアプリケーションは、自動的に Web サーバーにマップされます。 アプリケーションがインストールされていない場合は、アプリケーションのインストール・プロセスの 「モジュールをサーバーにマップ」 ステップでこの Web サーバーを選択します。
  4. マスター・リポジトリーが更新されて保存されます。

[z/OS][AIX Solaris HP-UX Linux Windows]プラグインを構成すると、そのプラグインの構成ファイルが自動的に作成されます。 この構成ファイルで、プロパティーのデフォルト設定の変更や調整を行うことができます。 いずれかの設定値を変更する場合は、このファイルを再生成して、変更内容を有効にする必要があります。

[z/OS][AIX Solaris HP-UX Linux Windows]構成ファイルの生成または再生成が完了するまでにしばらく時間がかかる場合があります。 これが終了すると、管理セル内のすべてのオブジェクトはそれぞれの最新の 設定を使用しますが、Web サーバーはそれらの設定にアクセスすることができ ます。 アプリケーション・サーバーが Web サーバーと同じ物理ワークステーション上に ある場合、通常再生成が完了するまでに 30 秒から 60 秒かかります。 アプリケーション・サーバーと Web サーバー が異なるワークステーション上にある場合、再生成にかかる時間はそれより長くなります。

以下の手順では、SSL および Web サーバー調整の構成を含め、 プラグイン構成ファイルを更新するためのステップについて説明します。

手順

  1. 管理コンソールを使用して、プラグイン構成ファイルで設定を変更します。
    Web サーバー・プラグインをセットアップする場合、構成の変更に応じて、構成を自動的に生成するかどうかを決定する必要があります。 Web サーバー・プラグイン構成サービスが使用可能になっていて、 以下のいずれかの状態が発生した場合には、プラグイン構成ファイルは自動的に生成されます。
    • Web サーバーが作成されるか、保存される場合
    • アプリケーションがインストールされる場合
    • アプリケーションがアンインストールされる場合
    • 仮想ホスト定義が更新される場合
    [AIX Solaris HP-UX Linux Windows]問題の回避: プラグイン構成ファイルが最初に生成されるときに、仮想ホストのリストに admin_host が含まれません。 『Web サーバーで管理コンソールにアクセスできるようにする』というトピックに、これをリストに追加する方法が説明されています。

    管理コンソールを使用するか、 GenPluginCfg コマンドを発行して plugin-cfg.xml ファイルを再生成することができます。

    管理コンソールを使用して plugin-cfg.xml ファイルを再生成するには、 以下のステップを実行します。

    1. サーバー > サーバー・タイプ > Web サーバー > Web サーバー名 > プラグイン・プロパティーを選択します。
    2. Automatically generate plug-in configuration file」を選択するか、以下のトピックを 1 つ以上クリックして、 plugin-cfg.xml ファイルを手動で構成します。
      問題の回避: plugin-cfg.xml ファイルを手動で更新しないでください。 Web サーバーに対して行った手動更新は、 その Web サーバーの plugin-cfg.xml ファイルが再生成されると 必ず上書きされます。
    3. 「OK」をクリックします。
    4. [IBM i] プラグイン構成を伝搬します。
      管理コンソールからプラグイン構成を伝搬するには、 サーバー > サーバー・タイプ > Web サーバーWeb サーバー名プラグインの伝搬をクリックします。

      プラグイン構成を伝搬するための別の方法として、 GenPluginCfg コマンドを実行することができます。 詳しくは、GenPluginCfg コマンドの資料を参照してください。

      Web サーバーが、関連したスタンドアロン版の本製品と同じマシン上にある場合は、 プラグイン構成を伝搬する必要はありません。 プラグイン構成の伝搬が原因不明で失敗した場合は、 plugin-cfg.xml ファイルをリモート Web サーバーのインストール・ロケーションに手動でコピーする必要があります。

