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SOA ガバナンス標準に対する IBM のアドバンテージ

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はじめに

SOA (Service Oriented Architecture: サービス指向アーキテクチャー) ガバナンスは、この記事を執筆している 2009年の時点で、企業が SOA を成功裡に実現する鍵の 1 つとして広く認識されています。これまで、COBIT (Control OBjectives for Information and related Technology) や ITIL (Information Technology Infrastructure Library) などの組織がガバナンス標準を提案してきましたが、最近になって The Open Group によって SOA ガバナンスの標準が作成されています。この記事では、IBM がどのようにして SOA ガバナンス標準の制定作業を先導しているのかを説明します。また、真の SOA ガバナンスで企業を支援する力を高め続けることを目標とする IBM が考える、SOA ガバナンスの次の波についての見識も示します。そして最後に、企業が SOA ガバナンスをより迅速に実現できるようにするための技術に焦点を当てます。

SOA Governance Framework は、IBM の SOA ガバナンスの概念を基に、The Open Group が業界と協力した結果として標準化したものです。この標準ではガバナンスを、人々とソリューションが協力して組織の目標を達成する方法を確立し、実施する手段であると定義しています。ガバナンスによって、組織は適切なサービスを、適切な方法で、適切なタイミングで作成し、作成したサービスを効果的に管理して再利用できるようになります。SOA ガバナンスではそれを実現するために、価値の高いビジネス・サービスとソリューション、つまり最大の投資収益率を上げるサービスおよびソリューションを積極的に認識、評価、作成、管理するプロセスの監視を行います。これは、サービスの再利用を可能にし、ビジネスと IT の管理能力にアジリティー (俊敏性) をもたらすことを意味します。

企業の価値を最大限に引き出すこと、それがガバナンスです

あらゆる企業は、何らかの形のガバナンスを実施しています。けれども、そのようなガバナンスは力不足であったり、場当たり的なものであったりする場合があります。その原因は、積極的に設計されたガバナンス・メカニズム (手順、プロセス、構造、研究拠点、持続力など) が欠如しているだけでなく、ガバナンスによってビジネスと IT 両方の価値が高まることが認識されていないためです。Weill 教授と Ross 教授は IT ガバナンスに多大な影響を与えた研究成果のなかで、IT ガバナンスを「IT からビジネス価値を生み出す上で最も重要な要因」として位置づけています。そして、有効なガバナンスを実施している企業は「競合他社よりも最大で 40 パーセント高い IT 投資収益率を達成し」、「20 パーセントを超える利益の増加を記録した」と述べています。

では、別名 SOA ガバナンスとして知られている、サービスに重点を置いたガバナンスについてはどうなのでしょうか。SOA には本質的に、企業が通常行っている IT ガバナンスよりも、ビジネスにより重点を置いた、エンド・ツー・エンドの考え方が必要です。かつては、ビジネスおよび IT がサイロや部門の中だけで支障なく機能することが可能でした。けれども、共有サービス、再利用、ビジネス・アジリティーの概念は、まさに全社的な思考プロセスによって変化と変容を促すことを必要とします。Weill 教授と Ross 教授の研究は、優れた IT ガバナンスには明らかなビジネス上のメリットがあると指摘していますが、そのようなガバナンスがないからといって、物事がうまくいかなくなるというわけではありませんでした。最小限の、あるいは場当たり的な IT ガバナンスを実施している企業でも、いつもの如く、何とか切り抜けていくことが可能でした。

けれどもこれは SOA や SOA ガバナンスの場合には当てはまらないことが、研究や記事で指摘されています。大半の研究者は、SOA を成功裡に実現する上でガバナンスの価値は、誇張してもし過ぎることはないという意見で一致しています。つまり、SOA にガバナンスを適用しない限り、サービス手法の可能性を実現するのは不可能であるということです。例えば、Gartner グループでは、「パイロット・プロジェクトを経た中規模から大規模 (50 を超えるサービス) のプロジェクトが失敗に終わる理由として最も多いのは、実際に機能するガバナンス・メカニズムの欠如」であると述べています。IBM の SOA マーケティング部長を務める Sandy Carter 氏は、SOA が組織面、技術面で正常に機能し、適切な振る舞いをするかどうかを左右する主要な決定要件はガバナンスであると述べています。ガバナンスはそれほど重要であるため、最初から SOA の計画および展開に採り入れなければなりません。

