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IBM PureApplication System に対する準備

第 3 回 データベースのオプションを選択する

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はじめに

連載のこれまでの記事では、アプリケーションを IBM PureApplication System にデプロイする方法に焦点を絞ってきました。アプリケーションのデプロイメントが完了したら、次はアプリケーションでのデータの保管およびアクセス方法を検討する必要があります。リレーショナル・データベース管理システムは、データを保管および取得するための標準インターフェースを提供するとともに、データ・アクセスを中心に開発されたセキュリティー・モデル、そして保管されたデータにアクセスする複数のユーザーの並行性サポートを提供します。

PureApplication System ではエンタープライズ・クラスの RDBMS (Relational Data Base Management System) を使用して、アプリケーションを IBM DB2 ソフトウェアという形でデプロイすることができます。この記事では、DB2、そして PureApplication System に統合される DB2 のさまざまな形について説明し、エンタープライズ・アプリケーションと一緒に DB2 データベースを PureApplication System にデプロイするプロセスとそのベスト・プラクティスを紹介します。

PureApplication System での DB2

IBM DB2 は、Linux、UNIX、Windows、z/OS などのさまざまなオペレーティング・システムをサポートする RDBMS 製品です。DB2 製品ファミリーのうち、PureApplication System には DB2 for Linux, UNIX, and Windows (DB2 LUW) が組み込まれています。

2012年 4月の時点で最新の DB2 LUW バージョンは、DB2 10.1 です。この最新バージョンで導入されている新しいフィーチャーには、既存のデータ圧縮技術をさらに改善するアダプティブ圧縮、データ・アクセスおよび可用性を中断することなくデータベース表にデータを取り込む連続データ採集、過去の特定の時点でのデータを表示して、容易にレポートを作成できるタイム・トラベル照会などがあります。さらに、DB2 10.1 では一般的な照会の最適化や、セキュリティーおよびワークロード管理におけるパフォーマンス向上および微調整などの改善も行われています。この DB2 10.1 の他、この新しいバージョンでアプリケーションの実行がまだ認められない場合に備え、PureApplication System には DB2 9.7 も組み込まれています。

DB2 LUW 10.1 ファミリーのポートフォリオには、DB2 Express-C (コミュニティーでサポートされる無償の DB2 エディション) から Advanced Enterprise (複数のアドオン・フィーチャーが標準装備されたエディション) までのさまざまなエディションがあります。ただし、DB2 LUW ファミリーが使用するデータベース・エンジンは、どの DB2 エディションでも同じなので、DB2 LUW のいずれかのエディション用に開発されたアプリケーションは、DB2 LUW のすべてのエディションで動作します。PureApplication System の DB2 仮想システム・パターンは、DB2 Express エディションと Enterprise エディションの両方で用意され、それぞれに異なるアドオン・フィーチャーを備えています。一方、DB2 データベース・ワークロード・パターンでは、DB2 Enterprise エディションを提供します。

PureApplication System のアプリケーション用にデータベースを選択する

PureApplication System のコンテキストでデータベースをデプロイまたは構成するには、複数の方法があります。IBM DB2 ソフトウェアは PureApplication System 内部に統合されていることから、デプロイ済みアプリケーションのデータベースとして DB2 を使用するための追加コストはかかりません。したがって、PureApplication System にデプロイするアプリケーションのデータベースに DB2 を使用すれば、オーバーヘッドやその他のライセンス追跡メカニズムが減るというメリットがあります。このメリットによってプラットフォームの総所有コストが削減されるだけではありません。DB2 がPureApplication System 内部に統合されるということは、アプリケーションでデータベース・バックエンド・サービスとして使用する DB2 に、PureApplication System のベスト・プラクティスおよび専門知識に重点を置いた統合を適用し、DB2 はそれに準拠できるということでもあります。

DB2 仮想システム・パターン

IBM PureApplication System で実行される他のアプリケーションと同じく、DB2 も、DB2 仮想システム・パターンまたは DB2 データベース・ワークロード・パターンのいずれかとして使用することができます。連載のこれまでの記事で説明したように、DB2 仮想システム・パターンを使用する場合には、ミドルウェア環境をより柔軟に制御および構成することができます。DB2 仮想システム・パターンとしてデプロイできるイメージとしては、現在、以下のイメージが用意されています。

  • DB2 Enterprise
  • DB2 Express
  • DB2 Enterprise (HADR (High Availability Disaster Recovery) フィーチャーのプライマリー・ノード)
  • DB2 Enterprise (HADR のセカンダリー・ノード)
  • DB2 Express (HADR のプライマリー・ノード)
  • DB2 Express (HADR のセカンダリー・ノード)

