ディスク・アレイの概要
ディスク・アレイは、特定のアレイ・コントローラーと一緒に作動するディスクのグループであり、単一の大容量ディスクに比べて、より高いデータ転送速度および入出力 (I/O) 速度を達成する可能性を持っています。
アレイ・コントローラーは、ディスク間のデータの分散のトラッキングを行います。 さらに、RAID 5、6、および 10 のディスク・アレイではデータの冗長性が提供されており、アレイ内の 1 つのディスクに障害が発生した場合のデータの消失を防ぎます。
注: このトピックおよび iprconfig ユーティリティーでは、ディスクのフォーマットに関する以下の共通用語を使用します。
- JBOD
JBOD (Just a Bunch Of Disks) ディスクは、セクター当たり 512 バイトまたは 4096 バイトにフォーマットされます。 JBOD ディスクは /dev/sdX 名を割り当てられ、Linux® オペレーティング・システムで使用できます。
- 拡張機能
拡張機能 ディスクは、セクター当たり 528 バイトまたは 4224 バイトにフォーマットされます。 このフォーマットのディスクは、ディスク・アレイで使用できます。 拡張機能ディスクは、直接 Linux オペレーティング・システムでは使用できません。 Linux オペレーティング・システムでは、ディスク・アレイ内に構成された場合にのみ拡張機能を使用できます。
Linux オペレーティング・システムでは、ディスク・アレイは標準 SCSI ディスク装置としてアクセスされます。このディスク装置は、ディスク・アレイが作成されると自動的に作成され、ディスク・アレイが削除されると必ず削除されます。 ディスク・アレイを構成する個別の物理ディスク (またはディスク・アレイで使用される候補である物理ディスク) は、拡張機能用にフォーマットされると Linux オペレーティング・システムから隠され、iprconfig ユーティリティーを使用しなければアクセスできません。Linux オペレーティング・システムはすべての JBOD ディスクを認識します。これらのディスクをディスク・アレイ内で使用するには、拡張機能用にフォーマットする必要があります。 JBOD ディスクをディスク・アレイ内で使用できるようにするためのフォーマットについては、JBOD 用のフォーマットを参照してください。
拡張機能ディスクは、以下として構成できます。
- Array Member
- アレイのメンバーとして構成されている、セクター当たり 528 バイトの HDD ディスク。
- Hot Spare
- 機能低下した RAID アレイにおいて、 障害のあるディスクを自動的に取り替えるためにコントローラーが使用できる、セクター当たり 528 バイトの HDD ディスク。ホット・スペア・ディスクは、その容量が、機能低下したアレイ内の最も小さいディスクの容量より大か等しい場合にのみ役に立ちます。ホット・スペア・ディスクについて詳しくは、ホット・スペア・ディスクを参照してください。
- アレイ候補
- アレイ・メンバーまたはホット・スペアとなる候補になっているセクター当たり 528 バイトの HDD ディスク。
- SSD Array Member
- アレイのメンバーとして構成されている、セクター当たり 528 バイトのソリッド・ステート・ディスク。
- SSD Hot Spare
- 機能低下した RAID 5、6、10、5T2、6T2、または 10T2 ディスク・アレイにおいて、障害のあるディスクを自動的に取り替えるためにコントローラーが使用できる、セクター当たり 528 バイトのソリッド・ステート・ディスク。 ホット・スペア・ディスクは、その容量が、機能低下したアレイ内の最も小さいディスクの容量より大か等しい場合にのみ役に立ちます。ホット・スペア・ディスクについて詳しくは、ホット・スペア・ディスクを参照してください。
- SSD Array Candidate
- アレイ・メンバーまたはホット・スペアとなる候補になっているセクター当たり 528 バイトのソリッド・ステート・ディスク。
- RI (Mainstream) Array Member
- アレイのメンバーとして構成されている、セクター当たり 528 バイトの読み取り集中 (RI) ソリッド・ステート・ディスク。
- RI (Mainstream) Hot Spare
- 機能低下した RAID アレイにおいて、障害のある RI/メインストリーム・ディスクを自動的に取り替えるためにコントローラーが使用できる、セクター当たり 528 バイトの読み取り集中 (RI) ソリッド・ステート・ディスク。ホット・スペア・ディスクは、その容量が、機能低下したアレイ内の最も小さいディスクの容量より大か等しい場合にのみ役に立ちます。ホット・スペア・ディスクについて詳しくは、ホット・スペア・ディスクを参照してください。
- RI (Mainstream) Array Candidate
- アレイにおいてアレイ・メンバーまたはホット・スペア・ディスクとなる候補になっている、セクター当たり 528 バイトの読み取り集中 (RI) ソリッド・ステート・ディスク。
- 4K Array Member
- アレイのメンバーとして構成されている、セクター当たり 4224 バイトの HDD ディスク。
- 4K Hot Spare
- 機能低下した RAID 5、6、10、5T2、6T2、または 10T2 ディスク・アレイにおいて、障害のあるディスクを自動的に取り替えるためにコントローラーが使用できる、セクター当たり 4224 バイトの HDD ディスク。ホット・スペア・ディスクは、その容量が、機能低下したアレイ内の最も小さいディスクの容量より大か等しい場合にのみ役に立ちます。ホット・スペア・ディスクについて詳しくは、ホット・スペア・ディスクを参照してください。
- 4K Array Candidate
- アレイ・メンバーまたはホット・スペアとなる候補になっているセクター当たり 4224 バイトの HDD ディスク。
- 4K SSD Array Member
- アレイのメンバーとして構成されている、セクター当たり 4224 バイトのソリッド・ステート・ディスク。
- 4K SSD Hot Spare
- 機能低下した RAID 5、6、10、5T2、6T2、または 10T2 ディスク・アレイにおいて、障害のあるディスクを自動的に取り替えるためにコントローラーが使用できる、セクター当たり 4224 バイトのソリッド・ステート・ディスク。ホット・スペア・ディスクは、その容量が、機能低下したアレイ内の最も小さいディスクの容量より大か等しい場合にのみ役に立ちます。ホット・スペア・ディスクについて詳しくは、ホット・スペア・ディスクを参照してください。
