Db2 コマンドの構文規則
Db2® コマンドには標準の構文規則が適用されます。
構文図の一般的な規則
IBM® 資料における構文図の規則については、構文図の読み方を参照してください。
Db2 コマンド構文の規則
特定のコマンドの完全な構文については、Db2 および関連コマンドにある各コマンドの『構文』セクションを参照してください。
以下の図に、Db2 コマンド構文の全体的なパターンを示します。

- 認識文字
- この情報では、ハイフンとして示されていますが、以下のような例外があります。
- コマンドを z/OS® コンソールから入力する場合、認識文字は
コマンド接頭部 でなければなりません。
コマンド接頭部に最大 8 文字を指定できます。デフォルトは「-DSN1」です。 しかし、この情報の大部分の例では、このコマンド接頭部がハイフン (-) として定義済みであると想定しています。データ共用グループのメンバーが関係した例では、 複数文字によるコマンド接頭部 (-DB1G など) の使用例が示されています。
コマンド接頭部とコマンドの間にスペースを挿入することはオプションです。例えば、以下の形式のどちらでも使用できます。スペースを使用すると、コマンド接頭部が複数の文字で構成される場合などユーザー はコマンドを簡単に識別することができます。-DB1GDIS THREAD(*)-DB1G DIS THREAD(*)コマンド接頭部はインストール時に定義することができます。
- コマンドを IMS™ 端末から入力する場合、この認識文字はコマンド認識文字 (CRC) でなければ なりません。 このコマンド認識文字は IMS SSM PROCLIB メンバーで定義されています。
- コマンドが CICS® 端末から、または DSN コマンド・プロセッサーの下で 入力される場合、認識文字はハイフンでなければなりません。
- コマンドを z/OS® コンソールから入力する場合、認識文字は
コマンド接頭部 でなければなりません。
- コマンド名
- コマンドの名前。コマンド名には、各コマンドの説明に記載されているように省略形があります。
- オペランド
- コマンドに指定できるキーワードとパラメーターの組み合わせです。
- キーワード
- コマンド・オプションとも呼ばれます。キーワードは、必須の場合もあれば、オプションの 場合もあります。キーワードは、コマンドの説明に記載されているとおりに正確に入力しなければなりません。
- パラメーター
- キーワードには、パラメーターを無指定にすることも、1 つ以上指定することもできます。パラメーター・リストがある場合は、それを括弧で囲む必要があります。
- 分離文字
- これは 1 つ以上の、 ブランクまたはコンマです。左括弧はパラメーター・リストの先頭を示すもので、 分離文字は不要です。オプションとして、等号を使用して、括弧を使用せずに 単一のパラメーターをそのキーワードから区切ることもできます。
Db2 コマンドの中で特殊な意味を持つ文字
- ブランク ( )
- 分離文字。単一ブランクと複数のブランクは、アポストロフィで囲まれたストリングの場合を除いて同等です。
- コンマ (,)
- コンマは分離文字です。
- アポストロフィ (')
- 通常使用される SQL ストリング定数区切り文字で、SQL におけるストリング定数の先頭または末尾を示します。 (COBOL プログラムの場合に限り、QUOTESQL プリコンパイラー・オプション
を用いると引用符を SQL ストリング区切り文字として選ぶことができます。この場合、アポストロフィは SQL エスケープ文字になります。)
ストリング定数内にない英文字は、大文字に変更されます。 また、 ストリング定数内の 2 つの連続したアポストロフィは 1 個のアポストロフィ に変換されます。ストリング定数内のブランク、コンマ、等号、および括弧 はリテラル文字として扱われ、分離文字としては認識されません。
小文字を使用する必要のあるオプションは、アポストロフィを使用して囲みます。小文字を大文字に変換しないコマンドでは、小文字を入力すると JCL エラーまたは異常終了が発生する可能性があるため、注意してください。同様に、小文字が必要な場合 (例えば、UNIX サービス) に大文字を入力すると、不適切な結果が発生する場合があります。詳しくは、コンソールからのシステム・タスクの開始を参照してください。
