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VMware 環境および復旧ソリューションを IBM Cloud Local System 内でホストする、第 1 回

ホスト型 VMware 環境を導入する

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IBM Cloud Local System および PureApplication System (このコンテンツでは以降 IBM Cloud Local System と表記します) が実現するハイブリッド・クラウド・ソリューションは、クラウド・ネイティブのサービスと、プライベートのデータ・センター内で実行可能なクラウド対応ミドルウェアを完全に統合することから始まりました。ファームウェア V2.2.3 (2017 年 5 月にリリース) ではさらに、ワークロードをより柔軟に実行して管理できる、構成済みのホスト型 VMware 環境を自動的に作成できるようになっています。

これらのホスト型 VMware 環境に VMware Virtual Center 6.0 ホストや ESXi 6.0 ホストと相互作用する各種のワークロードをデプロイすると、環境内のすべてのソフトウェアおよびハードウェア・コンポーネントを、IBM Cloud Local System の利便性を生かして構成、管理することができます。さらに、PureApplication Software をデプロイすることで、これらの新しい環境の持つ柔軟性に、ハイブリッド・クラウド向けのパターン・エンジン・ベースのオーケストレーションを統合することも可能です。この概念は、「PureApplication Software ワークロード環境」と呼ばれます。IBM Cloud Local System にあらかじめ備わっているストレージ・レプリケーション機能を利用すれば、この PureApplication Software ワークロード環境を 2 つ目のシステムに複製し、プラットフォーム・レベルでゼロ・データ・ロスの災害復旧ソリューションを実現することができます。

このシリーズは、W1500、W2500、W3500、および W3550 モデルのユーザーを対象に、このファームウェアに備わっている高度な機能を操作する方法をステップ・バイ・ステップで説明するためのものです。まず、この第 1 回ではホスト型 VMware 環境を IBM Cloud Local System 内で作成してデプロイする手順を案内します。手順に沿って、リソースを割り当てる方法、VMware コンポーネントに対する外部アクセスを構成する方法、そして仮想マシンを構成して VMware にデプロイする方法を説明します。第 2 回では、PureApplication Software ワークロード環境をセットアップする手順を案内します。そして最後の第 3 回で、PureApplication Software ワークロード環境と IBM Cloud Local System からなる災害復旧ソリューションを構築する方法を説明します。

リソースを割り当てる

IBM Cloud Local System は、クラウド・グループを基準として計算ノードとストレージ・グループを編成します。IBM Cloud Local System 内部で動作する VMware Virtual Center 内では、複数の ESXi ホストからなる 1 つのクラスターが、クラウド・グループのそれぞれに対応します。通常のクラウド・グループについては、IBM Cloud Local System がネットワーク、計算、メモリー、ストレージの各リソースの割り当てをトラッキングします。このリソース・トラッキングにより、デプロイメント環境に十分なリソースがあることが確認されます。高可用性の選択肢が有効にされている場合は、計算ノードの障害発生時にワークロード仮想マシンを復旧できるよう、十分なリソースが予約されていることも確認されます。

Virtual Manager クラウド・グループ

Virtual Manager クラウド・グループとは、ホスト型 VMware 環境専用のグループのことです。IBM Cloud Local System は、これらのクラウド・グループにはリソースをデプロイしません。したがって、ユーザーがネットワーク、計算、メモリー、およびストレージの各リソースを管理する必要があります。

IBM Cloud Local System では Virtual Manager クラウド・グループをデプロイメントのために使用しないことから、これらのグループを作成する際に、デプロメント関連の設定は無効にされます。Virtual Manager クラウド・グループには、以下の図に示されているように、未使用の任意の VLAN ID を管理 VLAN ID として選択してください。詳しくは、このリンク先の資料「クラウド・グループの追加」を参照してください。

図 1. 管理 VLAN ID として選択された、未使用の VLAN ID
管理 VLAN ID として選択された、未使用の VLAN ID を示す画面のスクリーンショット
管理 VLAN ID として選択された、未使用の VLAN ID を示す画面のスクリーンショット

