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IBM PureApplication System第2世代ハードウェア解説

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はじめに

IBM PureApplication Systemは、ワークロードのクラウド展開と実行のための統合されたハードウェアとソフトウェア、つまり企業のデータ・センターでのプライベート・クラウド環境の構築に必要なすべてを1ラックで提供するクラウド・コンピューティング・システムです。

この記事では、IBM PureApplication Systemソフトウェアv1.1に基づいて、第2世代のシステム・ハードウェアで導入された変更点について説明します。この記事は、アプリケーションのワークロードを稼動させるためにPureApplication Systemのハードウェアやソフトウェアの基盤について解説してきた、これまでに公開した一連の記事への追加記事です。公開済みの記事では、次の内容について取り上げています。

各記事は先行する記事をベースとしており、一連の記事を通じて、このPureApplication基盤の全貌をつかむことができます。

主な項目

第2世代のシステム・ハードウェアは、2014年6月に利用可能になりました。以下に、この新世代が前の世代とどのように異なるか、簡単にまとめます。

  • 第2世代のハードウェアでは、次に示す2つの新しいアーキテクチャー・ファミリーが導入されています。
    • W2500(Intel)
    • W2700(Power)
  • Enterpriseシステムのシャーシ数は、3つではなく2つとなりました。最大384個のコアに対応します。
  • W2700では、IBM PureFlex System Managerが仮想化され、PureSystems Manager上でサービスとして実行されるようになりました。
  • Miniシステムは、小型の25Uラックではなく、42UのTallラックに収納されるようになりましたが、シャーシ数は引き続き1つです。
  • 第2世代のEnterprise計算ノードは、第1世代の同等の計算ノードの2倍のメモリーを備えています。
  • 第2世代のすべての計算ノード(EnterpriseおよびMini)は、第1世代の同等の計算ノードよりも高速のプロセッサー、メモリー、またはこの両方を備えています。
  • 第2世代の計算ノードは第1世代のシステムに追加可能です。

これらの変更点のそれぞれについて詳しく確認してみましょう。

システム・ファミリーおよびクラス

システムのワークロード・ホスティング環境はそのアーキテクチャーによって決まります。PureApplication Systemは、第1世代、第2世代とも、表1に示す2つのアーキテクチャーで提供されます。

表1. PureApplication Systemのアーキテクチャー
システム・アーキテクチャーマシン・タイププロセッサーハイパーバイザー・ソフトウェアワークロード・オペレーティング・システム
Intel8283Intel XeonVMware vSphere Hypervisor(ESXi)Red Hat Enterprise Linux(RHEL)
Power8278IBM POWER7+IBM PowerVMIBM AIX

システムのワークロード・タイプとキャパシティーは、そのファミリー、クラス、およびサイズによって決まります。PureApplication Systemは、第2世代の2つのアーキテクチャーを具現する2つの新しいファミリーを提供します(表2)。

表2. PureApplication Systemのファミリー
世代IntelファミリーPowerファミリー
第1世代W1500W1700
第2世代W2500W2700

第2世代のハードウェアは、第1世代と同様に2つのシステム・クラスで構成されています。表3に示すように、これらのクラスに変わりはありませんが、各クラスの内容はいくぶん進化しています。

表3. PureApplication System第2世代のクラス
システム・クラスのニックネームシャーシCPUコア(システム・サイズ)
Mini1シャーシ32、64、96、または128
Enterprise2シャーシ32、64、96、128、160、192、224、320、または384

システムのサイズは、システム内のCPUコア数を表します。各ファミリーのサイズは同じクラス内でアップグレード可能です。32コア間隔で増やすことができ、最大でそれぞれ128コア、384コアまでアップグレードできます。システム・サイズのアップグレード時や、システム・ソフトウェアのアップグレード時には、システムを停止する必要はありません。

