目次


Modeler と Cognos BI を連携してテキストマイニングの手法で SNS から事業に役立つ知見を導出するための手法

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概要

本稿ではテキストマイニングの手法でビッグデータから事業に役立つ知見を導出する例をご紹介します。ビッグデータの定義として、数テラバイトから数ペタバイトにもおよぶ大量のデータの集積物であるという容量の観点での定義と、企業システムで通常扱っているような構造化データではなく不定形なテキストなど非構造化データであるという多様性の観点での定義と、二つの観点での定義が知られています。本稿では、容量 (Volume) ではなく多様性 (Variety) という観点で、ビッグデータ=非構造化データをビジネスへ活用する方法を模索します。また、分析手法でも、売上げなどの結果分析ではなく、製品への評判から売上げ不振につながる可能性の原因分析を行っています。すでに起こってしまった結果から将来への対応策を考えるのではなく、特定の結果につながる可能性がある原因を分析し、将来の対応策としようというアプローチです。

社内に存在するデータ (売上げデータなど) と、社外にあるデータ (自社と競合他社がターゲットとする市場、製品、ソーシャルネットワーク (以下 SNS) 上にどのような発言があるかの分析) をテキストマイニングした結果をつき合わせることで、社内のデータだけでは分かりえない視点の分析結果が分かる可能性があります。

本稿では、IBM SPSS Modeler15.0 (以下 Modeler) と IBM Cognos BI 10.2 (以下 Cognos BI) を利用して上記を実現する方法を紹介しています。また、Modeler と Cognos BI で分析を行う方を対象読者と想定しており、ビジネス上での使用例をご確認されたい場合 (主にエンドユーザーの方) は 3 章を、実装方法をご確認されたい方 (主に IT 部門) は 4 章および、5 章を主にご確認ください。双方が同じドキュメントを確認して議論を深めていただくことを目標として、使用例と実装方法を記載しています。本例で使用する Modeler や Cognos BI のインストールが既に行われている環境を前提として書かれています。

1. はじめに

ビジネス・アナリティクス・オプティマイゼーション製品の Modeler と Cognos BI の製品概念を簡単に説明します。

Modeler はわかりやすいビジュアルインターフェイスにより、あらゆる形式のデータのアクセス・整理・モデリングを実現し、信頼できるモデルを構築し、分析結果をすばやく展開することで、ビジネスの目標達成を可能にするアナリティクス製品です。

また、Cognos BI は、全社規模でレポート作成や分析、スコアカード作成やイベント通知を可能にする製品です。

Modeler では、IT インフラストラクチャを最大限に活用するため、ハードウェアを追加することなく、既存のデータベース内で提供されるデータマイニングアルゴリズムを利用して、わずかな時間で大量のデータを処理することができます。

一方、Cognos BI は単一の Web サービス・アーキテクチャー上に構築されており、企業内のあらゆるレベルからウェブ・ブラウザ経由で簡単にアクセスしてレポートの作成や情報の分析を行うことができます。

次に、本稿の内容に即して Modeler のテキストマイニング機能と Cognos BI のレポーティングの技術を利用することで実現できる内容をご紹介します。

Modeler を使用すると、業務に精通したデータアナリストが SNS 上のテキストを読んで独自に作成した帳票や複数のグラフ、書籍にあたって分析を行っていた状態から、同等の SNS テキストマイニングを業務および分析の知識が無い初心者でも行えるようになります。特にテキストを本人が読まずにその作業がおこなえる事が大きな利点です。 (図1の Modeler の部分)

また、Cognos BI のレポーティングの技術を併用すれば、独自に作成した帳票やグラフにあたることなく、簡単に見やすいレポートを作成することができます。 (図 1 の Cognos BI の部分) SNS 上のテキストマイニングの結果に対してオンデマンドのフィルター (ドリルスルー) をかけて特定の項目のみ表示させる機能を実装することでより分かりやすい分析結果を表示することができます。これは、Modeler の表示機能だけでは実現できない機能です。加えて、Cognos BI の外部データ機能で SNS テキストマイニングの結果を取込むことにより、最小限の工数でモデルやデータソースを変更することなく、Modeler 上で作成したデータを条件に合わせ、適宜入れ替えて分析を行うことができます。

図 1. 従来の SNS 分析 (左) と Modeler、Cognos BI を使用した SNS 分析 (右) の比較イメージ

なお、文中では SNS などの不特定多数の文章 (ビッグデータ) から特定の特徴を調べることをテキスト分析と表現しています。この機能にて、SNS のテキストマイニング結果を含んだレポートを作成することができます。

上記の利点には以下が挙げられます。

  • SNS テキストマイニングを行う際、誰でもサイトのテキストを読まなくてもテキストの特徴をつかむことができる
  • データソース側のメンテナンスの簡便化 (Modeler が生成したデータを適宜入れ替えて Cognos BI でレポートを作成、実行できる)
  • ドリルスルーやフィルターの機能で、必要なデータだけをオンデマンドに確認できる (Modeler と Cognos BI を連携することで初めて実現できる)

架空の会社 Great Outdoors 社のモデルで、製品ライン中 (登山用品、キャンプ用品、ゴルフ用品、個人装備、アウトドア用保護用品)、日本において 2013 年1Q の売り上げが最も思わしくないのはアウトドア用保護用品 (図 2 、図 3) でした。本稿では、対応すべき対象としてこの売り上げ結果から何らかの対応策・知見を得ようとするものではなく、テキストマイニング機能を使用して収集した自社製品に関する社外での評判を調査することで、売り上げと関連する何らかの知見が得られないかを調査するレポートの作成方法、分析例を述べています。

図 2. 日本における製品ライン別 2013 年1Q の売り上げ
図 3. 日本における製品ライン別 2013 年1Q の売り上げ抜粋
製品ライン販売目標実績目標との差異
アウトドア用保護用品324,470126,354-198,116
キャンプ用品8,560,0009,733,0921,173,092
ゴルフ用品5,606,6005,484,454-122,146
個人装備2,894,1003,312,324418,224
登山用品3,506,7004,050,946544,246

次項より、Modeler、Cognos BI を使用した SNS テキストマイニング及び結果を表示するレポートの作成方法と分析例をご紹介します。

2. 利用する Modeler と Cognos BI の機能

本章では、テキストマイニングを実装するために使用する以下の機能を製品ごとに記載します。

Modeler:

特定の期間に SNS サイトにアップロードされたテキストに対してテキストマイニングを実行し、分析対象のカテゴリを抽出してからその結果を蓄積して Cognos BI で使用できる形式で結果を出力するための機能

Cognos BI:

テキストマイニングで抽出したデータを取りこみ地図オブジェクト上に表示し、且つオンデマンドのフィルターをかけて表示するためのドリルスルーレポートを作成する機能

 

2.1. 利用する Modeler の機能

特定の期間に SNS サイトにアップロードされたテキストに対してテキストマイニングを実行し、分析対象のカテゴリを抽出してからその結果を蓄積して Cognos BI で使用できる形式で結果を出力するために以下の製品と機能を利用します。

  • 「Web フィード」ノード
  • Collaboration and Deployment
  • 「テキスト マイニング」ノード

以下に各機能の概要を記載します。

2.1.1. 「Web フィード」ノード

RSS 形式 (Web コンテンツ向けに表示化された、単純な XML ベースの形式) のテキストデータをテキスト マイニング プロセス向けに準備します。インターネット上の Web サイト上に散らばる、SNS テキストデータを分析に適した形式に変換します。

2.1.2. Collaboration and Deployment

分析結果を安全に管理できます。また適切なユーザーが自動的に、且つ定期的に (本稿では毎週月曜日) 対象となる SNS のテキストマイニングの分析結果を蓄積するようにトリガーを実行します。

2.1.3. 「テキスト マイニング」ノード

分析データから分析対象のカテゴリを抽出します。

テキスト マイニングモデル作成ノードは、言語学的手法および出現頻度に基づく手法を使用して、テキストから主要キーワードを抽出し、これらのコンセプトおよびその他のデータでカテゴリを作成します。ノードを使用して、テキスト データの内容を検討、またはコンセプト モデル ナゲットまたはカテゴリ モデル ナゲットのいずれかを作成できます。このモデル作成ノードを実行すると、内部の言語学的抽出エンジンは、自然言語処理手法を使用して、コンセプト、パターンまたはカテゴリを抽出して構成します。 これを用いて分析を行った結果のうち分析対象の自社製品に関する情報を抽出します。

 

2.2. 利用する Cognos BI の機能

Cognos BI の以下の機能を利用してテキストマイニングで抽出したデータを取りこみ地図オブジェクト上にデータを表示するドリルスルーレポートを作成します。

  • 外部データ
  • 地図レポートの作成
  • ドリルスルーレポート作成

以下に各機能の概要を記載します。

2.2.1. 外部データ

アナリストは、この機能により、Cognos BI の企業データの一部ではないデータが格納された外部ファイルを使用してレポートを作成できます。また、この機能を使用してテキストマイニングで抽出したデータのうち、条件、用途に合わせてファイルを差し替えて分析に必要なデータのみ取込むことができます。

使用できるファイル形式は以下です。本稿ではコンマ区切り (.csv) ファイルを使用します。

  • Microsoft Excel (.xls) スプレッドシート・ソフトウェア・ファイル
  • タブ区切りテキスト (.txt) ファイル
  • コンマ区切り (.csv) ファイル
  • XML (*.xml) ファイル

2.2.2. 地図レポートの作成

Report Authoring には、表形式のデータを空間的に表すために使用できる一連の地図が備わっています。この機能で、地図をレポートに挿入し、外部データ管理を使用して取り込んだデータを地図上に表示させることができるようになります。

2.2.3. ドリルスルーレポート作成

Modeler の機能には無いオンデマンドのフィルターをかけてデータを表示させるという機能を実現するため、マスターのソース・レポートからパラメータを渡し、その情報でフィルターをかけたターゲットレポートに詳細を表示させます。

ソース・レポートからターゲットに渡すデータを定義する方法として、ソース・レポートの選択コンテキストの情報とターゲットのコンテンツをシステムで一致させる方法 (動的ドリルスルー) と、ターゲット内でパラメータを定義する方法 (パラメータを使用したドリルスルー) の 2 つがあります。本稿では、レポートでドリルスルーの条件を設定されたパラメータで明示的に確認するため、パラメータを定義する方法を記載します。ソース・レポートのドリルスルー・アクセスは、Cognos Connection にてパッケージ・レベルで定義するか (「起動」、「ドリルスルー定義」)、レポート・レベルで定義します (Report Authoring) 。パッケージ内で定義する場合、ドリルスルー・アクセスを使用可能にするデータ範囲をドリルスルー定義で指定します。レポート内で定義する場合、レポート・アイテムにドリルスルー・アクセスを定義します。

3. サンプル・ケースと分析例

この章では、本稿で利用するサンプル・ケースと分析例について説明します。

架空の会社 Great Outdoors 社をモデルに作成された一連のサンプルは、製品の機能と、製品を利用する際の技術的および技術以外のビジネス的なベストプラクティスの説明を行うために、Cognos BI に含まれています。Modeler が SNS 上のテキストから収集、分析した結果を Cognos BI の外部データの機能等を使用して取り込んでレポートを作成する方法をサンプルパッケージの一つである「Great Outdoors 販売 (GO 販売 (クエリー) 」を利用して説明します (図 4) 。

 

3.1. サンプル・ケース概要

サンプル・ケースの概要は以下の通りです。

  • テキストマイニングの対象は SNS のデータ
  • Great Outdoors 社の製品一覧、売上げなどのデータはデータソースに保存されている
図 4. Modeler 及び Cognos BI の機能とサンプル・ケースの概要

3.2. 作成したレポートを使った分析例

本稿で作成する以下のレポートを組み合わせて市場の評判と関連性を見つけ出す手順を分析例としてご紹介します。

  • 製品ライン別 2013 年1Q の売り上げのレポート
  • テキストマイニングの結果を集計し地図上に表示したレポート
  • オンデマンドフィルターを使用して地域別、製品別の評判を表示したレポート
  • 製品説明のレポート

Step1: 日本における 2013 年1Q の売り上げを確認するために、Cognos BI で実行されたレポート (「日本における製品ライン別 2013 年1Q の売り上げ」) を実行しました。その結果、製品ライン中 (登山用品、キャンプ用品、ゴルフ用品、個人装備、アウトドア用保護用品)、アウトドア用保護用品が最も思わしくないと判明しました。 (図 5 、図 6)

図 5. 日本における製品ライン別 2013 年1Q の売り上げ
図 6. 日本における製品ライン別 2013 年1Q の売り上げ抜粋
製品ライン販売目標実績目標との差異
アウトドア用保護用品324,470126,354-198,116
キャンプ用品8,560,0009,733,0921,173,092
ゴルフ用品5,606,6005,484,454-122,146
個人装備2,894,1003,312,324418,224
登山用品3,506,7004,050,946544,246