実際のガバナンス標準はどのようになっているのか

SOA ガバナンスでは、サービスに関与するビジネスと IT との間で決定を行う権利を確立します。SOA ガバナンスには、サービス・ライフサイクルの管理も含まれており、これによってビジネスと IT に利益をもたらすサービス・セットにおける品質を確立します。これまで IT ガバナンスの分野は、グローバル企業や政府機関から大きな注目を集めてきました。IT ガバナンス関連のガイダンスやベスト・プラクティスは、1996年以来、ISACA (Information Systems Audit and Control Association: 情報システム・コントロール協会) および ITGI (IT Governance Institute: IT ガバナンス協会) から発表されています。これらの組織は、COBIT (Control Objectives for Information and related Technology) という IT ガバナンスの実践規範を作成しました (http://www.isaca.org/Knowledge-Center/cobit/Documents/COBIT_4.1_Japan.pdf を参照)。

SOA ガバナンスが既存の IT および運用のガバナンスをベースとすることは確かです。場合によっては、これらのガバナンスを拡張します。例えば、COBIT では、IT ガバナンスによって情報システム、ドメイン、所有者を管理することを求めています。SOA ガバナンスはそのような既存のガバナンスをベースとし、それを SOA を構成する情報サービスへと拡大します。対応する IT ガバナンスが存在しないことや十分でないこともありますが、その場合には、遂行しておかなければならないガバナンス作業を行う必要があります。

IBM は、大いに求められている SOA および SOA ガバナンスの業界標準の確立を The Open Group が促進および主導できるように、IBM の SOA サービス・ポートフォリオの主要なアセットである SGMM (SOA Governance and Management Method) の主要概念を The Open Group に提供しました。SGMM は、組織、企業、または事業部門に応じた SOA ガバナンスおよび管理を定義して実装するための手法です。そのベースとなっているのは、成功を収めた顧客との契約のなかで何年にもわたって開発されてきたベスト・プラクティス手法です。IBM は SOA への移行について、まずは人、プロセス、そして技術によって左右されるガバナンス能力に関して検討しました。

SOA Governance Framework は、IBM の SOA ガバナンス概念を基に、The Open Group が業界と協力した結果としての標準です。The Open Group による SOA Governance Framework を構成するのは、企業の SOA ガバナンスの標準的な出発点となる SGRM (SOA Governance Reference Model)、そして企業がそのガバナンス・モデルを有効に機能させるために必要な更新内容を理解し、実装するための SGVM (SOA Governance Vitality Method) です。

The Open Group による SOA Governance Framework が定義している SOA ガバナンス・フレームワークは、それぞれの企業に固有の SOA ガバナンス計画に合わせてカスタマイズされるように意図されています。このフレームワークは、SOA ガバナンスの次の 3 つの側面に対処します。

  • プロセス ― ガバナンス・プロセスおよびガバナンス対象のプロセスが含まれます。
  • 組織構造 ― 役割および責任が含まれます。
  • 実現化技術 ― ツールとインフラストラクチャーが含まれます。

SOA Governance Framework は、以下のもので構成されています。

  • SGRM (SOA Governance Reference Model): 標準的な概念一式と併せ、組織の SOA ガバナンスの出発点となるサンプルを提供します。
  • SGVM (SOA Governance Vitality Method): 企業がガバナンス・モデルを機能させるために必要な更新内容を理解し、実装するための方法です。
図 1. SGVM (SOA Governance Vitality Method)
SGVM (SOA Governance Vitality Method)
SGVM (SOA Governance Vitality Method)

SGRM は、業界全体でガバナンスに関して共通の理解を得られるように、以下の概念を定義しています。各概念のサンプルを選択し、組織の成熟度および目標に応じてカスタマイズする必要があります。

