SE関のノーツ/ドミノ徒然草

第20回 運用管理は情報流通の促進剤

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高速道路というインフラができても車が言わば"安全"に走りつづけるためには、日々の運用管理が大変重要なことは皆さんもご存知でしょう。毎晩行われている清掃作業に始まり、道路状況の確認のための監視業務、そして補修工事や白線の塗りなおしなどさまざまな運用管理業務が日々行われています。情報の高速道路網であるノーツのドメインも、やはり日々情報が"安全"に流通するように運用管理は重要と言えるでしょう。コンピューターやネットワークですから清掃作業はいらないものの、サーバーや通信回線が問題なく稼動しているかの監視業務、そしてその監視で発覚するサーバーが落ちたり、メールが詰まったり、データベースの索引が壊れたりしたときの対応など、それらに問題が起こった際の保守業務などがあたるでしょう。これらは昔から運用管理として情報システム部門があたり前のように基幹的なシステムでやってきた業務です。その意味では情報システム部門の言わば"安全"に対する意識は昔から高かったと言えるでしょう。

では、"安全"だけがインフラの運用管理でしょうか。また高速道路に立ち戻って考えてみましょう。安全のための運用管理は十分やられていても渋滞が多いと利用者からはやはり不満だらけです。また目的地がどこの経由でどこの出口を使えばよいのかなど、間違いなく目的地に行けるように案内の充実を望みます。

言わば安全に走れるだけでなく"便利"に走れることを利用者は求めています。そこで高速道路の管理者がやっていることといえば、渋滞を少しでも減らすようにと渋滞情報を掲示板で流したり、料金所を早く通過できるようにカードを発行したり、そしてさらに目的地がすぐにわかるようにと案内板を充実させたりと、手をかえ品をかえて利用者の"便利"さを追求しています。

ではノーツドメインではどうでしょう。"便利"な情報流通のインフラと言えば、ノーツでは人気データベースが至るところに複製が置かれていて通信の渋滞がおきないことでしょうか。あとは情報を流通しようと思った時にすぐに流通できるようにとデータベース作成の手続きが極めて簡便であればとても便利でしょう。特にタスクとかプロジェクトと称して突発的に組織を越えたグループで仕事をするときにはすぐにグループのディスカッションのデータベースなどがほしくなったりします。さらに無数にあるデータベースの中からユーザーが探している情報が簡単に見つかるように、まるで標識をきちんと立てるかのように、データベースを情報の種類に分類してカタログ化しておくとかすると便利でしょう。データベースのナビゲーションと称してデータベースを探すためのデータベースを作って、情報を簡単に探せるようにする試みもいろいろなところで始まっています。

このようにデータベース関連の手続きのしやすさとすばやさ、利用者のためのデータベースの配置、そしてデータベースの内容に応じた整理とカタログ化など、ユーザーが情報が山のように蓄積されているノーツドメインの上で"便利"に情報の発信と検索ができるようにするには、たくさんの運用管理業務が考えられます。旧来の基幹的なシステムは、とかく使い方が固定的であったりするために、開発されたシステムでは"便利"さを求めるには次の開発を待つ必要がありました。ところがノーツのようなシステムではユーザーのシステムの使い方が柔軟で多様であるとともに、日々データベースが作成されたりするために、次の開発フェーズではなく日常の運用管理の中でユーザーの"便利"さを追求する場面が増えているように思えます。反対に、ノーツドメインの運用管理が"安全"しか考えられていないときは、そのシステムの"便利"さは、どこかの国の高速道路の日々増える渋滞のように情報の増加とともに悪化の道をたどることでしょう。

さて"安全"で"便利"であれば利用者は高速道路を積極的に使うでしょうか。たとえ猛烈に高くても。バブル経済の下ではたとえ高くとも利用された高速道路ですが、バブル崩壊後ではどんなに時間が短縮されて便利でも利用者がいっこうに増えない海底高速トンネルがどこかにあるのは象徴的かもしれません。利用者はやはり"安全"で"便利"でかつ"安価"なものを求めています。

ノーツドメインの利用料はどうでしょう。ユーザーが時に全社員というところも稀ではありませんから、その課金方法については各社各様のやり方があるようです。ユーザーの頭数と利用の頻度に応じて課金しているところ、また情報共有の促進という意味からユーザーの頭数だけで課金しているところ、また課金せず情報システム部門のまとめてとっている予算から運用しているところなどです。最近では情報を使ったほうが損ではこまるとしてユーザーの数に応じて固定額でとるところが多くなっているようです。

高速道路同様に"安価"に越したことはありませんが、無料にするわけにはいかないでしょう。またユーザーからは取り難いとして、最近見られる傾向として、データベースの提供者側にそのサイズに応じて支払ってもらうという方法もあります。ただこれは高速道路で言えば交通量が運用管理の経費をまかなえないからと言って、そこにある企業や行楽地からお金を徴収するという話で本末転倒に思えます。図書館で言えば本を寄贈したらお金をとるというようなもので、それで本が増えるわけはありません。

税金がなければ国が成り立たないのですが税金はとられたくない。そんなユーザーの気持ちの中でもうまくお金を徴収して、かつデータベースがどんどん増えていけるような安いインフラを運用管理していく、そんな工夫が情報システム部門に求められていると思います。税制を間違えるとある産業が衰退したり、一部の人のみ利益を独占したりと極めて重大な問題です。高速道路がほとんど無料でたくさんの車が利用している欧米の例と、初めは30年後に無料にしますと言っておきながらどんどん利用者の負担が増えている日本の高速道路。運用管理としての工夫はどちらが賢いかは明白でしょう。

"安全"で"便利"で"安価"な情報流通のための運用管理が行われれば、それはまさに企業内の情報流通を猛烈に促進することになるでしょう。その意味でも今まで"安全"ばかり注目されがちだった運用管理業務を、もっと"便利"や"安価"に向けていく必要がありそうです。情報流通のインフラを生かすも殺すも運用が重要な鍵を握っていると思えてきます。


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