パッケージ・キャッシュ・イベント・モニターをメモリー内のメトリックと一緒に使用すると、パッケージ・キャッシュのどのステートメントの実行コストが高いかを識別できます。実行に長い時間がかかるステートメントを把握できたなら、それらに対してパフォーマンス調整を実行できます。
始める前に
CREATE EVENT MONITOR ステートメントでは、イベント・モニターによって生成される未フォーマット・イベント (UE) 表を格納するために最低 8 K のページ・サイズの表スペースが必要となります。表スペースを CREATE EVENT MONITOR ステートメントで明示的に指定しない限りは、データベースのデフォルトの表スペースが使用されます。
このタスクについて
このタスクでは、合計 CPU 時間の観点からコストが高いステートメントを検出するために、ある期間にシステムで実行されたすべての作業を調べる方法が示されています。パッケージ・キャッシュ・イベント・モニターを、(MON_GET_PKG_CACHE_STMT 表関数または MON_GET_PKG_CACHE_STMT_DETAILS 表関数によって戻される) メモリー内のモニター・エレメントに反映されるパッケージ・キャッシュ情報と一緒に使用するのが役立ちます。キャッシュ内のステートメント、およびキャッシュから追い出されたステートメントの両方を把握できるからです。コストの高いステートメントが識別できたら、これらのステートメントに対してパフォーマンス調整を実行できます。
制約事項
ここで使用されている例の場合、分析対象のステートメントの長さは 3000 文字に制限されます。この制約は、ステートメントで使用される GROUP BY 節に起因しています。この節を stmt_text モニター・エレメントなどの LOB 値と一緒に使用することはできません。
手順
- ステートメントがパッケージ・キャッシュから削除される (追い出される) 際に、そうしてステートメントをキャプチャーするためのパッケージ・キャッシュ・イベント・モニターを作成します。
例えば、EXPENSIVESTMTS というイベント・モニターを作成するには、以下の SQL を使用できます。
CREATE EVENT MONITOR EXPENSIVESTMTS FOR PACKAGE CACHE WRITE TO UNFORMATTED EVENT TABLE
このステートメントは、イベント・モニター EXPENSIVESTMTS と同じ名前で、データベースのデフォルト表スペースにある UE 表に書き込むパッケージ・キャッシュ・イベント・モニターを作成します。TABLE table-name 節を使用して、UE 表のデフォルト名をオーバーライドできます。また、IN tablespace-name 節を使用すると、UE 表に使用される表スペースをオーバーライドできます。
デフォルトでは、パッケージ・キャッシュから追い出されるすべてのステートメントは、パッケージ・キャッシュ・イベント・モニターによってキャプチャーされます。収集される情報量を制限するには、CREATE EVENT MONITOR ステートメントの一部として、収集される情報を制限するオプションを指定できます。詳しくは、CREATE EVENT MONITOR (パッケージ・キャッシュ) ステートメントに関する資料を参照してください。
- 次に、イベント・モニターを活動状態にします。
SET EVENT MONITOR EXPENSIVESTMTS STATE 1
注: デフォルトでは、このイベント・モニターはデータベースの活動化時に自動的に開始されます。AUTOSTART オプションがデフォルトで適用されるためです。ただし、このイベント・モニターは既にアクティブなデータベースで作成されるので、SET EVENT MONITOR コマンドを使用して手動で開始する必要があります。
- データベースに接続し、パフォーマンス分析の対象となるステートメント、ワークロード、またはアプリケーションを実行します。収集する情報量は、希望に応じて決めることができます。ただし、このタイプのパフォーマンス調整は、対象のアプリケーションやワークロードが定期的に実行される場合に最も効率的になります。その他の場合には、以前に実行されたステートメントに対して加えた調整が、今後実行されるステートメントに対して全く影響を及ぼさないことがあります。
- データの収集が終了したら、イベント・モニターを非アクティブ化状態にします。
SET EVENT MONITOR EXPENSIVESTMTS STATE 0
- EVMON_FORMAT_UE_TO_TABLES プロシージャーを使用して、イベント・モニターによりデータが追加された UE 表からデータを抽出します。
CALL EVMON_FORMAT_UE_TO_TABLES ('PKGCACHE', NULL, NULL, NULL, NULL, NULL,
NULL, -1, 'SELECT * FROM EXPENSIVESTMTS')
このプロシージャーでは、イベント・モニターによって生成された UE 表 TRACKSTMTS を調べます。
UE 表のすべてのレコードが選択され、その中から、パッケージ・キャッシュ・イベント・モニターによって収集されたデータに基づいて以下の 2 つのリレーショナル表が作成されます。
- PKGCACHE_EVENT
- PCKCACHE_METRICS
1 番目の表には、キャプチャーされた各イベントと関連する、最も頻繁に使用されるモニター・エレメントとメトリックが含まれます。2 番目の表には、各イベントの詳細メトリックが入っています。
注: PKGCACHE_METRICS の列に入っている値は、PKGCACHE_EVENT 表の METRICS 列に含まれている XML 文書にもあります。列指向のアクセスを行うためにより便利な方法として、PKGCACHE_METRICS 表でも提供されています。