  • SOA ガバナンス指針 (SOA Governance Guiding Principles): SOA ソリューションおよび SOA ガバナンス計画での SOA ガバナンスの設計、展開、実行に関する優先順位付けおよび意思決定を支援する指針です。これには、人/役割、プロセス、技術の側面が含まれ、利害関係者を SOA ガバナンス計画に関与させるために使用することができます。
  • ガバナンス対象の SOA プロセス (Governed SOA Processes): 制御、監視、測定される実際の SOA 計画プロセス、設計プロセス、および運用プロセスです。これらの SOA プロセスは、2 つのカテゴリーに分類されます。1 つはサービスおよびソリューションのポートフォリオ管理 (Service and Solution Portfolio Management) プロセス、もう 1 つはサービスおよびソリューションのライフサイクル (Service and Solution Lifecycle) プロセスです。
  • SOA 管理プロセス (SOA Governing Processes): ガバナンス計画で特定のプロセスを管理するために使用するプロセスです。SGRM では 3 つの管理プロセスとして、コンプライアンス (Compliance)、割り当て (Dispensation)、コミュニケーション (Communication) を定義しています。これらのプロセスは継続的に行われ、組織がそれぞれのビジネスと SOA ソリューションに応じてカスタマイズおよび拡張するように意図されています。
  • SOA ガバナンスの役割と責任 (SOA Governance Roles and Responsibilities): これは、組織のガバナンス計画の一部です。例えば、SOA 運営委員会、SOA 研究拠点、SOA ガバナンス委員会などが挙げられます。サンプル一式が提供されていますが、どのサンプルを適用するかは、SOA ガバナンスの原則および成熟度に応じて変わってきます。
  • SOA ガバナンス・プロセスの成果物 (SOA Governance Process Artifacts): ガバナンス・プロセスをサポートするために明示的に作成される新たな成果物 (ロードマップ、計画、ポリシーなど) です。これらの成果物は、最新の状態でガバナンスの利害関係者が使用できるように維持する必要があります。
  • SOA ガバナンスの技術 (SOA Governance Technology): ガバナンス、そして管理プロセス全体あるいはその一部の自動化を可能にするために使用する技術です。技術機能 (保管およびアクセス機能、ポリシー施行機能、監視機能など) は、手動またはソフトウェアで実現することができます。

SGVM は、ガバナンス計画の初期導入を導き、その後は SOA ソリューションおよび組織の変化に合わせてガバナンス計画を調整するために、継続的に実行されるように意図されています。SGVM が定義しているステップは以下のとおりです。

  1. 計画フェーズ: 改善の中心となるガバナンス領域を特定して分析します。提案された改善に向けた目標/計画を立て、具体的な手段を確立します。以前に導入された改善についても、さらなる改善が必要かどうかの評価が行われます。
  2. 定義フェーズ: 計画フェーズで定義された目標を達成するために必要な SOA ガバナンス・モデル移行計画を定義します。
  3. 実施フェーズ: 移行計画を実施します。これには、SOA ガバナンス・モデルのプロセス面、組織面、および技術面での配備が含まれます。
  4. 監視フェーズ: 現在展開されている SOA ガバナンス計画の有効性、およびその計画が意図された目的にかなっているかどうかを監視します。このフェーズによって、別の SGVM の反復プロセスが開始されることもあります。

SOA および SOA ガバナンスを使用して真のソリューションを実現する方法

The Open Group による SOA Governance Framework 標準と同じく、IBM の SGMM で焦点としているのは、人 (ガバナンスの組織構造、研究拠点の概念を含む)、プロセス (SOA を管理するために使用するガバナンス・プロセス)、そして技術です。SGMM と SOA Governance Framework 標準は、SOA ガバナンス・リファレンス・モデルでも、特に原則、組織の役割と責任、インフラストラクチャーとツール、ガバナンス・プロセスとガバナンス対象プロセスという点で基本的認識を共有しています。さらに、SGMM が採り入れている計画、定義、実現、および測定サイクルの方法論も、SOA ガバナンス標準の一部となっている SGVM と非常によく似ています。

ガバナンスに関して業界をリードする考え方で継続して実績を残している IBM は、最近になって SGMM (SOA Governance and Management Method) を拡張し、SOA ガバナンス成熟度モデルを加えました。この成熟度モデルには、具体的な SOA ガバナンス・ドメインの定義と、企業の現在のガバナンス成熟度のアセスメントを行えるようにするための機能の定義が含まれます。この SGMM 計画評価 (SGMM Planning Assessment) は、企業の SOA ガバナンス成熟度を測定することから、The Open Group の SGVM の計画フェーズに分類されます。

成熟度モデルは何のためのものかというと、一般に成熟度モデルは、成熟度の現状を評価してアセスメントを行うための手段と基準を表します。また、現状の成熟度からターゲットとする成熟度の状態に至るまでの変容のロードマップを作成する手段にもなります。The Open Group では、サービス導入の成熟度モデルを標準化しています。それが、OSIMM (Open Service Integration Maturity Model) です (https://www2.opengroup.org/ogsys/protected/publications/viewDocument.html?publicationid=12450&documentid=11340)。IBM による SOA ガバナンス成熟度モデルは、特にガバナンスと組織の面で、OSIMM に基づくアセスメントを行う場合よりもさらに詳細なレベルのモデルを提供します。

