SE関のノーツ/ドミノ徒然草

第31回 R5が目指したもの -優れたWeb/ノーツ開発環境-

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ノーツ/ドミノR5が目指したものをどうとらえるか、またどのように評価すればいいのか、そんなことを考えるシリーズの第四回目。今回は大幅に変わった開発環境についての設計目標である『優れたWeb/ノーツ開発環境』を考えてみましょう。

R4.xの時代からアプリケーション開発に携わってきた人、さらにその中でノーツのアプリケーションのみならずWebのアプリケーションもノーツ上で開発してきた人、きっとこんな人たちには、R5の開発環境であるドミノデザイナーが随分進化したと感じているかと思います。シンプルアクション、関数、LotusScript、JavaScriptそしてJavaと、言語の利用が適切なイベントやエージェントに直接記述ができ、しかも今風のオブジェクト指向のプログラミング環境が提供されています。またビューとフォームとナビゲーターくらいが基本要素だった開発のための部品は、Webのフレームなどの要素を取り込むとともに、ページやアウトラインに代表される新しい概念の部品が使えるようになりました。

言語も多様、部品も多様、そして環境も今風と、以前のノーツ開発環境に比べれば、まさに『優れたWeb/ノーツ開発環境』と言えることでしょう。古くからのノーツアプリケーションプログラマーにとっては、R3、R4、そして最終的にR5という大きな進化によって、以前はただビューから呼ばれるフォームという単純な構造の中で各々のアプリケーションをどう表現するかを真剣に考えなければならなかったものが、開発の際にどんなアプリケーションの構造にするかの自由度がかなり与えられるようになったからです。

Domino Designer

Domino Designer
アウトラインという部品で全体の構成を考え、どんな部品をどこでどんな風に使うか考え、クライアントの環境を考え言語を選択し、そして本格的な環境で開発する。そんなプログラマーにとってはより能力を発揮できるような環境がこの新しいドミノデザイナーと言えるでしょう。

ただ一方ではアプリケーションを作るまでに面倒なことが多くなったと言えなくもありません。以前このエッセイの第6回で『型の理解が重要なノーツアプリケーション開発』と称して、ノーツアプリケーションの型についてとりあげたことがあります。ノーツの単純なビューとフォームという構造、言い換えればノーツアプリケーションの型が開発者への不自由さというデメリットの反面、開発生産性やユーザー教育の面でメリットがあるということに触れました。この観点に照らし合わせれば新しい開発環境はややもすると開発生産性などを落としかねないということになるかもしれません。

しかしながら積極的に考えれば、R5のドミノデザイナーでは自由度が増え、今まで以上にいろいろなアプリケーションパターンが開発できるようになりました。その意味ではどんな構造を持ったアプリケーションを開発するのか、開発者は自分の中にアプリケーションの型を幾つか持つことで開発生産性は高く、かつ幅広いアプリケーション開発ができるとも言えるでしょう。

ではアプリケーションの型とはどんなものがあるでしょう。すぐに思いつきそうなのがWeb的なアプリケーションとノーツ的なアプリケーションの型といったところでしょうか。まずは一番なじみの深い型が、R3、R4とノーツクライアントのために開発してきたノーツ的なアプリケーションの型でしょう。ノーツの本格的なクライアント/サーバーの特長を使って対話的な機能を実現している日常ノーツクライアントで接することの多いノーツアプリケーションです。

もう一つがインターネットなどでおなじみのWeb的なアプリケーションの型でしょう。Webの世界は昔はいろいろなタイプのアプリケーションがあったように思えますが、最近では使いやすさを追求してか、ややフレームの使い方やリンクなども自然と型ができているように思えます。その型にはまるかのようにR5ではそんなWeb的なアプリケーションも開発できるわけです。R5でどんなWeb的なアプリケーション開発がされているかについては、ドミノで開発したインターネットサイトを集めて品評会を開いているドミノサイトアトラス(現在はリンク切れ)などが参考になるでしょう。

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そして実はもう一つ新しい型があるように思えます。ノーツでもブラウザでも違和感なく使えるアプリケーションの型、巷ではマルチクライアントのアプリケーションと呼ばれているものです。その典型的な例としてはR5に付属しているメールとディスカッションのテンプレートでしょう。この二つのテンプレートはノーツクライアントからの使用感とブラウザからの使用感がかなり近く作られています。そこには昔からのノーツ的であってノーツ的でもなく、今風のWeb的でもあってWeb的でもないもう一つの型があるように思えます。もちろんノーツクライアントとブラウザは現在は技術的にはその名のとおりまだまだ違いがあります。今後この違いが少なくなるにつれてこの型はさらに進化を続けることでしょう。

このような大きく分けて3つのアプリケーションの型。そしてさらにそれぞれの型での独自の細分化された型のようなものが、イントラネットなど独自の背景を持つ中ではありうることでしょう。ノーツからWebまで多様なアプリケーションを開発できるドミノデザイナーですが、これらのどの型のアプリケーションを作るのかはまさに開発者が決めることです。過去のノーツのように誰が作っても同じようなアプリケーションということは、この進化した開発環境では想定できなくなることでしょう。

これからのドミノアプリケーションの開発者は、誰のためのアプリケーションで、彼らはどんなクライアントを使い、どんな風にアプリケーションを使うのか、このようなことを最初に考える必要がありあそうです。新しく進化したR5ドミノデザイナー。その優れたWeb/ノーツ開発環境では、与えられた自由度と新機能に対して、開発者が今一度何を何のためにどのように作るべきかという根源的な問いを発する必要がありそうです。そしてそれが新しいドミノデザイナーの優れた開発環境を使いこなすこととなることでしょう。


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publish-date=08212007