Step2: Cognos BI で自社製品の評判に関するレポートを実行します。Modeler のテキストマイニング機能で SNS 上の不特定多数の文書を分析し自社製品の評判 (良い評判の総数と悪い評判の総数、その差) の集計結果を地図上に表示されます。

Step3: そのレポートでどの地域で悪い評判が多いのか (「良い評判」-「悪い評判」の結果) を確認します。レポートを実行した結果が図 7 です。「良い評判」が多いほうが青で「悪い評判が」多い場合は赤に近い色で表示されています。一番赤く表示されている「東京都」をクリックします。

図 7. 自社製品の評判の集計結果を地図上に表示した結果

Step4: 「東京都」の部分のみオンデマンドのフィルターがかけられた状態で「良い評判」、「悪い評判」だけでなく、具体的にどのような製品についてどんな評判があったのかを確認できるリストレポートが表示されます。レポートを確認すると、東京都では「デラックス家庭用救急セット」という製品に対して「だめです」「効果がありませんでした」「持ちづらくて」「残念です」と漠然とした「悪い印象」という 5 項目で悪い評価を得ていることがわかりました。また、「悪い評判」列を確認すると、「東京都」で悪い評判を得た製品の内、この「デラックス家庭用救急セット」が最も悪い評判であること (9 項目中 5 項目) がわかりました。 (図 8)

図 8. 自社製品の具体的な評判を表示したレポート (地域別のオンデマンドのフィルター有り)

Step5:「デラックス家庭用救急セット」がどの製品ラインに含まれるかを確認するため、「製品説明のレポート」を実行しました。「デラックス家庭用救急セット」は「アウトドア用保護用品」の商品であることがわかりました。 (図 9) 「アウトドア用保護用品」は全製品ライン中 (登山用品、キャンプ用品、ゴルフ用品、個人装備、アウトドア用保護用品)、日本における 2013 年1Q の売り上げ中最も思わしくないと指摘されたものだったことがわかりました。

図 9. 「製品説明のレポート」を実行した結果

Step6: この結果を製品担当者に引継ぎ、販売時の商品説明が悪いのか、製品を改善していくべきかなどのより具体的な視点で対応策を検討することにしました。この手法は、コントロールしにくい既に発生した結果から将来への対応策を考えるのではなく、コントロールが可能な特定の結果につながると想定される原因を分析し、将来の対応策の参考としようというアプローチの一例です。

4. SNS データのテキストマイニングによる解析

 

4.1. 手順の概要

この章では、前章で説明したサンプル・ケースを用いて、10 月 01 日以降に自社製品についてどのような評判がどの都道府県のキャンプ場に分布しているかを毎週月曜日に収集して、分析対象コンセプトを抽出する具体的な手順を説明します。手順の概要は以下の通りです。

4.2 章では Modeler の分析データの保存ストリームを主題として、 SNS サイトを RSS 形式で取得して「WEB フィード」ノードで公開日と分析データを取得する手順をご紹介します。

4.3 章では Collaboration and Deployment Manager のスケジュール実行を主題として、 分析を行いたい特定の期間のデータを抽出して、どういったコメントに特徴や傾向があるのかを分析するために、分析対象のデータを蓄積する方法をご紹介します。

4.4 章では Modeler の分析カテゴリの抽出を主題として、 テキストマイニングで、分析テーマに沿ったコンセプトを抽出するための辞書を作成し、分析カテゴリを抽出して Cognos BI に分析結果を渡すためのファイルを作成する方法をご紹介します。

手順の複雑な Modeler の操作について分かりにくい単語とその用途を記載します。

単語用途
コンセプトカテゴリの構築ブロック (記述子) として使用できる最も基本的なレベルの抽出結果です。
キーワードSNS 上のテキストに表示されているが、抽出したときにコンセプトにない (コンセプトとして抽出されなかった) 場合、分析するカテゴリとして使用したいものをキーワードとして Opinions 感性意見ライブラリに登録するために使用されます。本稿の例では「デラックス家庭用救急セット」をキーワードとして登録します。
類義語類義語はキーワードとその短縮形をまとめるためにもよく使用されます。類義語を使用すると、代表コンセプトの頻度が高くなり、テキスト データ内のさまざまな方法で表示される類似した情報を見つけやすくなります。
代表語抽出エンジンがすべての類義語キーワードをグループ化する基準となるキーワードです。
ライブラリいくつかの辞書で構成され、タイプのリスト、類義語リスト、不要語リストを定義、管理するために使用されます。
ライブラリの公開ライブラリで定義、管理された状態でコンセプトの抽出を行える様になります。
Opinions 感性意見 文章中に含まれる、人間の心の快適・不快を表明している部分や、その心の動きによって生じた行動を報告している部分を抽出することができます。テキストデータ中に相当する語彙が無ければ、その感性タイプは出力されません。感性のタイプは、以下の例に示すような形で出力されます。
<良い-喜び全般>
<良い-安心>
<良い-体が良い状態>

<悪い-悲しみ全般>
<悪い-不安>
<悪い-体が悪い状態>

次に、それぞれの手順の詳細を説明していきます。

 

4.2. Modeler:分析データの保存ストリーム

「Web フィード」ノードで分析対象のデータを取得する方法をご紹介します。

4.2.1. 分析対象テーマの目的にあった SNS サイトを見つけます。その際、以下の点を考慮してください。

  • Web の検索エンジンから調査したいキーワードを入力して分析目的のホームページを探す。
  • ホームページのコンテンツにブログがあることを探す。

Web でホームページを見つけるために使用するキーワードの例は「デラックス家庭用救急セット」という自社製品名などが挙げられます。

4.2.2. SNS サイトの URL を RSS 形式に変換します。「Web フィード」ノードが RSS 形式のデータを読み込むため RSS 形式に変換しなければいけません。RSS 形式に変換する方法は SNS サイトのプロバイダが提供する変換方法を使用します。 (図 5)