ガバナンス成熟度のアセスメントによって作成される SOA ガバナンスのヒートマップは、成熟した SOA に至るまで反復されるロードマップで企業に有効な SOA ガバナンスを作り出す移行計画の定義に応じて、SGMM サービス・アセット (チェックリスト、ガイダンス、ベスト・プラクティス、プロセス、そして移行計画を定義する手順など) をどのように使用するかの指針となります。

IBM は、SGMM、ガバナンス成熟度モデル、および SOA ガバナンス構造を使用することで、お客様にさまざまな体験をもたらします。お客様は、個々のケースに有効なソリューションを重視する IBM が、より強力なパートナーシップの役割を担うことがわかるはずです。IBM は SGMM での経験を生かし、適切なタイミングで適切なレベルの SOA ガバナンスを適用して、お客様の SOA への移行を導きます。

SGMM 成熟度モデルのドメインおよび機能は、The Open Group にすでに提供し、業界標準の SOA ガバナンス・フレームワークの土台となっている以前の SGMM の取り組みを拡張したものです。SGMM は、以下の 4 つのドメインに対処します。

図 2. SGMM 成熟度モデルのドメインおよび機能
SGMM 成熟度モデルのドメインおよび機能
SGMM 成熟度モデルのドメインおよび機能
  • 計画と編成 ― SOA を計画し、管理するための戦略、戦術、および編成のガバナンスに対処します。
  • プログラムの管理と制御 ― 企業全体にわたる一貫したサービス品質管理能力のガバナンスに対処します。
  • サービス開発ライフサイクル ― サービス開発ライフサイクルおよびサービスを高度なサービス品質で作成または変更する能力のガバナンスに対処します。
  • サービス運用 ― サービスの運用環境のガバナンスに対処します。

IBM の SOA ガバナンス・サポート

サービス

前述のとおり、SGMM (SOA Governance and Management Method) では、SOA ガバナンスを実装する際のベスト・プラクティスと、SOA ガバナンスがサポートするメカニズムおよびプロセスについて詳しく記述しています。SGMM は、IBM Rational Method Composer ではプラグインとして使用することができ、IBM GBS (Global Business Services) からはサービスとして提供されています (www.ibm.com/ibm/jp/itsolutions/solutions/businessflexibility/soa/gov/lifecycle.html を参照)。このサービス・オファリングは、以下のようにモデル (Model)、アセンブル (Assemble)、デプロイ (Deploy)、管理 (Manage) からなる SOA ガバナンス・ライフサイクルに従っています。

図 3. モデル、アセンブル、デプロイ、管理からなる SOA ガバナンス・ライフサイクル
モデル、アセンブル、デプロイ、管理からなる SOA ガバナンス・ライフサイクル
モデル、アセンブル、デプロイ、管理からなる SOA ガバナンス・ライフサイクル

IBM が提供している、SOA ガバナンス内でのサービス・ライフサイクルを可能にする主要な製品を以下で説明します。

SOA ガバナンスの有効化ツールとしての製品:

  1. WSRR (WebSphere Service Registry & Repository) and Repository ALE (Advanced Lifecycle Edition) ― WSRR 内にあるサービス・メタデータを運用データ・ストアと共有することにより、管理および監視用のダッシュボードに管理対象サービス環境のビューをより包括的に表示できるようにして、SOA 内での運用管理とレジリエンシーを強化します。サービス・パフォーマンスに関する要約情報は WSRR にフィードバックすることで、この情報を実行環境で使用できるようにし、サービス・パフォーマンスを最適なプロバイダーの選択に反映させることができます。ALE は、サービスの作成から使用に至るまでのサービス・ライフサイクルを管理します。
  2. RAM (Rational Asset Manager) ― 開発で準拠しなければならない、アーキテクチャーに関する標準およびポリシーを提供します。RAM は、ソリューションを開発する際に仕様から設計、作成に至るまで使用できるパターンや変換を一ヶ所に集めることで、コンプライアンスを確実にします。さらに、RAM がホストする実装パターンおよび既存のサービスを選択して、作成プロセスの中で使用することができます。作成チームはこれらの実装パターンを分析して、ソリューションの仕様を満たすパターンを見つけることができます。サービスの作成が RAM に実行依頼されると、ポリシー・ガバナー・プラグインが、アーキテクチャーおよびコーディングの標準に照らし合わせて実装を検証します。RAM はポリシー・ベースのルール確認機能を使用して、サービスのデプロイを許可する前のサービス認証を自動化します。
  3. Tivoli CCMDB (Change and Configuration Management Database) ― サービス・エンドポイントを実行する環境やトポロジーに関する詳細情報を取得し、管理します。CCMDB は、組織全体でポリシーを施行し、変更を追跡することにより、内部要件および規制上の要件の遵守を確かなものにします。