Virtual Manager クラウド・グループは IP グループを使用しません。ホスト型 VMware 環境を使用する場合は、IP の競合を避けるために、ユーザーまたはユーザーのアプリケーションがデプロイメント用の IP アドレスを選択する必要があります。IBM Cloud Local System 内では、IP グループに VLAN が関連付けられます。したがって、IP グループをクラウド・グループに関連付けることによって、そのクラウド・グループ内でデプロイメントに使用する VLAN が決まってきます。Virtual Manager クラウド・グループを使用する場合、これらのグループは IP グループを使用しないため、システム内で定義されている任意の VLAN 上に仮想マシンを配置できます。特定のクラウド・グループで特定の VLAN を使用する必要がある場合は、デプロイメントで適切な VLAN が確実に使用されるようにします。詳しくは、「システム接続の追加」および「プライベート VLAN 接続」を参照してください。

計算ノード

計算ノードを Virtual Manager クラウド・グループに追加する方法は、クラウド・グループの詳細ペインを使用して他のクラウド・グループを追加する場合の方法と同じです。ホスト型 VMware 環境を機能させるために、各クラウドに少なくとも 1 つの計算ノードを追加します。詳しくは、このリンク先の資料「クラウド・グループの表示および変更」を参照してください。

ストレージ

IBM Cloud Local System は、従来のクラウド・グループに対しては、デプロイメントおよびアドオン VMFS (Virtual Machine File System) ボリュームを収容するために必要な VMFS フォーマットのデータ・ストアを自動的に作成します。一方、Virtual Manager クラウド・グループを使用する場合は、ユーザーが手作業でブロック VMFS ボリュームを作成する必要があります。ブロック VMFS ボリュームを手作業で作成すれば、Virtual Manager クラウド・グループだけを関連付けることができます。

ブロック VMFS ボリュームを作成する際は、Virtual Manager クラウド・グループを 1 つ以上選択して空のデータ・ストアを作成します (以下の図を参照)。作成したボリュームは、ストレージの需要の増加に応じて、後でサイズを拡大することができます。ただし現在のところ、レプリケーションまたは複製によるブロック VMFS ボリュームを拡張することはできません。災害復旧ソリューション内で、そのようなボリュームを別の IBM Cloud Local System で使用することを予定しているとしたら、ボリュームを作成する時点で、必要になることが見込まれるサイズを指定する必要があります。

図 2. ブロック VMFS ボリュームの作成
ブロック VMFS ボリュームを作成する画面のスクリーンショット
ブロック VMFS ボリュームを作成する画面のスクリーンショット

クラウド・グループを指定せずにブロック VMFS ボリュームを作成すると、データ・ストアのブロック・ストレージ・レプリケーションに対応できるように、ボリュームは未フォーマットになります。このようなブロック VMFS ボリュームが、有効な VMFS データ・ストアを使用するブロック VMFS ボリュームのレプリケーション・ターゲットとなっているとしたら、そのボリュームに Virtual Manager クラウド・グループを関連付けるという方法をとることができます。

ブロック VMFS ボリュームがフォーマット化されておらず、レプリケーションを使用して有効なデータ・ストアを受け取っていなければ、そのボリュームに通常のクラウド・グループを関連付けることはできません。VMware 内にマウントされたデータ・ストアと対応しているブロック VMFS ボリュームでなければ、クラウド・グループを関連付けることはできないため、関連付けの操作は失敗します。

データ・ストアには、p_ で始まる名前が生成されて付けられます。VMware Virtual Center 内や ESXi ホスト上では、この名前でデータ・ストアを識別することができます。データ・ストアの名前は、ボリュームの詳細ペインで確認できます (以下の図を参照)。

図 3. データ・ストアの識別
データ・ストアを識別する画面のスクリーンショット
データ・ストアを識別する画面のスクリーンショット

ホスト型 VMware 環境内に LUN を追加するには、ボリューム・タイプとして「Block (ブロック)」または「Block Shared (ブロック共有)」を選択できます (以下の図を参照)。ロー・デバイス・マッピング機能を使用することで、これらの LUN を仮想マシンのディスクとして使用できます。これらのボリュームはフォーマット化されないので、ボリュームを仮想マシンにアタッチしてから、任意のファイル・システムを使用してフォーマット化してください。

