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新卒関西人のWebSphere挑戦記

① ~WAS Libertyプロファイルの導入~

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はじめに

WebSphere事業部第一テクニカルセールスの斎藤と申します。この度、「WebSphereの誇るLibertyプロファイルをマスターするんや!」という思いから、Liberty記事の連載を担当いたします。本連載では、Libertyプロファイルを用いて、サーブレットやJSPなどでアプリケーションの実装までを行う予定です。エンタープライズJavaの経験が無い私ですが、まず本連載を成功させ、早く一人前になれるようスキルを高めていきたいと思います。同時に、当ページを訪れてくださった皆様に少しでもLibertyプロファイルの魅力をお伝えできればと思います。

本連載の初回は、Liberty プロファイルの導入にあたり、まずLibertyプロファイルとは何かを説明し、その後にEclipseに対するLibertyプロファイル用プラグインを用いた導入方法を紹介します。対象とするEclipseパッケージは3.7(Indigo)、4.2(Juno)の2種類です。なお、2013年6月26日に公開されたEclipse 4.3(Kepler)でも4.2と同様の手順によってLibertyプロファイルの導入が可能です。

Libertyとは何か?

Libertyプロファイルとは、Java EEアプリケーションを実行するための新しいWebSphere Application Server(WAS) ランタイムです。2012年WAS V8.5のリリース時にLibertyプロファイルは生まれました。2013年6月14日にWAS V8.5.5がリリースされ、拡張されたV8.5.5 Libertyプロファイルは、多くの追加APIをサポートするようになりました。Libertyプロファイルは、「軽量、高速起動、シンプルな管理」が特徴となっており、ダウンロード・サイズはわずか50MB程度で、必要なメモリー・フットプリントも少なくて済みます。起動時間も5秒以内と非常に高速です。使用する機能(フィーチャー)だけを自由に組み合わせて起動することができ、最小限のメモリ使用量、起動時間の短縮を実現しています。導入されたアプリケーションの更新、アプリケーション・サーバーの構成の更新を自動的に検知し、サーバー・プロセスを再起動することなく、即座に変更を反映させることが可能です。長い間、企業システムで使用されてきた実績のあるWASのコードがLibertyとして移植されている為、本番環境での使用でも、十分に耐えうるランタイム環境といえます。開発環境に関しては、無償でEclipse用プラグインとして公開されているWebSphere Application Server Developer Tools(WDT)と組み合わせて構築することができます。開発環境ではLibertyプロファイルを、本番環境ではWASを使用し、Libertyプロファイルで開発・テストしたアプリケーションをWAS環境へ簡単に移行することも可能です。

  • 2013年6月現在のLibertyプロファイルのエディション
    以下の6種類のWebSphere Application Server (WAS)のエディションでLibertyプロファイルが利用できます。
    1. Liberty Core
    2. WAS Base / Express
    3. WAS Network Deployment (ND)
    4. WAS Hypervisor
    5. WAS for z/OS
    6. WAS for Developers(無償 ※開発・テスト環境のみの利用)←本稿で使用

WAS V8.5.5リリースに伴って、Liberty Core エディションが追加されました。当エディションには完全プロファイル(フル・プロファイル)のWASは含まれませんが、安価で提供されており、フィーチャーはWAS Base / Express / NDなどの上位エディションのLibertyプロファイルのサブセットが利用可能となっています。特に、サーブレット、JSP、JSF、およびEJB LiteなどのWeb Profileに焦点を当てたエディションとなっています。Liberty Coreエディションを除く他のエディションのLibertyプロファイルでは、JAX-WS、JAX-RS、JMSプログラミング・モデルなどもサポートしており、またWAS NDエディションのLibertyプロファイルでは複数サーバーを管理するCollectiveという新機能も使えます。

【脱線!!Column~これは何?どういうこと?~】

Libertyの素晴らしさ、WASとの違いを書いてきましたが、いくつか疑問があるのではないでしょうか?

  • 結局、LibertyとWASは何が違うの?
    Ans.
    結論から言っちゃいますと、Liberty、WAS共にアプリケーション・サーバーです!技術的な役割は同じです。WASはご存知の通りアプリケーション・サーバーですよね。クラスタリングや問題判別機能、統合管理機能などを使った信頼性の求められるシステムや、大量のトランザクションにも耐えるようなシステムに強みを持つ製品です。アプリケーションを実際に稼動させる本番環境での動作の信頼性が高いというのはWASの特長のひとつです。では、Libertyプロファイルはと言うと、サイズの小さなWASのようなもので、必要な機能を自分で選んで(もしくはデプロイしたアプリケーションに適した機能が自動で選ばれ利用可能な状態になる)開発を行うことが出来ます。そのため初期状態では非常に小さなダウンロード・サイズでメモリ使用量も小さく抑えることが可能なのです。加えて、構成変更時にはサーバーを止めることなく動的に変更が更新されるため、開発者の負担も軽減します。つまり、誰でも簡単に、かつ軽いフットワークで開発ができてしまうのです。
  • WASの軽量版であることは分かった。LibertyプロファイルとWASは異なる製品ってことなのか?つまりLibertyプロファイルはWASでは無い?
    Ans.
    違います。Libertyプロファイルは、WAS V8.5から追加された「WASの新しいランタイム環境」なのです。WASを稼動する際にプロファイルを作成します。そのプロファイルのラインナップの中に「Liberty プロファイル」が存在するのです。すなわち、WASで利用できるプロファイルはLibertyプロファイルとWAS V8.5リリース前から使われている完全プロファイル(フル・プロファイル)の2種類が存在することになります。
  • プロファイルの中身ってどう違うの?
    Ans.
    完全プロファイルはJava EE仕様を全てサポートしています。LibertyプロファイルはJava EE仕様のWeb Profileと呼ばれるWeb系サービス作成に適した仕様をサポートしており(WAS NDエディションのライセンスがある場合は追加機能があります)、ユーザーが自由に選択し開発可能です。サポートする機能(フィーチャー)については連載の中で取り上げる予定です。