サービス・ライフサイクル管理は、サービスを SOA ガバナンスの中心として確立し、各フェーズでソフトウェアの開発およびデプロイを通知する、サービス指向のライフサイクル・フレームワークです。

IBM ではサービス・ライフサイクルの各フェーズに対して、以下のソリューションを提供しています。

モデル

  1. Rational Team Concert (RTC) ― チーム・ベースのソフトウェア・デリバリー環境でのアクティビティーを自動化、統合、および管理するためのコラボレーティブなポータルを提供する、製品ファミリー初の製品です。RTC は、Rational ClearCase、ClearQuest、RSA、そして多数の Eclipse ベースのツールを使用して、コラボレーションによる相当な付加価値をプログラムにもたらします。
  2. Rational System Architect ― エンタープライズ・アーキテクチャーを自動化して管理するには最適なツールです。Rational System Architect により、組織はエンタープライズ・アーキテクチャーおよび IT 計画イニシアチブのデプロイから、可視化、連携、および拡張までのすべてを行えるようになります。
  3. RMC (Rational Method Composer) ― ガバナンス・プロセスおよび情報を文書化し、伝達します。プロセスの作成、構成、表示、公開に役立つ RMC は、あらゆる SOA ガバナンス・プロセスに役立ちます。RMC は、すべてのプロセス・コンテンツに共通の管理構造およびルック・アンド・フィールを提供するコンテンツ管理システムです。RMC で管理されるすべてのコンテンツは、ガバナンスの全利害関係者が使用できるように HTML で公開して、Web サーバーにデプロイすることができます。RMC で作成されて文書化されたガバナンス・プロセスは、企業のイントラネットを介して Web サイトとして公開およびデプロイすることができます。

アセンブル

  1. Rational ClearQuest ― この製品は、変更追跡による包括的なソフトウェア変更管理、プロセスの自動化、レポートの作成、そしてソフトウェア開発ライフサイクルの可視性および管理を向上させるためのライフサイクルの追跡などを行う機能を提供します。
  2. Rational ClearCase ― ソフトウェアの構成を一元管理します。ユーザー認証機能と監査機能は、セキュリティーをもたらす上で、またどのサービスをいつ、誰が変更できるかに関するガバナンス・ポリシーを施行する上で役に立ちます。
  3. Rational Build Forge ― この製品を使用することで、開発チームはビルド、テスト、リリースというタスクを標準化し、自動的にこのタスクを繰り返せるようになります。
  4. RSA (Rational Software Architect) ― チーム・メンバーが共通のプロジェクト設計図一式に従って開発を行えるように、業界標準の UML (Unified Modeling Language) を使用して要件を作成し、伝達します。RSA は、作成されたモデルを、Rational RequisitePro で管理されている要件と突き合わせます。
  5. Rational RequisitePro ― サービス開発ライフサイクルにおけるビジネス目標とステップに従ってビジネス要件を追跡します。この追跡機能により、組織はすべてのビジネス目標に対処していることを文書化することができます。

デプロイ

  1. Rational Tester for SOA Quality および Rational Performance Tester Extension for SOA Quality ― 機能要件および非機能要件が満たされていること、そしてサービスが SLA を満たすことを検証するのに役立ちます。
  2. Rational Quality Manager ― 品質保証チームにとって、品質保証の取り組みに関するあらゆる側面で連携し、作業を共有する手段となります。
  3. Rational Policy Tester ― 企業の Web プロパティー全般について、品質、プライバシー、アクセシビリティーに関するコンプライアンスの問題のアセスメントをするためのオンライン・コンプライアンス・ソリューションです。
  4. WebSphere ESB ― 標準ベースの接続性および統合ソリューションとして、アプリケーションやサービスの間のやりとりを素早く簡単に作成してデプロイできるようにします。