図 5. RSS 形式に変換する例
ブログの種類対応例
アメーバ下記アメーバ ID の部分を自分の URL や ID などに変更する。

http://rssblog.ameba.jp/アメーバ ID/rss.html

ココログブログのアドレス (URL) 後に index.rdf を追加する。
ブログのアドレス (URL) が http://example.cocolog-nifty.com/blog/の場合は以下となる。

http://example.cocolog-nifty.com/blog/index.rdf

4.2.3. Modeler のキャンバスに「Web フィード」ノードを配置する方法します。

Modeler を起動して- 「IBM SPSS Text Analytics」パレットから「Web フィード」ノードを選択し、「Web フィード」ノードを Modeler のキャンバスに配置します。次に、「Web フィード」ノードの編集ウィザードを開いて URL フィールドに RSS 形式の URL を入力します。その後、キャンバスに配置された「Web フィード」ノードをダブルクリックして「入力」タブウィザードを開き、「URL を入力または貼り付け」フィールドに RSS 形式で URL を入力します。 (図 10)

図 10. 「Web フィード」ノードの「入力」タブに RSS 形式で URL を入力した状態

「レコード」タブで URL フィールドのドロップダウンリスをクリックして「入力」タブの「URL を入力または貼り付け」フィールドに入力した RSS 形式を選択して、「OK」をクリックします。 (図 11) 入力データとする RSS 形式の数だけ、この作業を繰りかえします。

図 11. 「Web フィード」ノードの「レコード」タブで設定を行った状態

複数の SNS サイトから分析結果を集める処理を行うため、「Web フィード」ノードに「追加」ノードを接続する方法をご紹介します。

「レコード操作」パレットから「追加」ノードを選択し 、キャンパスに配置します。次に、「Web フィード」ノード上で右クリックしてメニューから「接続」を選択して「追加」ノードと接続します。 (図 12)

図 12. キャンパス上で「Web フィード」ノードと「追加」ノードを接続した状態

4.2.4. 分析結果を吐き出す先を設定する方法をご紹介します。

「エクスポートパレット」の「エクスポート」タブにある、「フラット・ファイル」ノードを選択し、同様にキャンバスに配置して「追加」ノード上で右クリックしてメニューから「接続」を選択して「フラット・ファイル」ノードと接続します。 (図 13)

図 13. キャンバス上で「追加」ノードと「フラット・ファイル」ノードを接続した状態

4.2.5. 次に、分析データを収集するファイルの設定を行います。「フラット・ファイル」ノードをダブルクリックし「エクスポート」タブで以下を設定して「OK」をクリックします。 (図 14)

  • エクスポートファイル
  • 書き込みモード
  • フィールド分離文字
図 14. 「フラット・ファイル」ノードの「エクスポート」タブで設定を行った状態

以上で分析データを取得して保存するストリームが完成しました。

次項では定期的にスケジュールを実行してテキストマイニングの結果を保存する方法をご紹介します。

 

4.3. Collaboration and Deployment Manager:スケジュール実行

Collaboration and Deployment Services にてスケジュール実行を行う設定をします。「Web フィード」ノードを使用して RSS 形式の内容を取得する場合は、最新を含むいくつかの内容しか取得できないため、定期的にスケジュール実行をして RSS 形式の内容を保存する必要があるためこの設定を行います。

4.3.1. まず、1 ストリームを Collaboration and Deployment Services に保存し、スケジュール実行をするストリームを開いてメニューから「ファイル」→「保管」→「ストリームとして保管」をクリックします。

4.3.2. 次に、起動した「リポジトリ:サーバー」 ウィザードで「リポジトリ」に Collaboration and Deployment Server をインストールしたマシンの IP アドレスを入力します。「ポート」に Collaboration and Deployment Server が使用するアプリケーションサーバーのポート番号を入力して「OK」をクリックします。 (図 15)

図 15. リポジトリ:サーバーの設定ウィザードで設定を行った状態

続いて表示される「リポジトリ:資格」ウィザードで Collaboration and Deployment Server へのログインウィザードで Collaboration and Deployment Server のユーザーID とパスワードを入力して「OK」をクリックします。 (図 16)

図 16. 「リポジトリ:資格情報」の設定ウィザードで設定を行った状態

最後に表示される「リポジトリ:格納」ウィザードで Collaboration and Deployment Server へ保存する場所を指定して、「格納」をクリックします。 (図 17)

図 17. 「リポジトリ:格納」の設定ウィザードで設定を行った状態

Deployment Manager から Collaboration and Deployment Server への接続を確立させるため Collaboration and Deployment Server のクライアントツール Deployment Manager を起動し、「ファイル」→「新規」→「コンテンツサーバー接続」をクリックしてウィザードを起動させます。「コンテンツサーバー接続の新規作成」ウィザードで「接続名」に接続サーバー名、「ホスト」に Collaboration and Deployment Server をインストールしたマシンの IP アドレスを入力します。「ポート」に Collaboration and Deployment Server が使用するアプリケーションサーバーのポート番号を入力して「終了」をクリックします。 (図 18) 設定後、「接続名」が「コンテンツエクスプローラー」に表示されることを確認してください。 (図 19)

図 18. 「コンテンツサーバー接続の新規作成」ウィザードで設定を行った状態
図 19. 「コンテンツサーバー接続」作成後のコンテンツエクスプローラーの表示

作成した Collaboration and Deployment Server へログインするため、「接続名」をダブルクリックします。「リポジトリにログイン」ウィザードが表示されるので、Collaboration and Deployment Server のユーザーID とパスワードを入力して「OK」をクリックします。

4.3.3. ログイン後、スケジュールを実行するための実行「ジョブ」を作成します。はじめに、コンテンツ リポジトリを展開してストリームを保存したフォルダへ移動し、フォルダ名の上にマウスカーソルを移動して右クリックします。次に、表示されたメニューから「新規」→「ジョブ」をクリックします。 (図 20)

図 20. 「コンテンツエクスプローラー」で「新規」→「ジョブ」を選択する手順

その後、「新しいジョブの追加」ウィザードで「名前」にジョブ名を入力して「終了」をクリックします。設定完了後、ジョブウィンドウが表示されますので、先ほど作成したジョブウィンドウに「ジョブ」として実行するストリームをドラッグ&ドロップして、ジョブを保存します。 (図 21)

図 21. ジョブを保存した状態

4.3.4. 最後にスケジュール実行の設定を行います。

前項で作成した「ジョブ」上にマウスカーソルを移動して右クリックします。表示されたメニューから「新しいスケジュール」-「時間ベース」をクリックします。 「時間ベースのスケジュール」-「ジョブ情報」ウィザードで「資格情報」を設定して「次へ」をクリックします。「時間ベースのスケジュール」-「スケジュール時刻と反復」ウィザードでスケジュールを設定して「次へ」をクリックします。 (図 22)