DB2 データベース・ワークロード・パターン

PureApplication System では、DB2 仮想システム・パターンの他、DB2 データベース・ワークロード・パターンも使用することができます。DB2 データベース・ワークロード・パターンの場合、その構成とベスト・プラクティスは特定のコンテキストに適用されます。DB2 データベース・ワークロード・パターンは、データベース層のいくつかの構成パラメーターを柔軟に変更して、極めて簡単にデプロイすることができます。DB2 データベース・ワークロード・パターンの Database Workload Standard (データベース・ワークロード標準) フィーチャーについては、「データベース・パターン」のセクションを参照してください。現在、DB2 には以下の 2 種類のデータベース・ワークロード・パターンが用意されています。

  • IBM トランザクション・データベース・パターン
  • IBM データ・マート・パターン

IBM トランザクション・データベース・パターンは、高度なデータベース・カスタマイズを必要としない部門別オンライン・トランザクション処理 (OLTP) アプリケーションに対応するように設計されています。このデータベース・ワークロード・パターンには、部門別 OLTP のデプロイメント、仮想マシン・デプロイメントのサイジング・テンプレート、およびデータベース・バックアップ・スケジュールの自動構成が組み込まれています。このパターン内では DB2 Enterprise エディションが使用されていて、データ圧縮に Storage Optimization (ストレージ最適化) フィーチャーを使用することができます。

IBM データ・マート・パターンは、PureApplication System 内でデータ中心のアプリケーション用にデータ・マート・インフラストラクチャーをプロビジョニングおよび管理するために不可欠の機能セットを提供します。データ・マート・ワークロードに必要な固有の I/O スループットに合わせて調整された IBM データ・マート・パターンには、データ圧縮機能とデータ移動ツールが組み込まれています。そのすべては、必要な情報を遅れることなく提供することによって、ビジネスの前進に役立つように設計されています。このパターン内では DB2 Enterprise エディションが使用されていて、データ圧縮にストレージ最適化機能を使用することができます。また、このパターンには、ターゲット・データ・マートの物理モデル、制御フロー、およびデータ・フローを作成および変更するための SQL Warehousing ツールが組み込まれています。

DB2 の SQL compatibility (SQL 互換) フィーチャー

これまで IBM DB2 ソフトウェアをデータベース・ソリューションとして一度も使用したことのないユーザーにとって、PureApplication System は、既存のエンタープライズ・アプリケーションと一緒に本番環境にデプロイするデータベースとして DB2 を評価する上で絶好のプラットフォームとなります。PureApplication System で DB2 を使用することによってもたらされる前述のメリットに加え、DB2 仮想システム・パターンおよび DB2 データベース・ワークロード・パターンでは、他の競合データベース・ソフトウェアを使用するように作成されたアプリケーションのマイグレーションを手助けする、SQL compatibility (SQL 互換) モードを有効にすることもできます。他の競合データベースを対象に作成されたネイティブ SQL は、この機能が有効になっていれば、動作の遅いエミュレーション・ソフトウェアを使用しなくても DB2 エンジンでネイティブにコンパイルされます。しかも、互換するデータ並行性モデルを使用できること、そして DB2 には既存のスクリプトと個人のスキルに合ったツールが組み込まれていることから、DB2 への移行作業が単純化されます。

DB2 の SQL compatibility (SQL 互換) フィーチャーについての詳細は、「Run Oracle applications on DB2 9.7 for Linux, UNIX, and Windows」を参照してください。

PureApplication System 外部のリモート・データベースの使用

使用状況によっては、PureApplication System にデプロイされたアプリケーションが、リモート・システム上のデータベース・システムにアクセスして連動しなければならない場合もあります。例えば、パフォーマンスやその他の基準で、ある特定のデータベース・ワークロードがミッション・クリティカル層 1 のデータベース・カテゴリーに分類されている場合、そのデータベース・システムをホストする専用の物理システムが必要になります。

仮想アプリケーション・パターンを定義するときには、既存のリモート・データベース・コンポーネントをそのパターンに追加することができます。追加されたデータベースは PureApplication System の外部データベースとなり、その構成プロパティーが、リモート・データベースとの接続パラメーターを定義します。

データベースを選択するためのステップ

以上の説明から、PureApplication System 内の関連アプリケーションに対してデプロイするデータベースを選択する手順は以下のように要約することができます。