皆さんはLibertyとWASの違いや、プロファイルの意味などご存知でしたか?実は私、最近まではさっぱりでした。このような感じで、私のような初心者の視点からLibertyプロファイルを眺めつつ、実際に使っていこう!というコンセプトで進めさせて頂きたいと思っております。冒頭でも述べましたが、この後、本稿のメイントピックであるLibertyプロファイルの導入方法について紹介いたします。

Libertyプロファイル導入方法

 

導入方法は3種類あります。IBM Installation Managerによる導入(※1)、自己展開圧縮Jarファイルの展開による導入(※2)、Eclipse上のWebSphere Application Server Developer Tools(WDT)による導入です。本稿では、3番目の方法であるEclipseに対するLibertyプロファイル用プラグイン(WDT)を用いた導入方法を紹介します。今回使用するWASエディションは無料でダウンロードできるWAS for DeveloperのLibertyプロファイルです。OSはWindows 7を使用していますが、他にもLinuxやMac OS X Snow Leopard 10.6以上などでも動作できます。またIBM Java SDK 6.0を使用しています。Javaの前提条件やその他の制約事項に関しては※3こちらからご確認ください。今回対象とするEclipseのバージョンは3.7(Indigo)と4.2(Juno)/4.3(Kepler)です。導入手順は、大きく分けて2ステップです。まずWASの開発支援ツールであるWDTをEclipseのMarketplaceから導入します。次にEclipse上でWDTを使ってLibertyプロファイルのダウンロード・インストールを行います。以下に、順を追って説明します。

「Eclipseに対するLibertyプロファイル用プラグイン(WDT)を用いた導入方法」

~3.7(Indigo)におけるLibertyプロファイル導入手順~

  • WebSphere Application Server Development Tools(WDT)の導入
    1. Eclipseのメニューから Help -> Eclipse Marketplace… をクリックします。
    2. 次に、Searchタブで “WebSphere Liberty” と入力します。
    3. 図のように表示されましたら、赤枠で囲まれている「IBM WebSphere Application Server V8.5 Liberty Profile Developer Tools for Eclipse 3.x」の“Install” ボタンをクリックします。
    4. 次に表示される画面では図のようにチェックボックスにチェックが入っていることを確認し、“Next” をクリックします。
    5. 次の画面ではライセンス条項が表示されます。内容を確認し、“I accept…” と続くラジオボタンを選択し、“Finish” ボタンをクリックします。
    6. インストール中に図のような画面が表示された場合、“OK” をクリックします。
    7. “Restart Now” をクリックし、Eclipseを再起動します。
  • Libertyプロファイル本体の導入
    1. ワークベンチでタブをクリックし、Serversビューを開きます。
    2. Serversビューを右クリックしてからNew -> Server を選択します。
    3. サーバー・タイプのリストで、“IBMディレクトリ” を展開してから “WebSphere Application Server V8.5 Liberty Profile” を選択し、“Next” をクリックします。
    4. Liberty Profile Runtime Environmentページが表示されます。以下のステップを実行し、Liberty プロファイルをダウンロードしてインストールします。
      1. “Download or install” をクリックします。
      2. 新規ランタイムの環境をダウンロード・インストールするサイトの一覧から “IBM WebSphere Application Server V8.5 Liberty Profile download site” を選択し、“Next” をクリックします。
      3. 次に表示されるライセンス条項を確認し、同意する場合はラジオボタンの “I accept…” を選択し、“Next” をクリックします。(同意がない場合は先に進めません)
      4. 次に、図のようにLibertyプロファイルをインストールする “任意のディレクトリ” を指定します(空ディレクトリを選択してください)。“Finish” をクリックすることでLibertyプロファイルが指定したディレクトリにインストールされます。
    5. 次に表示される画面では、サーバーを稼動するため “Next” をクリックします。(※サーバーを構成せず、Libertyプロファイルの導入のみを行う方は前項で完了です。“Cancel” をクリックしてウィンドウを閉じてください。
    6. Server name欄に “任意のサーバー名” を入力し、“Finish” をクリックしてください。