- イベント・モニターからの出力を照会し、実行により時間のかかったステートメントを判別します。この例では、合計 CPU 時間 (total_cpu_time - 合計 CPU 時間 : モニター・エレメント) が全体のコストを判別するために使用される消費時間モニター・エレメントです。
WITH STMTS AS
(
┌ SELECT SUM(TOTAL_CPU_TIME) AS TOTAL_CPU_TIME, EXECUTABLE_ID, VARCHAR(STMT_TEXT, 3000) AS STMT_TEXT
1 │ FROM TABLE(MON_GET_PKG_CACHE_STMT(NULL,NULL,NULL,-2)) AS T
└ GROUP BY EXECUTABLE_ID, VARCHAR(STMT_TEXT, 3000)
UNION ALL
┌ SELECT SUM(TOTAL_CPU_TIME) AS TOTAL_CPU_TIME, EXECUTABLE_ID, VARCHAR(STMT_TEXT, 3000) AS STMT_TEXT
2 │ FROM PKGCACHE_EVENT E, PKGCACHE_METRICS M WHERE E.XMLID = M.XMLID
└ GROUP BY EXECUTABLE_ID, VARCHAR(STMT_TEXT, 3000)
)
SELECT SUM(TOTAL_CPU_TIME) AS TOTAL_CPU_TIME, STMT_TEXT, EXECUTABLE_ID
FROM STMTS
GROUP BY EXECUTABLE_ID, STMT_TEXT
ORDER BY TOTAL_EXEC_TIME DESC
FETCH FIRST 10 ROWS ONLY;
前述の例の場合、MON_GET_PKG_CACHE_STMT 表関数によって戻されたデータ ( 1 参照) と、パッケージ・キャッシュ・イベント・モニターによって戻されたデータ ( 2 参照) の両方が取り出されます。
両方のデータ・セットを調べると、依然としてパッケージ・キャッシュ内に存在するステートメントのデータと、パッケージ・キャッシュから既に追い出されたステートメントのデータの両方を把握できます。
これにより、どのステートメントの実行コストが高いかを評価する際に、ある特定の期間に実行されたすべてのステートメントを考慮に入れることができます。
この照会は、以下の結果を返します。
TOTAL_CPU_TIME STMT_TEXT EXECUTABLE_ID
-------------------- ------------------------------ -------------------------------------------------------------------
656250 CALL EVMON_FORMAT_UE_TO_TABLES x'0100000000000000070000000000000000000000020020101207125759221000'
SQL0445W Value "WITH STMTS AS ( SELECT SUM(TOTAL_CPU_TIME) AS TOTAL_CPU_TIME" has been truncated. SQLSTATE=01004
500000 CALL XSR_COMPLETE(?,?,NULL,1) x'0100000000000000160000000000000000000000020020101207125801112004'
156250 CALL XSR_ADDSCHEMADOC(?,?,?,?, x'0100000000000000090000000000000000000000020020101207125759877000'
156250 CREATE INDEX PKGCACHE_EVENT_IN x'0100000000000000120000000000000000000000020020101207125800565003'
93750 CALL XSR_REGISTER(?,?,?,?, NUL x'0100000000000000080000000000000000000000020020101207125759643000'
93750 CALL XDB_DECOMP_XML_FROM_QUERY x'0100000000000000180000000000000000000000020020101207125801862001'
78125 CREATE INDEX PKGCACHE_METRICS_ x'0100000000000000140000000000000000000000020020101207125800924000'
46875 CREATE EVENT MONITOR EXPENSIVE x'0100000000000000010000000000000000000000020020101207125758299000'
46875 SET EVENT MONITOR EXPENSIVESTM x'0100000000000000050000000000000000000000020020101207125758768001'
46875 CALL SYSPROC.SYSINSTALLOBJECTS x'0100000000000000240000000000000000000000020020101207125936286002'
10 record(s) selected with 1 warning messages printed.
注: 見やすく表示するために、STMT_TEXT 列は省略されています。
次のタスク
ステップ 6 に示されている照会からの出力を使用して、調整するステートメントを判別します。