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IBM Lotus Notes/Domino 8.0.xでの新機能と強化点

第3回 クライアントのパフォーマンスが大幅に向上する Lotus Notes 8.0.2

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Lotus Notesクライアントのパフォーマンスの改善

「クライアントのパフォーマンス」には大きくわけて3つの面があります。起動時間、必要メモリー、稼働中の応答速度です。8.0.2ではこのいずれをとっても大きく改善しています。 IBM Lotus Notes/Domino 8.5 Public Beta Forum (英語)には、弊社の開発部門から具体的なデータが提示されています。具体的には以下の通りです。

  • コールド・スタートアップ: 8.0に比べて52%改善
  • ウォーム・スタートアップ: 8.0に比べて73%改善
  • メモリー消費量: 8.0に比べて21%改善
  • 応答速度: 15%改善

起動時間は、ワークステーション起動後の最初の起動でも半分、一度Lotus Notesを終了して再起動する場合は1/4程度の時間で起動します。応答速度も全体的に向上しておりStandard版に特有の「操作から実際の画面の動きが発生するまでのもたつき感」が改善しています。これらの改善はプログラムコードの見直しと、Javaのランタイム・モジュールをJava 6 SR1 J2SEへ更新したことによるものです。今後、ハードウェアの性能と相まって、Lotus Notes 8は従来のBasic版とのパフォーマンスの差は縮まっていくことでしょう。

語句の定義
「スタートアップ」
アイコンをダブルクリックしてからパスワード入力画面が出るまでの時間と、パスワードを入力してOKボタンを押してからCPUパワーを消費しなくなるまで。
「メモリー消費量」
Lotus Notesのプロセス(nlnotes.exe)と、Javaのプロセス(notes2.exe)の合計値。
「応答速度」
メールを開いて読む、返信する、新規作成で送信する、カレンダーを開くなどの、ユーザーが操作するような内容を一定量行った場合の総応答時間。

環境
ThinkPad T30
CPU: Mobile IntelR PentiumR 4
CPU速度: 2.0GHz
メモリー: 1GB
HDD: 40 GB HTS541080G9AT00 5400RPM Parallel-ATA
LAN: 100Mbps

ここに示した数値は相対値でありますが、絶対値も参考として掲示しておきます。ここで使用した機器は2003年に発売されたThinkPad X31で、2008年の現在からすると比較的古いワークステーションと言えるでしょう。Windows XPを快適に使うために、物理メモリーは1GBに増設してあります。CPUはIntelR PentiumR M / 1.60GHz。

  • コールド・スタートアップ: 約27秒
  • ウォーム・スタートアップ: 約7秒

メモリー消費量と応答速度は、著者の環境では測定が難しく省いていますが、起動直後のメモリー消費は150MB程度でした。操作感については表現が難しいのですが、約5年前のCPUおよびGPUの環境においても、もたつきなく利用できることを確認しました。厳しい見方をしても「朝いちばんの起動だけ」多少時間がかかるものの、後は許容できる範囲と言えます。また、最近はノートPCでレジュームを利用するケースも多く、コールドブートの回数も減る方法にありますので、さほど問題にならないでしょう。

繰り返しになりますが、冒頭に示したような「高いハードウェアスペックが必要」な時期は過去のものになりました。

ビューのデータの書き出し禁止機能

Lotus Notesではさまざまなアプリケーションが稼働するため、セキュリティー上厳しい運用を求められるケースが少なくありません。8.0.2では、安全のうえに安全を重ねるべく、ビューのデータを書き出せないようにする機能を加えました。

Lotus Notesのデータベースは初期の頃からアクセス・コントロール・リスト(ACL)やユーザーIDや認証といったさまざまな機能により、認証と認可を適切に行えるように設計されてきました。しかし、データベースに対して読者権限を持っていれば、原則としてデータベースの複製やコピーをローカルに取ることができまる。これにより情報の流出の危険性が出てきます。これを防止すべく、6ではコピーや複製の禁止機能がACLに加わり、それらの行為が不可能になりました。Lotus Notesではビューとフォームが基本要素ですが、このビューに表示されたものを書き出す機能がこれまで残っていたため、それらをローカルに書き出すことができました。この機能も、8.0.2からは管理者がデータベースのプロパティーを設定することで、データベース単位で許可、不許可の設定を行えるようになり、より安全性を保てるようになりました。この機能はサーバーの機能ではなく、クライアントの機能ですので、8.0.2以降のクライアントを利用する必要があります。

図1. 8.0.2でのデータベースのプロパティー設定画面

ビューでの文書選択時の表示方法の追加

(この項目は、「Lotus Notes/Domino 小ネタ集」の記事としても掲載されています。)

Lotus Notes 8.0.2 からは、ビューで文書を選択した際に、Lotus Notes 7までと同様にチェックのマークを表示するようにできます。下図の上段が標準設定でのビュー、下段が今回ご紹介する機能を使った表示形式です。

設定の違いによる、ビューでの選択文書の見え方 : 標準設定でのビュー
設定の違いによる、ビューでの選択文書の見え方 : 標準設定でのビュー
設定の違いによる、ビューでの選択文書の見え方 : 標準設定でのビュー
文書選択時にチェック印を表示させるビュー
文書選択時にチェック印を表示させるビュー
文書選択時にチェック印を表示させるビュー

このメリットは2つあります。

ひとつは見やすさです。Lotus Notes 8 スタンダード版ではビューの表示形式を変更し、選択されている文書についてはWindowsで広く採用されているハイライト形式となりました。しかし、Lotus Notesのメールのビューなどでは、送信者ごとに色づけをしてる場合もあり、選択しているか否かが判別しにくいことがありますが、これを回避できます。

もうひとつは操作性です。ハイライト形式の表示で複数の文書を選択する場合には、CtrlキーやShiftキーを押しながらマウスをクリックする操作が必要です。7までは、マウスのクリックだけ、あるいは矢印キーでフォーカスを移動しながらスペースキーを押すだけで複数の文書を選択することができます。ハイライト形式では、CtrlキーやShiftキーを押しながら行う操作で手元が狂うと、それまでの選択がすべて失われることもありますが、そのようなことを回避できます。

チェックマークを表示する形式でも、Shiftキーとマウスを組み合わせて、一気に文書を選択することができますから、いいことずくめです。8より前のバージョンを利用されていた方にはおすすめです。

[ファイル] - [プリファレンス]で設定画面を開き、左側のツリーから「Notes クライアントの基本」を選択し、「追加のオプション」内の「選択した文書にはチェックマークを入れる」にチェックを入れます。(赤線下線部分)

その他

  • ビューワーのMicrosoft Office 2007ファイル形式(docx/xlsx/pptxなど)への対応
  • Linuxプラットフォームでのマイ・ウィジェットとLive Textのサポート
  • RichTextDocLink.RemoveLinkageメソッドの追加
  • Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 5.1, 32-bit/64-bit 版のサポート
  • NTLMv2でのプロキシー認証のサポート
  • I5/OSでのTCP_NODELAYのデフォルトが有効に設定によりパフォーマンス向上

まとめ

Lotus Notes 8.0.2は高速化が図られ、さらにセキュリティー面での向上や操作性も向上しています。ここには具体的に示しませんでしたが、製品の障害についても数多く修正を行っております。8.0.2はメンテナンスリリースですので、8.0をお使いの場合は互換性を意識することなくそのままご利用いただけますので早期のご利用をお勧めいたします。


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publish-date=09122008