管理

  1. WebSphereDataPower SOA アプライアンス ― これらのアプライアンスは、XML および Web サービスのデプロイを単純化し、セキュアにし、迅速化することに特化して作成された、簡単に配置できるネットワーク機器です。
  2. Tivoli Composite Application Manager for SOA ― この SOA インフラストラクチャー管理ソフトウェアは、SOA に関する問題を素早く容易に識別し、解決する統合管理ツールとなります。サービス・トポロジー・ビューには、実際のサービス間の関係が表示されるので、サービスの状況とメトリックをドリルダウンすることができるだけでなく、サービスのフローを追跡することもできます。ITCAM for SOA は、自動化された SOA 管理および SOA 監視ソフトウェアを提供し、組み込みアラートやメッセージ・メディエーションを用いて、状況やワークフローに応じて設定されたサービス・レベルを実現できるように支援します。
  3. Tivoli Security Policy Manager ― ユーザーの一元管理、ユーザー情報のフェデレーション、そして特権管理を行えるようにします。

SOA のお客様の事例

IBM の SOA および SOA ガバナンスの専門技術は、多くのお客様の言及によって証言されています。以下に、IBM のお客様の成功事例を簡単にまとめます。

  • 世界最大規模の貨物航空会社である Atlas Air は、企業全体にわたってメッセージング機能を統合する必要性に対処するところから、IBM と協力してSOA への移行を開始しました。メッセージング機能の統合により、リアルタイムの情報をプロセス・ワークフローに取り込んで、効率性の改善、コストの削減、そしてビジネス・パートナーや新規顧客を獲得する機会に対応するために必要な時間の短縮などを実現することができました。さらなるメリットとして、セキュリティーおよび監査能力も大幅に改善される結果となりました。この初期ステップの成功により、Atlas Air は柔軟にビジネス・プロセスの購入におけるプロセス管理を改善するための取り組みを検討し、その取り組みに着手できるようになっています。
  • Spotlight Proprietary, Ltd. は、アジア太平洋地域全体にわたって店舗を構えるオーストラリアの小売業者です。将来の事業展開に関する戦略的構想がなかったことから、IT インフラストラクチャーが差し迫った危険にさらされていました。販売情報がなかったり、あったとしても古くて不完全な情報だったりしました。そしてレガシー・システムでは製品および価格情報をサポートできませんでした。Spotlight はサポートする必要があるビジネス・プロセスを理解し、文書化することに重点的に取り組みました。ビジネスの必要性に優先順位を付けてサービスを作成することにより、Spotlight はそのアプリケーション・ポートフォリオの合理化に乗り出しました。それによってもたらされたメリットとして、現在はビジネスが効率的に事業を行うために必要な情報を入手できるようになり、その情報を基に、事業を最適化する方法について想像力豊かに考案できるようになっています。
  • Texas HHSC (Health and Human Services Commission) は、年間約 200 万のテキサス州民に対する保健福祉サービスを監視および管理しています。ケース・ワーカーとの唯一の対話手段は、直接会って打ち合わせをすることでしたが、それには時間もコストもかかりました。ケース・ワーカーの負担を軽くし、顧客のニーズをタイムリーに処理するためには、セルフサービス機能、メール、コール・センター、パートナーを追加するマルチチャネル機能が必要でした。このビジネス・プロセス・アウトソーシング戦略は、大胆かつ大幅な変更です。成功の鍵は、アウトソースに移行するすべての部分が戦略および戦術的な目標に沿った状態を維持したまま行われる変容プロセスを、どこから開始するかを決定することにありました。IT の変容にとって極めて重要な成功要因は、プロジェクト管理オフィス (PMO) 機能を確立し、すべての利害関係者とともに PMO を機能させることです。動的なガバナンス・モデルによって、すべての IT 管理活動が、ビジネスに提供されるサービスと協調して行われるようになりました。

まとめ

許容できるガバナンス成熟度レベルには、偶然到達するわけではありません。効果的かつ進化するガバナンス・フレームワークを実現するには、明確な意図を持つとともに焦点を絞る必要があります。そのようなガバナンス・フレームワークには、リーダーシップが必要です。そして、明確な役割と責任を定義すること、ポリシーと手順を綿密に考案し、一貫した方法で実装できるようにすることも必要です。IBM には、他とは比べようもないほど、皆さんが SOA への移行を成功裡に実現するのを支援する上で必要なガバナンスの経験、アプライアンス、そしてソフトウェア・ツールが揃っています。


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Zone=SOA and web services
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ArticleTitle=SOA ガバナンス標準に対する IBM のアドバンテージ
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