  1. デフォルトでは、DB2 データベース・ワークロード・パターンを使用することから開始します。これらのパターンには、DB2 の実装におけるベスト・プラクティスの指針がすでに取り込まれています。関連アプリケーションに構成の変更を適用する場合には、必要に応じて新しいデータベース・ワークロード標準を作成または参照します。
  2. (パフォーマンスやその他の基準により) データベースを PureApplication System の外部に常駐させることにした場合は、既存のリモート・データベース・コンポーネントを仮想アプリケーション・パターンに接続するために使用できる、適切なインターフェースを使用します。
  3. アプリケーションで使用するには DB2 データベース・ワークロード・パターンの制約が厳しすぎる場合には、DB2 仮想システム・パターンを使用します。DB2 仮想システム・パターンでは、このミドルウェア環境をより柔軟に制御することができます。

DB2 を PureApplication System にデプロイする際のベスト・プラクティス

このセクションでは、PureApplication System 内部で DB2 仮想システム・パターンおよび DB2 データベース・パターンを作成する手順を説明します。この手順には、スクリプト・パッケージを使って DB2 仮想システム・パターンまたは DB2 データベース・パターンを調整し、これらのリソースの構成を操作する手順も含まれます。スクリプト・パッケージを使用することで、データベース表の作成、データの取り込み、そしてデータベースの事前調整を行うことができます。

DB2 仮想システム・パターン

DB2 仮想システム・パターンを使用する場合には、一般に、DB2 仮想システムの特定の特性を変更したり、関連するアプリケーションの必要に合わせたりするために、スクリプト・パッケージを作成することになります。以下の例では、データベースを作成してデータベース・パラメーター LOGBUFSZ を更新するスクリプト・パッケージを作成した後、そのスクリプト・パッケージを PureApplication System にアップロードして DB2 仮想システム・パターンで使用します。

スクリプト・パッケージを作成してアップロードする

スクリプト・パッケージには通常、JSON ファイルとシェル・スクリプト・ファイルの 2 つのスクリプト・ファイルが含まれます。JSON ファイルにはスクリプト要件に関する構造情報 (パッケージ名、説明、実行コマンド、作業ディレクトリーなど) が格納されます。シェル・スクリプト・ファイルには、他のファイルを呼び出すコマンドまたはスクリプトが格納されます。サンプル・スクリプト・パッケージを作成する手順は、以下のとおりです。

  1. エディターを開いて、cbscript.json という名前の新規 JSON ファイルを作成します。このファイルには、リスト 1 のような内容を含めます。
    リスト 1. JSON ファイル cbscript.json の例
    {
       "name": "Create Database and Tune ",
       "version": "1.0.0",
       "description": "This script package creates a database and update db parameter 
         in a DB2 instance",
       "command": "/bin/sh /tmp/createDatabase/createDatabase.sh",
       "log": "/tmp/createDatabase",
       "location": "/tmp/createDatabase",
       "timeout": "0",
       "commandargs": "",
       "keys":
       [
          {
           "scriptkey": "DATABASE_NAME",
           "scriptvalue": "",
           "scriptdefaultvalue": ""
          }
       ]
    }
  2. このファイルを保存して閉じます。
  3. JSON ファイル内に定義した名前を使用して (この例では、createDatabase.sh)、シェル・スクリプト・ファイルを作成します。このファイルには、リスト 2 に記載する行を入力します。
    リスト 2. パッケージのシェル・スクリプトの例
    echo "DB2INSTANCE=db2inst1" >> /etc/virtualimage.properties
    source /etc/virtualimage.properties
    export DB2INSTANCE=$DB2INSTANCE
    su db2inst1 -c "/opt/ibm/db2/V9.7/bin/db2 CREATE DATABASE $DATABASE_NAME"
    su db2inst1 -c "~/sqllib/bin/db2 connect to $DATABASE_NAME;~/sqllib/bin/
     db2 update db cfg using logbufsz 1000;~/sqllib/bin/db2 terminate;"
  4. シェル・スクリプト・ファイルを保存して閉じます。
  5. 上記で作成した 2 つのファイルを zip パッケージに圧縮します。パッケージ名が、JSON ファイル内に定義した名前になっていることを確認してください。例えば、cbscript.json ファイルに定義されているロケーション・フィールドの値が /tmp/createDatabase/ となっている場合、パッケージ名は createDatabase.zip でなければなりません。このファイルは、/tmp/createDatabase/ フォルダーに解凍されます。
  6. 管理者として PureApplication System にログインし、「Catalog (カタログ)」にナビゲートして、「Script packages (スクリプト・パッケージ)」ページに進みます。
  7. ページの左上隅にある「New (新規)」アイコンをクリックし、新規スクリプト・パッケージを追加します。
  8. パッケージ名を入力して「OK」をクリックします。パッケージ名が、cbscript.json ファイルに定義した名前 (この例では、Create Database and Tune) と同じであることを確認します (図 1 を参照)。
    図 1. パッケージ名のダイアログ・ボックス
    パッケージ名のダイアログ・ボックス
    パッケージ名のダイアログ・ボックス
  9. 「Create Database and Tune (データベースの作成と調整)」ページで、「Script package files (スクリプト・パッケージ・ファイル)」の隣にある入力ボックスをクリックします。上記のステップで作成したスクリプト・パッケージを選択し、「Upload (アップロード)」をクリックします。
  10. パッケージのサイズによっては、パッケージをアップロードしてコンパイルするまでに、ある程度の時間がかかるかもしれません。このプロセスが完了すると、cbscript.json ファイルに定義されたパラメーターがページにロードされます (図 2 を参照)。
    図 2. アップロードされたパッケージに関する情報を示す Web ページ
    アップロードされたパッケージに関する情報を示す Web ページ
    アップロードされたパッケージに関する情報を示す Web ページ
  11. パラメーターをダブルチェックして、これらのパラメーターが要件を満たすことを確実にします。

