SE関のノーツ/ドミノ徒然草

第5回 ノーツという道具がモデルにした日常

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オフィス、特に海外のオフィスには必ず秘書の後ろに4段ぐらいのファイリング用キャビネット(日本ではむしろファイリングのバインダでしょうか)がおいてあります。ノーツはこれを電子化しようと考えたものです。つまり『電子ファイルキャビネット』です。ノーツのワークスペースの顔、一つ一つのデータベースアイコンが実際のファイルキャビネットの引き出しにみえるのは実は偶然ではありません。

さて会社でよくみかけるファイルキャビネットの中身と言えば、顧客の情報をファイリングした顧客ファイルがその一つでしょう。顧客のプロファイルを書いた顧客台帳のようなものをベースに、営業が顧客に対して発行した書類、顧客から受け取った書類などが分類されてファイリングされています。このファイルキャビネットの引き出しを開くのがちょうどノーツのデータベースを開く操作と言えるでしょう。

顧客ごとに書類は束ねてあるのですが、それをさらにいろいろな観点で分類されているのが普通です。営業の人でしたら自分の担当顧客を頻繁に参照する訳ですから、『担当営業別』に分類されて仕切られているキャビネットを望みます。この分類の仕切りがノーツではちょうどカテゴリー別にしたビューがまさにこのイメージです。

Workspace
Workspace

物理的なファイルキャビネットでは、同じ顧客ファイルでもそれを利用する人に応じてニーズが異なり、違う分類方法が必要になってきます。例えば、上のように営業は営業担当者別に分類された顧客ファイルが必要でしょう。また営業課長は課別に分類されたものがほしくなりますし、営業本部長クラスになると全ての顧客に関する情報をいろいろな切り口で見たくなるでしょうから、あいうえお別はもちろんのこと、売上げ金額別、業界別などとそのニーズは広がります。キャビネットでこのニーズを満たすには秘書が同じ台帳を定期的にコピーして、別の引き出しでその順番に並べ替えるという膨大な手間がかかります。実際2-3種類の引き出しがあるでしょうが、たくさんの分類、また頻繁に変更がかかるファイルでは秘書の事務量が膨大となって事実上不可能であきらめています。ノーツはそれを引き出しは1つで、ビューの切替という操作だけで瞬時に別の分類の引き出しを用意することができるのです。

顧客ファイルのようなものが本格的に使われると、どうしてもそれに付随した資料もいっしょにファイリングしたくなります。有価証券報告書、顧客から入手した組織図、納入した特殊製品の写真などさまざまな資料が顧客の台帳にクリップで止めておかれることでしょう。これらは今までのデータベースでは事前にそれらがどんな形式で、どんなフィールドを持っているかまで分かっていなければ入れることができませんでした。ノーツでは添付ファイル、ビットマップの貼り付けなどあらゆる形式のものをオブジェクトという形で貼り付けることができます。これがノーツのリッチテキストと呼ばれる柔軟な文書構造です。

顧客ファイルをファイリングするといろいろな人が参照します。他の営業、上司、経理担当者などそれぞれの立場でそれらを見て、場合によってはファイルを直接管理している人が知らない情報を伝言したりメモで残したくなるかもしれません。『この会社は負債が最近膨らんでおりこの線を超えると要注意』などさまざまな付加価値を載せたくなります。そんなときポストイットなどを貼ったりしてメモすることもあるでしょう。ノーツではある台帳の文書にメモなどの形式、コメントなどをその文書の子供の文書、『返答文書』として残すことができます。

さて多様な分類がされ、付加価値のついたメモなどもついた顧客ファイルのキャビネットは、もはや1人の人が一個所で使うものではありません。担当の営業所はもとより他の営業所、本社、そして役員は車の中や飛行機上などでも参照したくなります。今までこんな場合は秘書に電話してFAXしてもらったり、コピーしたりして配布していました。ノーツではこの作業を自動的に複製という機能でまったく同じ電子ファイルキャビネットをあらゆる場所にコピーしてくれます。しかも分散させたデータベースにありがちな高価な通信回線など必要とせず、差分情報でやりとりしますから電話回線などでも行うことができます。もちろん電話回線などを使うのですから、時間の短縮のために、文書の内容に時間差があったり、全部の文書ではなく一部の文書だけとかという複製もします。でもそのちょっとした不便は秘書が多大な労力を使ってほんの一部の文書を配っていたことに比べたらものすごいメリットがあると言えるでしょう。時間と場所を超えたファイルキャビネットの共有と言ったところです。

顧客ファイルで重要な部分は、事前に関連する人にレビューしてもらったり、またファイリング後に必ず見てほしいということで情報の伝達のために回覧したりするでしょう。今まで紙では人手をかけて、コピーしたり、印鑑を押したり、郵送したり、とかなりの手間がかかっていました。ノーツではこの文書を誰かに送るという作業を電子メールという形で実現しています。ファイルキャビネットに入る前、入った後、必要な人に確実に送りとどけるのが電子メールです。もちろん途中で承認のような作業が必要な部分は公開鍵暗号化方式という方法を使った電子的な署名で行えます。会社の便宜的なゴム印よりはるかに信頼できる電子的仕組みです。

伝達形式
伝達形式

顧客ファイルに重要な情報が集まってくると、それは公にはなかなかできない情報がでてきます。特定の人のみしか見せられない情報、これは従来はファイルキャビネットには入れられませんでした。また入れられたとしてもキャビネット単位で鍵をかけるしかなく、見せたい部分があってもまるごと見せないセキュリティーとなってしまいました。ノーツでは公開鍵暗号化方式をベースにした大変に強固な本人確認をはじめとして、キャビネットまるごとのデータベースに始まり、文書、特定のフィールドと言ったあらゆるレベルで特定の人にしか見せない、書かせないと言った細やかなセキュリティーをかけることができます。

いかがですか。このようにファイルキャビネットと日常のビジネスを考えると、ノーツという道具そのものとそのほとんどの機能の存在理由が現実的なものであることがお分かりいただけたでしょうか。もう一つ加えておくと、ノーツのアプリケーションを開発する際に、どのようにこの電子ファイルキャビネットというモデルの上にそのアプリケーションが載るかを設計の際に検討すると、パフォーマンスや実現の面で苦労しないアプリケーションとなること思います。何故ならそれがノーツという道具がねらっていた現実の世界なのですから。


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publish-date=04142008