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連載 IBM Notes/Domino の「検索」を使いたおす! 第 4 回「ドメイン検索機能を鬼わかりやすく解説」

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IBM Notes/Domino の検索に関する連載記事も第 4 回目となり折り返し地点を迎えました。過去の連載記事は以下の通りとなっています。

読者の皆様は、主に全文検索の仕組みと使い方の全容をご理解いただき、現在は全文検索機能を使いこなし、より IBM Notes/Domino を便利にお使いいただいている事と思います。

過去 2 回に渡って鬼わかりやすく解説した全文検索機能は、目的の情報がどの IBM Notes アプリケーションに格納されているかが特定できる場合に利用できる検索方法でです。その結果として目的の情報への素早いアクセスを強力に支援するわけですが、もし目的の情報が格納されている IBM Notes アプリケーションの特定ができない場合、つまり社内に複数存在している IBM Domino サーバーのどこの何という IBM Notes アプリケーション上に存在しているか分からないケースも多々あります。また、もしかしたら目的の情報は IBM Notes アプリケーション上ではなくて別のファイルサーバー上の情報であるというケースもあるかもしれません。

そのような状況下においては複数の IBM Domino 上に存在する複数の IBM Notes アプリケーションとファイルシステムを対象に横断的で検索したい!というご要望が出てくるかと思います。そこで、第 4 回目となる今回はこのようなより便利な検索を IBM Notes/Domino 上で実現する「ドメイン検索」機能を鬼わかりやすく解説いたします。

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ドメイン検索の概要

ドメイン検索とは、IBM Notes ユーザー(Web 利用ユーザーを含む)が検索クエリにヒットする IBM Notes 文書や添付ファイルを同一 Domino ドメイン内の複数 IBM Domino サーバーから一括検索できる機能です。

ユーザーは分散した IBM Notes アプリケーション群の中から目的の情報を横断的に検索し発見することができます。

ドメイン検索を使うことで、IBM Notes ユーザーが行うことができる内容は以下になります。

  • 複数の IBM Domino サーバー上にある複数 IBM Notes アプリケーションを対象とした串刺し検索
  • ファイルサーバー上のドキュメントファイルと IBM Notes アプリケーションの一括検索
  • 複数言語の検索(ただし検索結果のサマリー表示が制限される言語あり)
  • IBM Notes クライアント、Web ユーザー共に利用可能

ドメイン検索を利用するにあたっては、システム管理者によるドメイン検索サーバーの構成や各種 IBM Notes アプリケーション側の設定が必要となります。(詳細は④章に後述いたします)

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ドメイン検索の機能

それでは具体的な利用方法を、IBM Notes クライアントの画面を見ていきましょう。

ドメイン検索を使う準備として、IBM Notes クライアントがドメイン検索サーバーにアクセスできるように、ロケーション文書で指定します。

図 1. Notes クライアントでドメイン検索サーバーを指定する

 

①ロケーションの設定から、②サーバータブでカタログ/ドメイン検索サーバーを指定します。

文書の件名、内容、添付ファイルの中身等を対象として検索でき、結果は文書リンクで表示されます。(アクセス権限が反映されているので、アクセスできる範囲の結果が表示されます)

また、結果を絞り込むことが可能です。

図 2. Notes クライアントからドメイン検索を使用する

 

右上から①「検索範囲の選択」- ②「詳細検索」- ③ 「ドメイン検索」 を選択します。

図 3. ドメイン検索を実行する

 

検索実行の際に、いくつかのオプションを使用できます。

①「簡潔な結果」と「詳細な結果」に絞り込む

②アプリケーションだけではなく、ファイルサーバーのようなファイルシステムも対象に含める

③データベースカテゴリで絞り込んで検索する(カテゴリ指定に関しては④章の「ドメイン検索の設定」で説明します)

表示された検索結果は文書リンクになっており、クリックする事で各アプリケーションにアクセスすることができます。

図 4. 結果の表示例:簡潔な結果(関連性、最終更新日、文書タイトルを含む一覧で表示)

 

図 5. 結果の表示例:詳細な結果(関連性、最終更新日、文書タイトル、作成者、内容を含む一覧で表示)

 

以上が IBM Notes クライアントからドメイン検索を利用する方法になります。

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ドメイン検索の仕組み

複数のアプリケーションを横串で検索するために、前回ご紹介した全文索引(アプリケーションごとの索引)とは別に、ドメイン検索用のドメイン索引を別途作成することができます。

ドメイン検索の対象として、一括検索の対象としたいアプリケーションを管理者が指定すると、その情報をカタログタスクが収集し、ドメイン索引の対象となる IBM Notes アプリケーションが管理されます。

ドメイン検索の設定がされたサーバーは、Domain Indexer(domidx) タスクにより、複数の IBM Domino サーバーの複数の IBM Notes アプリケーションをまたがって、検索用の索引を作成します。catalog.nsf の ($MultiDbIndex) ビューに表示されている順に索引が作成されます。

言語に関係なく文書の索引を作成するので、複数の言語の情報が格納されている IBM Notes アプリケーションであっても、特にユーザーや管理者が意識することなく索引を作成することができます。

