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オンライン停止を最小にする IMS 全機能データベース診断方法

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あなたの IMS データベースは、整合性が取れていますか?

データベースからデータが失われ、IMSが機能停止した経験はありませんか?あなたはIMSデータベースの整合性診断方法を知っていますか?定期的なデータベースの整合性診断は、データ損失とシステム停止を防ぐための 1つの方法です。

データベースの整合性診断を行うことは難しいことではありません。しかし、IMS 全機能データベースの正確な整合性診断を行うためには、そのデータベースをオフラインにする必要があります。HPIC と HPPC を統合して使うことにより、簡単で自動化されたオンラインの IMS 全機能データベースの整合性診断を可能にします。これらのツールを利用すれば IMS システムの可用性を最大限に高め、その結果、ビジネスチャンスを逃すことで被る多額の損失を未然に防ぐことができます。

HPPC による IMS 全機能データベースの整合性診断

まず始めに、IMS 全機能データベースの整合性診断の有益性について説明しましょう。 HPPC には HD Pointer Checker (以下 HDPC) と Space Monitor (以下 SPMN) の 2つのユーティリティが含まれています。

HDPC はポインターをチェックすることで IMS 全機能データベースの整合性を診断し、データベースのパフォーマンスの指標となるデータベースの統計情報をレポートします。ポインターのチェックは、IMS データの整合性を保障し、データベースのパフォーマンスの調整に役立ちます。問題が検出された場合には、すぐにデータベースのリカバリーや再編成といった対応策を取ることができます。

SPMN はデータセットのスペース使用状況 (ファイルサイズ、エクステント数、CI/CA 分割数など) を監視します。SPMN を使用すれば、データセットに空きスペースが無いことで引き起こされる IMS システム停止や、データセットの断片化で引き起こされるデータベースのパフォーマンス低下を回避することができます。

HPIC と HPPC を使ったオンラインデータベースの整合性診断

HDPC はオンラインデータベースに対して実行できます。しかし、データの更新が完了していない状態では、HDPC は誤ったポインターエラーを検出することがあります。正確な診断結果を得るためには、複雑なデータベースの停止と再始動の操作を行い、数分間データベースを停止しなければなりません。HPIC と HPPC を使えば、このプロセスを簡単に行うことができます。

HPIC は、1回の実行でイメージコピー (IMS データベースのバックアップファイル) を取得するとともに、以下の処理を実行します:

  • IBM Tools Base for z/OS の IMS Tools Online System Interface (以下 TOSI) を使用し、IMS コマンドを発行する。TOSI の詳細は参考文献 (1) を参照ください。
  • IBM の FlashCopy 技術を使用し、短時間でデータベースのコピーを作成する
  • HPPC のデータベース整合性診断を実行する
図 1. HPIC ジョブの HP イメージコピーにより自動実行される処理
HPIC ジョブの HP イメージコピーにより自動実行される処理
HPIC ジョブの HP イメージコピーにより自動実行される処理

HPIC ではオンラインのデータベースに対して HDPC を実行できます。図 1 は、HPIC ジョブの HP イメージコピーにより自動実行される処理を示します:

  1. IMS コマンドの UPDATE DB START (QUIESCE) を発行し、データベースを静止しアプリケーションプログラムからのデータベース更新を保留する。
  2. FlashCopy を実行して短時間でデータセットのコピーを作成する。図 1 では、コピーしたデータセットをシャドウデータセットとして表しています。
  3. IMS コマンドの UPDATE DB STOP (QUIESCE) を発行しデータベースの静止を解除する。コマンド発行後、アプリケーションプログラムからのデータベース更新が再開されます。
  4. シャドウデータセットに対して HDPC を実行する。
  5. シャドウデータセットを削除する。必要に応じて、シャドウデータセットをイメージコピーとして保存することもできます。

