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Equinox p2 によって Eclipse プラグインの頭痛を解消する

Equinox p2 の新機能を使って Eclipse と Eclipse プラグインをインストールする

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Eclipse V3.4 ではプラグインの更新機能が完全に作り直されており、更新マネージャーではなく Equinox p2 フレームワークが採用されています。Equinox p2 は Eclipse のインストールやインストール済み Eclipse 環境の検索および管理のための、非常に高度な新しいプロビジョニング・システムであり、これまでの更新マネージャーよりも使い方は簡単です。この記事では従来の更新マネージャーのどこに問題があったかを振り返ったうえで、Eclipse プラグインのインストールと更新のために Equinox p2 で提供されている新機能について説明します。

Eclipse V3.4より前の環境でプラグインをインストールする際の問題

V3.4 より前の Eclipse では、Eclipse プラグインのインストールは面倒でした。実際、あまりにも複雑なため、新しいプラグインをインストールするのは上級のユーザーのみでした。プラグインをインストールする方法には、手動でダウンロードする方法と GUI (Graphical User Interface) による方法という 2 つがありました。

手動でダウンロードしてインストールする方法

手動でダウンロードする場合には、まず手動でプラグインをダウンロードし、次にいくつかのファイルを features フォルダーの中に解凍し、それ以外のファイルを plugins フォルダーに解凍する必要がありました。features フォルダーと plugins フォルダーにはデフォルトのプラグインも含まれています。そのため、フォルダーにはたくさんのファイルが含まれることとなり、カスタムのプラグインをインストールした後は、どのファイルが自分のものでどのファイルが Eclipse に属するものかを判断することはほとんど不可能でした。新しいバージョンの Eclipse に移行する場合には、features フォルダーと plugins フォルダーの中を丹念に調べて自分のカスタム・プラグイン一式を見つけ、それらを新しいインストール済み Eclipse 環境にコピーする必要がありました。

それだけでも十分に混乱しますが、実際にそれらのプラグインがインストールされるようにするには -clean 引数を付けて Eclipse を再起動しなければなりませんでした。-clean を付けることを忘れてしまい、なぜそれらのプラグインが表示されないのかわからずに当惑するということがよくあったのです。

GUI によるインストール

インストール用の GUI には高潔な目標がありました。しかし実際には、この方法でプラグインをインストールするためには 15 回を超えるクリックが必要であり、そのため大部分のサイトではインストール用の GUI の適切な使い方を画像付きで解説するチュートリアル・ページが用意されていました。この GUI の詳細まで説明しようとすると、必要な画像のためにこの記事の 2 倍のスペースが必要になってしまうため、ここでは割愛します。要するに、Eclipse V3.4 より前の環境ではプラグインをインストールするためのプロセス全体が非常に面倒だった、と言えば十分でしょう。

Eclipse V3.4 プラグインを手動でインストールする

図 1 に示す Eclipse V3.4 の dropins フォルダーは、これまでのバージョンの Eclipse での手動プロセスに対応するものですが、それほど面倒ではありません。

図 1. dropins フォルダー
dropins フォルダー

dropins フォルダーは eclipse フォルダーの中に含まれています。手動でプラグインをインストールするためには、単純にプラグイン・ファイルを dropins フォルダーの中にドラッグ・アンド・ドロップして Eclipse を再起動します。-clean 引数は必要ありません。例えば図 2 では swt spy プラグインをインストールするために、org.Eclipse.swt.spy_1.0.1.jar ファイルを dropins フォルダーの中に置いて、Eclipse を再起動しています。これですべて終了です。

図 2. swt spy プラグインをインストールする
swt spy プラグインをインストールする
swt spy プラグインをインストールする

逆にプラグインを削除するためには、単純にそのプラグインを dropins フォルダーから削除して、Eclipse を再起動します。

プラグインを整理する

プラグインを適切に整理するために、dropins フォルダーの中に swt spy というフォルダーを作成し、その中にプラグイン・ファイルを置くこともできます。

図 3. swt spy フォルダーの中に swt spy プラグインをインストールする
swt spy フォルダーの中に swt spy プラグインをインストールする
swt spy フォルダーの中に swt spy プラグインをインストールする