添付ファイルも自動的に索引の対象となりますが、画像や動画ファイル、実行ファイルなどの拡張子は、デフォルトで索引作成の対象外となります。

検索の実行時には IBM Notes アプリケーションの ACL とともに [読者] フィールドがチェックされるため、参照権限のある IBM Notes アプリケーションの、参照権限がある文書のみが検索結果として返されます。

索引は、ドメイン検索の設定がされた IBM Domino サーバー上のディスクに作成され、デフォルトでは IBM Domino のデータディレクトリ下の ftdomain.di というディレクトリに格納されます。

索引対象の IBM Notes アプリケーションの文書に更新があった場合には、次回の Domain Indexer タスク実行時に、前回からの差分の索引を更新します。

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ドメイン検索の設定方法

IBM Notes アプリケーションをドメイン検索の対象とするには、IBM Notes アプリケーションのプロパティの設計タブで「サイト検索に含む」にチェックを入れる必要があります。このとき「カテゴリ」も入力しておくと、検索実行時に対象のカテゴリに含まれる IBM Notes アプリケーションのみから検索を実行することができます。

図 6. IBM Notes アプリケーションのプロパティ設定

 

次にカタログタスクを有効にします。Domino Directory (names.nsf) のサーバー文書内にあるサーバータスクタブで、Domain Catalog を有効にします。このとき、ドメインカタログの実行範囲の IBM Domino サーバーを限定することもできます。

図 7. カタログタスクの有効化

 

カタログタスクの実行は、load catalog コマンドを手動で入力して即時実行するか、次回の定期実行を待ちます。カタログタスクは notes.ini の ServerTasksAt1 に設定されており、デフォルトでは毎日午前 1 時に起動されます。

最後に Domain Indexer タスクを有効にします。サーバー文書のサーバータスクタブで、Domain Indexer のスケジュールを有効にします。

索引の実行間隔と曜日を指定することができます。繰り返し間隔が短いと、文書が更新されてから索引の更新までの間隔が短くなりますが、サーバーとディスクのリソースを消費します。

また、ドメイン索引を作成する対象のサーバーを制限することもできます。

図 8. Domain Indexer タスクの有効化と実行間隔の設定

 

手動でドメイン索引タスクを実行する場合には、load domidx -s コマンドを入力すると、次回のスケジュールを待たずに、ドメイン索引の作成を即時に開始します。

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運用上の留意点

ドメイン検索の導入および運用において、下記 3点について考慮する必要があります。

1. 検索対象とする必要がない IBM Notes アプリケーションを、ドメイン検索の対象にしない

「せっかく、ドメイン検索を設定したのに、不要な情報がたくさんヒットしてしまった…」 という状況に陥らない為に、検索対象とする必要性がない IBM Notes アプリケーションやファイルの拡張子を除外する必要があります。 たとえば、作成過程にある未完成資料がたくさん添付されている IBM Notes アプリケーションは除外し、最終的な成果物を多く共有している IBM Notes アプリケーションを含めるといった工夫が効果的です。

<ドメイン検索から除外した方が望ましいアプリケーションの例>

  • ログファイル(アプリケーションの仕組みとして持つようなログも含む)
  • テンプレートファイル
  • システム系ファイル(ドミノディレクトリ、システム管理要求データベース、統計&イベントデータベース)
  • ヘルプファイル
  • 文書数が莫大だが検索に含める意義をもたないデータベース(例:申請系データベース)

2. ドメイン検索専用の IBM Domino サーバーの設置を推奨

ドメイン検索の索引更新時は CPU やハードディスクアクセスに対して大きな負荷がかかるため、他の IBM Notes アプリケーションへの影響を最小限にするため、専用の IBM Domino サーバーを 設置する事を推奨します。専用の IBM Domino サーバーの追加が難しい場合には、ドメイン検索の索引更新する時間帯を日中は実施しないなど制限する事で影響を小さくする事も可能です。

3. ドメイン検索用インデックスのデータ容量の増加を考慮

ドメイン検索を有効にすると、検索ドメイン検索対象のすべての IBM Notes アプリケーションに対するインデックスが自動生成されます。自動生成されるインデックスの サイズは、IBM Notes アプリケーションに含まれるデータなどに依存するため一定ではありませんがデータ量の増加と共にインデックスのサイズも増加します。従いまして、IBM Notes アプリケーションのサイズ増加だけでなくインデックスのサイズ増加も考慮する必要があります。

上記、3点を考慮しますと、最初は 横断検索対象の IBM Notes アプリケーションを、ある程度限定した スモールスタートで運用を開始し、徐々に対象アプリケーションを増やしていく運用をお勧めいたします。

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まとめ

今回は、複数のサーバー上にある複数の IBM Notes/Domino アプリケーションをまたがっての横串検索を実現するドメイン検索の機能を鬼わかりやすく解説しました。検索対象の IBM Notes/Domino アプリケーションが特定されていない状況においても、このドメイン検索の機能を利用する事で目的の文書を探すことができることをご理解いただけたかと思います。

次回は、IBM Notes/Domino が持つちょっと便利な情報検索の機能を鬼わかりやすく解説します。お楽しみに!


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