ステップ 1 から 5 の間、IMS データベースはオンライン状態ですが、ステップ 1 から 3 の間、データベースは一時的に利用することができません。ただし、データベースを利用できないのは短時間です。

この HPIC と HDPC を一緒に使用する方法の利点は、ステップ 1 から 5 に示される面倒な操作を省けることです。この方法では、これらのステップは自動的に実行されます。また、IMS データベースが使用できないのは非常に短時間です。短いデータベースの停止で、早く正確なデータベースの整合性診断ができます。 この方法を、HPIC 疑似オンラインポインターチェックモードと呼びます。

HPIC 疑似オンラインポインターチェックモードを使用する場合、HALDB の論理ポインターと HALDB のインデックスポインターのチェックに対しては、いくつかの制限事項があります。HALDB に対しての HPIC を定期的に実行し、HPPC 単独のジョブで HDPC を定期的に実行しこれらのデータベースポインターをチェックする必要があります。 この制限はありますが、簡単な HPIC 操作とわずかなデータベースの停止という利点があります。

HPIC 疑似オンラインポインターチェックモードを使うには、HPIC のPTF UK58346 (APAR PM15237) を適用してください。

SPMN によるオンラインデータベースのスペース監視

SPMN を使って、オンラインデータベースデータセットのスペース使用状況を監視することができます。データセットが VSAM の場合はデータセットがクローズされるまで最新のスペース使用状況がカタログに反映されないため、従来の SPMN ではオンラインデータベースの最新のスペース使用状況を監視できませんでした。この問題を解決するために SPMN は TOSI と連携しました。

図 2 は、SPMN と TOSI の概念的構成を示しています。SPMN は TOSI を使って最新のデータセットのスペース使用状況を取得し、その結果をレポートします。

図 2. SPMN と TOSI の概念的構成図
SPMN と TOSI の概念的構成図
SPMN と TOSI の概念的構成図

SPMN 単独のジョブだけでなく、HPPC のジョブや HPIC のジョブの中でも SPMN は TOSI を使ってオンラインデータベースの最新スペース使用状況を監視できるようになりました。オンラインデータベースのスペース使用状況を監視するためにIMSデータベースを止める必要はありません。

SPMN を使って IMS オンラインデータベースの最新のスペース使用状況を監視するには、HPPCのPTF UK74543 (APAR PM50160) と IMS Tools Base の PTF UK59874 と UK62373 (APAR PM17030 と PM21167) を適用してくだい。HPIC のジョブでオンラインデータベースの最新のスペース使用状況を監視するには、HPIC の PTF UK74545 (APAR PM50159) も適用してくだい。

DB Sensor によるオンラインデータベースのスペース監視

HPPC や HPIC のジョブでは、IMS Database Solution Pack for z/OS, V1R2のDatabase Sensor コンポーネント (以下 DB Sensor) と TOSI を使ってオンラインデータベースを止めずにデータセットのスペース使用状況を監視することもできます。DB Sensor の詳細は参考文献 (2) を参照ください。

DB Sensor を使って IMS オンラインデータベースの最新のスペース使用状況を監視するには、HPPC の PTF UK74543 (APAR PM50160)、HPIC の PTF UK74545 (APAR PM50159)、IMS Tools Base の PTF UK59874 と UK62373 (APAR PM17030 と PM21167) を適用してくだい。

まとめ

HPIC と HPPC を統合して使うことで、簡単で自動化されたオンラインの IMS 全機能データベースの整合性診断を可能にします。整合性の取れたデータベースは、IMS システムの可用性を最大限に高め、データベースが利用できないまたはシステム停止したことで被る多額の損失を未然に防ぐことができます。


ダウンロード可能なリソース


関連トピック

  • (1) TOSI についての詳細は、IMS Tools サイトを参照してください。
  • (2) IBM IMS Database Solution Pack for z/OS についての詳細は、IMS Tools サイトを参照してください。

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ArticleTitle=オンライン停止を最小にする IMS 全機能データベース診断方法
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