この方法を利用すると、インストールしたいカスタム・プラグインごとにフォルダーを作成し、そのフォルダー内にプラグイン・ファイルを置くことができます。こうすることによってカスタム・プラグインが他のプラグインとは別に保持されるため、カスタム・プラグインを非常にすっきりと整理することができます。別の Eclipse 環境に移動する際は、単純に dropins フォルダーの中身をコピーします。そうすることで、すべてのカスタム・プラグインを新しい Eclipse 環境で使用することができます。

ただし、この方法には 1 つ欠点があり、インストールするプラグインのファイルの中で更新サイトが指定されていないと、Eclipse はそのプラグインの更新があるかどうかを自動的にチェックすることができません。

複数の Eclipse 環境でプラグインを共有する

Eclipse 環境を複数使用する場合には、一元的な共用の dropins フォルダーを構成し、すべての Eclipse 環境で使用するプラグインをそのフォルダーに置くことができます。一元的な dropins フォルダーを使用するようにそれぞれの Eclipse 環境を構成するには以下のようにします。

  1. 一元的な dropins フォルダーとして機能するフォルダーを作成します (例えば C:\mydropins など)。
  2. この場所を使用する各 Eclipse 環境のインストール・ディレクトリーに行き、eclipse.ini ファイルを開きます (例えば C:\Eclipse\eclipse.ini を開きます)。
  3. eclipse.ini ファイルの末尾に次の行を追加します。
  4. -Dorg.Eclipse.equinox.p2.reconciler.dropins.directory=C:\mydropins (C:\mydropins は、皆さんが使用する一元的な dropins フォルダーへのパスに置き換えてください。)
  5. eclipse.ini ファイルを保存し、必要なプラグインを C:\mydropins フォルダーに置きます (Eclipse のローカルの dropins フォルダーに置く場合と同じです)。
  6. 構成が済んだら Eclipse 環境を再起動します。すると、その Eclipse 環境は一元的な dropins フォルダーの中にあるプラグインを認識するようになります。

この時点で、各 Eclipse 環境は 2 つの dropins フォルダーを持つことに注意してください。

  • ローカルのフォルダー (例えば C:\Eclipse\dropins など)
  • 一元的なフォルダー (例えば C:\mydropins など)

これで一元的な dropins フォルダーを構成できたので、もはや Eclipse 環境ごとにプラグインを重複させる必要はありません。この場合でも、特定の Eclipse 環境に固有のプラグインについては、ローカルの dropins フォルダーにインストールしたり、あるいは次のセクションで説明する Equinox p2 Update UI を使ってインストールしたりすることができます。

Equinox p2 Update UI を使って Eclipse V3.4 のプラグインをインストールする

今度は Eclipse の中で Equinox p2 Update UI を使ってプラグインをインストールする方法について見てみましょう。この UI を起動するには Help > Software Updates の順にクリックします。

図 4. Help メニュー
Help メニュー

Software Updates and Add-ons ダイアログ・ボックス (図 5) が表示されます。このダイアログ・ボックスには 2 つのタブがあり、Installed Software タブでは既存のプラグインを更新または削除することができ、Available Software タブでは新しいプラグインをインストールすることができます。

図 5. Software Updates and Add-ons ダイアログ・ボックス
Software Updates and Add-ons ダイアログ・ボックス
Software Updates and Add-ons ダイアログ・ボックス

プラグインをインストールするためには、そのプラグインの更新サイトの URL が必要です。更新サイトには、必要に応じてそのプラグインのダウンロード、インストール、更新を行うために Eclipse が必要とするファイルやメタデータが置かれています。通常、プラグインを提供するサイトには、そのプラグインの更新サイトの URL が用意されています。

更新サイトの URL が用意できたら Available Software タブをクリックし、Add Site をクリックします。Add Site ダイアログ・ボックス (図 6) の Location ボックスに更新サイトの URL を入力し、OK をクリックします。そのサイトが Available Software のリストに追加されます。

