SE関のノーツ/ドミノ徒然草

第13回 さよならワープロ文化

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まずはワープロソフト派の言い分から聞いてみましょう。『いままで慣れていて文書作成がやりやすい』。『新たにもう一つワープロ的なソフトをユーザーに教育はできない』。なるほどノーツを別のワープロソフトと考えると確かにそうです。『ノーツでは絵もろくにかけない』。『ノーツは文書のワープロとしての編集能力が弱い』。『ノーツはきれいな印刷ができない』。ノーツは確かに絵を書く機能はありませんし、印刷のプレビューがないくらいですから印刷を想定したとおりにもできません。

ワープロソフトの最近の急速なDTP(DeskTop Publishing)ソフト化は目を見張るものがあり、いろいろな段組や縦書きそしてカーブテキストなど、まさに"きれいな目を引く印刷物"を作るのにはノーツは太刀打ちできるはずもありません。当然、印刷を前提とした長文の書類を書くにはワープロソフトがベストであることは言うまでもないでしょう。ただ本当にそんな文書ばかりでしょうか。社内だけで流通する文書、せいぜい数ページにしかならない文書、そんな文書の作成までも大袈裟なワープロソフトに頼る必要があるのでしょうか。

確かにノーツの文書編集機能はワープロに比べれば簡素にできています。でもワープロ同様、スタイルに代表される文字属性を自動的に割り付ける仕組みもあり、それぞれの文字に関しては下線、斜体、太字はもちろんのこと影付きなどの色々な効果、そして自由なフォントや色が割り付けられます。表もシンプルながら十分なものがあります。左や右にそして中央に文字を揃えることも当然できますし、マージンにそしてハンギングタブなどもあります。ましてノーツは印刷しないことが前提のせいか、ワープロではほとんど使えないホットスポットであるURLリンクやポップアップテキスト、そして文書リンクなどがハイパーリンクとして利用できます。

ノーツは絵が書けないという指摘があるかもしれません。しかしワープロで書ける絵には限界があります。写真の貼り付けや高度な絵はやはり別なソフトの手助けが必要となります。ノーツはそれらを全て外部に頼りはしますが、貼り付けることは自在です。私などもこの原稿を含むほとんどの原稿はノーツで作成して、絵などはペイントブラシやプレゼンテーションソフトであるFreelanceなどで作成してノーツに貼り付けています。

あとは印刷でしょうか。でもノーツでは印刷して共有するのでなくノーツの上で共有することが本来の目的です。ただもちろん印刷することはできる訳ですし、ページ替えのプレビューだけは現在もできます。私もお客様に提出する資料はプレゼンテーション以外は基本的にノーツで見栄え良く作成したものを利用しています。そうすることで最後に全ての資料をノーツデータベースに仕立てて提出することもできます。もともとノーツの文書はワープロなどと異なり、ページという概念がなく一種の巻き物のような文書です。最近流行のインターネットのWebページなども実は同じ巻き物のようなページを意識しない、つまり印刷は意識しない文書です。

一方ワープロで作られた実際の文書を見てみましょう。ほとんどがワープロのほんの一部の機能で作られたものであることは皆さんも感じることでしょう。実際、お客様のところで社内文書を見せていただくと、ほんの一部の新聞のような配布物以外はほとんどノーツの編集機能程度と表、そしてちょっとした絵の挿入でも十分作成可能なものです。実際、最近の調査では実に全体の8割のユーザーがワープロの2割程度の機能しか利用していないという報告があります。つまりほとんどのワープロ機能は"ふつう"のユーザーには無用の長物とも言えるのです。ビジネスの文書は中身が問題です。特に社内に情報を迅速に正確に伝えるための文書が、DTPソフトで作ったように段組がされ、華美とも言えるような装飾がされている必要が果たしてあるのでしょうか。その装飾のための時間は何のための時間か分からなくなってきます。中身はともかく装飾にこだわるのは、世の中で問題になっている百貨店の過剰包装の問題に似ているような気がします。

ほとんどの文書がノーツでできているとそのメリットは絶大です。ノーツはサーバー上のデータベースが基本ですから、ノーツで文書作成したということはイコールその文書を共有化したということです。たとえ数ページだった文書でも、その再利用性や情報としての価値は十分あると思います。ノーツ文書であれば検索は自由ですし、とにかくユーザーがノーツで見やすいのは当然です。添付ファイルされているワープロ文書ではいちいち起動しなければならないほか、検索もままならなず、共有化したと言ってもファイルサーバーとさほど違いはないでしょう。それではノーツに添付するよりはファイルサーバーに共有保存するほうがまだユーザーにとっては操作上楽でもあります。

もっとも最近、添付ファイルやOLE貼り付けした文書でも検索もできたり、またノーツ文書を起動すると自動的にそのアプリケーションが起動されたりすることができるようになりました。ただ実際にこれらをわざわざ利用しても、文書が以前より10倍以上大きくなることがしばしばです。検索の負荷は増え、ネットワークは十分太く、サーバーのディスクサイズも大きくしなければいけないし、スムーズな操作にはかなり高速なクライアントを用意しなければなりません。まだまだそれだけの環境を持っているお客様は数少ないのが実状です。第一そこまでして作った文書がノーツ文書でも同様にできると分かると、何のための投資かわからなくなるのも事実です。

これだけメリットのあるノーツ文書ですから、さっそく可能なかぎり文書はノーツで作りましょう。と言いたいところですが、実際に作ろうと思っても入れ物、つまりデータベースがありません。ワープロで作っていたような、一回かぎりの報告書、お客様の要求で作成する資料、これらはどのデータベースに入れればよいのでしょうか。確かに普通のユーザーではデータベースを作ることはできません。かといって実際サーバーにあるデータベースを見ると、決まりきった特定のアプリケーション専用のデータベース、掲示板などでこのような文書を作成する場所がありません。

多くのノーツ展開では、ワークフローをやるためとか、営業報告書をノーツ化するとか、かなり具体的な特定のアプリケーションがターゲットにされているようです。しかしノーツのデータベースはもともと任意の文書を混ぜこぜに入れられるという特長があります。それこそ紙で存在しているような社内用便箋の形式がそのままフォームになっていれば、任意の文書をノーツで作ることができます。要は何でも入る入れ物がないだけではないでしょうか。そんなデータベースをテンプレート化して、社内展開時に各部門にガイドして利用を促すようなことも考えられます。このあたりはノーツの展開とともに何をノーツに入れられるかという議論を経て十分に検討しておくべき点ではないでしょうか。

ワープロは紙に印刷することを前提として考えられたソフト、ノーツは電子的に共有することを前提として考えられたソフトです。そのためにはサーバー上にデータベースという入れ物をその会社にあった形でうまく作ってあげる必要があるでしょう。そういった努力を経て、ワープロソフトをできるだけ使わなくてもよい環境を作ることができ、最終的にワープロ文化、言い換えれば印刷文化にさよならできる大きなきっかけであるように思えます。


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