表4は、ファミリーごと、クラスごとのハードウェアの簡単な比較を示しています。

表4. PureApplication System第2世代ハードウェアのファミリーおよびクラスの比較
コンポーネントW2500 MiniW2700 MiniW2500 EnterpriseW2700 Enterprise
ラック42U - 2.0メートルの19インチ・エンタープライズ・ラック
ノード・シャーシFlex Systemシャーシ x 1Flex Systemシャーシ x 2
プロセッサー8コア、2.6 GHz Intel Ivy Bridge EP8コア、4.1 GHz POWER7+8コア、2.6 GHz Intel Ivy Bridge EP8コア、4.1 GHz POWER7+
計算ノード2、4、6、または821、2、3、または42、4、6、8、10、12、14、20、または2421、2、3、4、5、6、7、10、または12
CPUコア32、64、96、または12832、64、96、128、160、192、224、320、または384
メモリー0.5、1.0、1.5、または2.0 TB RAM1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、10.0、または12.0 TB RAM
ストレージ・ノードV7000コントローラー x 1
V7000拡張 x 1
V7000コントローラー x 2
V7000拡張 x 2
ストレージ・ドライブ400 GB 2.5インチSSD x 6
600 GB 2.5インチHDD x 40
400 GB 2.5インチSSD x 16
600 GB 2.5インチHDD x 80
ストレージ容量2.4 TB(1.6 TB使用可能)SSD
24.0 TB(21.6 TB使用可能)HDD
6.4 TB(4.8 TB使用可能)SSD
48.0 TB(43.2 TB使用可能)HDD
管理ノードPSM x 2
VSM x 2
PSM x 2PSM x 2
VSM x 2
PSM x 2
ネットワークIBM RackSwitch G8264 64ポート10 Gbイーサネット・スイッチ x 2
電力2PDU x 4:30A 1phまたは32A 1phPDU x 4:60A 1phまたは32A 3ph

1最小のW2700システムについて:表4に示すように、W2700ファミリー(MiniおよびEnterprise)の2つの最小サイズは計算ノードを2つ持ち、いずれも32コア・サイズと64コア・サイズに対応します。32コア・モデルでは、各W2700(およびW1700)計算ノードのハードウェアの半分だけが機能します。したがって、2つの計算ノードによる冗長性に対応しながら、64コア・モデルの計算能力の半分を提供します。

2PDUについて:追加のライン・コード・オプションを利用できます。例えば、Enterpriseクラスのシステムでは、60A 3phもサポートしています。

システム・モデルの命名規則は、システムのファミリー、サイズ、およびクラスを表します。クラスに関しては、Miniシステムの名前にはコア数の後に「m」が付き、Enterpriseシステムの名前には文字が付きません。IBMでは、7桁のマシン・タイプ・モデル(MTM)番号によって各モデルを一意に識別しています。最初の4桁はマシン・タイプを表し、製品とアーキテクチャーを示します(世代による区別はありません)。Intelの場合は8283、Powerの場合は8278です。最後の3桁はモデル番号を表し、システムのサイズ、クラス、世代を識別します。IBMのサービス技術員は、システムのMTMを知ることによって、ラック内のすべてのコンポーネントとそれぞれの位置(シャーシ内の各管理ノードや計算ノードの位置など)を認識します。表5は、システムの命名と番号付けの例をいくつか示しています。

表5. PureApplication Systemモデル名および番号の例
モデル名MTM番号説明
W2500-328283-2A3Intelコアを32個持つEnterpriseシステム
W2500-32m8283-12YIntelコアを32個持つMiniシステム
W2700-1288278-2D3Powerコアを128個持つEnterpriseシステム
W2700-128m8278-18YPowerコアを128個持つMiniシステム
W2500-3848283-2L3Intelコアを384個持つEnterpriseシステム
W2700-3848278-2L3Powerコアを384個持つEnterpriseシステム

第2世代のPureApplication Systemには、26種の異なるモデルがあり、その他にカスタム・サイズもあります。同ファミリーかつ同サイズでクラスの異なる2モデルの主な相違点は、Miniのほうがストレージ領域が少なく、また最大コア数が小さいことです。