図 6. 更新サイトを追加する
更新サイトを追加する
更新サイトを追加する

更新サイトの URL をブラウザーから直接 Available Software のリストにドラッグ・アンド・ドロップすることもできます。すると、そのサイトはプラグインをチェックするためのサイトのリストに追加されます。

Available Software のリストの中にある 1 つのサイトを展開し、インストールしたいプラグインを選択します。

図 7. インストールするフィーチャーを更新サイトから選択する
インストールするフィーチャーを更新サイトから選択する

Install をクリックし、表示されるダイアログの指示に従います。最終的に、Eclipse を再起動するように促されるので、yes をクリックします。Eclipse が再起動されると、新しいプラグインがインストールされて実行されます。

プラグインを更新する

プラグインを更新するためには、Help > Software Updates の順にクリックして更新用の UI を再度開きます。Installed Software タブには、インストール済みのすべてのプラグインが一覧表示されています。更新するプラグインを選択して Update をクリックします。

プラグインをアンインストールする

同様に、既存のプラグインをアンインストールするためには、削除したいプラグインを Installed Software タブの中で選択し、そして Uninstall をクリックします。すると Eclipse を再起動するように促されます。

構成を復元する

Eclipse は、インストール、更新、あるいはアンインストールされるすべてのプラグインのスナップショットを保持しています。そのため、あるプラグインに対する最新の更新によって問題が起きていると思われる場合、あるいは必要なプラグインを誤ってアンインストールしてしまった場合には、すべてのものが適切に機能していた時点の状態に Eclipse の構成を容易に復元することができます。

前の構成に復元するためには、Installed Software タブの Revert Software Configuration (ソフトウェアの構成を復元) をクリックします。すると Revert Software Configuration ダイアログが開き (図 8)、その前の状態の Eclipse プラグインの構成のスナップショットがすべて一覧表示されます。

図 8. Revert Software Configuration ダイアログ
Revert Software Configuration ダイアログ
Revert Software Configuration ダイアログ

どの構成に復元するかを選択し、Finish をクリックします。すると Eclipse を再起動するように促されます。Yes をクリックして再起動すると、構成が復元されます。復元されたかどうかを検証するためには、再起動後に Installed Software ページのプラグイン一覧をチェックし、選択した構成とその一覧が一致しているかどうかを確認します。

更新を自動化する

プラグインの新しいバージョンが入手可能となったら自動的にそのプラグインを更新するように Eclipse を構成することができます。ただしこの方法は更新サイトを持つプラグインにしか適用できないことに注意してください。dropins フォルダーの中のプラグインには所定の更新サイトがない可能性もあり、その場合には Eclipse がそれらのプラグインを自動的に更新することはできません。

プラグインが自動的に更新されるよう構成するには、Window > Preferences > Install Updates > Automatic Updates の順に進み、Automatic Updates ページを開きます。

図 9. Automatic Updates ページ
Automatic Updates ページ
Automatic Updates ページ

Automatically find new updates and notify me (自動的に新規更新を検索して通知) と書かれたボックスにチェックを入れます。プラグインを自動的に更新するという点に限って言えば、これで目的は果たされますが、さらに自動更新についてのさまざまなオプションを構成することも可能となっています。プラットフォームが起動するたびに、あるいは特定の間隔で更新を検索するように更新スケジュールを構成することができます。更新が入手可能になったら自動的にダウンロードし、Eclipse がそれらをインストールする準備ができると割り込みが発生するように構成することもできます。そのためには、Download Options の下にある Download new updates automatically and notify me when ready to install them (新規更新を自動的にダウンロードし、インストールの準備ができたら通知) を選択します。そうではなく、更新をダウンロードする前の段階で通知を受けたい場合には、Search for updates and notify me when they are available (更新を検索し、使用可能なときに通知) を選択します。こうすると、皆さんが同意しない限り更新はダウンロードされません。

When updates are found (更新が検出された場合) の下にあるオプションは、新しい更新が入手可能になったことを Eclipse が検出した場合、それについていつ通知すればよいかを指定するためのものです。通知を 1 度だけ (通常は Eclipse の起動時に) 受けたい場合には Notify me once about updates (更新に関して 1 度通知) を選択し、特定の間隔で通知を受けたい場合にはもう一方のオプションを選択します。