これで、スクリプト・パッケージは PureApplication System にアップロードされました。今から、このスクリプト・パッケージを仮想システム・パターンで使用します。

仮想システム・パターンを作成する

このセクションでは、1 つの DB2 Enterprise データベース・サーバーからなる仮想システム・パターンを作成する方法、そして前のセクションでアップロードしたスクリプト・パッケージを使用する方法を説明します。仮想システム・パターンを作成するには、以下の手順に従います。

  1. メニューから「Patterns (パターン)」、「Virtual Systems (仮想システム)」の順にクリックして、仮想システム・パターン・ページを開きます。
  2. ページの左上隅にある「New (新規)」アイコンをクリックし、仮想システム・パターンを新規に作成します。
  3. パターンの名前と説明を入力し (図 3 を参照)、「OK」をクリックして先へ進みます。
    図 3. 仮想システム・パターン名のダイアログ・ボックス
    仮想システム・パターン名のダイアログ・ボックス
    仮想システム・パターン名のダイアログ・ボックス
  4. 新規に作成した仮想システム・パターンの詳細情報ページで、右上隅にある「Pencil (鉛筆)」アイコンをクリックして Pattern Editor (パターン・エディター) を起動します。
  5. Pattern Editor (パターン・エディター) のページでは、左側のメニューで「Parts (パーツ)」セクションを選択して展開し、DB2 Enterprise 項目を右側のパネルにドラッグ・アンド・ドロップします。
  6. 左側のメニューで「Scripts (スクリプト)」セクションをクリックして展開します。前の手順で作成したスクリプト・パッケージ「Create Database and Tune (データベースの作成と調整)」を「DB2 Enterprise」にドラッグ・アンド・ドロップします (図 4 を参照)。
    図 4. パッケージを仮想システム・パターンに追加する
    パッケージを仮想システム・パターンに追加する
  7. 「DB2 Enterprise」パーツで「Edit (編集)」をクリックし、このシステムに関する必要な情報を入力します (図 5 を参照)。入力し終わったら、「OK」をクリックして先へ進めます。
    図 5. DB2 仮想システム・パターンの構成ダイアログ・ボックス
    DB2 仮想システム・パターンの構成ダイアログ・ボックス
    DB2 仮想システム・パターンの構成ダイアログ・ボックス
  8. スクリプト・パッケージで「Edit (編集)」をクリックし、スクリプトに必要な DATABASE_NAME を入力します (図 6 を参照)。「OK」をクリックして先へ進めます。
    図 6. データベース名のダイアログ・ボックス
    データベース名のダイアログ・ボックス
    データベース名のダイアログ・ボックス
  9. 右上隅にある「Done editing (編集の完了)」をクリックして編集内容を保存し、Pattern Editor (パターン・エディター) を閉じます。
  10. 「VSpattern」ページで右上隅にある「Deploy (デプロイ)」をクリックして、このパターンの仮想システムをデプロイします。
  11. トップ・メニューで「Instances (インスタンス)」をクリックし、次に「Virtual Systems (仮想システム)」をクリックします。すると、仮想システムのデプロイメント状況を示すページが表示されます (図 7 を参照)。デプロイメントが完了すると、このページから接続情報を取得できるようになります。
    図 7. DB2 仮想システム・パターンのデプロイメント状況を示す Web ページ
    DB2 仮想システム・パターンのデプロイメント状況を示す Web ページ
    DB2 仮想システム・パターンのデプロイメント状況を示す Web ページ