図 4. ブロック・ボリュームの作成
ブロック・ボリュームを作成する画面のスクリーンショット
ブロック・ボリュームを作成する画面のスクリーンショット

ブロック・ボリュームまたはブロック共有ボリュームを作成した後は、ボリュームの詳細ペインでその論理ユニット番号 (LUN) ID を確認できます。VMware Virtual Center 内および ESXi ホスト上では、LUN ID だけが可視になります。

図 5. LUN の識別
LUN を識別する画面のスクリーンショット
LUN を識別する画面のスクリーンショット

ブロック・ボリュームとブロック共有ボリュームの違い: Virtual Manager クラウド・グループの場合、ブロック・ボリュームとブロック共有ボリュームは同じ機能を提供します。従来のクラウド・グループの場合、この 2 つの唯一の違いは、仮想マシンにどのようにアタッチされるかが異なることです。したがって、これらのボリュームを従来のクラウド・グループに移して、IBM Cloud Local System からデプロイされた仮想マシンで使用することを予定している場合は、Virtual Manager クラウド・グループに適切なボリューム・タイプを選択してください。IBM General Parallel File System (GPFS) のストレージとして最もよく使用されているのは、ブロック共有ボリュームです。このボリュームは、複数の仮想マシンにアタッチすることができます。

VMware コンポーネントに対する外部アクセスを構成する

IBM Cloud Local System 内部の VMware コンポーネントへのアクセスを可能にするには、VMware コンポーネントをネットワーク上でアドレス指定できるようにして、アクセス・カウントを生成します。

ネットワーキングをセットアップする

通常、VMware コンポーネントには、IBM Cloud Local System が IPv6 アドレスを使って内部でアクセスすることしかできません。ただし、IBM Cloud Local System に用意されている以下の 2 つの機能を使用することで、VMware Virtual Center および ESXi ホストにアクセスするための IPv4 アドレスを追加することができます。

  • Virtual Manager 外部 IP アドレス
  • MKS コンソール IP グループ

この 2 つの機能に加え、推奨される手法として、IBM Cloud Local System 上のシステム管理仮想ローカル・エリア・ネットワーク (VLAN) が IP グループ・ネットワーク/VLAN になるように構成してください。このようにすると、コア・ネットワーク内のスイッチ構成を行うことなく、VMware コンポーネントのすべてを同一のシステム管理ネットワーク/VLAN 上に置くことができます。システム管理 VLAN を構成する際は、以下のアドバイスに留意してください。

  • Virtual Manager 外部 IP アドレスへのアクセスおよび構成は、システム管理ネットワーク/VLAN 上でのみ許可されます。Virtual Manager (VMware Virtual Center) の外部 IP アドレスを構成するには、「System (システム)」 > 「Network Configuration (ネットワーク構成)」の順に選択します。
  • MKS コンソール IP グループへのアクセスは、IP グループ・ネットワーク/VLAN 上でのみ許可されます。計算ノードへのアクセスを可能にするには、「MKS Console IP Group (MKS コンソール IP グループ)」という名前の IP グループを作成し、そのグループにシステム内の各計算ノードの IPv4 アドレスを含めます。MKS コンソール IP グループにより、それぞれの計算ノードの仮想マシン・コンソールにアクセスすることも可能になります。また、MKS コンソール IP グループに含まれる計算ノードの IP アドレスを使用して、その計算ノードが稼働している VMware ESXi ホストにアクセスできます。MKS コンソール IP グループにはクラウド・グループを関連付けないでください。MKS コンソール IP グループは、全クラウド・グループの全計算ノードの IP アドレスを提供する、システム・レベルのリソースです。

外部アプリケーションを作成する

外部アプリケーションとは、VMware Virtual Center および ESXi ホストを含む、システムの内部コンポーネント上で作成されたアカウントの集合を指します。これらのアカウントのユーザー名とパスワードは自動的に生成されます。外部アプリケーションのそれぞれを、そのアプリケーションに意図する目的に応じて慎重に構成する必要があります。外部アプリケーションを作成する際は (図 6)、以下のパラメーターを使用してアプリケーションを定義します。