Eclipse V3.4 でレガシーの更新マネージャーを使う

Equinox p2 Update UI にはあらゆるメリットや後方互換性があるものの、それでも従来の更新マネージャーのインターフェースを使いたいということであれば、それも可能です。そのためには Window > Preferences > General > Capabilities の順に進んで Classic Update を選択し、OK をクリックします。こうすると、新しい Equinox p2 Update UI と共にレガシーの更新マネージャーの UI が有効になります。Help メニューには両方のオプションが含まれています (図 10)。

図 10. 従来の更新マネージャーを有効にすると Help メニューは両方のタイプの更新ダイアログを表示する
従来の更新マネージャーを有効にすると Help メニューは両方のタイプの更新ダイアログを表示する
従来の更新マネージャーを有効にすると Help メニューは両方のタイプの更新ダイアログを表示する

Equinox p2 インストーラー

Eclipse のインストールに使用可能な、小さなインストーラーが別途用意されています。Equinox p2 インストーラーを使って Eclipse のダウンロードやインストールを行うと、手動でインストールする場合に比べて以下のようなメリットがあります。

  • マルチスレッドのダウンロードが可能なため、高速なダウンロードが可能です。
  • ダウンロード対象のファイルには Pack200 圧縮が使われています。ファイルはダウンロードされると自動的に解凍されます。
  • 最適なミラー・サイトが自動的に選択され、またトラブルが発生した場合にはミラー・サイトが動的に切り換えられます。
  • コード証明書が検証され、信頼できるソースからのダウンロードであることが保証されます。

Equinox インストーラーは Equinox のダウンロード・ページから入手することができます (「参考文献」を参照)。このインストーラーをダウンロードして単純に解凍し、実行すると、Eclipse をインストールすることができます。Eclipse のインストールが終わったら、インストーラーは削除して構いません。

まとめ

この記事では、Eclipse のプラグインのインストールや管理のために Equinox p2 フレームワークで提供されている機能と、このフレームワークが Eclipse V3.3 の更新マネージャーと比較してどのように改善されているかについて紹介しました。手動によるインストールの場合、Equinox p2 フレームワークでは dropins フォルダーを使って簡単にインストールを行うことができ、また強力ながら使いやすい GUI を使って更新サイトからプラグインをインストールすることもできます。共用のdropins フォルダーを利用すると、複数の Eclipse 環境にまたがってプラグインを簡単に一元管理することができます。もちろん、これらのすべてを実現するためにベールの下で多くのことが行われているわけですが、Equinox の内部動作に関しては他の記事に譲ることにします。


ダウンロード可能なリソース


関連トピック

  • Equinox p2 について学ぶために、Eclipse Foundation の資料「Equinox p2 Getting Started」を読んでください。
  • Eclipse Foundation の資料「Equinox p2 Update UI Users Guide」には、実行中の Eclipse SDK へのソフトウェアのインストールを新しい UI を使って行う手順が解説されています。
  • Eclipse Foundation の Equinox p2 には p2 の高度な使い方を解説した記事が用意されています。
  • Eclipse の推奨読み物リスト」を調べてみてください。
  • Eclipse が初めての人は、developerWorks の記事「Eclipse Platform 入門」を読んでください。Eclipse の起源やアーキテクチャー、またプラグインを使って Eclipse を拡張する方法などを学ぶことができます。
  • IBM developerWorks の Eclipse project resources を利用して Eclipse のスキルを磨いてください。
  • developerWorks の Open source ゾーンをご覧ください。オープンソース技術を使った開発や、IBM 製品でオープンソース技術を使用するためのハウ・ツー情報やツール、プロジェクトの更新情報など、豊富な情報が用意されています。
  • Equinox のサイトを訪れて Equinox プロジェクトについて学び、また Equinox インストーラーを入手してください。
  • alphaWorks に用意された最新の Eclipse technology downloads を調べてください。
  • Eclipse Foundation から Eclipse Platform やその他のプロジェクトをダウンロードしてください。

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ArticleTitle=Equinox p2 によって Eclipse プラグインの頭痛を解消する
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