DB2 Version 10.1 for Linux, UNIX, and Windows

クラスター管理ソフトウェア

クラスター管理ソフトウェアは、コンピューター・クラスターが実行できる作業を最大限に引き出します。クラスター・マネージャーは、ワークロードのバランスを取ってボトルネックを減らし、クラスターのエレメントの正常性をモニターし、エレメントに障害が発生したときはフェイルオーバーを管理します。 クラスター・マネージャーは、システム管理者がクラスター内のエレメントに対して管理タスクを実行するときにも役立ちます (例えば、保守の必要なコンピューターからワークロードを転送します)。

クラスターのエレメント

クラスター・マネージャーが適切に機能するためには、クラスターのエレメントに関連したさまざまな詳細情報と、クラスターのエレメント間の関係を、クラスター・マネージャーが認識しておかなければなりません。

クラスター・マネージャーが認識しておく必要があるクラスター・エレメントの例をいくつか示します。
  • クラスター内の物理または仮想コンピューター、マシン、デバイス (クラスター・コンテキストではクラスター・ノード と呼ばれる)
  • クラスター・ノードを接続するネットワーク
  • クラスター・ノードをネットワークに接続するネットワーク・インターフェース・カード
  • クラスター・ノードの IP アドレス
  • 仮想またはサービス IP アドレス
クラスター・マネージャーが認識しておく必要がある関係の例をいくつか示します。
  • 同じソフトウェアがインストールされていて相互にフェイルオーバーできるクラスター・ノードのペア
  • プロパティーが同じで相互のフェイルオーバーに使用できるネットワーク
  • 仮想 IP アドレスが現在関連付けられているクラスター・ノード

クラスター・エレメントの追加または変更

クラスターのエレメントとエレメント間の関係をクラスター・マネージャーに認識させるには、システム管理者がエレメントをクラスター・マネージャーに登録する必要があります。システム管理者は、クラスターのエレメントに変更を加えた場合は、その変更をクラスター・マネージャーに伝える必要があります。クラスター・マネージャーには、こうしたタスクのためのインターフェースがあります。

クラスター・エレメントとして実にさまざまなものが存在しうるので、クラスター管理は難しい作業です。管理者は、クラスター・ノードのハードウェアとオペレーティング・システム、ネットワーキングのプロトコルと構成、クラスター・ノードにインストールされているデータベース・ソフトウェアなどのソフトウェアについて、熟知しておく必要があります。クラスターのエレメントをクラスター管理ソフトウェアに登録したり、システム変更後にクラスター・マネージャーを更新したりする作業は、手間と時間がかかる場合があります。

db2haicu を使用してクラスター・エレメントを追加または変更する

DB2® データベース・ソリューションでは、DB2 高可用性インスタンス構成ユーティリティー (db2haicu) を使用することにより、クラスターのエレメントをクラスター・マネージャーに登録でき、クラスターに管理上の変更を加えた後にクラスター・マネージャーを更新できます。db2haicu を使用すると、こうしたタスクが簡単になります。db2haicu が使用するモデルを理解してクラスターのエレメントとエレメント間の関係をカプセル化してしまえば、タスクを実行するうえでは、ハードウェア、オペレーティング・システム、クラスター・マネージャー・インターフェースの特異性を熟知しておく必要がないからです。