      トラブルの回避: FTP 機能を使用してコピーを実行し、構成の再ロードが失敗した場合は、 plugin-cfg.xml ファイルのファイル権限を調べて、ユーザー QTMHHTTP、QNOTES、および QEJBSVR に RWX 権限があることを確認してください。 権限が正しくない場合、Web サーバーは新規バージョンのファイルにアクセスできないため、構成の再ロードが失敗します。 権限を確認するには、以下の IBM i コマンドを実行します。
      wrklnk 'plug_in_folder_location/plugin-cfg.xml' 
      次に、オプション 9 を選択して、ユーザー (QTMHHTTP、QNOTES、および QEJBSVR) に割り当てられた権限を表示します。
      権限が正しくない場合は、次の IBM i コマンドを発行して、ファイル権限を適切な設定に変更します。
      CHGAUT USER(QEJBSVR QTMHHTTP QNOTES) OBJ('plug_in_folder_location/plugin-cfg.xml') DTAAUT(*RWX)
      plug_in_folder_location は、plugin-cfg.xml ファイルを転送したときに指定したロケーションです。
    5. Web サーバーが plugin-cfg.xml ファイルを見つけるためには、アプリケーション・サーバーを停止してから、アプリケーション・サーバーを始動しなければならない場合があります。
  2. [AIX Solaris HP-UX Linux Windows][IBM i] Web サーバーをチューニングします。
    詳しくは、Web サーバーの調整に関するページを参照してください。
  3. [z/OS][AIX Solaris HP-UX Linux Windows] プラグイン構成を伝搬します。
    Web サーバー・プラグイン構成サービスが使用可能になっていて、以下のいずれかの条件が当てはまる場合には、プラグイン構成ファイル plugin-cfg.xml が自動的に Web サーバーに伝搬されます。
    • Web サーバーがローカル Web サーバーである場合、つまりアプリケーション・サーバーと同一のワークステーション上にある場合。
    • Web サーバーは、 IBM HTTP Server 管理サーバーが稼働しているリモート IBM HTTP Server バージョン 7 です。

    どちらの条件も当てはまらない場合は、plugin-cfg.xml ファイルをリモート Web サーバーのインストール・ロケーションに手動でコピーしなければなりません。 <app_server_root>/profiles/<profilename>/config/cells/../../nodes/../servers/<webservername> 内の plugin-cfg.xml ファイルを Web サーバー・ホストの場所 ( <PluginInstallRoot>/config/<webservername>/) にコピーします。

    重要: FTP 機能を使用してファイルをコピーするときに、構成の再ロードが失敗する場合は、 plugin-cfg.xml ファイルのファイル許可を調べて、それらが rw-r--r--に設定されていることを確認してください。 ファイル・アクセス権が正しくない場合、Web サーバーは、新規バージョンのファイルにアクセスできないので、構成の 再ロードに障害が起こる原因となります。
    ファイル・アクセス権が正しくない場合は、 以下のコマンドを発行して、ファイル・アクセス権を適切な設定に変更します。
    chmod 644 plugin-cfg.xml

    [AIX] AIX® FTP 機能は、ファイル属性を保存しません。 したがって、 plugin-cfg.xml を AIX オペレーティング・システムから手動でコピーする必要がある場合は、FTP 機能の代わりに AIX RCP 機能を使用してファイルをコピーすることができます。

    リモート Web サーバーのインストール・ロケーションは、 この Web サーバー用にノードを作成したときに指定したロケーションです。

  4. 鍵ストア・ファイルを Web サーバー上の鍵ストア・ディレクトリーにコピーします。
    問題の回避: このステップは、Web サーバーが正しく機能するために必要です。

    鍵ストア・ファイルをコピーする詳細な手順については、Secure Sockets Layer に対応する Web サーバー・プラグインの構成に関するトピックを参照してください。

結果

構成が完了しました。 構成をアクティブにするには、Web サーバーを停止して再始動します。 Web サーバーの再始動に際して問題が発生した場合は、plugin-cfg.xml ファイルの エラーが含まれている個所に関する情報を http_plugin.log ファイルで検査します。 このログ・ファイルには、エラーの発生した行番号が、 Web サーバーが始動しなかった原因を診断するのに役立つその他の詳細と一緒に記録されています。 次に管理コンソールを使用して、plugin-cfg.xml ファイルを更新します。

アプリケーションのインストールまたはアンインストールが頻繁に行われない場合 (これは実稼働環境では通常の状態です)、または上記にリストされているアクションの いずれかが発生するごとに、プラグイン構成ファイルが生成および配布され、 そのパフォーマンスの影響が許容範囲内である場合は、構成サービスを 使用可能に設定することを検討してください。