以上で、Eclipse 3.7(Indigo)によるWDTを用いたLibertyプロファイルの導入、サーバーの初期構成は完了です。

~4.2(Juno), 4.3(Kepler)におけるLibertyプロファイル導入~

  • WebSphere Application Server Development Tools(WDT)の導入
    1. Eclipseのメニューから Help -> Eclipse Marketplace… をクリックします。
    2. 次に、Searchタブで “WebSphere Liberty” と入力します。
    3. 図のように表示されましたら、赤枠で囲まれている「IBM WebSphere Application Server V8.5.5 Liberty Profile Developer Tools for Eclipse Juno」の“Install” ボタンをクリックします。
    4. 次に表示される画面では図のようにチェックボックスにチェックが入っていることを確認し、“Next” をクリックします。
       

      (下図のようなエラーが出た場合には、Eclipseのバージョンを4.2.2以上にアップデートし、再度、手順1から進めてください。※Eclipseのメニューから Help -> Check For Updates と進めることでEclipseのアップデートが可能です。)
    5. 次の画面ではライセンス条項が表示されます。内容を確認し、“I accept…” と続くラジオボタンを選択し、“Finish” ボタンをクリックします。
    6. インストール中に図のような画面が表示された場合、“OK” をクリックします。
    7. “Restart Now” をクリックし、Eclipseを再起動します。
  • Libertyプロファイル本体の導入
    1. ワークベンチでServersタブをクリックし、Serversビューを開きます。
    2. Serversビューを右クリックしてから New -> Server を選択します。
    3. サーバー・タイプのリストで、“IBMディレクトリ” を展開してから “WebSphere Application Server V8.5 Liberty Profile” を選択し、“Next” をクリックします。
    4. Liberty Profile Runtime Environmentページが表示されます。以下のステップを実行し、Liberty プロファイルをダウンロードしてインストールします。
      1. “Download or install” をクリックします。
      2. 新規ランタイムの環境をダウンロード・インストールするサイトの一覧から “IBM WebSphere Application Server V8.5.5.0 Liberty Profile” を選択し、“Next” をクリックします。
      3. 次に表示されるライセンス条項を確認し、同意する場合はラジオボタンの “I accept…” を選択し、“Next” をクリックします。(同意がない場合は先に進めません)
      4. Eclipse 4.2 (Juno) / 4.3 (Kepler) の場合はアドオンの選択画面が出ます。追加で導入するサンプルなどが選択でき、非常に便利なので是非お使いください。“Add” で選択可能です。(必要なアドオンが無い場合は、“Next” をクリックして進みます)
      5. 次に、図のようにLibertyプロファイルをインストールする “任意のディレクトリ” を指定します(空ディレクトリを選択してください)。“Finish” をクリックすることでLibertyプロファイルが指定したディレクトリにインストールされます。
    5. 次に表示される画面では、サーバーを稼動するため “Next” をクリックします。(※サーバーを構成せず、Libertyプロファイルの導入のみを行う方は前項で完了です。“Cancel” をクリックしてウィンドウを閉じてください。
    6. Server name欄に任意のサーバー名を入力し、“Finish” をクリックしてください。

以上で、Eclipse 4.2(Juno), 4.3(Kepler)によるWDTを用いたLibertyプロファイルの導入、サーバーの初期構成は完了です。

【脱線!!Column~アドオンって何?~】

アドオンと言えば、Firefoxブラウザ使用者の方、他のブラウザでもオプションを弄り倒したり、世の中の色んな開発者が作った便利な機能を取り入れることが好きな方にはおなじみの単語でしょうか?アドオン=追加機能をイメージされる方が多いのではないでしょうか?本稿のEclipse 4.2/4.3 (Juno/Kepler)でLibertyプロファイル本体を導入する手順(4-d)の中で出てきましたね。WASランタイム環境であるLibertyプロファイルの追加機能を選択する手順です。例えば、Libertyプロファイルで用意されているEJB(フィーチャーの一つ)を用いたサンプル・プログラムや、DBに接続するJDBCを用いたサーブレットのサンプル・プログラムなどがあり、サンプル・プログラムを利用することで、具体的な利用方法を簡単に確認することも可能ですので非常に便利です。WASdev.net(※4)のLiberty Repository(※5)でサンプル・プログラムや、サンプル構成、スクリプト、オープンソースとの統合例など様々な機能が公開されています。また、これらは前述のEclipse 4.2/4.3 (Juno/Kepler)でのLibertyプロファイルの導入手順の中で “Add”ボタンをクリックするだけで簡単にダウンロードすることができるため、手早く体験することが可能です。

まとめ

本稿では、Libertyプロファイルの概要とEclipse上での導入方法についてご紹介させて頂きました。次回以降の連載では、今回導入したLibertyプロファイルを用いたアプリケーション実装編をご紹介させて頂く予定です。任意のサーバー名で作成したサーバーの構成ファイルについて、またその設定方法やフィーチャーなどについてもご紹介させて頂きます。Libertyプロファイルは非常に簡単に、かつ短時間で導入から実装まで行えるので、是非みなさんも手にとってご体験ください。


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ArticleTitle=新卒関西人のWebSphere挑戦記: ① ~WAS Libertyプロファイルの導入~
publish-date=09262013