データベース・パターン

このセクションでは、PureApplication System でデータベース・パターンを使用する方法を説明します。管理者がワークロード標準を作成してデータベースの大部分を構成できるように、「データベース・ワークロード標準」という機能が用意されています。このセクションで説明する手順には、サンプル・ワークロード標準を作成して、それを使ってデータベースをデプロイし、パラメーターを更新する方法も説明されています。データベース・ワークロード標準についての詳細は、IBM Workload Deployer インフォメーション・センターを参照してください。

データベース・ワークロード標準を作成する

データベース・ワークロード標準は、以下の表に記載する 5 つの最上位ディレクトリーが含まれる zip ファイルです。各ディレクトリーに格納されるのはエントリー・スクリプトで、これらのエントリー・スクリプトは他のスクリプトやファイルを呼び出すこともできます。create_db ディレクトリーとそこに格納されるエントリー・スクリプト create_db.sh は必須です。これ以外のすべてのディレクトリーはオプションとなっています。

データベース・ワークロード標準に含まれるエントリー・スクリプトは、オペレーティング・システム・ユーザー「db2inst1」として実行され、表 1 に記載する順に呼び出されます。

表 1. データベース・ワークロード標準のスクリプトの呼び出し順
ディレクトリーエントリー・スクリプト
tune_inst tune_inst.sh
post_start_inst post_start_inst
create_db create_db.sh (必須)
tune_db tune_db.sh
init init.sh

サンプル・ワークロード標準には、「create_db」と「tune_db」の 2 つのディレクトリーが含まれています。これらのディレクトリーには、エントリー・スクリプトのみ (それぞれ create_db.sh、tune_db.sh) が格納されています。create_db.sh スクリプトは、ユーザーが入力した名前を付けたデータベースを作成します。データベースが作成されると、tune_db.sh スクリプトがデータベース・パラメーターを更新します。スクリプトのパラメーターおよびその他の要件についての詳細は、IBM Workload Deployer インフォメーション・センターを参照してください。

ワークロード標準を作成するには、以下の手順に従います。

  1. 「create_db」という名前のディレクトリーを作成し、このディレクトリーの下に「create_db.sh」という名前のシェル・スクリプト・ファイルを作成します。このファイルには、リスト 3 のような内容を入力します。
    リスト 3. create_db.sh スクリプトの例
    #!/bin/sh
    inst_name=$1
    db_name=$2
    
    outStr=$(db2 "CREATE DATABASE ${db_name} ON /home/${inst_name} 
     USING CODESET UTF-8 TERRITORY US COLLATE USING SYSTEM PAGESIZE 8192")
    if [ $? -ne 0 ] ; then
       echo "database creation failed, aborting: ${outStr}"
       exit -1
    else
       exit 0
    fi
  2. ファイルを保存して閉じます。
  3. 「tune_db」という名前の別のディレクトリーを作成し、このディレクトリーの下に「tune_db.sh」という名前のシェル・スクリプト・ファイルを作成します。このファイルには、リスト 4 のような内容を入力します。
    リスト 4. tune_db.sh スクリプトの例
    #!/bin/sh
    db_name=$2 
    
    db2 connect to ${db_name}
    db2 UPDATE DB CFG USING LOGBUFSZ 1000
    db2 terminate

    このスクリプトは、データベース・パラメーター LOGBUFSZ を 1000に更新します。必要に応じて、他のコマンドを追加してください。

  4. ファイルを保存して閉じます。
  5. 2 つのディレクトリーを 1 つの zip ファイルに圧縮します (例えば、WLDstandard.zip)。

データベース・ワークロード標準をアップロードする

パッケージの作成が完了したら、パッケージを PureApplication System にアップロードします。

  1. 管理者としてログインします。
  2. トップ・メニューから「Catalog (カタログ)」、「Database Workload Standards (データベース・ワークロード標準)」の順に選択して、ワークロード標準ページを開きます。
  3. ページ上の「New (新規)」アイコンをクリックし、新規ワークロー標準を作成します。必須フィールドのすべてを入力して、前の手順で作成した zip パッケージをアップロードします (図 8 を参照)。
    図 8. データベース・ワークロード標準の構成ダイアログ・ボックス
    データベース・ワークロード標準の構成ダイアログ・ボックス
    データベース・ワークロード標準の構成ダイアログ・ボックス
  4. Save (保存)」をクリックし、この標準を保存して終了します。