システム・ハードウェア

以下に示すPureApplication System第2世代コンポーネントは、第1世代の知識がある方ならご理解いただけるでしょう。

  • 管理ノードと計算ノードを格納するFlexシャーシ
  • ストレージ・ノード
  • Top of Rack(ToR)スイッチ
  • サービス・ターミナル
  • 電力配分装置(Power Distribution Unit: PDU)

ただし、第2世代ハードウェアでは、各コンポーネントの比率やラック内での配置をいくらか調整しています。また、一部のシステム・クラスでは、ラックのサイズ自体にも変更があります。さらに、計算ノードの内容も調整しています。

Enterpriseシステム

図1は、W2500 Enterpriseシステムのハードウェア・コンポーネントのレイアウトを示しています。

図1. IBM PureApplication System W2500-384ハードウェア

第2世代のEnterpriseクラス・システムの大部分は、第1世代のEnterpriseクラス・システムの対応部分と同じです。

  • キャビネット:システムを収納するキャビネットは、第1世代と同じサイズです。高さ42ラック・ユニット(2.0メートル)の、幅19インチのコンポーネント用のPureFlex System 42Uラックです。
  • ノード・シャーシ:第1世代と同じIBM Flex System Enterprise Chassis Type 7893シャーシです。
  • LANネットワーク:第1世代と同様のLANハードウェア(IBM System Networking RackSwitch G8264 64ポート10 Gbイーサネット・スイッチと、66ポートのIBM Flex System Fabric EN4093R 10 Gb Scalable Switchイーサネット・スイッチ)によって、以前と同じ帯域幅が提供されます。
  • SANネットワーク:第1世代と同じSANハードウェア(24ポートのIBM Flex System FC5022 16 Gb ESB SAN Scalable Switch SANスイッチ)によって、以前と同じ帯域幅が提供されます。
  • ストレージ:IBM Storwize V7000ストレージ・ユニットは、第1世代と同じ容量を持つ新しいモデルです。
    • ハード・ディスク・ドライブ:48.0 TB(43.2 TB使用可能)HDD
    • ソリッド・ステート・ドライブ:6.4 TB(4.8 TB使用可能)SSD
  • 電力:4つのPDUによって、以前と同じ量の電力と冗長性が提供されます。

従来どおり、各ハードウェア・コンポーネントは、単一障害点とならないように冗長構成になっています。

世代間でのシステムの最大の変更点は計算能力の総量です。シャーシはこれまでと同じFlex Systemシャーシですが、第2世代のEnterpriseクラス・システムではシャーシ数が3つではなく2つになりました。これにより、計算ノードの最大数が少なくなり、システムに搭載できる最大CPU数が608コアから384コアに減ります。計算ノード数が減ることは、1コアあたりのストレージおよびネットワーク帯域幅の割合が向上することを意味します。

ラック内のコンポーネントのレイアウトが変わりました。シャーシ1と2は以前と同じ位置にありますが、シャーシ3がないため、ストレージ・モジュールの位置が下がり、ラックの重心が下に移動しています。ToRスイッチは(Top of Rackの名前のとおり)以前と同様にラックの最上部にあるため、ラック内のストレージ・モジュールとシステム・ネットワーク・スイッチとの間に未使用のスペースが生まれます。ストレージ・モジュールは引き続き2つあり、それぞれにコントローラー・ノード1つと拡張ノード1つが含まれますが、これらのノードの順序が逆になり、各コントローラーが対応する拡張ノードの上部に配置されます。

サービス・ラップトップはサービス・ターミナルに置き換えられました。サービス・ターミナルは、サービス・ラップトップが配置されていたのと同じドロワーに配置されます。サービス・ターミナルは、PSMで実行されるサービスである仮想サービス・コンソールに接続します。従来どおり、これは、IBMがシステム管理目的で使用するためのものです。

