システムエンジニアのためのモデリング心得 トップ10

その3 作業成果物が同じストーリーを語っていることを確認せよ

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我々は、システム開発の中でたくさんの異なる種類の作業成果物を構築していきます。これらは、安全性分析、要求、脅威分析、FMEA(故障モード影響分析)、アーキテクチャ・モデル、ICD (interface control document - インタフェース管理文書)、設計、テストケース、文書、ソースコード、電気接続図、CAD図面、有限要素モデル、等です。これらの作業成果物は、通常、それぞれつながりのないツールの互換性のないファイル形式や表現形式を使って蓄えられていきます。しかしながら、これらの作業成果物全てが同じストーリーを語っているということは極めて重要になります。

もちろん、それぞれの作業成果物は、それ自身の観点からストーリーを語っていて、それ自身に関わるシステムの側面について焦点を合わせているわけですが、更に全てのほかの作業成果物に対してもその細部において一貫性を持たなければならないのです。

図1.全ての成果物が同じストーリーを語っているか?
image of the three bears
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この一貫性を確証する方法は、作業成果物中の詳細な要素の間に詳細なトレーサビリティリンクを張ることです。この詳細なトレーサビリティは、以下のような分析を行うことを可能にします。

  • 網羅性
    • 全ての要求に対して、それを満たす設計要素があるか?
    • 全ての要求は、テストケースでカバーされているか?
    • 全ての設計要素は、プログラムコード、電気設計、もしくは機械設計により実装されているか?
    • テストケースは、十分に設計あるいはプログラムコードを網羅しているか?(例えば、構造網羅、判定網羅、あるいは、MC/DC(modified condition/decision coverage)網羅)
  • 正当性
    • 設計要素それぞれは、何らかの要求を満たすために存在しているか?(不要なお飾りになっていないか?)
    • 実装要素のそれぞれは、何らかの設計要素を実現するために存在しているか?
    • ディペンダビリティ要求は、安全性、信頼性、またはセキュリティに関する関心事に対応するように存在しているか?
  • 影響度
    • この要素(要求、設計、テストケース、実装)が変更されると、他の作業成果物のどの要素が変更を必要とするか、もしくは、最低限レビューの対象とすべきか?

トレース関係は、UML言語やSysML言語の基本的な部分です。あるモデリングの文脈においてトレースリンクを簡単に追加することができます。図2は、設計要素と要求の間のトレースリンクを表しています。UML/SysMLツール(例えばRational Rhapsody)を使うと、これらのトレースリンクをテーブル形式で要約することもできます。

図2.UMLおよびSysMLでのトレースリンク
UMLおよびSysMLでのトレースリンク
UMLおよびSysMLでのトレースリンク

あるいは、Rational DOORSのようなトレーサビリティ管理専用のツールにエクスポートすることも可能です(図3)。

図3.Rational DOORSでのトレーサビリティ管理
Rational DOORSでのトレーサビリティ管理
Rational DOORSでのトレーサビリティ管理

トレーサビリティデータを入れていく最善の方法は、インクリメンタルに進む関連作業成果物の開発と並行してインクリメンタルに行っていくことです。作業成果物のあるまとまった追加(例えば、要求や設計やプログラムコードのある一部分)が安定化したときに、その追加を完結させるものとして、他の関係する作業成果物へのトレーサビリティリンクを含めるようにします。

訳者について

三ツ井欽一は、東京ソフトウェア開発研究所に所属するラショナル・システムズ開発担当マネージャーです。この記事の著者のBruce Douglassを含む、ラショナル・グローバル・チームのメンバーと共に、ラショナル・ソリューションの普及とお客様へ提供する価値の向上に日々取り組んでいます。


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Zone=Rational
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ArticleTitle=システムエンジニアのためのモデリング心得 トップ10: その3 作業成果物が同じストーリーを語っていることを確認せよ
publish-date=01102014