図 22. 「時間ベースのスケジュール」の「スケジュール時刻と反復」を設定した状態

「時間ベースのスケジュール」-「ジョブ変数」ウィザードで「終了」をクリックします。設定したスケジュールでジョブを実行します。これで作成した「ジョブ」でスケジュール実行を行わせるための処理を行えるようになりました。

次項ではスケジュールを実行して蓄積した SNS テキストの分析結果を Cognos BI Report Authoring で使用できるように加工する手順をご紹介します。

 

4.4. Modeler:分析コンセプトの抽出

テキストマイニングで抽出したデータを Cognos BI Report Authoring で使える形式で出力する手順をご紹介します。本稿の例では CSV 形式でファイルを出力する手順を記載しています。

4.4.1. 前項で取得した分析データのファイルをデータソースとして「可変長ファイル」ノードに設定するため、「ソースパレット」の「可変長ファイル」ノードを選択してキャンバスに配置します。 「可変長ファイル」ノードをダブルクリックした後、「ファイル」タブをクリックし、「ファイル」フィールドで前項にて取得したファイル設定し、「OK」をクリックします。 (図 23)

図 23. 可変長ファイルノード:入力タブ データソース設定

4.4.2. 「条件抽出」ノードで分析データを抽出するため、日付の設定を行います。「レコード操作パレット」の「条件抽出」ノードを選択してキャンバスに配置します。その後、「可変長ファイル」ノード上で右クリックしてメニューから「接続」を選択して「条件抽出」ノードと接続し、「条件抽出」ノードをダブルクリックします。次に、「式ビルダーの起動アイコン」をクリックし、表示されたウィザードで 関数リストから「to_date」関数、フィールドリストから「公開日」を選択して、分析するデータの日時を抽出する以下の式を「式ビルダー」に入力して、「OK」をクリックします。 (図 20) 「条件」フィールドに「式ビルダー」で入力された式が表示されていることを確認し「OK」をクリックします。 (図 24)

設定する式
to_date (公開日) > '2013-10-01'
図 24. 式ビルダーに式を記述した状態
図 25. 式ビルダーで式を入力した後の状態

以上の操作で「Collaboration and Deployment Services : スケジュール実行」にて取得した分析データのファイルをデータソースとして「可変長ファイル」ノードに設定することができました。

4.4.3. 次に「テキスト マイニング」ノードの設定を行います。「IBM SPSS Text Analytics」の「テキスト マイニング」ノードを選択しキャンバスに配置します。「条件抽出」ノード上で右クリックしてメニューから「接続」を選択して「テキスト マイニング」ノードと接続します。「テキスト マイニング」ノードをダブルクリックし、ウィザードを表示させ、「フィールド」タブをクリックします。「テキストフィールド」フィールドで分析するテキストデータが入力されたフィールドを選択します。 (図 26)

図 26. 「テキスト マイニング」ノードで「フィールドタブ」の「テキストフィールド」を設定した状態

次に、「モデル」タブをクリックして、以下を設定し、「OK」をクリックします。 (図 27)

設定項目名設定内容
インタラクティブに作成フィールドセッションの開始:
 抽出結果を使用してカテゴリを作成
リソースのコピー元フィールド読み込み:
 リソース テンプレート
 Opinion (Japanese) – 感性意見

テキストの言語:
 日本語
図 27. 「テキスト マイニング」ノードの「モデルタブ」で設定を行った状態

キャンバス上の「テキスト マイニング」ノードを選択して、「現在のストリームを実行」アイコンをクリックして「テキスト マイニング」ノードを実行します。抽出終了後、インタラクティブ ワークベンチが起動されコンセプトが抽出されます。 (図 28)

図 28. コンセプトが抽出された状態の「インタラクティブワークベンチ」-「説明」ウィザード

4.4.4. 次に、分析対象として使用したいカテゴリを抽出するための手順を紹介します。「抽出」ダイアログで分析対象としたいコンセプトが適切に抽出されているかコンセプトのリストを目視で確認します。 (図 29)

図 29. コンセプトが適切に抽出されているかを確認する抽出ダイアログ

分析対象としたいコンセプトを分析に適した形のコンセプトに変更したい場合、「リソースエディタ」で代表語を作成します。代表後は、2 つ以上のコンセプトを 1 つのコンセプトとしてまとめて扱うための機能です。例として本稿では「非常にいい」を代表語として設定し、「製品非常にいい」を含める方法をご紹介します。

はじめに、「インタラクティブワークベンチ」のメニューの「表示」-「リソースエディタ」をクリックして「リソースエディタ」を開きます。次に、代表語リストの空白フィールドをダブルクリックします。代表語として設定するコンセプトを入力します。 (図 30) 入力した代表語の類義語フィールドをダブルクリックします。表示されたダイアログで類義語を入力すると類義語を入力することができます。 (図 31)

図 31. 代表語ダイアログで代表語を入力した後の状態
図 32. 代表語ダイアログ 類義語を入力後の表示

その後、「インタラクティブワークベンチ」のメニューの「表示」-「カテゴリとコンセプト」をクリックします。代表語を設定後は抽出ダイアログのコンセプトリストが反転しています。 (図 33) これは設定した代表語をコンセプトとして抽出するには再度、抽出を行う必要があるためです。抽出ボタンをクリックして再度抽出を行います。

図 33. 抽出ダイアログで代表語設定後コンセプトリストが反転している状態

分析対象としたコンセプトが抽出されたコンセプトのリストにない場合には、その分析対象としたいコンセプトを辞書登録して再度コンセプトの抽出を実行します。再抽出後、抽出ダイアログのコンセプトリストに作成した代表語 (本稿では「非常にいい」) がコンセプトとして出力されたことを確認します。 (図 34) 同様に悪い評判についても代表語を作成します。

図 34. 「抽出」ダイアログで再抽出を実行した後の状態

4.4.5. 分析対象の文章中にあるコンセプトで初回実行の抽出ダイアログのコンセプトリストに出力されなかったが、再抽出後にコンセプトに出力されたコンセプトがある場合、そのコンセプトを分析対象として使用できるようにリソースエディタで「Opinions 感性意見」 にキーワードとして登録し、次に分析対象とするコンセプトをすべて「新規カテゴリ」として追加します。本稿の例では「デラックス家庭用救急セット」をコンセプトとして使用できるように「新規カテゴリ」としてキーワードに登録する例をご紹介しています。まずは、「インタラクティブワークベンチ」のメニューの「表示」-「リソースエディタ」をクリックします。次にキーワードの空白行をダブルクリックして、コンセプトとして入力するキーワードを入力します。 (図 35)