図2は、W2700 Enterpriseシステムのハードウェア・コンポーネントのレイアウトを示しています。

図2. IBM PureApplication System W2700-192ハードウェア

W2700 Enterpriseシステムのシステム・レベル・コンポーネントは、W2500 Enterpriseシステムの場合と同じ位置に配置されます。W2700の計算ノードは、W1700の場合と同様にダブル幅であるため、所定の数のコア数が半分のノード数で確保されます。また、この図は、シャーシ間の計算ノードの配分が第2世代ハードウェアでは変わったことも示しています。PureSystems Manager管理ノードは、引き続き両方のシャーシのベイ2に配置されますが、計算ノードはシャーシ間で均等に配分されなくなりました。W2500とW2700のどちらについても、計算ノードはシャーシ1が完全に埋まってから、シャーシ2に配置されます。図2はこれを示しています。シャーシ1では利用可能なすべてのベイが6基の計算ノードによって埋まっているのに対し、シャーシ2の計算ノード・ベイは空白になっています。シャーシ2への計算ノードの追加はシャーシ1がいっぱいになってから行われ、また各シャーシへの計算ノードの追加は下から上の順に行われるため、ラック内の重心が以前よりも下に下がります。

W2700では、仮想化管理ノードも変更されています。PureSystems Managerは引き続き存在しますが、第2世代のハードウェアではPureFlex System Manager用に独立した管理ノードを確保する必要がなくなりました。PureFlex Systems Managerは、仮想PureFlex Systems Managerとなり、PureSystems Manager内でサービスとして実行されるようになりました。W2500のVirtualization System Managerについては、図1に示すように、これまでと同じ物理的な管理ノードとしてシャーシ1と2のベイ1に収納されます。しかし、W2700のPureFlex Systems Managerは仮想化されるため、図2に示すようにシャーシ1と2のベイ1は空白です。仮想PureFlex Systems ManagerはW1700 Miniで導入されました。これは2つの物理的なPureSystems Manager管理ノードを持ちますが(ベイ2と4に収納)、物理的なPureFlex Systems Manager管理ノードは持ちません(ベイ1と3は空白)。PureFlex Systems Managerのこの仮想設計はW2700 Miniでも維持され、またW2700 Enterpriseにも導入されるようになりました。

Miniシステム

図3は、W2500 Miniシステムのハードウェア・コンポーネントのレイアウトを示しています。

図3. IBM PureApplication System W2500-128mハードウェア

第1世代と同様に、第2世代のMiniシステムは、Enterpriseシステムと同じタイプのハードウェア・コンポーネントで構成されますが、コンポーネント数が少なく、全体的に低キャパシティー、低コストになっています。シャーシは同じですが、2つではなく1つです。LANおよびSANネットワーク・スイッチは同じであり、同じネットワーク帯域幅が確保されます。ストレージは、単一のコントローラー・ノードと拡張ノードのペアに格納され、半分以下の容量に対応します。電力は同数のPDUによって供給されますが、各PDUのキャパシティーは低くなっています。

Miniというニックネームで呼ばれていますが、この名で呼ばれるPureApplication Systemが実際に小型なのは、Enterpriseクラスの同等システムと比較した場合だけです。PureApplication System Miniであっても、32~128個のCPUコア、0.5~2.0 TBのRAM、16 Gb SANと26.4 TBの内部ストレージ、10 Gb LANを備えており、さまざまなエンタープライズ・アプリケーションを実行できるだけの十分なキャパシティーを持っています。

第1世代と第2世代間でのMiniの最も顕著な変更は、ラックのサイズです。第1世代のMiniが低めのラック(25U、高さ1.3メートル)に収納されるのに対し、第2世代のMiniはEnterpriseクラスのシステムと同じ高めのラック(42U、高さ2.0メートル)に収納されます。ラックが低いと通気の問題が発生することがありますが、より高いラックでは回避できます。高いラックを使用していますので、外観上は、Miniクラス・システムはそれほど「小型」には見えません。