データベース・パターンを作成してデプロイする

データベース・ワークロード標準を PureApplication System にアップロードした後は、この標準を使用してデータベース・パターンを作成します。データベース・パターンを作成して、そのパターンからデプロイする手順は以下のとおりです。

  1. 管理者としてログインします。
  2. トップ・メニューで「Patterns (パターン)」をクリックし、次に「Database Patterns (データベース・パターン)」をクリックします。
  3. New (新規)」アイコンをクリックし、新規データベース・パターンを作成します。
  4. すべての必須フィールドを入力して、前の手順で作成したワークロード標準を選択します (図 9 を参照)。
    図 9. カスタム・データベース・ワークロード標準を使用した DB2 データベース・パターンのデプロイメント
    カスタム・データベース・ワークロード標準を使用した DB2 データベース・パターンのデプロイメント
    カスタム・データベース・ワークロード標準を使用した DB2 データベース・パターンのデプロイメント
  5. Save (保存)」をクリックして、パターンを保存して終了します。
  6. 上記で作成したパターン「Dev DB Pattern」をクリックしてパターン・ページを開きます。
  7. Deploy (デプロイ)」をクリックして、デプロイ・ウィンドウを開きます。データベース名 (例えば、mydb) を入力し、デプロイ先のクラウド・グループまたは環境プロファイルを選択します (図 10 を参照)
    図 10. データベース・パターンの構成ダイアログ・ボックス
    データベース・パターンの構成ダイアログ・ボックス
    データベース・パターンの構成ダイアログ・ボックス
  8. OK」をクリックしてデプロイメントを開始し、「Instances (インスタンス)」 > 「Databases (データベース)」の順にページを進んでデプロイメント状況を確認します。
  9. デプロイメントが完了すると、「My databases (マイ・データベース)」ページで接続情報を取得できるようになります (図 11 を参照)。
    図 11. デプロイ済みデータベース・パターンの状況を示す Web ページ
    デプロイ済みデータベース・パターンの状況を示す Web ページ
    デプロイ済みデータベース・パターンの状況を示す Web ページ
  10. リスト 5 に記載するコマンドを実行して、このデータベースをローカル・データベース・ディレクトリーにカタログします。
    リスト 5. リモート DB2 ノードおよびデータベースをカタログするコマンド
    db2 catalog tcpip node <node name> remote <Host IP address> 
     server <Port number>
    db2 catalog db <Database name> at node <Node name>

    例えば、以下のようにコマンドを実行します。
    db2 catalog tcpip node rnode remote 9.26.167.36 server 50000
    db2 catalog db mydb at node rnode

    データベース・パラメーター LOGBUFSZ の値を取得するには、リスト 6 に記載するコマンドを実行します。

    リスト 6. リモート・データベースに接続して LOGBUFSZ 構成パラメーターを取得する
    db2 connect to mydb user appdba using <appdba password>
    db2 get db cfg | grep LOGBUFSZ

    リスト 7 に、上記のコマンドからの出力を記載します。

    リスト 7. LOGBUFSZ 構成パラメーターの出力例
    Log buffer size (4KB)          LOGBUFSZ) = 1000
  11. LOGBUFSZ のデフォルト値は 256 です。この値は、tune_db.sh スクリプトに定義されている「1000」に変更されています。

まとめ

この記事では、IBM DB2 データベース・ソフトウェアと、それを IBM PureApplication System に統合する方法を紹介しました。DB2 が PureApplication System ユーザーに提供する統合リレーショナル・データベース・システムは、追加料金なしで使用することができて、関連するアプリケーションのデータを保管するためのセキュアで堅牢なソリューションを実現します。DB2 データベースを PureApplication Systemにデプロイする方法は複数ありますが、まずは DB2 データベース・パターンの 1 つをデプロイすることから始め、必要に応じて、自己定義されたデータベース・ワークロード標準を使用して構成の変更を適用することをお勧めします。DB2 データベースをどのようにデプロイするかを決めたら、この記事で説明した手順に従って、PureApplication System での DB2 のデプロイメントを完了してください。


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