英文字の大文字への変換に関する規則には例外が あります。CODED CHARACTER SET オプションがインストール時に 930 または 5026 に 設定されていると、英文字は SQL ストリング定数内にあるかどうかに関係なく 大文字に変換されません。
パターン・マッチング文字である先行または後続のアスタリスク (*) または下線 (_) をキーワード値に含める場合、キーワード値の文字をアポストロフィで囲むときは、先行または後続のパターン・マッチング文字もそれらのアポストロフィで囲まなければなりません。
- 引用符 (")
- SQL エスケープ文字で、SQL 区切り ID の先頭または末尾を示します。(COBOL プログラムの場合に限り、QUOTESQL プリコンパイラー・オプション
を用いるとアポストロフィを SQL エスケープ文字として選ぶことができます。この場合、二重引用符は SQL ストリング区切り文字になります。)
引用符で区切られているストリング内では、2 つの連続した引用符は 1 つに変換 されます。その他の規則は SQL ストリング定数の場合と同じです。
- 等号 (=)
- キーワードから単一のパラメーターを区切ります。そのため、等号はパラメーターが 1 つしかないキーワードの 分離文字として使用されます。また、複数のパラメーターをもつキーワードについても、 指定されるパラメーター・リストのメンバーが 1 つだけであれば等号を使用できます。
- 左括弧 (()
- 左括弧は、パラメーター・リストの先頭を示します。
- 右括弧 ())
- パラメーター・リストの終わり。
- コロン (:)
- 包括の範囲。例えば、(A:D) は (A,B,C,D) と同じ意味です。また、(1:5) は (1,2,3,4,5) を意味します。コロンは、この操作が特に許されているコマンド の場合に限ってこのような使い方ができます。
- アスタリスク (*)
- 意味は、コンテキストによって異なります。
- *
- keyword-value を単一のアスタリスクにした場合は、「すべて」を示します。
例は以下のとおりです。
-DISPLAY UTILITY (*) - *keyword-value
- keyword-value の先頭文字をアスタリスクにした場合は、* の後に続くすべての文字が一致した場合に値が一致したと見なすことを示します。 例えば、(*BCD)。
- beginning-of-keyword-value*end-of-keyword-value
- 中間にアスタリスクを使用すると、 アスタリスクの前のすべての文字とアスタリスクの後のすべての文字が同じ場合に、 値が一致したと見なされます。例えば、(ABC*EFG)。
- keyword-value*
- keyword-value の最終文字がアスタリスクの場合、それは、そのアスタリスクより前にある文字がすべて一致した場合に値が一致したと見なすことを示します。 例えば、(ABC*)。
- beginning-of-keyword-value*middle-of-keyword-value*end-of-keyword-value*
- ストリングの最初、中間、および最後の文字にアスタリスクを使用することも 有効です。例えば、(*BCD*FGH*)。
アスタリスクのパターン・マッチング文字はすべての Db2 コマンドに使用できますが、一部の Db2 コマンドはアスタリスクをサポートしません。アスタリスクは、パターン・マッチング操作が明示的にサポートされているコマンドの場合に限ってこのような使い方ができます。
- 下線 (_)
- 下線は、キーワード値内でその下線がある位置では、任意の文字がその値に一致することを示します。 例えば、A_C は、先頭文字が A で 3 番目の文字が C であるどの 3 文字キーワード値とも一致します。
- 2 文字のストリング NO
- それに続くキーワードを否定します。
否定されたキーワードとは、キーワード自体の反対の意味をもつもので キーワードのデフォルトをオーバーライドするときによく使用しま す。反対の意味を持たないキーワードの場合 (例えば、NODE のような)、 最初の文字「NO」は単にキーワード自体の一部です。