Enterpriseと比較してMiniが小型なのは、シャーシ数とストレージ・モジュールの数においてです。第2世代のMiniが備えるシャーシ数は、第1世代のMiniと同様に1つであるのに対し、第2世代のEnterpriseが備えるシャーシ数は2つです。第2世代のMiniはより大きいラックに収納されるようになりましたが、各コンポーネントの位置は第1世代のラックと変わりません。シャーシの上に単一のストレージ・モジュールが配置され、サービス・ターミナルのドロワーはラック・ユニット22に、ToRスイッチはラック・ユニット24~25にそれぞれ配置されます。第2世代のMinシステムのPDUは、Enterpriseクラスのシステムと同様に(第1世代のMiniとは異なり)ラックの側面に配置されます。したがって、第2世代の場合、ラック内には、システムのネットワーク・スイッチとサービス・ターミナルの下部および上部に未使用のスペースがあります。

計算ノード

第1世代と第2世代のPureApplication Systemハードウェア間で最も変わったコンポーネントは計算ノードです。第1世代と比較して、第2世代の計算ノードは次のものを備えています。

  • より高速のCPUチップ、より高速のメモリー、またはその両方
  • 2倍のメモリー(Enterpriseクラス・システムの場合)

詳細を確認してみましょう。

W2500計算ノード

W2500システムには、W1500システムと同様に、Intel計算ノード(具体的に言うと、IBM Flex System x240計算ノード)が含まれています。新しい計算ノード・モデルは引き続きx240と呼ばれていますが、チップ・セットが新たなものに変更されています。

表6に示すように、第2世代のIntel計算ノードには、より高速のCPUチップが搭載されています。

表6. Intel計算ノードのCPUチップ
世代数量ニックネームCPU
第1世代CPU x 2Sandy Bridge8コア、2.6 GHz Intel Xeon Processor E5-2670(115 W)
第2世代CPU x 2Ivy Bridge8コア、2.6 GHz Intel Xeon Processor E5-2650 v2(115 W)

クロック速度は同じですが、新しいIntelチップは、パフォーマンスにより優れ、より小型化され、消費電力がより少なくなっています。

表7は、Intel計算ノードのメモリーを示しています。第2世代のIntel計算ノードには、より高速のメモリー・チップが搭載されています。Enterpriseクラス・システムの計算ノードは2倍のメモリーを備えています

表7. Intel計算ノードのメモリー
世代数量DIMM
第1世代256 GBのRAM2 x 16 GB、1,333 MHz、DDR3、LP RDIMM(1.35 V) x 8
第2世代(Mini)256 GBのRAM1 x 16 GB、1,866 MHz、DDR3、LP RDIMM(1.5 V) x 16
第2世代(Enterprise)512 GBのRAM1 x 32 GB、1,866 MHz、DDR3、LP LRDIMM(1.5 V) x 16

W2700計算ノード

W2700システムには、W1700システムと同様に、Power計算ノード(具体的に言うと、IBM Flex System p460計算ノード)が含まれています。新しい計算ノード・モデルは引き続きp460と呼ばれていますが、チップ・セットが新たなものに変更されています。W1700の場合と同様に、W2700の計算ノードはW2500計算ノードの2倍の幅があるため、本質的に、2倍の量のハードウェアを搭載できます。つまり、CPU数2倍(コア数2倍)、メモリー量2倍、LANおよびSANアダプター・カード数2倍(ポート数2倍)のハードウェアを搭載できます。

第2世代のPower計算ノードには、より高速のCPUチップが搭載されています(表8)。

表8. Power計算ノードのCPUチップ
世代数量CPU
第1世代CPU x 48コア、3.61 GHz POWER7+(190 W)
第2世代CPU x 48コア、4.116 GHz POWER7+(190 W)

表9は、Power計算ノードのメモリーを示しています。第2世代のPower計算ノードのメモリー・チップは、第1世代のPower計算ノードのメモリー・チップと同じクロック速度で稼働します。Enterpriseクラス・システムの計算ノードは2倍のメモリーを備えています

表9. Power計算ノードのメモリー
世代数量DIMM
第1世代512 GBのRAM2 x 16 GB、1,066 MHz、DDR3、LP RDIMM(1.35 V) x 16
第2世代(Mini)512 GBのRAM2 x 16 GB、1,066 MHz、DDR3、LP RDIMM(1.35 V) x 16
第2世代(Enterprise)1.0 TBのRAM2 x 32 GB、1,066 MHz、DDR3、LP RDIMM(1.35 V) x 16