- 4K SSD Array Candidate
- アレイ・メンバーまたはホット・スペアとなる候補になっているセクター当たり 4224 バイトのソリッド・ステート・ディスク。
- 4K RI (Mainstream) Array Member
- アレイのメンバーとして構成されている、セクター当たり 4224 バイトの読み取り集中 (RI) ソリッド・ステート pdisk。
- 4K RI (Mainstream) Hot Spare
- 機能低下した RAID ディスク・アレイにおいて、障害のある RI ディスクを自動的に取り替えるためにコントローラーが使用できる、セクター当たり 4224 バイトの読み取り集中 (RI) ソリッド・ステート pdisk。ホット・スペア・ディスクは、その容量が、機能低下したアレイ内の最も小さいディスクの容量より大か等しい場合にのみ役に立ちます。ホット・スペア・ディスクについて詳しくは、ホット・スペア・ディスクを参照してください。
- 4K RI (Mainstream) Array Candidate
- アレイにおいてアレイ・メンバーまたはホット・スペアとなる候補になっている、セクター当たり 4224 バイトの読み取り集中 (RI) ソリッド・ステート pdisk。
- 4K ENL Array Member
- アレイのメンバーとして構成されている、セクター当たり 4224 バイトのエンタープライズ・ニアライン (ENL) ハード・ディスク (HDD) pdisk。
- 4K ENL Hot Spare
- 機能低下した RAID ディスク・アレイにおいて、障害のある ENL ディスクを自動的に取り替えるためにコントローラーが使用できる、セクター当たり 4224 バイトの ENL HDD pdisk。ホット・スペア・ディスクは、その容量が、機能低下したアレイ内の最も小さいディスクの容量より大か等しい場合にのみ役に立ちます。ホット・スペア・ディスクについて詳しくは、ホット・スペア・ディスクを参照してください。
- 4K ENL Array Candidate
- アレイ・メンバー、またはアレイ内のホット・スペア・ディスクとなる候補になっている、セクター当たり 4224 バイトの ENL HDD pdisk。
これらのディスクおよび関連付けられたリソース名を表示するには、iprconfig ユーティリティーの「ハードウェア状況の表示 (Display Hardware Status)」オプションを使用できます。
ディスク情報の表示方法について詳しくは、デバイス状況の表示を参照してください。 「ハードウェア状況の表示 (Display Hardware Status)」オプションを起動すると、次のサンプルのような出力が表示されます。
+--------------------------------------------------------------------------------+
| Display Hardware Status |
| |
|Type option, press Enter. |
| 1=Display hardware resource information details |
| |
|OPT Name PCI/SCSI Location Description Status |
|--- ------ -------------------------- ------------------------- ----------------|
| 0000:00:01.0/0: PCI-X SAS RAID Adapter Operational |
| sda 0000:00:01.0/0:4:2:0 Physical Disk Active |
| sdb 0000:00:01.0/0:4:5:0 Physical Disk Active |
| 0000:00:01.0/0:4:10:0 Enclosure Active |
| 0000:00:01.0/0:6:10:0 Enclosure Active |
| 0000:00:01.0/0:8:0:0 Enclosure Active |
| 0002:00:01.0/1: PCI-X SAS RAID Adapter Operational |
| sdc 0002:00:01.0/1:0:1:0 Physical Disk Active |
| sdd 0002:00:01.0/1:0:2:0 Physical Disk Active |
| 0002:00:01.0/1:0:4:0 Advanced Function Disk Active |
| 0002:00:01.0/1:0:5:0 Advanced Function Disk Active |
| 0002:00:01.0/1:0:6:0 Advanced Function Disk Active |
| 0002:00:01.0/1:0:7:0 Hot Spare Active |
| sde 0002:00:01.0/1:255:0:0 RAID 0 Disk Array Active |
| 0002:00:01.0/1:0:0:0 RAID 0 Array Member Active |
| sdf 0002:00:01.0/1:255:1:0 RAID 6 Disk Array Active |
| 0002:00:01.0/1:0:10:0 RAID 6 Array Member Active |
| 0002:00:01.0/1:0:11:0 RAID 6 Array Member Active |
| 0002:00:01.0/1:0:8:0 RAID 6 Array Member Active |
| 0002:00:01.0/1:0:9:0 RAID 6 Array Member Active |
| 0002:00:01.0/1:0:24:0 Enclosure Active |
| 0002:00:01.0/1:2:24:0 Enclosure Active |
| |
|e=Exit q=Cancel r=Refresh t=Toggle |
+--------------------------------------------------------------------------------+ディスク・アレイ、物理ディスク、および入出力アダプター (IOA) の状況は、「ハードウェア状況の表示 (Display Hardware Status)」画面の 5 番目の列に表示されます。