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IBM PowerLinux 対応 IBM Electronic Service Agent による IBM PowerKVM ホストに関する問題報告

ハードウェアの問題を早期に検出して、さらなる可用性の向上を実現する

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Electronic Service Agent の基礎知識

IBM Electronic Service Agent (ESA) は、自動的かつ継続的にハードウェアの問題を監視し、情報を収集して IBM Electronic Support に送信するために IBM Power Systems で使用できる無料のソフトウェア・ツールです。IBM ESA はまた、IBM サポート・チームが問題を診断する際に役立つように、ハードウェア、ソフトウェア、パフォーマンス、システム構成情報を定期的に収集して送信することもできます。ESA は、複数のプラットフォームで動作する製品です。IBM AIX および IBM i オペレーティング・システムのバージョンもあります。また、IBM Power Hardware Management Console (HMC)、IBM Systems Director、IBM Flex System Manager、および PowerLinux 用 IBM インストール・ツールキットに組み込まれたバージョンもあります。PowerLinux 対応 ESA バージョン 3.0 以降では、IBM PowerKVM ホストの問題報告機能がサポートされています。ESA は複数の PowerKVM システムを監視し、PowerKVM ホストで発生しているハードウェアの問題を早期に、かつ自動的に報告できるため、PowerKVM サーバーの可用性が向上する結果となります。この記事では、PowerKVM ホストのハードウェアの問題報告機能を取り上げます。

PowerKVM ホストに関する問題報告機能

PowerKVM に関する自動問題検出報告機能を使用するには、Power サーバーで以下の前提条件が満たされている必要があります。

  • 任意の PowerLinux システム (スタンドアロン、論理パーティショニング (LPAR)、またはカーネル・ベースの仮想マシン (KVM) ゲスト) に Electronic Service Agent 3.0 以降のバージョンがインストールされてアクティブになっていること。
  • PowerKVM ホストに IBM Serviceable Event Provider の RPM がインストールされていること。
    注: PowerKVM 2.1.1 には、デフォルトで Serviceable Event Provider が組み込まれています。PowerKVM 2.1.0 には、デフォルトで Serviceable Event Provider は組み込まれていないので、PowerKVM 2.1.0 ホスト上で Serviceable Event Provider をダウンロードしてインストールする必要があります。
  • PowerKVM が ESA でディスカバーされること。

PowerKVM ホストのディスカバリー

PowerKVM ホストのディスカバリーを成功させるには、Serviceable Event Provider の RPM が KVM ホストにインストールされている必要があります。IBM Serviceable Event Provider は、KVM ホストで発生したハードウェアの問題を検出し、SNMP アラートを登録済みリスナーに送信します。

初期ディスカバリーには root 資格情報が必要です。ただし、ESA は検出プロセスの一環として、ESA で必要なすべてのコマンドを実行する特権を割り当てた特定のユーザー esaadmin を作成し、公開鍵と秘密鍵のペアを生成して ESA および KVM ホストに保管するため、以降は ESA システムがパスワードなしでログインできるようになります。したがって、このプロセスで KVM ホスト・システムの root 資格情報が保管されることはありません。

ディスカバリーによって Serviceable Event Provider も起動され、システムを Serviceable Event Provider に登録できるようになります。

ディスカバリーを実行するには、以下の手順に従います。

  1. ESA Web コンソールを開き、左側ナビゲーション・ペインで「Discovery (ディスカバリー)」をクリックし、PowerKVM ホストの IP アドレスと資格情報 (root 資格情報でなければなりません) を入力します。
図 1. 「Discovery (ディスカバリー)」パネルを開く
  1. 「Verify Connectivity (接続の確認)」をクリックして、ESA と KVM ホストの間の接続を確認します。
図 2. 接続を確認する
  1. 「Add System (システムの追加)」をクリックし、PowerKVM システムを ESA に追加します。
図 3. システムを追加する
  1. 「Refresh Log (ログの最新表示)」ボタンをクリックして、最新のディスカバリー・ステータスを取得します。
図 4. ディスカバリー・ログを最新の表示に更新する
  1. 「Main (メイン)」タブにある「All Systems (すべてのシステム)」をクリックし、画面を最新の表示に更新します。
図 5. すべてのシステムにナビゲートする

複数のホストをディスカバーする場合も、同じようにします。

  1. 「Refresh Log (ログの最新表示)」ボタンをクリックして、最新のディスカバリー・ステータスを表示します。
図 6. 複数のシステムをディスカバーする

注: ESA は、毎日バックグラウンド・ジョブを呼び出し、このアクティビティーによって、24 時間を経過しているディスカバリー・ログのエントリーをパージします。

  1. 次に、「All Systems (すべてのシステム)」をクリックし、「Refresh (最新表示)」をクリックして、ディスカバーされたホストが表示されるかどうかを確認します。