  • Name (名前): 意図するアプリケーションまたはアカウントを使用するユーザーと、アプリケーションの目的がわかるような、一意の名前を使用します。
  • Access Scope (アクセス権の適用範囲): この設定には「Cloud Groups (クラウド・グループ)」を選択してから、このホスト型 VMware 環境用に作成した Virtual Manager クラウド・グループを選択します。VMware Virtual Center 用に作成されるユーザーには、選択した Virtual Manager クラウド・グループに関連付けられているリソースだけを表示および操作する権限が与えられます。従来のクラウド・グループを選択することもできますが、それらのクラウド・グループへのデプロイメントはサポートされていません。また、従来のクラウド・グループを選択すると、IBM Cloud Local System からのデプロイメントを妨げる可能性もあります。

    モニタリング目的の外部アプリケーションを作成する場合に限り、「Everything (全て)」項目を選択してください。「Grant Compute Node Access (計算ノード・アクセス権を付与)」項目を選択すると、「Access Scope (アクセス権の適用範囲)」パラメーターによって、この外部アプリケーションがアクセスできる計算ノードも制限されることになります。「Access Scope (アクセス権の適用範囲)」パラメーターに「Cloud Groups (クラウド・グループ)」を選択した場合、作成されるユーザーは、選択したクラウド・グループに属する計算ノードにしかアクセスできません。

  • Virtual Manager Privilege Set (Virtual Manager 特権セット): ホスト型 VMware 環境の場合は「Default (デフォルト)」を選択します。モニタリングまたはレポート作成を目的とする場合は、「Read Only (読み取り専用)」を使用しても構いません。
  • Grant Compute Node Access (計算ノード・アクセス権を付与): ホスト型 VMware 環境の場合は、この項目を選択します。この項目を選択すると、OS インストール・メディアやビルド済み仮想マシン・ディスク (VMDK) などのファイルを環境に転送するために必要な ESXi ホストにアクセスできるようになります。
  • Grant Storage Access (ストレージ・アクセス権を付与): VMware アカウントに加え、ストレージ・コントローラーをモニタリングするユーザーを作成する場合は、このチェック・ボックスを選択します。ストレージをモニタリングする必要がなければ、このチェック・ボックスを選択解除された状態のままにします。
図 6. 外部アプリケーションの作成
外部アプリケーションを作成する画面のスクリーンショット
外部アプリケーションを作成する画面のスクリーンショット

外部アプリケーションは必要な数だけ作成できます。十分な細分度でアクセス権を取り消したり、パスワードを再生成したりできるよう、使用事例ごとに異なる外部アプリケーションを使用してください。外部アプリケーションのセットアップが完了したら、「Show details (詳細を表示)」をクリックします。ウィンドウ (以下の図を参照) が開き、その外部アプリケーションに関連付けられている外部ユーザー (アカウント) のリストが表示されます。リストのそれぞれの行が、システムの内部コンポーネントのいずれかのユーザーに対応します。これらの行に、該当するコンポーネントにアクセスするための IP アドレスとユーザー名が示されます。パスワードを表示するには、「Show Passwords (パスワードの表示)」をクリックします。

図 7. 外部ユーザーの確認
外部ユーザーを確認する画面のスクリーンショット
外部ユーザーを確認する画面のスクリーンショット

VMware Virtual Center にアクセスする

外部アプリケーションの外部ユーザーのリスト内で、「Name (名前)」列の値が「Virtual Manager」となっている行を見てください。この行には、VMware Virtual Center にアクセスするための IP アドレスとユーザー名が示されています。

これらの資格情報を、VMware vSphere API を使用するアプリケーションに提供することで、VMware Virtual Center に直接接続できます。また、これらの資格情報を使用して、人間のユーザーが vSphere Web Client にアクセスすることもできます。

vSphere Web Client を使用する際の前提条件: vSphere Web Client を使用するには、その前に、この Web クライアントにアクセスするために使用するコンピューターの hosts ファイル内にエントリーを作成します。このエントリーの場合は、ホスト名 purevc を VMware Virtual Center にセットアップした外部 IP アドレスにマッピングします。このホストのマッピングを作成する手順については、使用しているオペレーティング・システム (OS) の資料を参照してください。マッピングが完了したら、https://purevc/vsphere-client/ にアクセスして vSphere Web Client にログインします (以下の図を参照)。