第1世代システムの拡張

第1世代のシステムを既に所有している場合は、どうなるでしょう。その場合でも、朗報があります。

第2世代の計算ノードは、第1世代のシステムに追加することが可能です。世代間でシャーシは変わっていません。計算ノードのケースは同じであるため、第2世代の計算ノードでも第1世代のシャーシに適合し、正常に稼働します。Miniシステムの場合、第2世代の計算ノードにはより高速のCPU、メモリー、またはその両方が搭載されています。Enterpriseシステムの場合、第2世代の計算ノードにはより高速のチップが搭載されているだけでなく、さらに重要な点として、2倍のRAMが搭載されています。

第2世代の計算ノードには、若干の前提事項があります。第1、第2世代にかかわらず、追加の計算ノードでシステムを拡張する場合は、IBM技術員がこの拡張作業を実施する必要があります。第2世代の計算ノードにインストールされているファームウェアは、システム・ソフトウェアv1.1.0.4の一部です。したがって、第2世代の計算ノードを第1世代のシステムに組み込むためには、事前にシステムをバージョン1.1.0.4インテリム・フィックス1(またはこれ以降)にアップグレードする必要があります。

第1世代と第2世代の両方の計算ノードを含むシステムの場合、最良のプランは、世代ごとに別のクラウド・グループを使用して世代間を分離することです。クラウド・グループでは、グループ内の計算ノードが同種のものであると基本的には想定します。そのため、第1世代の計算ノードだけで構成されるクラウド・グループと、第2世代の計算ノードだけで構成されるクラウド・グループに分けることによって、最適な効果が得られます。例えば、1つのグループを開発用に、もう1つを実動用に使用するといった運用ができます。

Enterpriseシステムで第1世代と第2世代の計算ノードを同じクラウド・グループに混在させる場合は、次の問題について認識しておく必要があります。

  1. 配置:パターン展開プロセスでは、どの計算ノードで各仮想マシンをインスタンス化するかが配置エンジンによって決定されます。システム・ソフトウェアv1.1.0.4の配置エンジンは、異機種混合クラウド・グループに対応するようには最適化されていません。配置エンジンは、1つのクラウド・グループ内の計算ノードはいずれも同種のものであると想定します。異機種混合グループでは、追加メモリーが最適に使用されない可能性があります。これは特に、専用タイプのクラウド・グループの場合に該当します。なぜなら、このようなグループの場合、CPUがオーバーコミットされないためです。それに対し、平均タイプのクラウド・グループの方が、利用可能なすべてのメモリーの確保には優れています。
  2. リソースの予約:可用性のためのリソース予約機能は、追加メモリーが無視されるという状況を招きます。なぜなら、この機能は、最悪のシナリオに沿ったプランニングを行い、すべての予約を最小公分母と等しくなるように設定するためです。

2番目の問題については、リソース予約機能を無効にすることによって回避できます。ただし、この機能を無効にすると、そのクラウド・グループの高可用性に対してマイナスの影響が生じます。クラウド・グループのノードを同種にすれば、リソース予約機能を有効にしつつ、上記の両方の問題を回避できます。

まとめ

この記事では、IBM PureApplication System第2世代ハードウェアについて取り上げ、第1世代との相違点に重点をおいて第2世代ハードウェアの特長を確認しました。各種モデルに含まれるハードウェア・コンポーネントの内容と、計算ノード内のハードウェアの機能向上について説明しました。これらの情報を通じて、読者の皆様に、新しいPureApplication Systemに含まれるハードウェアに関する理解を深めていただきました。

謝辞

この記事の執筆を支援してくれたIBMの同輩諸君、Nik Teshima、Brad Crater、Jim Robbins、David Rainey、Jose De Jesusに感謝の意を表します。


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ArticleTitle=IBM PureApplication System第2世代ハードウェア解説
publish-date=11182014