図 35. 「Opinions 感性意見」ダイアログでキーワードを入力した状態

その後、ライブラリをカテゴリとして抽出されるようにするため、公開します。「Opinions 感性意見」の上にマウスカーソルを移動して右クリックし、表示されたメニューから「ライブラリを公開」をクリックします。Opinions 感性意見 キーワード登録後に「ライブラリを公開」ウィザードで「公開」クリックしてライブラリを公開します。 (図 36)

図 36. ライブラリを公開

次に、「インタラクティブワークベンチ」のメニューの「表示」-「カテゴリとコンセプト」をクリックします。ライブラリ公開後、「Opinions 感性意見」に登録したキーワード (本稿の例では「デラックス家庭用救急セット」) をコンセプトして出力するため抽出ダイアログで再抽出を行います。 (図 37)

図 37. 「抽出」ダイアログで再抽出を実行し、作成した「デラックス家庭用救急セット」が表示された状態

コンセプトリストにはないが、分析に必要なコンテンツすべてを代表語の作成または「Opinion 感性意見」 の処理を行うことでキーワードとして登録し、コンセプトとして出力します。この操作を分析対象とするコンセプトがすべて揃うまで実施します。最後に、分析対象とするコンセプトを抽出ダイアログのコンセプトリストで選択し、カテゴリダイアログにカテゴリとして登録します。選択したカテゴリ上にマウスカーソルを移動し右クリックし (図 38) 表示されたメニューから「カテゴリに追加」をクリックします。表示された「すべてのカテゴリ」ウィザードで「カテゴリを新規作成」をクリックし、で「OK」をクリックします。するとカテゴリダイアログに新規作成したカテゴリが表示されます。 (図 39) 本稿では「デラックス家庭用救急セット」をカテゴリに追加するため「新規カテゴリ」として登録します。分析対象とするコンセプトを同じようにすべて「新規カテゴリ」として追加します。

図 38. 「抽出」ダイアログでカテゴリとして新規登録するコンセプトを選択した状態
図 39. 「カテゴリ」ダイアログで新規作成されたカテゴリが表示時された状態

4.4.6. カテゴリとして登録したコンセプトで分析を行うためモデル生成ボタンをクリックして「テキスト マイニングモデル」を作成します。すると、「モデルパレット」に「テキスト マイニングナゲット」が作成されます。 (図 40)

図 40. 「テキストマイニング ナゲット」が作成された状態

「テキスト マイニングナゲット」をキャンバスに配置してストリームに接続します。「テキスト マイニングナゲット」をダブルクリックして「設定」タブを開き、「真の値」を 1、「偽の値」を 0 に変更し、「OK」をクリックします。 (図 41)

図 41. 「テキストマイニング ナゲット」の「設定」タブで設定を行った状態

分析結果を Cognos BI Report Authoring で処理しやすい形で引き渡すための編集を行います。はじめに、分析対象データで抽出された製品名を製品フィールドに設定します。その後「フィールド操作」パレットの「フィールド作成」ノードを選択し、キャンバスに配置して「テキスト マイニングナゲット」と接続します。次に、Cognos BI から出力した「製品説明のレポート」 (自社製品名の一覧) を元に、分析対象データで抽出された製品名を「製品」フィールドに設定します。たとえば、アウトドア用保護用品の「デラックス家庭用救急セット」という製品名を「製品」フィールドに追加するためには以下の条件を指定します。分析に必要な全ての製品を追加するまでこの設定を繰り返します。 (図 42)

フィールドの設定値この条件が満たされている場合
デラックス家庭用救急セットデラックス家庭用救急セット=1
図 42. 「フィールド作成ノード」の「設定」タブで製品名を全て設定した状態

その後、キャンプ場の所在地を結合するため、「ソースパレット」の「可変長ファイル」ノードを選択し、キャンバスに配置します。本稿では「都道府県名」の一覧データを設定することにします。次に「レコード操作」パレットの「結合ノード」タブを選択しキャンバスに配置して、ストリームに接続します。同じように手入力で作成した「県庁所在地」の一覧データをキャンバスに配置し、結合します。次に、フィールド名をソートするため「フィールド操作」パレットの「フィールドの並べ替えノード」を選択します。「フィールドの並べ替えノード」をキャンバスに配置し、ストリームに接続します。 (図 43)

図 44. 「フィールドの並べ替え」ノードを配置した状態

4.4.7. Cognos BI Report Authoring 用にファイルをエクスポートするための手順を記載します。 まず、「エクスポート」パレットの「フラット・ファイル」ノードを選択します。次にテキスト マイニングナゲットで出力されるカテゴリデータと県名データ、県庁所在地データを結合して Cognos BI Report Authoring で使用するデータ (CSV 形式) を作成します。その後、「フラット・ファイル」ノードをキャンバスに配置し、ストリームに接続します。 (図 45) 本稿では、モデルを変更せずに簡易にデータソースを入れ替えることを目的として Cognos BI 側で外部データの機能を使用しているため「フラット・ファイル」ノードを使用して CSV でファイルを作成しています。特定のモデルで特定のデータソースに対して分析を行う場合は、データソースの管理を簡便にすることを目的として「データベース」ノードを使用してデータベースにデータを書き込まれることをお勧めします。

図 45. 「フラット・ファイル」ノードを配置した状態

「フラット・ファイル」ノードをダブルクリックして開きファイルを保存します。

5. SNS テキストマイニングの分析結果を表示するための手順

 

5.1. 手順の概要

この章では、前章で説明したサンプル・ケースを用いて、Modeler から取り込んだデータを元にした地図オブジェクトを含むドリルスルーレポートの作成手順をご説明します。

このようなレポートを作成すると、自社製品に対する評判の集計を都道府県別に地図にマッピングして表示し、ドリルスルー機能を使用してどの製品に対してどのような評判があるかをオンデマンドのフィルターがかかった状態で表示することができます。

5.2 章では外部データの機能を使用して Modeler で作成したデータを Cognos BI に取込むことを主題として、データソース接続定義や Framework Manager でモデルを編集せずともレポートに取込むことができる「外部データ」の機能を使用して Modeler から出力された CSV ファイルを最小限の工数で簡単に取込む方法をご紹介します。