図 8. VMware vSphere Web Client へのログイン
VMware vSphere Web Client にログインすると表示される画面のスクリーンショット
VMware vSphere Web Client にログインすると表示される画面のスクリーンショット

場合によっては、「Hosts and Clusters (ホストおよびクラスター)」ビューにクラスターとホストが表示されないことや、「Storage (ストレージ)」ビューにデータ・ストアが表示されないことがあります。この現象は、vSphere Web Client の既知の問題です。この問題に対処するには、ユーザー・インターフェースの右上隅にある検索ボックスを使用して、インベントリー項目を検索してください。

ESXi ホストにアクセスする

外部アプリケーションを作成するときに「Grant Compute Nodes Access (計算ノード・アクセス権を付与)」項目を選択した場合、計算ノードごとに外部ユーザーが作成されています。それらの外部ユーザーに対して「Name (名前)」列に表示される値は、Compute Node の後に IPv6 アドレスとシリアル番号が続く形となっています。VMware 内の計算ノードの ESXi ホストの名前は、ここに表示される IPv6 アドレスと一致します。

VMware ホスト・クライアント (以下の図を参照) を使用するには、https://<IP アドレス>/ui/ にアクセスしてログインします。<IP アドレス> の部分は、外部ユーザーに対してリストアップされている IP アドレスで置き換えてください。

図 9. VMware ホスト・クライアントへのログイン
VMware ホスト・クライアントにログインした後に表示される画面のスクリーンショット
VMware ホスト・クライアントにログインした後に表示される画面のスクリーンショット

この ESXi ユーザーとしてセキュア・シェル (SSH) プロトコルや Secure Copy Protocol (SCP) を使用することもできます。

ESXi ユーザー: 計算ノードの外部ユーザーは、ESXi ホストに対するフル・アクセス権限が割り当てられます。これらのアカウントを使用してストレージにアクセスしたり、仮想マシンを管理したりする際は、十分に注意してください。計算ノードの外部ユーザーのアカウントを使用して ESXi ホストの構成を変更すると、IBM Cloud Local System の通常の処理が妨げられる可能性があります。

VMware 内の仮想マシンを構成してデプロイする

リソースを割り当てて、Virtual Center Server にアクセスできるようにした後は、環境を構成して仮想マシンをデプロイする作業を開始します。新しいホスト型 VMware 環境の目的は、仮想マシンをより柔軟に構成、デプロイ、管理できるようにすることです。このセクションでは、これらの目的を達成するための基本的な出発点を説明しますが、使用事例によっては出発点が大幅に異なる場合があります。

高可用性をもたらすクラスター手法の選択肢

IBM Cloud Local System 内では、従来のクラウド・グループ内でリソース使用状況を管理することで、クラウド・グループ・レベルで高可用性を確保できます。あるいは別の方法として、フェイルオーバーの必要に応じてクラウド・グループに提供する計算ノードを、システム・レベルで予約することもできます。

Virtual Manager クラウド・グループ内でのデプロイメントについては、IBM Cloud Local System はモニタリングすることも管理することもしないため、ホスト型 VMware 環境には、高可用性を確保するための上記の手法をいずれも適用することができません。したがって、Virtual Manager クラウド・グループにどのようにして高可用性を提供するのかを、ユーザーが決定する必要があります。従来のクラウド・グループの場合、対応するクラスター上での vSphere High Availability (HA) 設定と Distributed Resource Scheduler (DRS) 設定は、IBM Cloud Local System が設定してモニタリングします。Virtual Manager クラウド・グループの場合、vSphere HA と vSphere DRS は、初期状態では両方とも無効にされています。ただし、これらの設定は、ユーザーが必要に応じて有効化して構成することができます。その設定を IBM Cloud Local System が変更することはありません。