「All Systems (すべてのシステム)」ペイン

「All Systems (すべてのシステム)」ペインには、ESA をインストールしたシステムと共に、ディスカバーされたすべての PowerKVM システムのリストを表示することができます。このリストには、システム・ヘルスと ESA のステータスの両方が表示されます。

図 7. 複数の KVM ホストが表示された「All Systems (すべてのシステム)」ペイン

システム・ヘルス

システム・ヘルスは、ディスカバーされた PowerKVM ホストのヘルス・ステータスを示します。

  • ヘルス・ステータスとしてチェック・マークが表示されている場合、ESA はその特定のシステムで H/W 問題を検出しなかったことを意味します。
  • ×印が表示されている場合、ESA はその特定のシステムで H/W 問題を検出したことを意味します。

ESA が 24 時間間隔でバックグラウンド・ジョブを起動すると、システム・ヘルスはサービス・リクエストのステータスに応じて更新されます。

ESA のステータス

ESA のステータスは、ディスカバーされたシステムに ESA が接続できるかどうかを示します。

  • ディスカバーされたシステムに対してチェック・マークが表示されている場合、ESA はそのシステムに接続できることを意味します。
  • ×印が表示されている場合、ESA はそのシステムに接続できないことを意味します。

ESA が 24 時間間隔でバックグラウンド・ジョブを起動すると、ディスカバーされたすべてのホストの ESA のステータスが更新されます。

「System Info (システム情報)」ボタン

ユーザーは特定のホストを選択して、システム情報や問題に関する情報を表示することができます。また、選択した PowerKVM ホストを削除することもできます。あるいは代わりの手段として、「All Systems (すべてのシステム)」ページで、対応するホスト名を直接クリックしてシステム情報を表示することができます。さらに、対応するシステム・ヘルス記号を直接クリックすることで、その特定のシステムに関して報告されている問題を表示することができます。

「All Systems (すべてのシステム)」ペインには、ESA によってディスカバーされたすべての KVM ホストで報告された問題のすべてが一覧表示されます。

注: デフォルトでは、「System Info (システム情報)」ボタン、「View Problems (問題の表示)」ボタン、「Delete System (システムの削除)」ボタンは、ホストが選択されるまで無効になっています。

ここで、ホストを選択してから「System Info (システム情報)」をクリックしてください。

図 8. ディスカバーされたシステムを選択する
図 9. システム情報を表示する

「View Problems (問題の表示)」ボタン

ディスカバーされたいずれかのホストを選択し、「View Problems (問題の表示)」ボタンをクリックします。

図 10. 問題を表示する

問題の詳細 (例えば、説明、SRC コード、サービス・リクエスト番号など) が表示されます。この画面で、その特定のホストを対象として「Send Test Problem (テスト用の問題の送信)」をクリックすると、テスト用の問題を作成することができます。

テスト用の問題を IBM Electronic Support チームに送信することで、問題報告機能が正常に動作しているかどうかを確認することも、IBM サポートへの接続が有効になっているかどうかを判断することもできます。「Send Test Problem (テスト用の問題の送信)」がクリックされると、ESA はユーザーがトリガーしたテスト用の問題を検出して、サービス・リクエストを作成します。

「Send Test Problem (テスト用の問題の送信)」をクリックしてください。

図 11. テスト用の問題を送信する
図 12. 問題の一覧表示

次に、「All Systems (すべてのシステム)」をクリックして画面を最新の表示に更新します。システム・ヘルスのステータスとして×印が示されていることを確認することができます。

図 13. 未解決の問題があるシステムのヘルス

特定のホストで報告されたすべての問題が解決されると、システム・ヘルスの表示が (正常であることを意味する) チェック・マークに変更されます。

図 14 と図 15 に、その変更の例を示します。

図 14. 問題のステータスを確認する
図 15. 問題が解決されたか、問題がないシステム・ヘルス

まとめ

今日の世界では、誰もが極めて可用性の高いシステムを要望するものです。システムのヘルスが一瞬たりとも損なわれないようにするには、問題が発生したときに、その問題をできるだけ早く特定して解決することが不可欠となります。IBM Electronic Service Agent は、ハードウェアの問題を早い段階で特定し、情報を収集して拡張したエラー・データを IBM に送信します。これにより、IBM サポート・チームは早期にお客様の問題解決を支援し、可用性および顧客満足度の向上を実現することができます。

IBM POWER Hypervisor (PHYP) ベースの Power サーバーのハードウェアの問題検出機能は、Hardware Management Console (HMC) という管理ソフトウェアに組み込まれていますが、HMC では KVM ベースの Power サーバーを管理することができません。そのため、問題検出機能を使用してシステムの可用性を向上させるには、IBM Electronic Service Agent が重要なステップとなります。

References


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Zone=Linux
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ArticleTitle=IBM PowerLinux 対応 IBM Electronic Service Agent による IBM PowerKVM ホストに関する問題報告
publish-date=08202015