5.3 章では地図オブジェクトに取り込んだデータを表示させるレポートを作成することを主題として、Report Authoring でレポートを作成し、Modeler から出力した分析結果を地図上に表示させる方法をご紹介します。

5.4 章ではドリルスルーレポートを作成することを主題として、ビジネス上の判断をすばやく行うために視認性の高い図 (本稿では日本地図) でデータを表示し、詳細なデータを分析する必要が生じた時点でオンデマンドのフィルターをかけて必要な情報だけを表示させる方法をご紹介します。

 

5.2. 外部データの機能を使用して Modeler で作成したデータを Cognos BI に取込む

5.2.1. Report Authoring でレポートを表示させ、「ソース」タブ の上部にある「外部データを管理」ボタンをクリックします。

5.2.2. ウィザードの「データの選択」ページの「外部データ・ファイル」で、「参照」をクリックして、Modeler から出力したファイルを設定します。レポートを実行したときにプロンプトを表示せずにサーバーでファイルをロードしたいため、「ファイルの自動ロードをサーバーに許可する」のチェック・ボックスにチェックを入れます。このチェックを入れる場合には、Universal Naming Convention (UNC) パスを使用し、 Cognos BI サーバーがロードしたいファイルにアクセスできるようにする必要があります。 (図 46)

図 46. レポートを実行したときにプロンプトを表示せずにサーバーでファイルをロードするための外部データ・ファイルの設定例

5.2.3. ウィザードの「データ・アイテム」でレポートに取り込みたいアイテムにチェックを入れます。本稿では、県名、県庁所在地、キャンプ場、text (SNS 上のテキスト)、製品、コンセプト (例 「おすすめします」など) にチェックを入れます。 (図 47)

図 47. 外部データで取り込みたい要素を選ぶ方法

5.2.4. ウィザードの「データ・マッピング」ページの「既存のクエリー・サブジェクト/レポート」で Modeler から取得した外部データ (以下 外部データ) と紐付けたい既存レポートを設定します。データをロードするためには、既存のレポートやパッケージに含まれている 1 つ以上のクエリー・サブジェクトを外部データ内のデータ・アイテムに連結する必要があるので、データをロードするためには、既存のレポートやパッケージに含まれている 1 つ以上のクエリー・サブジェクトを外部データ内のデータ・アイテムに連結する必要があります。このマップにより外部データと既存レポートの間に関係が作成されます。本稿では、「県名」と「都道府県または州 (当該国表示) 」を選択し、「リンクを新規作成」をクリックします。 (図 48) 後はデフォルトの設定を使用するため「終了」を押します。

図 48. 外部データと既存レポートの間に関係を作成する方法

ここで既存レポートを選択した場合、データ・アイテムが Query に入っているだけではなく、リストなどのレポート上のオブジェクトで使用されていなければ外部データとの間に関係を作成できません。オブジェクト上に表示したくない場合には、画面左下のプロパティの「ボックスのタイプ」で「なし」を選んでください。 (図 49)

図 49. オブジェクトの表示上、不要なデータ・アイテムを非表示にする方法

表示されたウィンドウで「発行」を押し、外部データを使用するためのパッケージを発行します。発行されるパッケージに関する説明がポップアップで表示されますので「OK」を押してください。

5.2.5. 発行処理が終わると、「ソース」に Modeler からデータがロードされレポートで使用できるようになります。 (図 50)

図 50. Modeler からデータがロードされ、レポートで使用できるようになった状態

5.3. 地図オブジェクトに取り込んだデータを表示させるレポートを作成する

Modeler からロードしたデータのうち、コンセプトを良い評判、悪い評判に分け、悪い評判のみ日本地図に出す操作を説明します。

5.3.1. Report Authoring でレポートを表示させ、「ツールボックス」タブから「地図」をレポートにドラッグ・アンド・ドロップして挿入します。

5.3.2. 表示された地図ウィザードで「地図」に「日本」、「地域レイヤー」に「都道府県」を選択します。 (図 51)

図 51. 地図ウィザードで日本地図を表示させるための設定

5.3.3. コンセプトを悪い評判、良い評判に分け、「悪い評判」、「良い評判」、「良い評判-悪い評判」 (良い評判から悪い評判を引いた差) をそれぞれレポートで表示させるためのデータ・アイテムを作成します。「クエリー・エクスプローラー」で「地図」を管理するクエリーを開き、「ツールボックス」タブから「データ・アイテム」を「データ・アイテム」欄にドラッグ・アンド・ドロップして挿入します。「使用できるコンポーネント」欄から悪い評判のデータ・アイテムのみ「式の定義」に移動させ、「+」でつなぎます。本稿での設定内容は、以下です。 (図 52)

図 52. 悪い評判の複数のコンポーネントを 1 つのデータ・アイテムとしてまとめて表示するための式の定義

5.3.4. プロパティで作成したデータ・アイテムの名称を分かりやすいものに (例 悪い評判) 変更し、レポート上に値を表示する際の集計方法を選択します。今回は、悪い評判の個数を集計したいので画面下のデータ・アイテムのプロパティにて、自動集計関数を「個数」に設定します。 (図 53)

図 53. データ・アイテムのプロパティにて集計関数を設定する方法

5.3.5. 同様に、「良い評判」、「良い評判-悪い評判」を表示させるためのデータ・アイテムを作成します。式の定義はそれぞれ以下のようになります。 (図 54、図 55) 「良い評判-悪い評判」で設定している様に、式の定義に挿入するアイテムは「ソース」タブ内のアイテムだけでなく、クエリー内の既存のデータ・アイテムを使用することもできます。

図 54. データ・アイテム:「良い評判」の設定例 (「ソース」タブから必要なアイテムを式の定義に挿入する)
図 55. データ・アイテム:「良い評判-悪い評判」の設定例 (「データ・アイテム」タブから必要なアイテムを式の定義に挿入する)

5.3.6. 「地図」に作成したデータ・アイテムを表示させるための設定を行うため、「ページ・エクスプローラー」にてレポートの編集ページに戻ります。以下のように設定します。

設定項目用途
「サイズ」地域の数値データ:
地図上の場所に色をつけるための条件で使用する数値データを挿入する
「場所」地図上の場所:
「地図」オブジェクトが持つ地点名と関連させて表示させるデータ・アイテムを挿入する。 国名、都道府県名、県庁所在地名の一覧が設定されることが多い
設定項目本稿で挿入するデータ・アイテム
「色」「良い評判-悪い評判」
「場所」「県名」