Virtual Manager クラウド・グループに複数の計算ノードが含まれているとしたら、vSphere HA を使用し、ホストのいずれかを専用フェイルオーバー・ホストとして選択します。計算ノード間でメモリーと CPU の容量が異なる場合は、容量が最も大きいノードを選択します。こうすることで、いずれかの計算ノードで障害が発生したとしても、高可用性を確保できます。専用フェイルオーバー・ホストとして選択した計算ノードはメンテナンス・モードになり、VMware Virtual Center では、その計算ノードに仮想マシン (VM) をデプロイできなくなります。専用フェイルオーバー・ホストの全容量は、障害が発生した場合に他のホストのワークロードを引き継ぐために予約されます。詳しくは、このリンク先の「vSphere HA のアドミッション・コントロール」と、このリンク先の「vSphere HA クラスタ設定の構成」を参照してください。

ホスト型 VMware 環境との間でファイルを転送する

OS インストールが含まれるファイル (VMDK、ISO イメージなど) を環境に転送するには、計算ノード上の ESXi ホストを使用する必要があります。VMware コンポーネントの内部構成によって妨げられるため、VMware Virtual Center 内のデータ・ストア・ブラウザーを使用してファイルを転送することはできません。

IBM Cloud Local System 内では、作成するブロック VMFS ボリュームに任意の意味のある名前を付けることができますが、VMware 内の対応するデータ・ストアには、p_ で始まる名前が自動的に生成されます (一例として、図 3 を参照してください)。

ファイルをデータ・ストアに転送する手順は以下のとおりです。

  1. データ・ストアの名前を調べます。
  2. いずれかのクラウド・グループのメンバーとなっていて、ブロック VMFS ボリュームが関連付けられている、いずれかの計算ノードを識別します。
  3. その計算ノードの資格情報を、外部アプリケーションの詳細ダイアログ・ボックスから取得します。

計算ノード上の ESXi ホストに接続するには、Web ブラウザーと VMware ホスト・クライアントを使用します。ESXi ホストに接続した後、該当するデータ・ストアを名前で検索し、データ・ストア・ブラウザーを使用してファイルを転送します。

サイズの大きいファイルの転送時間を短縮するには、SCP クライアントを使用して接続するという方法もあります。データ・ストアの中身は、/vmfs/volumes ディレクトリーにマウントされます。例えば、図 3 に示されているブロック VMFS ボリューム上のデータ・ストアの中身は、/vmfs/volumes/p_a1a152fe-6edf-4ce5-8a90-439648ee0d09 ディレクトリー内にあります。

仮想マシンを作成する

ホストまたはクラスター上に仮想マシンを作成するには、vSphere Web Client を使用して、「New Virtual Machine (新しい仮想マシン)」アクションを選択します。この操作によって開くウィザードで、VM を初めから作成することも、テンプレートから作成することもできます。また、さまざまなタイプの複製処理を実行することも可能です。

図 10. 仮想マシンの作成
仮想マシンを作成する画面のスクリーンショット
仮想マシンを作成する画面のスクリーンショット

アクセス権の適用範囲を「Cloud Groups (クラウド・グループ)」に設定して外部アプリケーションを作成した場合、VM を作成する場所を選択する際に、vSphere Web Client でルート VM フォルダー (datacenter) を選択することはできません。その場合は、datacenter を展開して、VM を作成するクラスターと同じ名前のフォルダーを選択してください (以下の図を参照)。

図 11. 仮想マシンを作成する場所の選択
仮想マシンの作成場所を選択する画面のスクリーンショット
仮想マシンの作成場所を選択する画面のスクリーンショット

また、VM ファイルを保管する場所も選択する必要があります。選択する場所は、作成してクラウド・グループを関連付けたブロック VMFS ボリュームのいずれかにあるデータ・ストアです (以下の図を参照)。そのデータ・ストア内のフォルダーに、VM と同じ名前で VM ファイルが保管されます。

図 12. 仮想マシン用のデータ・ストアの選択
仮想マシン用のデータ・ストアを選択する画面のスクリーンショット
仮想マシン用のデータ・ストアを選択する画面のスクリーンショット

VM 用のハードウェアを構成する際は、新しいディスクを作成することも、ホスト型 VMware 環境に転送済みの既存のディスクを選択することも、その両方を実行することもできます。LUN を RDM ディスクとして使用するブロック・ボリュームを作成した場合、ブロック・ボリュームが使用する LUN は、LUN ID で識別できます。例えば、図 5 のブロック・ボリュームに対して示されている LUN ID が、「New Virtual Machine (新しい仮想マシン)」ウィザードでターゲット LUN の名前の一部になっています (以下の図を参照)。

図 13. RDM ディスクのアタッチ
RDM ディスクをアタッチする画面のスクリーンショット
RDM ディスクをアタッチする画面のスクリーンショット

ハードウェアをカスタマイズするステップでは、VM の VLAN を選択することもできます。ドロップダウン・リストには、追加するネットワーク・インターフェースごとに選択可能なポート・グループが示されます (以下の図を参照)。ポート・グループのそれぞれが、IBM Cloud Local System 内で定義されている VLAN に対応します。各ポート・グループの名前は、その VLAN ID と同じです。

図 14. VLAN のポート・グループの選択
VLAN のポート・グループを選択する画面のスクリーンショット
VLAN のポート・グループを選択する画面のスクリーンショット

IBM Cloud Local System 2.2.3 では、VMware コンポーネントの内部構成が理由で、「Deploy OVF Template (OVF テンプレートのデプロイ)」アクションがサポートされていません。OVF (Open Virtualization Format) テンプレートをデプロイするには、以下の手順に従ってください。

  1. OVF テンプレートの構成要素となっているディスク・イメージとリソース・ファイルをダウンロードします。または、OVA (Open Virtualization Appliance) を使用している場合は、それらの構成要素を tar ファイルから抽出します。
  2. ダウンロードまたは抽出したファイルをホスト型 VMware 環境に転送します。
  3. VM を作成し、OVF 記述子ファイルによる指定どおりにハードウェアをカスタマイズします。

リモート・コンソールを使用して仮想マシンにアクセスする

VM のコンソールにアクセスするのに最良の方法は、このリンク先のページから VMware Remote Console というスタンドアロン・アプリケーションをダウンロードしてインストールすることです。

以下の手順に従って、VM が稼働している特定の ESXi ホストの VMware ホスト・クライアントを使用してセッションを開始できます (VMware コンポーネントの内部構成により、vSphere Web Client を使用することはできません)。

  1. vSphere Web Client を使用して、VM が稼働しているホストを識別します。
  2. そのホストの名前 (計算ノードの IPv6 アドレス) を使用して、計算ノードの IP アドレスと資格情報を調べます。
  3. Web ブラウザーで https://<IP アドレス>/ui/ にアクセスして VMware ホスト・クライアントを開きます (<IP アドレス> の部分は、計算ノードに対して示される IP アドレスで置き換えます)。
  4. VM の場所を指定し、「Console (コンソール)」 > 「リモート・コンソールを起動 (Launch remote console)」の順に選択します。

別の方法として、vSphere Web Client 内の HTML5 ベースのブラウザー・リモート・コンソールを使用することもできますが、このリンク先の VMware 資料に文書化されているように、このコンソールでは VMware マウスの機能が制限されます。

まとめ

この記事では、IBM Cloud Local System and IBM PureApplication System firmware V2.2.3.0 拡張機能を紹介しました。IBM Cloud Local System 内でホスト型 VMware 環境を作成してデプロイする手順を説明し、リソースを割り当てる方法、VMware コンポーネントに対する外部アクセスを構成する方法、仮想マシンを構成して VMware にデプロイする方法を詳しく説明しました。このシリーズの第 2 回では、PureApplication Software ワークロード環境をセットアップする方法を説明します。

謝辞

この記事の作成を支援してくれた Gus Parvin、Jessica Stevens、Joe Wigglesworth に感謝の言葉を贈ります。


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ArticleTitle=VMware 環境および復旧ソリューションを IBM Cloud Local System 内でホストする、第 1 回: ホスト型 VMware 環境を導入する
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