見易さを変更するために、適宜プロパティで設定を以下のように変更してください。本稿の例では下記のプロパティを変更しています。

設定項目変更したプロパティ
「地図」「サイズ及びオーバーフロー」
「地域レイヤー」色と背景>「パレット」

5.3.7. 地図上では「良い評判-悪い評判」のデータ・アイテムを使用して良い評判と悪い評判の差を表示する際、計算結果で「良い評判」が多いほうが青で「悪い評判が」多い場合は赤に近い色で表示するようにされています。 (図 56) 次項では、これらの県で、具体的に製品に対してどのような悪い評判が多いのかを分析するため、地図レポートをクリックすることで、必要な詳細データのみを表示させるレポートを作成する方法をご紹介します。

図 56. HTML 形式でレポートを実行した結果

5.3.8. また、以下のように「サイズ」とそれに対応する「場所」も指定すれば「悪い評判」が多い県の県庁所在地にはより大きな●が表示されるようになります。それを見ると東京と福岡が「良い評判-悪い評判」の結果で「悪い評判」が多く (県が赤く塗られている) 県庁所在地に表示されている●も最も大きく表示されています。 (図 57)

設定項目用途
「サイズ」地域の数値データ:
地図上の場所に色をつけるための条件で使用する数値データを挿入する
「場所」地図上の場所:
「地図」オブジェクトが持つ地点名と関連させて表示させるデータ・アイテムを挿入する。 国名、都道府県名、県庁所在地名の一覧が設定されることが多い
設定項目変更したプロパティ
「サイズ」「悪い評判」
「場所」「県庁所在地」
設定項目本稿で挿入するデータ・アイテム
「地点レイヤー」
  • グラフのラベル>「値」 → 「表示」に設定
  • 色と背景>「塗りつぶし効果」
「サイズ」
  • 全般>「サイズの下限 (pt)
  • 全般>サイズの上限 (pt)
図 57. 作成した「地図」オブジェクトに「サイズ」を挿入したレポートの実行結果

5.4. ドリルスルーレポートを作成する

地図レポートではどの地域の傾向の概要を一目で把握できるように、各地域の具体的に製品に対してどのような悪い評判が多いのかは表示されていません。分析を行いたい地域を特定した後、その地域での製品に対する評判の詳細を分析するため、地図レポートをクリックすることで、必要な詳細データのみを表示させるレポートを作成する方法をご紹介します。

5.4.1. Report Authoring でレポートを新規作成し、「ツールボックス」から「リスト」をレポートに追加します。

5.4.2. 「ソース」タブからリストに以下のデータ・アイテムを挿入し、前項を参考にして「悪い評判」のデータ・アイテムも手動で作成し挿入します。 (図 58)

図 58. 必要なデータ・アイテムを挿入したリスト

5.4.3. 「県名」と「県庁所在地」をハイライトして画面上部の「グループ化」を押します。この作業でレポートを表示したとき、リストが「県名」と「県庁所在地」で集約されて表示されます。リスト上に「グループ化」が行われた部分にはアイコンが表示されます。 (図 59)

図 59. 「グループ化」が行われたリスト

5.4.4. 「クエリー・エクスプローラー」でリストにて使用しているクエリーを開き、「ツールボックス」から「フィルター」を「詳細フィルター」欄に入れます。表示されたウィンドウの式の定義に「県名」を設定し、プロンプトでレポート実行時に好きな県を選んで表示させるフィルターを追加します。 (図 60)

図 60. プロンプトの式の定義

5.4.5. 先ほど作成した地図レポートを Report Authoring で開き、「地図」オブジェクトを右クリックして「ドリルスルー定義」を選択します。

5.4.6. 表示されたウィザードで「新規作成」を選び「レポート」に先ほど作成したリストレポートを設定します。「パラメータ」欄の下にある「詳細」アイコンを押すと先ほど作成したパラメータがロードされ、表示されるので、「方法」に「データ・アイテムの値を渡す」、「値」に「県名」を設定して他はデフォルトの設定のまま (図 61) パラメータとドリルスルー定義のウィザードにて「OK」を押してください。

図 61. ロードされたリストレポートのパラメータ

5.4.7. 地図レポートを実行し、表示されたレポートで「東京」をダブルクリックすると先ほど作成したリストレポートで「東京」の部分のみオンデマンドのフィルターがかけられた状態で表示されます。 (図 62) これは、Modeler の表示機能だけでは実現できず、Cognos BI のレポーティング機能と併用することで初めて実現できる機能です。

図 62. 「東京」のデータだけが表示されたリストレポート

5.4.8. さらに表を分かりやすくするために本項で説明したドリルスルーの機能を使って、「デラックス家庭用救急セット」からオンデマンドのフィルターがかかった状態の「製品ライン」や「製品タイプ」、「製品画像」が表示される製品説明のレポート (図 63) を表示させることも可能です。

図 63. デラックス家庭用救急セットの商品詳細

6. 注意事項

本稿記載の際にはサンプル・ケースを利用しているため、比較的少ないデータ量でテストを行っております。フィルターの設定方法によってはレポート表示の際にパフォーマンスが悪化する可能性もあります。

7. 終わりに

Modeler と Cognos BI を使用した SNS テキストマイニングの実行および地図オブジェクト上にオンデマンドのフィルターをかけて限定した情報を表示させるレポートの作成方法をご紹介しました。これにより、「SNS テキストマイニングの負荷低減」、と必要な情報だけを表示できる「オンデマンドのフィルターの実装」と地図を使用した「分かりやすいレポートの実現」が図られます。

また、企業体などで、職位や職種ごとの役割に応じて情報にセキュリティーをかけることをロール・ベース・セキュリティーと言います。Cognos BI でこの技術を利用すれば、異なるユーザーの職種や役割に合わせて表示する情報をコントロールし、異なるユーザーの職種や役割に合わせて表示する情報をコントロールすることもできます。詳細は Developer Works のロール・ベース・セキュリティーを使用したダイナミックレポーティングの概念に関して「ロール・ベース・セキュリティーを使用したダイナミックレポーティングの概念に関して」 をご参照ください。

なお、Modeler 以降及び Cognos BI 10 以降、また、Cognos BI のコンポーネントを含む Cognos Express10 以降において本稿の内容は有効です。


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ArticleTitle=Modeler と Cognos BI を連携してテキストマイニングの手法で SNS から事業に役立つ知見を導出するための手法
publish-date=12242013